新書野郎 -207ページ目

病魔という悪の物語

金森 修
病魔という悪の物語―チフスのメアリー
ちくまプリマーは本当に傾向がハッキリしている。親がガチガチで、ジュニアがのびのびの岩波に対して、ちくまは親が自由奔放なのに、こどもは至って健全。 「誰」(だれ)にまで振り仮名を振ってしまう小学生まで視野に入れた中一コース(今もあるのかな?)みたいな道徳路線は、編集者が自分のこどもを読者に想 定して造ってんじゃないのと思わせるくらい。で、これもチフスのメアリーというよく知られた話を題材にした教育もの。素材は面白いのだが、エイズとか SARS、鳥イン、ハンセン病といった「社会的病」の理解を念頭に置いていることが分かる。特にターゲットが小中学生ならエイズでしょう。今さらセックス の低年齢化に驚くこともないし、統一協会なんかが絡んでる「純潔運動」には敵意しか感じない私だが、エイズ教育についてはもっと多種多様化が必要だと思っ ている。戦争とか公害とかではなく、食とかセックスとか人間の根源に関わる不可抗力の事態で感染した場合は、より病気との共生が求められるのではなかろう か。

「イスラムvs.西欧」の近代

加藤 博
「イスラムvs.西欧」の近代
この著者は日本にはあまりいない(と思われる)イスラム経済を専門とする人だが、この新書はイスラム知識人と近代文明の葛藤をテーマにした入門書。... のはずだが、当方に知識が不足している為、通勤読書ではイマイチ頭に入らなかった。何の因果かこの様なタイトルになっているが、著者が念頭に置くのは西欧 =キリスト教ということ。その意味では日本が明治維新で受け入れた先進技術や、終戦後に受け入れた民主主義の様な形での全面開放は、イスラムという社会に おいては難しい。この辺はイラクにGHQモデルを検討していた米軍の誤算も窺えよう。ただ、同じ神を信じるイスラムとキリスト(ユダヤも)教には、近親憎 悪もあれば、近親愛も存在する。その人口比はともかく、世界を支配しているのはこの3るの宗教であり、我々多神教の人間たちは、彼等の世界では宗教という 範疇はもちろん、宗教が支配するところの世界という範疇からも漏れた異端な存在であることは知っておいてもよい。その上で「イスラムvs.キリスト」の内 戦に参戦する覚悟があるなら良いが、民主主義だの人権だのを口実にした内ゲバに巻き込まれるのはどうか。とりあえず「唯一神」に委ねてみるべきではなかろ うか。
★★

物理学校

馬場 錬成
物理学校―近代史のなかの理科学生
愛校心は食えねえな。

これが戦争だ!

内藤 陽介
これが戦争だ!―切手で読みとく
この人も新書全社制覇を狙える位置にいる。
その辺はあとがきで泣かせる事情が明かにされている。
★★

日本語はどこから生まれたか

工藤 進
日本語はどこから生まれたか―「日本語」・「インド=ヨーロッパ語」同一起源説
ベストだし、もしかしたらトンデモなのかもしれないが、素人だから、普通に興味深く読めた。
★★

自分のルーツを探す

丹羽 基二, 鈴木 隆祐
自分のルーツを探す
読んでも、自分のルーツには全く興味がないことは変わらない。

団塊の世代だから定年後も出番がある

布施 克彦
団塊の世代だから定年後も出番がある
団塊ってホント単純。トホホ...

スペイン巡礼史

関 哲行
スペイン巡礼史―「地の果ての聖地」を辿る
タイトル通りの新書だが、元々この方面の知識は全くないので、勉強になったというほど、理解した訳ではない。サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼に関しては、日本でもかなり知られているのだが、それが四国お遍路と通じるものがあるからというのはどうか。単にヨーロッパ好きの人たちが、ヨーロッパ人が崇拝する聖なる行為という対象に興味を抱いているだけの様な気もする。そこがメッカやカイラスでなくてサンティアゴ・デ・コンポステーラというところに意味があるのであろう。たしかに長年非宗教をやっていると、精神的な歪みが生じてくるのは事実だ。しかし、宗教的な人でも日々、心が満たされている訳ではなかろう。もし満たされているというならそれはそれで怖い。マルクス主義の発生地と現存地を考えると、それが伝統的宗教が力を失った時の、代替宗教であることが分かる。宗教がアヘンならマルクス主義はLSDだ。とりあえず、このまま無宗教でいられるよう神に祈りたい。

わかったようでわからない日本語

夏木 広介
わかったようでわからない日本語―そうか!!言われてみれば納得。
言葉は自由であるべきだなんて...
書いてることは全然違うじゃねーか。

東大法学部

水木 楊
東大法学部
自由学園の方が希少度は高い。
★★