新書野郎 -209ページ目

本が崩れる

草森 紳一
随筆 本が崩れる
随筆だからこれでいいんだろうけど、新書マニアとしてはうむむ。

名門高校人脈

鈴木 隆祐
名門高校人脈
実はみんなこういうの好きなんだよね。
★★

北方領土問題

岩下 明裕
北方領土問題―4でも0でも、2でもなく
一部で話題になっている新書だが、それもこの著者が「二島返還」に比重を傾けているからだという。どうも宗男事件でもそうだが、北方領土は国の命題を懸け て取り組んでいる問題というわりには、国民の関心がイマイチ過ぎる。ドサクサに紛れて、あの手この手で乗っ取ろうとするあの国とか、自分たちが実効支配し ているにも関わらず、狂った様に大騒ぎするあそこの国とは大違いだ。かくいう私も正直言って、この問題にはあまり関心がない。旧島民の人たちは気の毒だ が、現島民がいる以上、どうしようもないかと思う。現島民に返還派が少なくないのは事実の様だが、それも経済的理由以外の何ものでもなかろうから、とても 好意的にみることはできない。著者は露中国境問題が専門の人で、両国のフィフティ・フィフティの決着が「ウィン・ウィン」だとしている。たしかに「戦略的 パートナーシップ」としてはそれが有効なのかもしれないが、日本がロシアと「戦略的パートナーシップ」になって対峙するのはどこの国なのだろう。二島で決 着つけて、「平和条約」を結ぶのも良かろうが、その後に際限ない援助を迫られ、それを梃に経済大国に躍り出たとたんに、踵を返され抗日路線を復活させた中 国の経験を忘れてはならない。やはり適度な緊張関係を保って深入りしないことが、相手がソ連の後継国家である以上ベターかと思う。その点において四島が無 理なのを分かっていながら、そのお題目は外さない政府の方針は確信犯的なものではないか。まあベストはアメリカがアラスカでやった様にカネで買い取り、恩 も徳も残さないことだけど。
★★

国際テロネットワーク

竹田 いさみ
国際テロネットワーク―アルカイダに狙われた東南アジア
この著者はテレビで見かけることも多いのだが、その風貌もそうだが、喋りも学者というよりは、報道側っぽい。余計なお世話だが、大学院の教授なのに、ひら がなの名前(著者は男性)だと、なんだか力が抜ける。それで、この新書も全く新聞記者が書いたとしか思えない内容。前に新聞(どこか忘れた)の書評欄に紹 介されていたが、とにかくもの凄い頻度で海外調査(取材?)に行く人らしい。それでは本業の方は休講の嵐ではないのかと、思わず心配してしまうが、これも 余計なお世話だろうか。ただ、こうした東南アジアのテロ組織については中東と違ってあまり専門書が出ないので、非常に面白く読めた。アラブの「華僑」ハド ラミーについて触れているのは興味深い。関係ないけど東チモールの首相にもそんな人がいた。華僑、印僑、ユダヤ、レバノンのディアスポラは、経済的影響力 も相まって多くが語られてきたが、ハドラミーはこの本のテーマの鍵を握る存在であろう。クアラルンプールやマニラがテロリストの拠点として使われるのに は、現地の女性が大きな大きな役割を果たしているというのも興味深い。今後、アルカイダが日本支部を発展させるとしたら、おそらく同様の役割を日本人女性 に求めるだろう。白人系改宗フランス人のリオネル・デュモンを新潟に送ったのも、実はその辺に関係があったりして。
★★

宅配便130年戦争

鷲巣 力
宅配便130年戦争
限りなくPR本に近い。

事業再生

高木 新二郎
事業再生―会社が破綻する前に
当事者にとっては実用的なんだろうけど、一般人にはよく分からん世界だ。

鉄道の文学紀行

佐藤 喜一
鉄道の文学紀行
都立高校を定年退職して、駿台を経て、好きな鉄道巡りをして、本も出す。
順風満帆な人生ですな。

カタルーニャの歴史と文化

M. ジンマーマン, M.=C. ジンマーマン, Michel Zimmermann, Marie‐Claire Zimmermann, 田澤 耕
カタルーニャの歴史と文化
文庫クセジュの本で面白いと思ったものはないし、今後もないと思うのだが、読書趣味的には一応読んでおかなくてはならないので辛いところだ。で、こちらはタイトル通りのカタルーニャ紹介もの。著者の二人はよく分からないが、たぶん夫婦だろう。フランス人ではあろうが、名字はドイツとかユダヤっぽい。歴史編は中世メインなのでもう誰が誰やら、次々と出てきて分からなくなる。シャルル禿頭王とか、ギフレ多毛伯なんてのが気になったくらいだが、ほんとにこんな名前で呼ばれていたのだろうか。直訳するのもなんだか。文化編は更に分からんもので、正にカタルーニャの作家全部を紹介してるんじゃないかと思うくらい。私の芸術オンチぶりを露呈する様だが、ミロとダリくらいしか知った名前がない。どうも著者は芸術にウルサイ人の様で、この作家は有名だけど価値が低いとか、余計な批評を加えている。ということで日本人が大好きなガウディは名前も出てこない。著者的には、あれは芸術と呼ぶのに値しないのだろう。

自爆テロリストの正体

国末 憲人
自爆テロリストの正体
著者は朝日記者で、なんだか安っぽいタイトルだが、これはまあまあ面白かった。元々朝日はモハメド・アタの追跡連載をやっていたので、その派生品みたいな ものなのだろうけど、フランスプロパーでパリ特派員だった著者が興味を持ったのはヨーロッパ生まれの「イスラム原理主義者」たち。「二十番目のテロリス ト」ムサウイについてはそのアニキが書いた本 を 前に興味深く読んだのだが、著者によればこのアニキ自体が曲者で、「まじめな教師であるフランス市民」のはずだったアニキは、その実、弟と対立する「イス ラム原理主義」組織に属しているのだという。たしかに、母親の記述などおかしな点があったのだが、これは知らなかった。日本に潜入していたというリオネ ル・デュモンをはじめ、元キリスト教徒の改宗組についても詳しい。靴底爆弾でアメリカン航空を狙ったリチャード・リードは当初スリランカ人とされていたが ジャマイカ人で、ロンドン地下鉄爆破犯にもジャマイカ人がいた。そして、白人にも相当数な改宗者がいるらしい。こうした異教徒は前科があったり、アルコー ルやクスリに溺れていた者が多く、かつてのネイションズ・イスラムの勧誘手口と似ている。また、元々イスラム教徒の二世や留学生などには、彼等が社会から 疎外されているという状態を突く勧誘がなされ、著者はこれをカルトと同じ手法としている。これは妥当かもしれない。しかし、「手相の勉強をしているんです が」とか「絵の展覧会を見ませんか」と駅前で、不特定多数に話かけるというマネはさすがの「イスラム原理主義者」もできないだろう。著者も指摘している が、元々敬虔なキリスト教徒や世俗的ながらもイスラム教徒の様に多少でも宗教心がないとここまで入り込めない。麻原を始めオウムもカルトからカルトへ渡り 歩いている連中が多いことが知られているが、さすがのアルカイダも盆とクリスマスが一緒に来る日本ではバカバカしくなって帰ってしまったのかもしれない。
★★★

<変態>の時代

菅野 聡美
〈変態〉の時代 講談社現代新書
いわゆるエログロナンセンスのお話。
★★