新書野郎 -222ページ目

観光都市江戸の誕生

安藤 優一郎
観光都市 江戸の誕生
江戸の観光事情を伝授。かなり分かりやすい本。
★★

戦争民営化

松本 利秋
戦争民営化―10兆円ビジネスの全貌

この題材は陰謀論がオーソドックス。読みやすいが、誤植が何か所かある。
★★

妖精のアイルランド  

下楠 昌哉
妖精のアイルランド―「取り替え子」の文学史
広義のアイルランド文学における妖精の意義について論じた本。著者はダブリンに留学した人で、全アイルランド大学選手権65kg以下級チャンピオン(経歴 より)だった人らしい。登場するのはイエイツ、ハイド。『ドラキュラ」のブラム・ストーカー、オスカー・ワイルド、ラフガディオ・ハーン、そしてジョイス と、これもビッグネームばかりだ。彼等の想像力の源はアイルランド民話にあるのではないかというのが論点だが、アイルランド民話の代表的モチーフとなって いるのが妖精である。今の日本の妖精イメージは少女と結びついた「清純」に近いものだが、それには幾分英国経由のオリエンタリズムの作用が働いているらし い。英文学というフィールドにおいては、そうした「異文化」としての「妖精イメージ」が必要とされ、『ドラキュラ」や『雪女』といった第三国が舞台の作品 にも流用できる汎用性があるものの様だ。それを生み出した作家たちの多くが、プロテスタントであったり、国外出自だったり、ハーフであったり、ディアスポ ラであったりと「ケルト性」を脱構築できる立場であった事と、その作品における「ケルト性」の影響とは無関係ではなかろう。
★★

宝くじ戦争

大山 真人
宝くじ戦争―戦後の日本を救ったのは宝くじだった
タイトル通り、宝くじと戦争の話から始まる。
なかなか勉強になった。
★★

ヴェネーツィアと芸術家たち

山下 史路
ヴェネーツィアと芸術家たち
日本語なんだから「ベネチア」でいいじゃんと思うのだが、これは「ヴェネーツィア」に足跡を残した近代芸術家たちの物語。登場するのはヴェネーツィアゆか りの芸術家というわけでもなく、モーツアルト、ゲーテ、ワーグナー、チャイコフスキー、スタンダール、ヴィヴァルディとビッグネームばかり。ティツィアー ノ、ゴルドーニと地元選出の芸術家も入っているが、寡聞にて、この2人だけは名前を知らなかった。さて、ビッグネーム連中は旅の途中でヴェネーツィアを訪 れたといったパターンなので、厳密にはヴェネーツィアを舞台にした物語とは言えないのだが、作品ではなく、その人生に焦点を当てた評伝は興味深い。この時 代にパスポートやビザが必要だったかどうか分からないが、当時の芸術家たちはひょいひょい国境を超えて、仕事を求めていたらしい。まるで今日のEU統合を 先取りしている様で面白い。
★★

両さんと歩く下町

秋本 治
両さんと歩く下町―『こち亀』の扉絵で綴る東京情景
こち亀よりこっちの方が面白かった。
★★

中東がわかる8つのキーワード

宮田 律
中東がわかる8つのキーワード
この著者は、とにかく出版ペースが早い。そして、そのどれもが一般向けの解説本である。となれば、もっとテレビに露出しても良いかと思うが、テレビは中東 調査会系が握っている様だし、身分が地方公務員というのも関係しているのだろう。(同僚の伊豆元先生は露出を控えているとか)さて、この新書もオーソドッ クスな解説。というか事実確認である。その点では予習復習に最適だ。8つのキーワードも話題のトピックスという感じで、他の中東研究者の様に、自分の世界 ではマニアックに走る事もない。宗教的なあれこれは語らないし、心情的にムスリムに同情している訳ではなさそうだ。もちろん反米を声高に叫びもしない。 「イスラーム」ではなく「イスラム」、サッダームではなく「サダム」を使う。研究者というより新聞記者の記述に近い。とりあえず「ニュースがわかる」事を 第一にしている様だ。
★★

世界遺産

ドミニック・オドルリ (他), 水嶋 英治
世界遺産
なんだかユネスコの広報みたいな薄っぺらい内容。
これで951円か。うーむ。別に買ってないけど。

ローマの泉の物語

竹山 博英
ローマの泉の物語
タイトル通り、ほんとうにローマの泉について書かれた本だった。私はてっきり趣味の悪い噴水をあっちこっちに作っているなと思っていたのだが、元々は歴と した泉であり、小さい泉に関しては水道菅を引けない大部分のローマ市民の為に公共の泉だったそうだ。そこでは井戸端会議ならぬ、泉端会議が日々繰り広げら れた事であろう。日本では井戸は防火用水として残るくらいだが、ローマの泉が現在でも健在なのは、有名トレーヴイの泉の様な観光資源としての役割もさる事 ながら、暑い夏にローマっ子の喉を潤す役割を現在も担っているからであろう。それが飲料に適しているのかどうかは知らぬが、ローマ市民にとっては慣れ親し んだ命の水である事は変わりがない。この著者はローマの全泉を制覇したらしく、まあ色んな泉が登場する。泉をオブジェ化する理由は良く分からないが、それ が文化とか伝統っていうヤツだろう。
★★

決められない!

清家 洋二
決められない! 優柔不断の病理学
私は自他ともに認める優柔不断野郎だが、この本は全く参考にはならなかった。