洋食キムラ | BJ-M
2025-04-10 12:30:00

洋食キムラ

テーマ:喰撮

横浜には、古くから続く洋食屋が多かった。

 

ニューグランドを卒業して店を開いた人や、

進駐軍のキッチンで働いていて料理を覚えた人、

日本郵船の旅客船で働いていて店を開いた人等出自は色々だけど、

独特の横浜スタイルな洋食は確かにあったと思う。

 

だが、老舗と言われる店のいくつかは、

シェフ高齢だが跡継ぎがいない・・とか、コロナ禍の影響とかで

廃業してしまう。

 

ナポハンで有名だった「ポニー」、

ニューグランド由来の味とボリュームで人気だった「美松」、

ハヤシライスが有名だった「梅光亭」、

ポークソテーの様な生姜焼きを出す「セントラルグリル」、

オリジナルソースが楽しいチリバーグを出していた「グリルサクライ」等々、

あの料理が二度と食べられないのか・・と名前を挙げるだけで悲しくなってきた。

 

なので、今のうちに食べておきたい洋食は?

と考えて思い浮かんだのが、この店だった。

 

 

 

「洋食キムラ」

 

初代は銀座で修行した後に関内に店を出し、

戦後の昭和24年に「洋食キムラ」となったと聞いた。

 

現在は3代目が切り盛りしているとの事なので未来は明るいと思うが、

外食産業には厳しい時代なので、行ける時に行った方が良い。

 

と言う事で野毛まで出てきたんだけど、いきなりの雨。

ウェザーニュースを見たら、雨が弱くなる時間帯がわかったので、

そこに合わせて食事をする事にした。

 

 

「お写真を撮られるのでしたら、お料理だけでお願いします」

 

「あ、わかりました。」

 

 

さすが老舗、歴史的な価値も高い店でもあるので、

写真を撮りまくる人もいるのだろう。

 

こっちは相変わらずのR5を持ったままの入店だったので、

しっかりと釘を刺されてしまったらしい。

 

 

 

 

ま、飲むよね。

1時間後に雨足が弱くなる事がわかっているので、

飲みつつ摘まみつつ・・といきたいとこ。

 

で、オーダーしたのは、

食べたかったコイツだ!

 

 

 

「カニクリームコロッケ」1570円

 

極薄の衣はカリッとクリスピーで、

フォークで割っても形が崩れない強さも持っている。

 

そしてそのクリスピーな衣とは対照的に

滑らかなクリームソースと蟹肉が熱々な状態で出て来る。

 

アチッ!って叫びそうになるが、

慌てずにビールで対処。

 

なんかもう、教科書的な味わいなんだけど、

これが実に美味いのですな。

 

単品で頼む場合、ご覧の2個セットが最小で、メニューには3個セットもある。

女将の言い方だと3個以上は希望によって調理してくれそうな気配があった。

 

想像以上に濃厚な味わいで、3個も食ったら充分だな・・とかも思うんだけど、

今日の目的はハンバーグなので・・の2個。 

  

 

  

 

オーダーした「ハンバーグセット」は、サラダとライスがついて1810円。

 

今時としてはリーズナブルなセットとも言えそうな設定で、

米価格が高騰している今、大丈夫?って思ったりもする。

 

「皿が大変熱いので・・・」と言いながら出してくれたのが

食べたかったハンバーグ。

 

帆立貝型の鉄板皿は、かなりの熱さなのだろう。

確かに縁の部分のデミソースがグツグツと沸いていて、

間違えて触ったら火傷必至な感がある。

 

 

 

 

前に来た時は2代目が作っていた頃だったから、

3代目の味は初めてとなる。

 

あ〜〜〜

なんか懐かしい味わいだ。

 

ハンバーグは以前の物に比べて、ちょっと歯ごたえがある感じなミンチになっていて、

ソースの味は「こんなに濃かった?」って思う位に濃厚だった。

 

これ、御飯の上にまんま乗せて食べたいかも。

 

ラストオーダーに近い時刻だった事もあってか、

お店に客は殆どいない状況で、過ごしやすい反面経営難になってないかと不安も覚える。

 

でも多分、それはタイミングなのだろう。

そして、以前よりもボリューミーに感じるのは、3代目が今時の食事情に合わせて

進化させているからだろう、とも思ったから、若者の街となった野毛でも人気はあるはずだ。

(百名店にも選ばれてるしね)

 

あ・・・

雨、小降りになりました?

 

じゃあ、お暇しますね。

 

ごちそうさまでした。