新書野郎 -224ページ目

召使いたちの大英帝国

小林 章夫
召使いたちの大英帝国
タイトル通りの非常に読みやすい新書。イギリス上流社会を論ずる本は星の数ほどあれど、場合によってはその家族の一員とみなされていた召使いたちについて の本は、なかなかお目にかかれない。ヴィクトリア時代に召使いは総労働人口の中で、もっとも大きな割合を占めていたらしいから、おかしな話だ。戦後「下 男」や「女中」が前時代的なものとされた事も関係しているのだろうか。この本を読むとイギリスの「召使い」の世界も非常に奥深いものがある事が分かる。そ れは執事を筆頭にしたミニ階級社会であり、「カースト制度」の如くに細分化されている。現代日本人にはイマイチ馴染みがない「乳母」の話などは興味深い。 乳房の形が変化するのが嫌だからというのが、乳母を雇う理由だったとは初めて知った。平易さに徹する為か、著者も一般受けを狙っているらしく、当時の乳母 の条件「乳首は硬くつんと上を向いているのが望ましい」を括弧付きで(筆者もこれが望ましい)なんて記したり、「メイド喫茶に行ってみたくなった」などと あとがきに記している。不覚にもこの辺は私も同感。
★★

大型店とまちづくり

矢作 弘
大型店とまちづくり―規制進むアメリカ,模索する日本
大店法廃止の時は大騒ぎしたこの問題も、最近はあまり話題にのぼらなくなった。従来は大型店進出に伴い、小規模商店街が空洞化するといった論理を以って、 商店主などによって反対運動が展開されていた訳だが、どうもそれは単純な見方であった様だ。さて、この新書で取り上げられるのは、アメリカのケースであ り、ウォルマートのケースである。ウォルマートと言えば反グローバリズム陣営の第一の標的であり、著者もそれが自明の如く、その立場に立つ。岩波新書でも あるし、それはそれで構わないのだが、「パンサー系」などの反対運動が詳しく書かれているのに対し、一般消費者の声は殆ど無視されているのが気にかかる。 またウォルマートの釈明を全て「価格絶対主義」で済ませているのも公平さを欠く。どうも「市民」というのは資本主義の倫理に毒されない「価格」より「景 観」を重視する、生活に余裕があるリベラルな人たちの事を指している様だが、はたしてそれが消費者の平均的な姿なのだろうか。

脚本家・橋本忍の世界

村井 淳志
脚本家・橋本忍の世界
これは面白かった。いわゆる映画論とも評伝とも違う。
★★★

日本全国近代歴史遺産を歩く

阿曽村 孝雄
日本全国近代歴史遺産を歩く 講談社+α新書
ヘリテージングと廃墟マニアは似て非なるもの。広告屋が入ったとたん、その魅力を失うのは何故だろう。

なぜあの人とは話が通じないのか

中西 雅之
なぜあの人とは話が通じないのか? 非・論理コミュニケーション
マニュアルコミュニケーション野郎が一番むかつく。

八月十五日の神話

佐藤 卓己
八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544)
毎年恒例の季節ものだが、それ自体がテーマになった本。それだけでも十分珍しいが、その考察も優れている。「八月十五日」に違和感を感じている人には得るものがあるだろう。
★★★

旧字力、旧仮名力

青木 逸平
旧字力、旧仮名力
自己採点
旧字力 たいへんよくできました
旧仮名力 もっとがんばりましょう

アメリカの行動原理

橋爪 大三郎
アメリカの行動原理
著者は社会学の大御所だが、とにかく何でも評論するので、何が専門なのかよく分からない。まあそれが社会学なのであろう。この新書は講演採録もの。例に よって、アメリカをあれやこれや定義づけている。それこそジーンズからパーソンズまで槍玉にあがっているのだが、講演(セミナー?)という事もあり、難し い話はナシで、流行りの「一番易しいアメリカ.....」的語り口。アメリカもそんな単純な国ではないと思うが、反米か親米。どちらしかないのなら、この 程度の理解がちょうどいい。


そんな言い方ないだろう

梶原 しげる
そんな言い方ないだろう
そんなうるさく言わなくてもいいだろう。

オニババ化する女たち

三砂 ちづる
オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す
野郎的には面白かったけど、女子的にはどうなんだろう?
★★★