- ドミニック・ラティ, 高遠 弘美
- お風呂の歴史
読者にやさしくない仏語翻訳新書の文庫クセジュ。やめようやめようと思いつつ、己の読書傾向からついつい読んでしまう。おフランスの知性を象徴する文庫クセジュには何とも似合わないタイトルだが、このタイトルなら、やはり読まずにはいられない。これは文字通りお風呂の歴史の本。フランス人の風呂嫌いはよく知られているが、かつては日本と同様に銭湯も混浴も花盛りのお風呂文化があったという。それが温浴が軟弱だから水浴に、水浴が軟弱だから香水へと変化したらしい。この辺はよく分からんが、仕方なく廃業することになった風呂屋は理髪師と外科医に転身したという。これだとますます訳分からんが、これらの職業は中世ヨーロッパでは密接に結びついたものだったことは分かった。特に女性はもともと肌に潤いがあるので、入浴などはもってのほかとされたらしく、おばあさんなどは一生に一度も入浴したことがない人はザラにいるらしい。この辺は文化の違いだから、まあいいんだけど、シャワーにしても寝る前ではなく朝というのは、どうも馴染めない。バッチイまま布団に入るのはヤだし、それで男女の営みまでしてしまうのもどうもついていけん。この新書にしては珍しく訳者が「個人的経験」をあとがきに書いているのだが、風呂命の日本から来て、最初は失敗を重ねたが、慣れれば気にしなくなったとか。私は最後まで慣れんかった。すんません。
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