新書野郎 -223ページ目

スタジアムの戦後史

阿部 珠樹
スタジアムの戦後史―夢と欲望の60年
面白かった。電車の中で読むのにちょうどいい本。まん中通るは中央線がベストだ。
★★

戦争の記憶をさかのぼる

坪井 秀人
戦争の記憶をさかのぼる
これはちくまの「季節もの」。脱イデオロギー指向っぽいが、そうでも無い様な気もした。
★★

血脈の世界史

児嶋 由枝
血脈の世界史
ヨーロッパの王家入門書。とにかくやたら複雑に繋がっているヨーロッパの王家だが、家系図を使って平易に説明してくれる新書は助かる。とは言ってもやはり 混乱してしまう箇所が多かった。幼少の頃、姉のベルバラなんかも読んでいたのだが、プロレタリア階級の私にはイマイチ興味が持てない世界だ。まあ戦国時代 の日本の様なもので、政略結婚が紛争防止の一役を担っていたという事であろう。結果、殆どの国で王家は外国出自となり、それがEU統合に寄与しているとも 言えない事もない。ちなみに現在の英国王室はドイツ起源だ。日本でも天皇の「御発言」が話題になったが、戦前には李垠と梨本宮方子の例があったり、エチオ ピアの皇族との結婚も計画されたりした。戦後は「人権問題」になるので、こうした露骨な事は出来なくなったが(似たような例が中央アジアであったが)、一 般社会では珍しくはなかろう。小泉が小池百合子と入籍なんて噂もある様だが、ここは一つ日中関係改善のサプライズでも見せてくれ。
★★

ディアスポラ紀行

徐 京植
ディアスポラ紀行―追放された者まなざし
結局、この人のアイデンティティは「不条理にも差別される自分」。
だから日本人は永遠に「差別者」でなくてはいけない。なんのこっちゃ。
で、アニキの「土台人」疑惑はどうなったんかいな。

チェチェン

パトリック・ブリュノー, 萩谷 良
チェチェン
チェチェンものも何冊か読んできたが、どれもイマイチ、ピンと来ない。背景が複雑過ぎる事もあろうが、この地方(カフカス)に未だ足を踏み入れた事がない という面での、皮膚感覚の理解が不足しているのかもしれない。この本は文庫クセジュという事で、原著仏文なのだが、98年の出版らしい。その後の補足はあ るが、97年初頭のマスハドフ大統領選出で終わっている。その後は承知の通り、再びロシアの侵攻が始まり、後継大統領のカディロフに続き、マスハドフも今 年殺害された。とにかくチェチェンの歴史はソ連時代を例外として絶えず戦火が絶えない。そのソ連時代も多くのチェチェンの男たち(とその家族)は遠く中央 アジアなどに追放されており、チェチェンの地はチェチェン人のものではなかったのである。この本には、そうしたディアスポラについても詳しい記述がある。 トルコがその最大の受け入れ国だったとは意外だった。翻訳ものだし、省略も多い様だが、他の本の様に、過度にチェチェン人に肩入れしている訳でもなく、歴 史記録調でもない新書なので、入門書としては良いかも。
★★

人名用漢字の戦後史

円満字 二郎
人名用漢字の戦後史
未だに一騒動あるこの問題。
なんとここまで来るのに60年もかかっていたのか。
★★

人はなぜ憎しみを抱くのか

アルノ・グリューン, 上田 浩二, 渡辺 真理
人はなぜ憎しみを抱くのか
著者がなぜヒトラーに憎しみを抱くのかを語らなければしょうがない。
★★

サッカーがやってきた

辻谷 秋人
サッカーがやってきた―ザスパ草津という実験
ザスパ誕生物語なんだけど、結構面白かった。一気に読めたよ。
★★★

日本とドイツ 二つの戦後思想

仲正 昌樹
日本とドイツ 二つの戦後思想
右の言っている事も、左の言っている事も、とりあえず間違ってはいない様だが、互いに相手を認めないその独善性はそっくりで、実は右も左も根っこは同じで はないか。おそらく、こういったところが、毎度繰り返される不毛な論戦に対する平均的日本人が感ずる違和感であろう。著者の出発点もその辺にある様で、い わゆる戦後処理問題に関して、常に比較される日本とドイツの対象性を切り口に、そのバックボーンとなっている両国の戦後思想を振り返る。この本で論じられ るのはマルクス主義からポストモダンまで幅広いものだが、こと「歴史認識」に絞ると、案外日本もドイツも同じ様相を示しているところもある。ドイツでもベ ルリンの壁崩壊後は「歴史修正派」の登場が顕著であるらしい。国を人生に例えると、戦後に共にゼロ歳児だった両国は20代前半の青年期に反抗期を迎え、理 想を求め熱心に運動したが、30代には仕事に没頭、働き盛りの40代に充実した暮らしを手に入れ、50代に衰えの兆しを感じ。60代に差し掛かった現在、 ようやく自身を見つ直す余裕を持てる様になった。これからの老後の生活に備え、十分な蓄えも、場合によっては介護も必用だ。日本とドイツの違いがあるとし たら、この老後の備えであるかもしれない。著者が指摘するのは、ドイツではナチズムを体験した世代が戦後に思想的な枠組みをはっきりと作成した事で、その 辺を「あいまい」にした日本の思想との違いは対象的だ。それは宗教的観念の違いからくるのかも知れないが、親が子に人生の生きる術を伝授しなかったツケが 今になって響いてきているのかもしれない。
★★★

ある漂流者のはなし

吉岡 忍
ある漂流者のはなし
こんな人がいた事さえ忘れてた。
★★