「完璧主義」という言葉を聞くと、多くの人がそれを美徳だと考えるかもしれません。
確かに、高い目標を掲げ、それを実現しようと努力する姿勢は称賛に値するものです。しかし、完璧主義が行き過ぎるとどうなるでしょうか?
その答えは、自己否定と慢性的なストレス、そして何よりも「生きづらさ」です。
当ブログでは、過去にこのような記事を公開しています。
完璧主義には大きく分けて2つのタイプがあります。
自己志向的完璧主義…自分に対して「常に完璧でなければならない」と要求するタイプ。
他者志向的完璧主義:…他人に対して「絶対に失敗してはいけない」という期待を抱くタイプ。
どちらも、内面に「失敗してはならない」「努力し続けなければならない」という強い固定観念を抱えています。この観念があると、以下のような影響を引き起こします。
・失敗を恐れるあまり、新しい挑戦ができなくなる。
・少しでも理想に届かないと、自分を責めてしまう。
・他人の評価に敏感になり、過度に気を遣いすぎる。
特に「自己志向的完璧主義」の場合、自分を追い詰めることで心身ともに疲れ果ててしまい、最悪の場合、うつ病や燃え尽き症候群へと繋がることもあります。
"完璧主義を捨てる"とは、「怠ける」ことや「努力をやめる」ことではありません。
それは、「人間である以上、完璧である必要はない」という現実を受け入れることです。なぜなら、我々は誰しも不完全であり、その不完全さこそが人間らしさであり、成長の余地なのです。
たとえば、自分はかつて「どんなに忙しくても休んではいけない」「成功しなければ自分には価値がない」と信じていました。
しかし、その信念がもたらしたのは達成感ではなく、慢性的な不安感と自己否定でした。休むことへの罪悪感や失敗への恐怖が、逆にパフォーマンスを下げ、ストレスを増幅させていたのです。
【完璧主義を緩めるための3つのステップ】
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「十分」の基準を見直す
完璧ではなく「自分ができる範囲で十分」と思える目標を設定しましょう。たとえば、仕事で「絶対に間違えない」ではなく、「ミスをしたらすぐに修正すればいい」と考えるだけで心が軽くなります。
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失敗を許容する練習
小さな失敗を「練習」と捉え、自己批判を減らす習慣を作ります。たとえば、「今日のプレゼンは少し言葉が詰まったけれど、要点は伝えられた」といったように、自分の成功面に目を向ける癖をつけます。
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他人の評価を手放す
他者の目を気にしすぎると、無意識に他人軸で生きることになります。「自分が満足できるか」を最優先にすることで、不要なプレッシャーから解放されます。
完璧主義は、我々の成長や目標達成に役立つ側面も持ちます。
しかし、それを「絶対のルール」にしてしまうと、自分自身を苦しめる結果に繋がるのです。
完璧でなくても良い、自分のペースで進むことを許した瞬間に、きっと新しい生きやすさを感じられるでしょう。
他人からどう見られるか、どう評価されるかを気にする「他人軸」での生き方は、誰もが一度は経験したことがあるかもしれませんね。
しかし、この生き方を続けていると、いつしか自分の本心や本当の価値観が見えなくなり、ストレスや不安に苛まれることになります。ここからは、他人軸が生きづらさを招く理由と、それを手放す方法についてお話しします。
"他人軸で生きる"とは、他人の価値観や期待に合わせて行動し、自分の基準を見失うことです。この生き方が生む問題点には以下のようなものがあります。
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本当の気持ちを抑え込む
「嫌だ」と思っていることでも、他人に好かれたい一心で受け入れてしまう。
結果として、自分の感情を無視し、ストレスが蓄積する。
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他人の評価に振り回される
誰かに褒められれば安心し、否定されれば深く傷つくという不安定な心の状態が続く。
他人の意見に依存しているため、自己肯定感が低下する。
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自分を見失う
「本当にこれがやりたいことなのか?」という疑問を抱いても、自分の答えを見つけられない。
他人の目を気にするあまり、主体性がなくなる。
これらの結果として、心の中に「漠然とした不安」や「生きている実感が薄い」といった感覚が生じることがよくあります。
他人軸を捨てることは、「自分軸」で生きることへの第一歩です。
自分軸で生きるとは、自分の価値観や感情を基準に行動することを意味します。これは決してわがままや自己中心的になることではなく、むしろ他者との健全な関係を築く土台となります。
たとえば、「他人に迷惑をかけたくないから」という理由で限界を超えて仕事を引き受けてしまう人がいるかもしれません。
しかし、そうした行動が結果的に自分を追い詰め、体調を崩すことになれば、かえって周囲に迷惑をかける結果になりかねません。
自分の限界を理解し、それを尊重することこそ、長期的に他人にも貢献できる生き方なのです。
【他人軸を手放すための3つのヒント】
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自分の感情に気づく
他人の期待や評価に応える前に、「自分はどう感じているのか?」を問いかける習慣を持つ。
自分の感情を否定せず、「こう感じてもいいんだ」と受け入れる。
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自分だけの価値観を見つける
他人の価値観に左右されるのではなく、自分にとって「大切なもの」を明確にする。
たとえば、仕事において「成果」ではなく「成長」を重視するなど、自分が納得できる基準を設定する。
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他人の意見を参考程度にとどめる
他人のアドバイスや意見を完全に無視する必要はありませんが、それを自分の判断基準にするのは避ける。
他人の言葉を受け入れる前に、「これが自分にとって本当に必要か」を考える。
他人軸を手放すと、驚くほど生きやすくなります。
漠然とした不安感が薄れ、自分の行動に納得感を持てるようになります。また、他人の評価を気にする時間が減ることで、自分にとって本当にやりたいことに集中できるようになります。
他人軸を捨てるのは決して簡単なことではありません。
しかし、小さな一歩を積み重ねることで、確実に生きやすさは変わっていきます。
我々の心を縛りつけているものの多くは、「過去の固定観念」から生じています。
それは、幼少期の経験や、社会や文化が植え付けた価値観が元になっている場合がほとんどです。
これらの固定観念を抱えたままでは、過去の延長線上でしか生きることができず、本来の自分を見失ってしまいます。
固定観念とは、「こうでなければならない」「こうあるべきだ」という、心の中に無意識に作られたルールのようなものです。
たとえば、以下のような思い込みが挙げられます:
・成功とは他人に評価されることである。
・休むことは怠けることだ。
・努力しない人に価値はない。
これらの固定観念は、過去の成功体験や教えられた価値観に基づいています。
しかし、それが現在の自分に適しているとは限りません。むしろ、それらが「今の自分」を苦しめ、生きづらさの原因となっている場合も多いのです。
過去の固定観念を手放すことは、過去の自分を否定することではありません。
それは、「自分がそのとき必要だと思って作ったものを、今の自分に合わせてアップデートする」という行為です。
たとえば、「成功しなければ価値がない」という固定観念を抱えている人が、それを手放すとどうなるでしょうか。
結果だけでなく、過程を楽しむようになり、達成できなかったとしても自己価値を感じられるようになります。そして、以前よりも自分の感情に正直に生きられるようになります。
【固定観念を手放すための3つのアプローチ】
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過去を見つめ直す
「なぜ自分はこう考えるようになったのだろう?」と、自分の固定観念が生まれた背景を探る。
幼少期や過去の経験を思い出し、「その時の自分がどんな気持ちだったのか」を感じることが重要です。
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現在の自分に問いかける
「このルールは今の自分にとって本当に必要なのか?」を問いかける。
必要ないと感じたら、それを無理に守ることをやめる。
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柔軟な考え方を養う
固定観念をすぐに捨てるのが難しい場合、「絶対そうだ」という考えを「そうかもしれない」と緩めることから始める。
他人の価値観を聞き入れることで、新しい視点を取り入れる。
固定観念を手放すことは簡単ではありません。
時には自分を否定しているように感じるかもしれませんし、過去にすがりたくなることもあるでしょう。
それでも大切なのは、自分に優しく、焦らず少しずつ取り組むことです。
自分の心を縛り付けているものに気づき、それを手放していくことで、きっと心が軽くなります。
そして、過去の自分も含めて、すべての自分を「受け入れる」ことができたとき、生きることがもっと楽になるでしょう。
最後にお伝えしたいのは、あなたが固定観念を手放しても、価値のある人間であることは変わりません。
あなたは、ただそこにいるだけで十分なのです。
どうか、これからも自分自身と向き合いながら、あなたにとっての「生きやすさ」を見つけてください。一緒に歩んでいきましょう。
生きていることは当たり前のことではないんですよ。
— 青一郎べーた (@yu_ri_kurage) December 3, 2024
親が安心できる存在ではない子。家の中に自分の落ち着ける場所がない子なら特に。
自分を傷つけたり、心身の暴力を受けても痛くないように振る舞ったり、それでも明日を生き抜いている
その段階にいる人たちは、実際のところだいぶ深刻なんです。…