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監督ブログ  wecker

「時空警察ヴェッカー」シリーズの原作・監督 畑澤和也の個人ブログです。
現在中国広東省で活動中


「ことばも通じない異国の地で、やみくもに剣を振り回して何になる!?」

「ヴェッカー1983」の中での時空刑事サナの台詞です。


これは麻草郁氏が書いてくれた台詞で

異国に身を置く畑澤へのメッセージとも読ませてもらいました。

「ヴェッカー1983」は演出を全面的に吉久直志さんに委ねたのと同様、脚本も物語の構成を含め、ほとんどが麻草氏の仕事です。

僕はキャラクター設定とストーリー原案作り、最後の脚本調整をしたにすぎません。

今、麻草氏も「郁=かをる」だった事を思い出しました。


今回の舞台が成功した(面白かった)なら、それは殆んどお二人のお陰です。


キャスティングに関しても、工藤かをるはぜひにも加藤里保菜さんで!と頑張ったのと、当初栞菜と船岡咲のキャステインングが逆だったのを、現状に変えてもらった(栞菜はレイ以外あり得ないし、咲ちゃんはどちらでもこなせると思ったから)、サナ役の玉川来夢さんもかをる候補だったのをサナにしてもらった…ぐらい。

来夢ちゃんにサナをやってもらう事になってからも、実のところすごい不安でした。


でも結果、サナはとても「ヴェッカーらしい」子になりました。「若すぎる少女が頑張って強くカッコよく演じる」のがヴェッカーだとしたら、彼女はまさにそうだったでしょう。


キャストの皆さんには小屋入りの日に初めて会って場当たり後に紹介してもらいつつ「一言アドヴァイス」をしたにすぎません。

来夢ちゃんには自信をもってやる事、栞菜には髪型の相談、咲ちゃんには武器の撃ち方しか言ってない(笑)。


リリーズには「キモいぐらい可愛くやってください」(笑)と。

これは(おわかりでしょうけど)、メリー・クリス・マスの進化系です。


それでどれだけ「注入」できたがわかりません(笑)し、感受性の強そうな里保菜ちゃんには影響を与えすぎたかもしれません。

金沢有希さんはいちばんしっかり受け止めてくれたようです。

昭和女子そのものだった井上、山本、好対照で楽しかったダブル伊代菜

1年生3人もとても懐かしく、愛しかったですね。


期待通りだったカッコいい春原フォンタム、ちょっと心配だったけど期待以上だったるかちゃんのディール

心底(いい意味で)驚いた宮原リミット(彼女も演技初体験!なのだ)。


ナイン千尋ちゃんはゲネプロ終了後、僕が呼んだ皆さんの面会希望(?)もいちばん多かった。

内外から「こんな(規模の)舞台には勿体ない(笑)」という絶賛の嵐でした。

僕がキャスティングした訳ではないですが、誇りではありますね。


来夢ちゃんも千尋ちゃんも、「時空警察ヴェッカー」が初演技・初舞台だった事を誇りにしてもらえたら嬉しいです。



中国へ戻り、まったりゆったりした時間が流れています。

在日中のあの喧騒がもう懐かしい。


ことばの通じない異国の地で


やはり日本のアイドル(女の子)は海外に自信を持って輸出でき得る国の財産だと再認識。


そしてこんなに面白い「時空警察ヴェッカー」が


なぜ


日本で(映像作品として)制作出来なくなったのか…が口惜しくてなりません。


言葉が通じる自分の国で、やみくもに剣を振り回してみましたが

やはりなかなか実現は難しいようです。




久し振りに長い日本滞在(10日!)、超短い帰省(1日!)を終えて今晩はもう中国にいます。


公演期間中、会いたかったたくさんの人たちに会えた。

意外に(?)主演のフォンチーさんはじめ、「彷徨のエトランゼ」のキャストが結構来てました。

こうしていろいろ引き継がれていくんだなぁ…


「ウルトラマンギンガ」のアベユーイチ監督、「セーラームーン」の只野和子さん、「ワタル」の松下浩美さん、

「聖闘士星矢ロストキャンバス冥王神話」の手代木史織先生…

「ダグラム」「イデオン」そして「タッチ」の並木敏さん、「サムライルーパー」の風間洋さん、

そして「勇者シリーズ」「エルドランシリーズ」の生みの親、井上幸一さん。


他にもたくさん、お盆にも関わらず、観劇に来てくださいました。


社交辞令?半分にしても尊敬するキャラクタークリエーターの皆さんに「面白かった!」と言っていただけて嬉しかったです。


吉久直志と39人の女の子の勝ち(笑)だな。


いつの間にか消えていたサブタイトル「ダンデライオンガールズ」

アイドルはタンポポのようなもの、なんて思ってて、80年代の原田知世の名曲(これそのものが使われていたと勘違いされていた方も)をイメージしながら作った(作ってもらった)テーマ曲「ダンデライオンガール」は

初代、D-02、そして「17歳~君がいた夏」の音楽を作ってくれた盟友橋本聰氏による。


ダンデライオンガール!

あなたがいた日々

ただ

楽しかった…

それだけ。


歴史に残らない(レコードやCDにすらなってないからね)けど、出演者や観に来てくださった方々の記憶にずっと残ってくれれば嬉しいです。


ダンデライオンガールズたちがいた短い夏の日々

ただ

楽しかった…

それだけ。





昨日一瞬だけ「ヴェッカー1983」の打ち上げに参加し、後ろ髪引かれながら新幹線に飛び乗り、ただ今帰省中です。

ですが、明日にはもう中国へ帰ります。


今回はオーディションから稽古、本番に至るまでメ~テレさんのカメラが入っていて、11月頃にCS放送「エンタメ~テレ☆シネドラバラエティ」でドキュメント番組が放送されるそうです。


いつもは叶わない舞台DVD化もそれに合わせて進行中。

今回は「未来に残せるプレゼント」を作れそうで嬉しいです。


「ヴェッカー1983」はその設定・内容上続編を作りにくいんですが、「アリスインプロジェクト」による「ヴェッカー」はずっと続けていきたいとの事です。

「彷徨のエトランゼ」のキャラクターを交えた「ノエルサンドレ」の再演も検討中との事。

それもこれも、今回の公演が成功したおかげ、つまりは観に来てくださった皆さんのおかげですね。


今回、舞台は「やる」ものではなく「観る」ものだと(笑)あらためて実感しました。

舞台のDVD化は嬉しいですが、やっぱりもう一度「ヴェッカー」を最初から映像作品として作りたい、と強く思っています。


そして何よりも今やりたい(というより死ぬまでの必ずやりたい)と思っているのが「工藤かをる」の物語の再映像化です。

工藤かをるの物語は13年前自主制作で「17歳~君がいた夏」というタイトルで制作し、ゆうばり映画祭などで評価された作品がある(でも僕のキャリアの中で唯一DVD商品化されていない)んですが…


舞台上で工藤かをるに再会して(ありがとう!りほにゃん)、思い出として理想化してしまった前作よりもっとリアルに「お互いに妄想愛しているヲタクの少年少女のマジメな恋愛、そして別れ」の映画として作り直したい!と思うようになりました。


ヲタク成分もあり、素っ頓狂なパフォーマンスを見せる弾けるような明るさと、今にも消えてしまいそうな儚さが同居した加藤里保菜さんと出会えたから、というのが一番大きいいかもしれませんが。


工藤さんに「何度わたしを使えば気が済むの?」とも言われそうですが…。


今後、「ヴェッカー」を他人に委ねる事になっても、これだけは自分でやりたい!!!!








………観たいですか?

アッという間でした。


「時空警察ヴェッカー」4度目の舞台「時空警察ヴェッカー1983」が無事全日程公演を終了しました。

スタッフ・キャストの皆様

連日脚をお運び頂いた皆様


本当にありがとうございました。


夢のような日々でした。

中国に居を置き、日本には「ときどき来る」生活の自分にとっては

今回の日本滞在すべての日々が

まさに夢のような毎日でした。


時・空両方の千秋楽で主演の加藤里保菜さんが「17歳の時になくなった監督の彼女さんとの思い出のために、工藤かをるを演じました」というような事をとてもたどたどしく、一生懸命言ってくれて…


演出(今回の本当の監督)の吉久さんや加藤さんファンの方々にひたすら申し訳ないやら恥ずかしいやらです。



でも本当に嬉しかった。

里保菜ちゃんには最後に心からの「ありがとう」を伝えたつもりです。

そして工藤かをるの姿のまま(エクストリームの姿ですが)の彼女を、万感を込めて「かをる」と呼ばせてもらいました(´>ω∂`)

高校時代は最後まで「工藤さん」としか呼べなかったからね。


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(子供がいれば)僕とかをるの娘ぐらいの年の加藤里保菜さん。最終日にしてはじめてマトモに顔を合わせましたが、近くで見ると(?)」とてもアイドルオーラがある子でした。


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そしてもうひとりの主役、玉川来夢さん。ふだんヴェッカーとかSFとかアクションに一番無縁そうな彼女。

でも舞台の上ではいちばん「ヴェッカーらしい」子でした。


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この二人が主演で、長沢美樹さんがいて…

他全39人の少女たち、そして吉久直志が作り上げたのが「時空警察ヴッカー1983」

でした。


僕は一番幸福な一観客として、この場にいられた事がもっとも幸福でした。


今日から1日2公演です!

僕は今日行けるかどうかわかりませんが(^^;ご来場お待ちしております(日本語間違ってる!)


昨日「工藤かをるのモデルは彼女さんだったんですね?」と聞かれ、よく聞くと金澤有希さんのブログに書かれてました、と。


工藤かをる役の加藤里保菜さんと、田中純子役の金澤有希さんにだけこっそりその話をしました。

サナやヴェッカーたちにもした「一言アドヴァイス」のつもりでした。

念のため書いておくと、この話を「ほかの人に言うな」とか「ブログに書くな」とか言ってないので全然問題はないんですが…

50ヅラ下げて自分の彼女をモデルにアイドルに演じさせてるのか!?と不快になられた方もいらっしゃると思うので一応補足説明。

そもそもココを見てないと補足の意味がないんですが、中国へわたって以来下降の一途を辿り、ついに500以下まで落ちていたアクセスが、ここのところほぼ元に戻ったので、今作をきっかけに来てくださっている方もいらっしゃるのではと。

ココの常連の方は「またその話か」と思って流してください。


確かに工藤かをるは僕の最愛の人をモデルにしてます。

でもその人は30年前の夏、劇中の工藤さんと同じ結末を迎えました。


田中純子にもモデルはいます。半分は僕自身でもあります(ついでに書くと井上や山本、伊代菜にもモデルはいます)


言わば工藤かをるは僕の創作のモチベーションの要であり、全てでもあるのです。

13年前にも彼女を主人公に「17歳~君がいた夏」という映画を撮りました。それが僕の監督デビューのきっかけであり「時空警察ヴェッカー」誕生のきっかけでもあります。


いつかもう一度ちゃんと工藤かをるの物語を作りたかった。

そして数多のプロフィールの中から加藤里保菜さんをみつけた時、「いつやるの?今でしょ?(笑)」と確信したのです。


そんなんで、原作者の超プライヴェートな思い出を元に発想はしていますが、(今上演されている)この作品は吉久直志さんによる完全なエンタテインメントです!

誰にでも「やり直したい過去」のひとつやふたつあるんじゃないかな?とも思って書き始めました。

それが出来るとして、やり直すべきなのかどうかは…出来上がった作品を観てそれぞれで考えてもらえればいいと思います。


加藤さんと金沢さんはこの話を「キモい」とは思わないで聞いてくれて(希望的観測)、実際、話したあとのおふたりの感情表現は明らかに変わって(僕には)見えました。


でも、正直工藤さんが目の前にいて、笑ったり怒ったり変身したり(笑)してるのを見てると涙が出ます。


全公演が終わったら、全力で工藤さんと田中さんを演じてくれている二人に、ちゃんとお礼を言いたいと思っています。