ジャック・ホワイト 『Blunderbuss』 | Music and others

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 97年に結成され、07年に解散を発表したホワイト・ストライプス(White Stripes)の看板であったジャック・ホワイト(Jack White)初ソロアルバムです。

「デトロイト発のローカルなガレージバンドから、01年頃から起きたガレージ・ロック・リヴァイヴァルの潮流に乗り、一躍時の人となりました。」と、音楽評論家の様なしたり顔で、ジャック・ホワイトの事を論じる程には、聴き込んできた訳ではありません。

存在は認知していますが、オヤジ・ロック世代派としては、「ふーん、以外とちゃんとしてるんだ」と感じたりするわけです。彼等の4thアルバムである『エレファント』は少しミーハーな気分ではありましたが、結構面白さを感じました。

姉弟より成るデュオと云う設定で活動していたストライプスですが、実際は夫婦であったことは公になっています。 まあ、そんなことよりも、ドラムとギターだけのミニマムなサウンドと、徹底的に70年代以前の音や器材にこだわった点は、ブラック・キーズ(The Black Keys)同様とても興味深いところではあります。



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ソロ第1作にして、英米のチャートで共に初登場で1位を記録したアルバム『Blunderbuss』になります。(このタイトルですが、"ラッパ銃"の事らしいですが、俗語としては、"へまな人"、"ドジな人"、という意味です)
欧米では圧倒的な人気と認知度を持つアーティストであるため、売れ行きも評価も素晴らしいものがあります。


サウンドの質感や肌触りに関しては、彼の影響を受けている第2世代であるブラック・キーズと非常に良く似ています。 ジャケットは少々不気味な感じで、オカルトのようなおどろおどろしい感じで、肩にはハゲタカが乗っています。



海外の音楽情報サイト、Billboard、Rolling Stone、NME、BBC、では、比喩的に彼がとても尊敬するボブ・ディラン(Bob Dylan)の問題作であった『Blood on the Tracks』のことを引用しています。この作品は、ジャック・ホワイトにとっての『Blood on the Tracks』だと....。
 

私はこのアルバムを聴いて連想したのは、ディラン信者ではないからか、何故か70年にトラフィック(Traffic)名義でリリースされた『John Barleycorn Must Die』です。 このジャックのアルバムに満ちているフォーキーな音とキーボードの感じが、似ていると勝手に思ったのです。






アルバム全体からの印象は、とても内省的な”詩”から受ける通り、自身の最近の離婚、ホワイト・ストライプスの解散(メグ・ホワイトの別離)を反映しているように思います。 サウンド的には、ピカイチと言われるギターを殆ど弾いていないこと、轟音系のサウンドを敢えて封印しているかのような印象を受けます。 60年代後期というよりも、70年代前半のサウンドのイメージが強く感じられる箇所が数多くあります。 そして、特徴的なのは当時のブリティッシュ・ロックの香りが色濃く感じられます。 ある部分、トラッドな香りもして来ます。



◇ Track listing *****    『 Blunderbuss 』
1. "Missing Pieces"
2. "Sixteen Saltines"
3. "Freedom at 21"
4. "Love Interruption"
5. "Blunderbuss"
6. "Hypocritical Kiss"
7. "Weep Themselves to Sleep"
8. "I'm Shakin'"
9. "Trash Tongue Talker"
10. "Hip (Eponymous) Poor Boy"
11. "I Guess I Should Go to Sleep"
12. "On and On and On"
13. "Take Me with You When You Go"
Bonus Track ;
14. "Machine Gun Silhouette"
15. ”Love Is Blindness”

※) All songs written and composed by Jack White, except "I'm Shakin'" by Rudy Toombs.

◇ Personnel;
Jack White – vocals, lead and rhythm guitar, piano, bass guitar, drums, Rhodes, guitar case, Leslie speaker
Bryn Davies – double bass
Joey Glynn – double bass
Jack Lawrence – bass guitar
Carla Azar – drums, maracas, shakers
Olivia Jean – drums, rhythm guitar
Daru Jones – drums, tambourine
Patrick Keeler – drums
Ruby Amanfu – backing vocals
Karen Elson – backing vocals
Laura Matula – backing vocals
Ryan Koenig – backing vocals
Brooke Waggoner – organ, Wurlitzer, piano, Rhodes
Fats Kaplin – fiddle, pedal steel, mandolin
Lillie Mae Rische – fiddle
Emily Bowland – clarinet
Jake Orrall – rhythm guitar
Adam Hoskins – rhythm guitar
Pokey LaFarge – mandolin, backing vocals




◇ Jack White - Sixteen Saltines (Jools Holland)




● 2曲目の“Sixteen Saltines”、この曲くらいでしょうか、今までのイメージを踏襲したかのような、轟音系のギターリフが聴けるのは。でも、巧いですね、ギター。

● アルバム・タイトルの5曲目、"Blunderbuss"ですが、とても奇妙な歌詞の中に、何も恐れを知らなかった頃を経て今の喪失感が漂っています。

● 7曲目の“Weep Themselves to Sleep”、これを最初に聴いた時にはスーパートランプ(Super Trump)のヒット曲である”ブレックファースト・イン・アメリカ”(Breakfast In Amerika)を一瞬ですが思い出しました。


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● 12曲目の“On and On and On”、とても叙情的な曲です。 「太陽と月は永遠に不変で、場所が入れ替わるというだけ。 夜の後に新しい一日が始まる・・・・・」と、ウッドベースとピアノが印象的です。

● アルバムのエンディングの曲、“Take me with you when you go” でもピアノとフェンダー・ローズの音色が全体を主導しており、らしくない曲ですが、私の一押しです。



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昨年のソロ・ツアーでは面白い試みに取り組んでいたようです。 バック・バンドを男性陣だけのものと、女性だけのユニットと二通り準備して、その日の気分?でどちらかにするか決めてライヴを行うという趣向です。 贅沢というか、そんな手の込んだことをする”アイデア”はどこから来るんでしょうか(面白い!)。


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◇ Jack White - I'm Shakin'