なんだこのタイトル
そこから入りました。あっ松岡圭祐さんか・・・
この作品、今月文庫新刊で復刊するらしいですが、それを待てずに、旧版で読みました。
なんかメチャクチャで面白〜い
そもそも何でこの組み合わせ?時代的にちょうどぴったり合ってるんですかね。
虚構と現実が入り混じって何が本当で何が創作なんだか。シャーロック・ホームズが実在の人物のような気がしてきたよ。ミステリーあり、アクションあり、楽しく書き上げてくださってます。
宿敵モリアーティと共に滝壺に落ちて死んだと言われるシャーロック・ホームズ・・・でも実はモリアーティのみを滝壺に突き落とし、ホームズは助かったのでした。
でも、普通に考えればホームズは殺人犯です。追跡を逃れるため、ホームズは密航して日本へと旅立ちます。頼れる先は、伊藤博文。初代内閣総理大臣になった後、現在は枢密院議長をしている明治政府の重鎮です。
なぜ伊藤博文なのか。
実は幕末、伊藤が長州藩から密航してロンドンの留学生になっていた頃、少年のホームズと出会ったことがあったのです。昔のサムライは戦闘能力が高いのでね、伊藤は剣術とか柔術とかで暴漢に襲われるホームズを助けちゃったのだ。
しかし・・・
わたしはシャーロック・ホームズに詳しくないのでそんなに思い入れはないのですが、キャラ的にはかなりやな奴。いいのかな。少年の頃からクソ生意気な小僧で
まあ、あまりにも頭が良くて物事が見えすぎるので、ついズケズケと人のプライベートなところに入っていっちゃうのでしょう。
日本に来てからも差別意識丸出しだし、素直じゃないし、伊藤と大ゲンカしたりしてね・・・
折しも、伊藤の頭を悩ませていたのが大津事件。ロシアの皇太子ニコライが来日した際に、日本の巡査・津田三蔵がニコライに斬りかかった事件です。
この事件にホームズが大変興味を示し、事件の背後にある真相を解き明かすのでした。
ロシア側は津田三蔵の死刑を求めてきたし、日本政府も彼を死刑にすれば丸く収まると考え、できればそうしたい。が、大審院の児島惟謙院長が、法を曲げることはできないと強く反発。もし法に従った結果、ロシアと開戦になったなら、自分たち裁判官らも兵となって日本防衛のため戦うから、司法の独立だけは絶対に守らせてくれと主張します。
おお〜
この方のスピリット、揺るぎない正義感。
誰かに似てるよなー?と思っていましたが・・・やはり。
児島惟謙は宇和島藩出身で、維新後は司法省に出仕。そこで司法卿となった江藤新平に見込まれて出世したようです。そうか。江藤は死しても、彼の魂は後進たちにしっかり受け継がれているのだな。まあ伊藤とか日本政府はめっちゃ困ってるけど・・・
でも津田三蔵が獄中で病死なんて、おかしいよね?本当に病死なのかもしれないけど、疑いがかかっても当然じゃないかな?
真相は、あっと驚く内容だったのだ。(もちろんフィクションですが)
ホームズはもちろんのこと、伊藤博文も大活躍。
井上馨と一緒に車夫に変装して浅草の安居酒屋に潜入捜査って、、、そこまでやる?
結果、荒くれ者どもと、大乱闘。
それが、元長州藩士で数々の修羅場をくぐり抜けた二人は、ジジイになってもケンカが強ーいのだ。
政府高官が
何やってんすか
暴れん坊政治家だな・・・
やはり、モンタシュンスケのコンビは面白い。
ちなみに伊藤博文は、船で悪党どもをチェイスしている時にザバーンと海に飛び込んだりして、ここでも政府の重鎮ともジジイとも思えないアクションシーンを繰り広げている。
ホームズ先生もびっくりだよ!
英国VSロシアの国際関係とか、ロシア国内の政治問題とか、いろんな要素てんこもりの小説でした。
とっても面白かった。
続きが出るらしいのですが、次回作は伊藤博文が死んじゃうの・・・?ちょっとドキドキしながら読んでみようと思う。
〜おまけ〜
あっという間に6月も過ぎていきます。カレンダーは第四次川中島の戦いです。
おまけその2。
近所のキジが、だんだん大胆不敵になっていきます。
太ってきたなコイツ。