続 シャーロック・ホームズ対伊藤博文 | あだちたろうのパラノイアな本棚

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読書感想文、映画感想、日々のつぶやきなどなど。ジャンルにこだわりはありませんが、何故かスリルショックサスペンスが多め。

こんばんは。

なんとか体調は回復傾向です。

 

今回寝込んだことで、大変悔いの残る出来事がありまして・・・

先週の土曜日に、関越トンネル探検ツアーというのに申し込んでいたのを、当日キャンセルせざるを得なくなったんです!!

楽しみにしていたのに〜〜〜泣

 

水上と湯沢を繋ぐ、あの関越トンネルですよ富士山新潟県民がめちゃくちゃお世話になってるやつです。

あのトンネルを歩くことができて、一般人は入れないメンテ室を見たり、立坑を登って地上の尾根に出るという体験ができるインフラツアーというものです。

 

クウ・・・絶対いつかリベンジしてやる!!

 

 

さて、こちらも楽しみに読んだ新刊。

『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』の続編なのですね。続編だけ書き下ろしで出たのか。

 

↓前作
『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』なんだこのタイトル  そこから入りました。あっ松岡圭祐さんか・・・この作品、今月文庫新刊で復刊するらしいですが、それを待てずに、旧版で読みました。 なんかメチ…リンクameblo.jp

 

またまたすごい

荒唐無稽(※褒め言葉)だった!

 

前回、日本で起きた大津事件を見事推理し伊藤博文や明治政府の窮地を救う大活躍をしたシャーロック・ホームズです。伊藤博文の計らいもあり、その後はいったんイギリスに帰国。モリアーティ殺人の罪には問われず、探偵業を引退して田舎で悠々自適の暮らしをおくっていました。

 

平和なんだけど物足りない日々の中、伊藤博文が急死したという訃報が届きます。

伊藤は満州のハルビン駅で、朝鮮の民族運動家・安重根によって暗殺されたのでした。

 

ロンドンに戻ったホームズの前に謎の女が現れ、小さな仏像を彼に渡して姿を消します。

仏像の裏には不可解なメッセージが。

 

「伊藤博文を殺したのは安重根ではない」

 

伊藤の死に何かが隠されていると訝しんだホームズは、ワトソンとともに「伊藤博文惜別の会」に出席するため再度来日します。

ところが招待状をもらったから遠路はるばる来たというのに、日本政府の誰もホームズに招待状を送った人物はおらず、謎がさらに深まる。

 

伊藤を暗殺した真犯人は誰で、ホームズに謎解きをさせようとしているのは誰なのか?・・・

 

 

この本の感想は非常に書きにくいです。もう、これ以上言ってはならんですな。ネタバレ厳禁です。

 

あえて言及するとしたら、スケールがデカくなって何やら国際問題が広がっていきます。てっきりまたロシアが悪役かと思いきや、必ずしもそういうわけでもないんだなー

 

 

今回の読みどころは、日本政府がどうのこうのというよりは、ホームズとワトソンの関係なのでしょう。

テーマは「家族」です。

 

ワトソンは妻を持ち子供にも恵まれ、家庭生活に幸せを見出すことによって、昔のような波瀾万丈の冒険には惹かれなくなっているのです。

独身を貫くホームズは、いつも置いてけぼり感うずまきつい、ワトソンや彼の家族に対して冷たく皮肉な物言いをしてしまい、さらに二人の溝が開いていく。

 

日本で知り合いになった伊藤博文の家族を描き出すことにより、ホームズに人生の意義や、幸せってなんだろうと考えさせるわけです。

 

またホームズ先生がちょっとかわいそうな偏屈キャラだな・・・困ったおじさんではありますが、悲哀に満ちていてとっても人間味があります。

本当に、いいのかこんな人物像で?

 

個人的には、伊藤がハチャメチャに暴れ回る前作の方が楽しくて良かったですけどね。なのでお勧めするのは、前作の方。

 

巻末の解説を読むと、作品中には原点シャーロック・ホームズの有名な場面がオマージュとしてチョイチョイ散りばめてあるらしい。コアなファンはニヤッとする箇所が多いのでしょうが、わたしは残念ながらそこまでわからないよ・・・真顔

 

 

〜おまけ〜

 

 

最近外に出ていないので写真が撮れない。

米沢で買ったおやつの「直江カルパス」を載せておこう。