不正競争防止法2条1項1号の裁判例をよむ

個人的興味からのランダムピックアップ裁判例 その91

 本日も、製造業者・販売業者の関係にあった当事者の紛争事例を見ていきます。

 本裁判例は、LEX/DB(文献番号28052276)より引用。形式的な修正追加あり(「」等で明示ない箇所もあります)。

 

  東京地裁平22・ 4・23〔樹液シート事件〕平21(ワ)16809

本訴原告(反訴被告)株式会社クジラ(以下「原告)
本訴被告(反訴原告)株式会社中村(以下「被告会社」) 
本訴被告 A(以下「被告A」)

 

■事案の概要等 

 本訴事件は、本訴被告(反訴原告会社)(以下「被告会社」)及び本訴被告A(以下「被告A」)が、本訴原告(反訴被告。以下「原告」)の商品等表示として周知性を有する本件標章を付した商品「樹液シート」を共同で販売したことが主位的には不正競争防止法2条1項1号に、予備的には民法上の一般不法行為に該当するとして、原告が、被告らに対し、連帯して不正競争防止法4条(予備的に民法719条1項に基づく損害賠償請求等求め、また、不正競争防止法14条に基づく信用回復措置として、インターネットモール(楽天モール)上の原告店舗(元気健康本舗genki21)のホームページに謝罪広告を掲載することを求めた事案です。

◆前提となる事実
(1)当事者
・原告は,インターネットでの広告業務等を目的とする。昭和62年5月15日設立。
・被告会社は,健康関連商品の開発,製造,販売等を目的とし、商品を自社ブランドで販売するほか,他社にOEM(Original Equipment Manufacturing)供給している。昭和59年11月9日設立。

・被告Aは,肩書地において「竹工房華炭」という屋号で竹酢液関連商品の製造,販売を行っている。

(2)原告は,平成13年1月30日ころ,インターネットモールの一つである楽天市場にインターネット店舗「元気健康本舗genki21」(http://www.rakuten.ne.jp/gold/genki21/)を立ち上げ,同年4月ころから,同店舗(以下「原告店舗」)において,樹液シート(粉末の竹酢,木酢等をシートで包み,貼り付けた部分から老廃物である体液を吸い出す健康シート…。)の販売をしていたが,遅くとも平成14年初めころから,上記樹液シートに本件標章を付して販売するようになった。上記樹液シートは、被告会社が製造し,これを購入した有限会社名翔(以下「名翔」)が袋詰め等して有限会社ロータスAki(以下「ロータスAki」)に卸したものを原告が仕入れていた。(名翔及びロータスAkiが原告の代理店か否か争いがある。)
・原告は,平成19年11月までに,上記樹液シートの供給元(OEM供給元)を被告会社とは別の製造業者に変更した。
・被告Aは,平成19年10月ころまでに,楽天市場オークション,ヤフーオークション…等に「樹液ドットコム」というインターネット商店を出店し,被告会社の委託を受けて,本件標章を付した樹液シート(…原告がOEM供給元を被告会社とは別の製造業者に変更し、被告会社の元に残った在庫品)を廉価で販売するようになったが(以下,この販売を「本件販売」)、平成20年4月ころ,上記出店を削除。

 

■当裁判所の判断

(下線・太字・着色筆者)

Ⅰ.争点(1)(本件標章は被告会社にとって「他人の」商品等表示か〔本訴〕)について
 裁判所は以下のように認定し、判断しました。
 「被告らは,本件標章の付された樹液シート(以下「本件樹液シート」)」は、この種商品の専門家である被告会社が幾多の投資,研究を重ねて考案した実用新案権…を実施して製造し」、その包装紙のデザインも担当するなどして、本件標章に対する顧客の信頼や顧客吸引力を主体的に形成してきた…から,本件標章は被告会社にとって「他人の」商品等表示であるとはいえない旨主張する」のに対し、裁判所は以「不正競争防止法2条1項1号は,自己の商品,営業を他人の商品,営業と誤認混同させる行為,すなわち商品主体,営業主体の混同を生じさせる行為を「不正競争」として規制するもので」、「当該商品の製造に用いられた技術やアイディア等を保護するものではな」く、「被告会社がその実用新案権や専門知識を駆使して本件樹液シートを製造し…被告会社の有する技術が本件樹液シートに具現化され…ても,それだけで本件標章が被告会社の商品等を表示する標章とな」らない。同号における「他人」とは,商品等表示の主体として,当該商品の製造,販売等の業務に主体的に関与する者を指称するものであり,当該表示を付した商品の品質等を管理し,販売価格や販売数量を自ら決定する者がこれに該当する」。

 「本件において,自己の判断と責任において本件標章の付された商品を市場に置き,消費者の間において本件標章に化体された信用の主体として認識され得る立場にあったのは原告である」。「他方,被告会社は,名翔からの注文に応じて本件標章の付された樹液シート(袋詰めされる前の半製品)を製造し,これを名翔に卸売りしていたにすぎない」。本件標章が被告会社の出所であることを需要者に認識させるような態様で使用されていたとは認められないから,被告会社にとって,本件標章は「他人の」標章に当たる」。「被告らは,東京高等裁判所平成16年(ネ)第2000号平成17年3月16日判決(アザレ事件判決)について言及するが、同判決は、ある商品等表示について周知性を獲得した企業グループが分裂し、その後、同グループ内のある事業者が当該商品等表示を使用したという事案に関するもので,本件とは前提となる事実関係を全く異にしている」。


Ⅱ.争点(2)(本件標章は原告の商品等表示として需要者の間に広く認識されていたか〔本訴〕)
(1)原告は、①「原告店舗における本件樹液シートの販売額及びそのランキング」、②「原告店舗へのアクセス数」、③「インターネット検索サイトにおける原告店舗の検索結果」、④「雑誌等における原告店舗の紹介状況」等を理由として,「本件販売当時,本件標章が原告の商品等表示として需要者の間に広く認識されていた旨主張する」のに対し、裁判所は、以下のように認定し判断しました。なお「本件販売はインターネット上の日本語のオークションサイト(楽天市場オークション,ヤフーオークション,ビッダーズオークション)で行われ」、「日本全国の需要者を販売対象とし」、「本件販売が…1号所定の不正競争に該当するというためには,基本的に,本件標章が全国的に周知であったこと…を必要とする…と解」され」、これを前提に以下判断しました。
(2)裁判所は「仮に,原告店舗において販売されていた商品のすべてに本件標章が付されていたとしても,インターネット通販の市場規模は,平成20年度において8兆円を超え,コンビニエンスストア(約7兆9000億円),百貨店(約7兆2000億円)をも上回」り、「原告店舗の総売上高が本件標章に周知性を獲得させるほど高いもの」と即断できない。

 本件樹液シートの売上げランキングも「楽天市場の「共同購入」という販売形態…において,多数の商品群のうちの「フットケア用品」というジャンル(なお,「ダイエット・健康・介護」>「健康用品」>「リラックス用品」>「フットケア用品」という階層関係にあり,当然のことながら,下の階層に行けば行くほど,該当する商品数は大きく絞り込まれることになる。)の中で1位になったというにすぎ」ず、「その結果を過大に評価することは相当ではない」。「現に,被告会社は,本件樹液シートと同種の製品を自社ブランドでも販売し…その売上高は年間4億円から5億円超にも達し」、「本件樹液シートについて,本件標章の周知性を基礎づけるほどの売上げがあった」と認められない。
(3)「次に…アクセス数の多寡が本件標章の周知性と直結するとは必ずしもいい難い上,楽天の会員数が5000万人を超え,その出店数も10万を超える状況…を前提とすれば,原告店舗に上記のような数のアクセスがあっ」ても,「本件標章の周知性を基礎づけるには足りない」。
(4)「原告は,平成19年8月ころ,Yahoo!及びGoogleにおいて「樹液シート」又は「樹液シート 格安」による検索をしたところ,原告店舗が最上位に表示された」旨の主張をするが,「検索サイトにおける検索結果の順位は,検索用語として何を設定するかによって大きく変動し得る」。「実際,「樹液シート 格安」に代えて,「樹液シート 激安」,「樹液シート デトックス」,「足裏 樹液シート」などの用語で検索すると,原告店舗は最上位には表示されない」。…等
(5)「原告は,原告店舗が複数の雑誌の記事…で紹介されたほか、平成15年3月18日の静岡新聞に掲載されたNTT西日本の全面広告(甲19)中の掲載4企業の一つとして紹介された点を指摘する」。しかし「本件標章を付した樹液シートないしその包装の写真が掲載されているが…かろうじて認識し得るにすぎない」。「…そして,原告店舗を紹介した雑誌等(なお,本件全証拠によっても,その発行部数等は明らかでない。)の記事は,…7点にほぼ限られる上,そのうちの半数弱…は,原告自身が広告料を支払って掲載したにすぎない」。これらの記事の掲載をもって「本件標章の周知性を基礎づけることはできない」。 
(6)「その他…本件販売当時,本件標章が原告の商品等表示として周知であったことを認めるに足りない」。
 

Ⅲ.争点(3)(本件販売について不正競争の成否〔本訴主位的請求〕)
 裁判所は、以上、「本件販売当時,本件標章が原告の商品等表示として周知であったことを認めることはできないから,その余の点について判断するまでもなく,原告の不正競争防止法に基づく損害賠償請求(主位的請求)は理由がないと判断しました。


Ⅳ.争点(4)(本件販売について一般不法行為の成否〔本訴予備的請求〕)
(1)「被告らは…原告の代理店(代理人)であった名翔又はロータスAkiが承諾していた旨の主張をする」のに対し、裁判所は「…原告を代理する権限を有するものとして主張する趣旨と解され」るところ、「名翔又はロータスAkiが原告を代理する権限を有するためには,その代理権を取得するための原因(代理権授与行為)が必要であるが,被告らはその原因となる事実を主張,立証」せず、「特に,本件販売は,定型的に行われる通常の取引行為とは異なり,被告会社との直接又は間接の取引関係(OEM供給関係)をどのように終了させ,清算するかという,原告にとって重要な経営判断を伴うものなのであるから,その承諾の効果が原告に帰属するためには,原告から代理店に対する特別の授権があってしかるべきである」。しかし、「名翔又はロータスAkiが原告からどのような事項についてどのような範囲で代理権等の権限を授与されていたの…立証はない」。「仮に名翔又はロータスAkiが本件販売について承諾をしたとしても,その効果が原告に帰属するものということはでき」ない。
 なお「原告は,訴状において「原告が被告会社から本件樹液シートのOEM供給を受けてきた」という趣旨の主張をしているが,その趣旨は多義的に解釈でき…名翔及びロータスAkiの代理権の存在を前提として,原告と被告会社との間の直接の契約関係(本件基本契約)の成立を先行して自白したものとは解されない」。「むしろ…原告は,名翔及びロータスAkiが原告の代理店であることや,原告と被告会社との間で本件基本契約が成立したことを争っていることが明らか」である。
(29本件販売は「被告Aが,平成19年10月ころまでに,楽天市場オークション,ヤフーオークション」等に「「樹液ドットコム」というインターネット商店を出店し,被告会社の委託を受けて,本件標章を付した樹液シート(原告がOEM供給元を被告会社とは別の製造業者に変更したことによって,被告会社の元に残った在庫品)を廉価で販売した」もので、「本件標章に化体された信用の主体として認識され得る立場にあったのは原告であり,他方,被告会社は,名翔からの注文に応じて本件標章の付された樹液シート(袋詰めされる前の半製品)を製造し,これを名翔に卸売りしていたにすぎないもので,被告会社にとって,本件標章は「他人の」標章に当たる」。そうすると,被告らによる本件販売は,OEM供給先である原告の信用が化体された本件標章が付された樹液シート在庫品の残りを被告らが原告に無断で販売したというもので,OEM商品の横流しともいうべき行為であり,公正な競業秩序を破壊する著しく不公正な行為と評価できるから,民法上の一般不法行為(共同不法行為)を構成するものと認めるのが相当である。「したがって,被告らは,これによって発生した原告の損害を賠償する責任がある」。


Ⅴ.争点(5)(原告による債務不履行・不法行為の成否〔反訴〕)
(1)「本件樹液シートのOEM供給に関する基本契約(本件基本契約)が成立し…同契約関係を維持するためには,被告会社において,常に相当量の在庫を確保しておく必要があ」り、「同契約関係の終了時に…反対の合意がない限り,在庫保有者による処分を容認する旨の黙示の合意があった旨,あるいは名翔及びロータスAkiから本件販売について承諾を得た旨の主張をする」ところ、裁判所は以下のように認定し判断しました。

 「本件樹液シートは,被告会社が製造し,これを購入した名翔が袋詰め等してロータスAkiに卸したものを原告が仕入れていたものであるが,被告会社は,名翔名義での注文を受けて製造した樹液シートを名翔に納品し,他方,名翔は,被告会社に対し,名翔の名義と計算でその代金を支払」い、「このような取引関係は,名翔とロータスAkiとの間,ロータスAkiと原告との間でも同様であったと認められ」、「被告会社,名翔,ロータスAki及び原告は,いずれも独立した経済主体(商人)として上記一連の取引に関与していた」。「名翔又はロータスAkiが原告から代理権等の権限を授与されていたと認めることができない」ず、「名翔又はロータスAkiの取引の法的効果が原告に直接帰属」しないから、「原告と被告会社との間に直接の契約関係(本件基本契約)が存在するとは認められない」。「したがって,同契約の存在を前提とする被告らの上記主張(在庫処分を容認する旨の黙示の合意)は理由がない」。「名翔及びロータスAkiから本件販売について承諾を得たとしても,その法的効果が原告に及ばない」。「本件販売について,被告会社の主張する原告の合意ないし承諾があったとは認められない」。


Ⅵ.争点(6)(原告による本訴請求は,権利の濫用に該当するか〔本訴〕)
 裁判所は、「被告らは…OEM商品供給契約においては,原告の承諾の有無にかかわらず,信義則上,一定限度において在庫品を処分することが許容されていると解すべきで…本件販売が不正競争又は不法行為に当たるとして損害賠償請求することは権利の濫用として許されない旨の主張をする」が、「本件基本契約の成立が認められ」ず,「原告による本訴請求が権利の濫用と目されるような事情は認められないから,被告らの主張は理由がない」と判断しました。


Ⅶ.争点(7)ア(原告の損害〔本訴〕)
(1)原告店舗の信用毀損による損害 80万円

 裁判所は、以下のように認定し判断しました。
「…被告らは,不法行為による損害賠償として,上記信用毀損により原告に発生した損害を賠償する責任があるところ,被告らによる本件販売の態様や期間,その他,本件に現れた一切の事情を考慮すれば,上記信用毀損による原告の損害は,80万円と評価するのが相当である」。(以下省略)
(2)販売減少による損害 45万円
ア 原告は,平成19年10月から平成20年3月までの本件樹液シートの販売額の減少(前年同期比で455万8170円)は「本件樹液シートの販売額が減少した原因を本件販売行為にのみ求めることはできないのであって,原告による損害の算定は失当である」。ところで,被告らによる本件樹液シートの販売額,販売数量は必ずしも明らかではないが,被告A自身,その開設したインターネット商店(樹液ドットコムと称するオークションサイト)において,本件樹液シートを6万枚以上販売したことを自認しているのであるから…控え目にみても,被告らによる本件販売がなければ,被告らの販売した樹液シートのうち少なくとも2万枚程度は,原告店舗における売上げを減少させたのではないかと推認される。…本件販売による原告の損害(販売減少による損害)額は,次式のとおり,45万円となる。 50円/枚×20,000枚×0.45=450,000円」
イ 「原告は,被告らによる本件販売(不法行為)の終了後についても,売上げの回復には1年間(平成21年3月末まで)を要するとして,その間の販売減少に基づく損害についても賠償されるべきであると主張するが,…本件樹液シートの売上げは,景気の動向や市況(商品の流行状況)等によっても大きく左右され…その売上高の減少が本件販売に起因することについて,十分な立証がないというべきである。したがって,原告の上記主張は採用することができない」。

(以下省略) 
 

Ⅷ.争点(8)(信用回復措置の要否〔本訴〕)
 「本件標章が原告の商品等表示として周知のものであったとまでは認められず,本件販売が不正競争防止法2条1項1号所定の不正競争に該当するとは認められない以上,同法14条に基づく信用回復措置の請求についても理由がない」。


■結論
 裁判所は、「以上によれば、原告の本訴請求は,主文第1項の限度で理由があるからその限度で認容するが,その余は理由がないからこれを棄却することとし,被告会社の反訴請求は,いずれも理由がないからこれを棄却する」等と判断しました。

 

■BLM感想等 

 本件において、被告らは,本件標章の付された樹液シートは、被告会社が考案した実用新案権を実施して製造し、その包装紙のデザインも担当するなどして、本件標章に対する顧客の信頼や顧客吸引力を主体的に形成してきたから,本件標章は被告会社にとって「他人の」商品等表示であるとはいえない旨主張し、その際に、今後本ブログでも検討しようと思っているのですが、東京高等裁判所平成16年(ネ)第2000号平成17年3月16日判決(アザレ事件判決)について言及していますが、裁判所はこれに対し、「同判決は、ある商品等表示について周知性を獲得した企業グループが分裂し、その後、同グループ内のある事業者が当該商品等表示を使用したという事案に関するもので,本件とは前提となる事実関係を全く異にしている」と述べています。

 したがって、裁判所によれば、本件被告らと原告は表示主体を構成するグループとは考えなかったわけです。

 そして、裁判所は以「不正競争防止法2条1項1号は,自己の商品,営業を他人の商品,営業と誤認混同させる行為,すなわち商品主体,営業主体の混同を生じさせる行為を「不正競争」として規制するもので」、「当該商品の製造に用いられた技術やアイディア等を保護するものではな」く、「被告会社がその実用新案権や専門知識を駆使して本件樹液シートを製造し…被告会社の有する技術が本件樹液シートに具現化され…ても,それだけで本件標章が被告会社の商品等を表示する標章とな」らないとしています。本ブログでこれまで見た常温快冷枕 ゆーみん事件や、「撃/GEKI」饅頭事件でも、OEM契約又は製造委託契約であるとして、販売業者の方の商品で表示もその商品に対し識別力を発揮するものであると判断されています。いずれも製造業者の方もその商品の製造に精通し、むしろ、物理的、技術的な面では、製造業者の方がプロであり、需要者や取引者の期待を裏切らない品質を提供することは可能なのであろうと思います。しかし、これらの裁判例は、本件裁判所が「被告会社がその実用新案権や専門知識を駆使して本件樹液シートを製造し…被告会社の有する技術が本件樹液シートに具現化され…ても,それだけで本件標章が被告会社の商品等を表示する標章とな」らないとしています。どうすれば、製造業者の商品及びこれを表示するものとなったのでしょうか。もう少し知りたいところです。まだまだ本ブログで検討してみます。

 また、本件では、不正競争防止法2条1項1号の「他人」とは,商品等表示の主体として,当該商品の製造,販売等の業務に主体的に関与する者を指称するものであり,当該表示を付した商品の品質等を管理し,販売価格や販売数量を自ら決定する者がこれに該当する」としています。この点も、製造業者の方が、製品の品質管理は専門性があるように思いますが、同号でいう「品質」とはもっと広く捉えるべきなのかもしれません。

 さらに、裁判所は、「本件において,自己の判断と責任において本件標章の付された商品を市場に置き,消費者の間において本件標章に化体された信用の主体として認識され得る立場にあったのは原告である」。「他方,被告会社は,名翔からの注文に応じて本件標章の付された樹液シート(袋詰めされる前の半製品)を製造し,これを名翔に卸売りしていたにすぎない」。「本件標章が被告会社の出所であることを需要者に認識させるような態様で使用されていたとは認められないから,被告会社にとって,本件標章は「他人の」標章に当たる」としています。この点は、本件では、原告と被告とは関係形成をしていない、少なくとも関係解消した事案と判断したといえるのでしょう。

 

By BLM

 

 

 

 

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