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【羊たちよ、共に恐れず 前へ進もう!】

ドラマ『Dr.倫太郎』は、堺雅人さん演じる 精神科医の日野倫太郎が、高い共感力で 心病んだ子羊たちを救ったり、母親の死や低い恋愛力(≈精神疾患?)で 迷える子羊になったりするお話し。

蒼井優さん怪演の 相澤明良は、母親からの虐待(=ネグレクト等)や共依存による支配(=恐喝等)に遭い、売れっ子芸者の夢乃という 記憶を共有しない別人格を持つ、「解離性同一性障害(=多重人格)」を抱える。

(↑二人が共感し合うのは 治療か/恋愛か? また 彼女の今の人格は 明良さんか/夢乃さんか? 区別が付かずヒリヒリする。)


多重人格ではない(と思う)けど、ブリキも 記憶の不調を抱える。例えば、子どもの頃の記憶はおぼつかず、短期記憶(=ワーキングメモリー)が弱く、トラウマによる健忘(及び再体験)も経験した。

経験は 上手く消化できれば「成長(=学習)の糧」になるが、できなければ「毒(=トラウマ)」になる。

(↑ただし、ブリキの場合「人生≈実験」であり 毒こそ希少実験になるので、「妻の出産立会い」同様「ちょ~面白っ♪」となる?)

今回は、そんなブリキの体験を紹介しつつ、「記憶の仕組みや、なぜ凸凹に不具合が生じるのか?、そして不可解な解離(=主に脳の保護機能)」について ブリキなりに 白黒思考全開で 考察してゆく。

【先生、私 何か悪いコトしたのかな?】

ブリキには、中学生ぐらいまでの記憶が余りない。仮にあっても ネガティブなコトや意味不明なコトが多い。(←※補足1)

ブリキが まだ未就学児だった頃、庭先で友達とキャッチボールをして遊んでいた。彼は物知りで 得意げに何か(=たぶん投げ方)を教えてくれる。ブリキは「へ~、○○くんスゴイなぁ~♪、○○くんスゴイなぁ~♬」とワクワクして聞いていた。

すると突然、家の中から うちの親が 飛び出してきて、友達に向かって「お前なんか凄くねーんだ! 構えてみろっ、俺の投げる球が獲れるか? 獲れねーだろ、お前なんか凄くねーんだ!」と叫びながら、何度も何度もボールを投げつけ 容赦なく怒りをぶつけた。(←鬼か?)

その間 ブリキはフリーズし、友達は的になり 必死に耐えていた。が、やがて開放され 泣きながら帰って行った。それ以来 彼とは 目も合わせられず 断絶した。

(↑こんな風に ブリキの幼少期は マリオや綾波レイの「今、自分は何人目?」さながら 、記憶も 実体験も 断片化している。)

【人間の記憶】

鬼滅の刃にも 残酷で意味不明な「家族ごっこ」する鬼たちが登場する。彼らの絆は偽物で、強い者が 弱い者を 恐怖で支配する。また 強い者ほど 沢山の人を喰らい 人間の頃のコトを思い出せない。


一方、本物の絆で結ばれた 主人公たちは、危機に瀕し「走馬灯」を見る。(←走馬灯のように 沢山の思い出が 脳裏に浮かぶ。)・・

この場面に「記憶を読み解くヒント」が詰まっている。ので、「IT(=情報処理技術)」の視点で追っていく。・・

  • 1)「記憶力とは、情報を残す力ではなく 探し出す力のこと」
    走馬灯を見るというコトは、実は「人生で見聞きした情報は すべて頭の中に残っている」コトを示している。
  • 2)「検索する力とは、インデックスを引く力のこと」
    記憶の仕組みは「番号札を用いた 荷物預けサービス」に似ている。所有者でも 札を無くせば、荷物を引き出せなくなる。つまり「覚えてる/覚えてない」は この札(=インデックス)に掛かっていると言える。
  • 3)「記憶の役割は、過去の経験を活かし 最適な行動を選ぶこと」
    作中 蟲柱の 胡蝶しのぶが「走馬灯」を見る理由を この様に話す。普段 無意識(=バックグラウンド処理)なので 気づかないが、本当にヤバいと意識(=フォアグラウンド処理)に格上げし 優先度を上げるだけで、役割は同じ。
  • 4)「検索には高速性が求められる」
    役割上インデックスの検索には素早さが求められる。ロボット制御なら 数十ミリ秒以内の処理速度が要求される。作中でも 敵が攻撃を仕掛けた 一瞬の出来事でしょ。(←※補足2)

【先生、私 生まれてきてもよかったのかな?】

ここで、どーやって 瞬時に検索するのか? を考えてみる。・・

例えば、荷物預けサービスの場合、番号札を色分けし 格納した棚と対応付けておけば 格段に探しやすくなるでしょ。「赤い札だから、一番奥の棚に置いてあるな。」と。

同様に「記憶」の場合「感情」に紐付けて分類している。と思われる。「悲しい思い出はこっち、楽しい思い出はそっち」といった具合に。(←「情動的記憶」と呼ばれる。)

さて、もー分かるでしょ。・・なぜ一部の凸凹に、記憶やLDの問題が現れるのか?

ブリキら 凸凹(=愛着障害者)は「自分の感情が よく分からない。」(←「アレキシサイミア、失感情症」と呼ばれる。) 理由は、前回パターンBで見た通り 不適切な教師信号を受けてきたから。

要は、凸凹が記憶障害になるのは、子の努力や遺伝子のせいではなく、親から受けた 教師信号に起因する。と言いたい。そして、親側の問題も、親自身のせいではなく、更にそのまた親から受けた 教師信号に起因する。と再帰的に(不適切な)教師信号を介して連鎖している。

この負の連鎖を止めるには、 一人一人が 他者から受けた教師信号を吟味し、他者に与える教師信号に 責任を持つ以外ない。つまり、脳(=学習)の仕組みを理解し 適切な子育て(又は人付き合い)をする以外 道はない。だろう。

現代の迷える子羊たちを救う ある医師は、こう言っています。

凸凹っ子さん、も~頑張らないでください。
あなたの悪い処なんて いくら探しても 分かるハズないんです。
そんなもの 元々無いんだから・・

あなたを傷つけた大人たちは「脳の仕組みを知らずに 子育てしていた」だけなんです。・・

僕の大好きなコメディアンは こう言っています。
「大人たちは、いつも正義の服を着てやって来る。」

近藤春菜さんも「コメディアンじゃね~よ!」と言わんばかりの 好演でしたね。・・<つづく>

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【補足1:倍返しだ!】

よく嫌な出来事ばかり 思い出してしまうコトがある。それは なぜか?

狩猟採集時代、子らが 狩りの仕方を学ぶ場面を想像する。・・と、草ムラから「カサッコソッ」と音がしたとき「それが獲物なら【闘争】を、逆に猛獣なら【逃走】を瞬時に判断(=検索)し」、行動に移さなければならない。

このとき、前者は たとえ失敗を3度繰り返しても 取り返しがつくが、後者は そ~はいかない。(←マリオや綾波レイみたいに 替えが利かないので。)

だから ネガティブな記憶を ポジティブな記憶の3倍増し位で 重みづけし一度の経験からより多くのコトを学ぼうとしている。のだろう。

(↑生き物たちに、神様が与えてくれた 優しさか?)

ただ、安全性の高い 現代社会では、せいぜい誰かに嫌な思いをさせられるくらいで、死に直結する事は稀なので、「これは生死に関わる重要な経験か?」と自問し、「NO」なら 3倍速で忘れる位が 丁度イイんじゃね?

【補足2:僕の大好きな哲人は こう言っています】

上で「検索のスピードは、0.1秒以内と超高速」だと述べた。・・

実は 発達障害をはじめとする ほぼ全ての精神疾患は「この一瞬のうちに 起きる 心の働き」の不調と言える。

つまり、インデックス付け(=学習、シナプス結合)が未熟で、適切な記憶を検索できなかったり、不適切な記憶を検索してしまったりして、不具合が起きている。

コレは 近年「行動認知療法」や「アンガーマネージメント」で 知られるよーになってきたが、実は 二千年以上も前に ブッダやイエスらが「瞑想等でこの高速な 心の働きを観照し 浄化して幸せになる道」を説いていた。

狭き門より入れ。

と。・・これを信じる者は 救われる(?) のだが、信じるのは「宗教や神(=エクセプション)」ではなく、「科学や脳の仕組み(=ハンドラ)」の方。で、「自分の中で起きている『一瞬の脳の働き』に全集中し 浄化の道を歩め」とおっしゃっている。わけだ。・・

羊たちよ、共に歩もう。この世界は 果てしなく続く荒野だ。急ぐことはないさ、疲れたら休むがイイ。だが 仲間からはぐれたら危険だ。さぁ、共に恐れず 前へ進もう! 私は お前たちの味方だ。

【補足3:参考書籍】

難解な「解離性同一障害」や「PTSD」の理解に役立つ良書。ただし、著者が受けた虐待の描写がきつく R指定。特に 苦しみを抱える当事者に お勧め。

 

ブリキの大好きな哲人、宝彩有菜先生の著書。記憶などの脳の仕組みや先生自身の体験がたくさん記された貴重な書。全ての人にお勧め。

 

ブリキの大好きな哲人、ブッダの言葉を集めた本。仏教(=宗教)としてではなく、一人の探究者(=哲人・メンター)の言葉に触れられるバイブル。全ての人にお勧め。