召使いたちの大英帝国
- 小林 章夫
- 召使いたちの大英帝国
★★
大型店とまちづくり
大店法廃止の時は大騒ぎしたこの問題も、最近はあまり話題にのぼらなくなった。従来は大型店進出に伴い、小規模商店街が空洞化するといった論理を以って、
商店主などによって反対運動が展開されていた訳だが、どうもそれは単純な見方であった様だ。さて、この新書で取り上げられるのは、アメリカのケースであ
り、ウォルマートのケースである。ウォルマートと言えば反グローバリズム陣営の第一の標的であり、著者もそれが自明の如く、その立場に立つ。岩波新書でも
あるし、それはそれで構わないのだが、「パンサー系」などの反対運動が詳しく書かれているのに対し、一般消費者の声は殆ど無視されているのが気にかかる。
またウォルマートの釈明を全て「価格絶対主義」で済ませているのも公平さを欠く。どうも「市民」というのは資本主義の倫理に毒されない「価格」より「景
観」を重視する、生活に余裕があるリベラルな人たちの事を指している様だが、はたしてそれが消費者の平均的な姿なのだろうか。
★
★
八月十五日の神話
- 佐藤 卓己
- 八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544)
毎年恒例の季節ものだが、それ自体がテーマになった本。それだけでも十分珍しいが、その考察も優れている。「八月十五日」に違和感を感じている人には得るものがあるだろう。
★★★
アメリカの行動原理
- 橋爪 大三郎
- アメリカの行動原理
著者は社会学の大御所だが、とにかく何でも評論するので、何が専門なのかよく分からない。まあそれが社会学なのであろう。この新書は講演採録もの。例に
よって、アメリカをあれやこれや定義づけている。それこそジーンズからパーソンズまで槍玉にあがっているのだが、講演(セミナー?)という事もあり、難し
い話はナシで、流行りの「一番易しいアメリカ.....」的語り口。アメリカもそんな単純な国ではないと思うが、反米か親米。どちらしかないのなら、この
程度の理解がちょうどいい。
★