- 加藤 博
- 「イスラムvs.西欧」の近代
この著者は日本にはあまりいない(と思われる)イスラム経済を専門とする人だが、この新書はイスラム知識人と近代文明の葛藤をテーマにした入門書。...
のはずだが、当方に知識が不足している為、通勤読書ではイマイチ頭に入らなかった。何の因果かこの様なタイトルになっているが、著者が念頭に置くのは西欧
=キリスト教ということ。その意味では日本が明治維新で受け入れた先進技術や、終戦後に受け入れた民主主義の様な形での全面開放は、イスラムという社会に
おいては難しい。この辺はイラクにGHQモデルを検討していた米軍の誤算も窺えよう。ただ、同じ神を信じるイスラムとキリスト(ユダヤも)教には、近親憎
悪もあれば、近親愛も存在する。その人口比はともかく、世界を支配しているのはこの3るの宗教であり、我々多神教の人間たちは、彼等の世界では宗教という
範疇はもちろん、宗教が支配するところの世界という範疇からも漏れた異端な存在であることは知っておいてもよい。その上で「イスラムvs.キリスト」の内
戦に参戦する覚悟があるなら良いが、民主主義だの人権だのを口実にした内ゲバに巻き込まれるのはどうか。とりあえず「唯一神」に委ねてみるべきではなかろ
うか。
★★