のっけから私事で恐縮だが、BLMは、法学部では行政法で学士論文を書いて卒業しようと、地方分権や行政手続法、情報公開法等勉強してた時代があった(今は忘却の彼方)。ただ「現実の世界では使えそうにないなぁ、結局、民間の力でしか物事は動かないんじゃないか?」と思い、民法分野で論文書いて卒業した。

 

 ただ、今回の新型コロナウィルスの感染拡大のニュースに触れ、かつ、ここ数年の“与党に対抗できない野党”を観るに、今こそ、地方自治体は、その力を強化し、中央政権と良い意味で対立して、私達の暮らしを守る役割を担って欲しいと思うように。(ついでに、国会議員の数を減らせないか…おーっ!おーっ!おーっ!

 

 元三重県知事の北川正恭先生の、日本不動産研究所「不動産調査No.397」(2014/12/15)の「これからの日本経済と地方のゆくえ」(28-34頁)が興味深い。平成23年(2011年)の東日本大震災の後に書かれたものだ。同調査報告自体については、BLMは全く内容・その趣旨を把握していない点ご了承戴きたいが、話を読んでいると、土地に関わる士業、鑑定士、建築士、弁護士、税理士等をも対象にしているようで、弁理士は出て来ないが参考になるかな?と思い、今日はちょっとこれを読んでみるにやりメガネ

 

■激変の時代(29頁)からの引用(「」内)

 北川先生が知事に就任した1995年に阪神淡路大震災を経験し、現場の「行政や政治は手続重視」の弊害に直面したという。「管理する者と管理される側、商売で儲けさせてもらうことと儲ける者という、こういう経済行為の二元的な世界ではない成熟した時代がやっと90年代半ばから始まり」、「NPO 元年で」、「ワークショップ形式やディベート、それとは違うのだ、結論を出さなくてもいいんだ、みんなで議論しようと会議の仕方まで変わってきた」時代とする。

 さらに、95年3月は、地下鉄サリン事件が起き、必ずしも「科学技術はわれわれを幸せにしてくれる」ものではないことが認識され、同事件に関わった人たちが高学歴だったこと等もあって、「社会不適合の人たちが顕著になってきたのがその頃」と指摘し、「成長時代に経済的な豊かさを追求してき」たのが、「それだけで本当にいいのかと」いう「反転の時代」となり、今や、「成長時代が成熟時代になってき」て、「成長時代とは違う別のパラダイムで昨日とは断絶した新しい価値を作っていなかければいけない」と指摘する。

 

■新しい社会の価値の創造(30-31頁)からの引用(「」内)

 大きな自然災害や事件等によって人々の生活環境や意識が大きく変わることに加え、じわじわと変わっている点も指摘している。

 例えば、「年功序列、終身雇用」が、「揺らいできてい」る点、戦後の日本の成長を支えた「保険も医療もない時代」に「お互い家族や地域の支え合いで生きていこうという文化が子だくさんを生み、それが自分たちの社会保障であった」のが、「サラリーマン生活になり」「企業中心の社会にな」り、「家族の断裂が起こり始め」、「家族の支えよりもシステムとして年金とか医療保険などでいけるよねという世界になり、地域間、家族間の濃密な兼ね合いが本当に希薄になってい」った点、これらが「少子化」にも繋がっていき「大きなトレンドがそこで起こっているという時代認識」を指摘する。

 

 うーん 話し手も、集まった人々も男性が多かったのだろうが、「そこでわれわれが頑張って、家族を忘れて滅私奉公してやっと豊かになった。しかし払った代償は大きいねという反省」を促している。すなわち「単線的に豊かになるとかあるいは長生き社会を作るだけではなく、その裏返しとして100万人以上のお子さんや社会人が社会に不適応で、社会人として生きにくい状況が生まれ」、「複線的なことを考えなければいけ」ない、「単線社会から複線社会へ移っていく時が、今ではないでしょうか」と言う。

 

 上記の記事が書かれたのは、2014年。2020年の今、色あせるどころか、当時指摘された弊害がもっと明らかになり、その転換期がとうとうやって来ているのではないかうーんビックリマーク、という感じだ。

 

■全部作り直す時代(31-32頁)からの引用(「」内)

 「紙の文化が形式知のネット文化に変わ」り、「人生90 年生きる時代を迎え」、「社会を構成するインフラが全く変わってきたわけ」なので、「そのようなこと」(BLM:複線的なことや、全部作り直す時代?)「を本気で考えなくてはいけない」とし、「最近、経済産業省などは農商工連携と言ってくれて」「農林水産省の一次、二次、三次産業を合わせて六次産業というのもなかなかいいと思」うが、それでは足りないと指摘する。

 「今回、アベノミクスで医療連携なども言われてい」るが、「お医者さんがいるだけでは駄目で」、「医者が来やすいような地域社会をなんとしても作らなければいけない」とし、医者が来たいと思う生活環境(教育含む)を整えることや、「看護師さんや技士、いろいろな皆さんが一緒にいなければ駄目でしょう。」と医療に必要な人材の幅広さを指摘する。さらに、「福祉関係がしっかりしていなければ医療だけではも」たず、「治療する医療から支えあう医療にもう変わってきてい」るとする。

 

 すなわち生活者視点で、 「各省庁の縦割りを超えた横展開のイメージの自治体でない限り、縦系列で全部縛られた中でやってい」く弊害に対し、「新しい価値を皆さんで作り出していく。そういう文化が必要です。いわゆる縦割りの壁を取っ払い、ヒエラルキーの上下の壁も取っ払って新しい価値を何にするかという時には、こういった士業の皆さん方が」「いわゆるビジネスでも成立するような全体の行政や政治を行わないと、本当の新しいパラダイム、地方分権時代の地方創生時代、高齢化社会、限界集落を超えるそれなりの新しい地域はできないのではないか」と指摘する。

 残念ながら、弁理士は話しに出て来ないが…。なるほど。うーんえー?キラキラビックリマーク


■まちづくり(32-33頁)からの引用(「」内)

 新しい価値をどう創造していくかという時に「まちづくり」という言葉が出てきたのは、やはり新しいワークショップ形式が生まれてきたからだと思います。自分たちが国土交通省、国に従って勝手に土地のことが分からない人のルールに乗ってやっていけば「まち」は変なものになります。「まちづくり」とは自動詞です。自分たちが「まち」を作るということ」で、主体がそこに住む人々であることを念頭に置いて話されている。

 その上で「建築士さんにも入ってもらう。法的には弁護士さん、会計的には税理士さんというふうに広がっていって、「まち」をゾーンとして捉えてい」き、「今までのルールで「そうでなければいけない」という馬鹿なことはやめて、ルール・オリエンテッドはやめて、ミッション・オリエンテッドでこういう「まち」を作っていこうという強い気持ちが仙台を中心とした東北にない限り、東京に勝つことはできません。」と指摘する。

 

 そして、「農商工連携を越えたいわゆるコラボレーションの体制を作ることが、実は分権時代の非常に重要なコンセプト」で、「横展開」の重要性を説く。「官だけの力ではなくみんなの力も借りて、民にも責任を持ってもらい」、「情報公開しながらミッションに従って一番いい方法を作り出していきます。そういう強い気持ちがなければ、地方創生の政策もたぶん失敗する」とし、「各省庁に権限を持つ人がいるのですから、そっちが優先になったら内閣なんかなんだということに、今まではなってきて、失敗した」と指摘。そういう時代を作っていく時には制度も必要ですが、それを生み出すトリガーといいますか、パイオニアが要ると思います」という。

 

■以上を踏まえてBLMの感想

 北川先生は、民間のパイオニアが複数出てきて、価値を作りだし、制度がそれをに従い、全体がついていく、という流れが望ましいと考えている、ということかうーん!? つまり、政治家が悪いことをして、法律でどうにでも解釈して、“法律に違反していない”と結論づけ、ときに公文書を現場に偽造させ、国を安定させる(と思いこんでいる)なんて、そういう流れとは真逆の、生活者一人一人が困っている状況から出発し、これを解決しようと民間の営利非営利の事業者が奔走し、その活動がしやすいように農商工連携し、制度を整えて、司法も行政もこれをバックアップしていく行政運営というのが望ましいんだろうなぁと思ううーんえー?!!ニコひらめき電球

 

 知財業界では、地域ブランドだ、地域団体商標だ、と、ブランドを地域活性化に繋げる試みがなされる中、BLMもそういう活動に幾つか関わらせていただいた。確かに、結局、成功する地域は、2,3の先進的な事業者が音頭をとって進めているような気がしている。しかも、官が引っ張るのではなく、民がひっぱる構図が成功の大原則のような気がする。キラキラビックリマーク

 

 北川先生の「ルール・オリエンテッドはやめて、ミッション・オリエンテッドでこういう「まち」を作っていこうという強い気持ち」が必要という点を取り上げたかったのだが、その主張の背後を端折ってはいけないと思い、記事全体を引用した(というか転載のようになってしまった)。結局、現場主義・生活者視点、ということなんじゃないかなぁ。 「ミッション」というと偉く崇高な話のようだが、結局、現場や生活者等の痛み(実情)を知ることから始まるんじゃないかなぁ。

 しかも激変の時代は、まさに現在進行形の話である。そんな時代は「ルール」にばかり縛られていると前に進めないということだろう。とはいえ、士業となると「ルール・オリエンテッド」が現実に良くも悪くも機能していることを把握するのも重要だ。 そう、このブログ、「制度オリエンテッド」の項目を作ったのはそういう意味がある。制度が事実を作ることが往々にしてあるので、現場と制度の両方から考えて行かないとダメだ、と思うニコひらめき電球

 

by BLM

 

 

 

 

 

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