①ドラマ感想『翔ぶが如く』第1部第1〜15回 | あだちたろうのパラノイアな本棚

あだちたろうのパラノイアな本棚

読書感想文、映画感想、日々のつぶやきなどなど。ジャンルにこだわりはありませんが、何故かスリルショックサスペンスが多め。

お熱が下がりまして、体調が回復しました。
それでも丸2日間くらいは何も食べられず、ポカリだけ飲んで寝ていたので辛かったです。
これはタダの風邪だったのかな?
 
今日は寝ながら見た昔の大河ドラマ『翔ぶが如く』について語りたいと思います。
 
これは間違いなく名作の部類に入るのでしょうな。
司馬遼太郎さんの原作をもとに制作された幕末〜明治の物語なのですが、主人公が二人おり、二人の運命が対比されながら、愛憎が交叉するような繊細な演技、でも歴史はモリモリの重厚な作りで、見応えがある内容です。
 
二人の主人公は、西郷隆盛と大久保利通で、西郷を西田敏行さん、大久保を鹿賀丈史さんが演じています。
第一部が幕末編、第二部が明治編。どちらかというと西郷の方がメインぽく描かれているのかな?
 
でもわたしは、鹿賀丈史さんの大久保利通が
めちゃくちゃスゴイキラキラキラキラ
と思いました。
 
大久保がだんだんダークサイドにはまっていくのですが、下地となった苦節の青年時代に培った屈折した感情が・・・いやもともと素質はあったんだろうよ?出るべくして出たモンスターだったのでは?
しかし見方を変えると、周りの人間が、黒くて汚いこと全部大久保にやらせて、全部背負って彼は死んだ(しかも最悪の死に方)とも言えるなーなどと考え、ちょっと大久保が可哀想になりました。
 

さて長いので、ひとまず第1部の前半について書きます。

 

幕末の薩摩。

 

チェストオオオオーー

ガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコン

 

 

これ、薩摩の若者が集まってやる剣術の稽古(?)

 

うるさいわ!!

っていうか、

狂ったように叩いてるだけじゃん!!

一体何の稽古なのか・・・

 

 

西郷家の三男、信吾ちゃん(のちの西郷従道)も頑張ってチェストーーーさせられてる。

 

これに限らず、薩摩の男たちは飲み会とかでも興奮するとチェストチェストうるさい・・・「猿叫」でしたっけ?

さすが血の気の多い薩摩隼人・・・

 

 

西郷と大久保の運命の浮き沈みは交互に現れる。

両方とも貧乏な下級武士の出で、近所に住んでいて家族ともども仲が良い。そして将来有望な若者なのに、大久保は藩内抗争「高崎崩れ」に連座して父親が島流し、自分は謹慎処分になってしまいます。

 

いつか江戸留学したい、藩のお役にたつ人物になりたいという夢を二人とも持っているのですが、謹慎中の大久保には叶わず。なので彼はまず親友・西郷のことを心から応援するのです。

 

この頃の大久保は人当たりもいいし、性格的にマイルドな感じだったんですけどね。過酷な環境が彼を変えていったのか?

 

 

大久保の謹慎が解けて、さあ!という意気込みのところ、先に西郷の江戸ゆきが決まる。それも、藩主島津斉彬自らのお声がかりで。すっかり英雄だぜ!


 

この時の大久保の、焦燥感やら嫉妬やらが入り混じって素直に祝福できない様子が、非常によく演じられていたと思います。

まあ、出立の日までにはちゃんと心から祝福できるのですけどね。

 

 

さて島津といえば、篤姫の話も出てきます。

 

だいぶ失礼なことを言うかもしれないが、、

富司純子さんが篤姫を演じていらっしゃるのですが、、

 

所作は大変美しいのですが、

いささか年齢ギャップがうずまき

 

若い娘がモジモジしてる演技が痛々しくてなあ・・・

なぜこのキャスティングなんだえーん

 

 

篤姫輿入れの大奥の様子は、

極上のキモチワルさです魂

 

将軍・家定公の狂気が炸裂!!

 

 

この家定公、ヤバイですよ・・・

これはこれですごい演技だと思いました。背筋がゾクゾクします。

 

 

島津斉彬公は名君扱いされておりますが、篤姫輿入れの件とか、ドロドロの政治工作していたように思えるのですが。そういうのも含めて名君という評価なのかな・・・

 

 

さてその島津斉彬公とタッグを組んでいた老中・阿部正弘です。若林豪さんがやるとカッコ良いですね。

 

 

ザ・老害

水戸の烈公でございます・・・・・・

(ファンの方にはごめんなさい←いるのか?)

 

 

お前、メリケンの船が来たらワシが追っ払ってやるわーとか言わなかったか?!たすけて誰かこの人をなんとかして・・・

 

とか言ってる間に、来ちまったよ!!

メリケンの黒船が!!

 

 

 

ところで、軍艦製造の許可をやっと幕府からもらって薩摩藩が造った蒸気船がこちら。

 

おお〜〜〜

 

 

なんか

ショボくね?!

 

(いや気のせい気のせい)

 

 

ところで江戸に出た西郷はトントン拍子に出世して、ついに直接藩主にお目見えできる庭方役になります。

 

 

もうすっかり殿様に忠誠を誓った西郷は、殿が重病だと聞くと自ら祈祷までする。この時の斉彬公の病気が、呪詛によるものという噂がありましたが、呪詛ってまた古めかしい・・・不思議な世界です。

 

 

さあ、大老井伊直弼が出てきましたよ!

(はっきり言って出た途端にフラグ)

 

長野主膳と黒い相談をする図。

この影のある演出方法が好きです。

 

 

安政の大獄で追われる身となった僧・月照とともに西郷は薩摩に逃れるのですが、結局薩摩でも匿うことができず、入水自殺を図る二人。

 

 

この入水事件って、なんだったんですかね?

この時の動機というか、西郷が何を考えていたのかよく分からんのですが・・・少し鬱っぽかったのかなあ。

 

西郷は、たまに激情に駆られてわけわからん判断をします。わたし個人としては、二重人格なんじゃないかと思うフシがあります。

 

結局月照だけ亡くなり、生き残った西郷は奄美大島へ流される。ここから少し逼塞の日々が続きます。

 

 

安政の大獄は、やりすぎでした。

井伊大老、桜田門外テロにて死亡。

 

 

その頃の大久保。

「自分の意見を取り上げてもらうには、まず権力が必要」

と、彼は彼なりの思考回路があるのです。なのでなんと思われようが、権力に近づくための手段を模索します。

まずは国父となった島津久光公と同じ趣味を持つため、碁を習う。

 

 

→ちなみに頭がいいので碁はすぐに上達する

 

多少姑息な手段ではありましたが、なんだかんだで国父にお目見え、そして出世の階段を上っていく大久保です。

 

 

彼の場合悲しいのが、そのことで周りから孤立していくところなんですね。西郷と目指すところは同じなのに、仲良くしていた西郷の家族からも罵られ、またまた心が屈折しちゃうよ・・・

 

 

でもこのことが彼の強メンタル、もしくは誰の力を借りなくとも自分でやってみせるという、独裁者気質を作ったのかなあとか、色々と想像しちゃうわけです。
 
つづく。