- パトリック・ブリュノー, 萩谷 良
- チェチェン
チェチェンものも何冊か読んできたが、どれもイマイチ、ピンと来ない。背景が複雑過ぎる事もあろうが、この地方(カフカス)に未だ足を踏み入れた事がない
という面での、皮膚感覚の理解が不足しているのかもしれない。この本は文庫クセジュという事で、原著仏文なのだが、98年の出版らしい。その後の補足はあ
るが、97年初頭のマスハドフ大統領選出で終わっている。その後は承知の通り、再びロシアの侵攻が始まり、後継大統領のカディロフに続き、マスハドフも今
年殺害された。とにかくチェチェンの歴史はソ連時代を例外として絶えず戦火が絶えない。そのソ連時代も多くのチェチェンの男たち(とその家族)は遠く中央
アジアなどに追放されており、チェチェンの地はチェチェン人のものではなかったのである。この本には、そうしたディアスポラについても詳しい記述がある。
トルコがその最大の受け入れ国だったとは意外だった。翻訳ものだし、省略も多い様だが、他の本の様に、過度にチェチェン人に肩入れしている訳でもなく、歴
史記録調でもない新書なので、入門書としては良いかも。
★★