新書野郎 -203ページ目

唯幻論物語



岸田 秀
唯幻論物語
相変わらずといっちゃあ、相変わらずなんだけど、これは何だか。

地中海



樺山 紘一
地中海―人と町の肖像

パラパラっとめくってみたらチュニスの写真なんかが載ってたので、歴史紀行ものかなんかと思って読んでみたら、これが私の苦手な純粋な西洋古代史もの。著者は印刷博物館館長という役職にある方らしいが、たしかに西洋中世史系で名前を聞いたことがあった。印刷については不明だが、この本でも、ちらっと印刷の発達について触れているところがあったので、専門領域なのかもしれない。さて、いくら苦手と言っても、この辺の知識がキチっとないと、あちらでは論争する前提知識すらないということになってしまうので、何とか読了してみた。キリスト、ユダヤ、イスラムは三位一体であるということは頭の中では理解できても、皮膚感覚で身に付いていないとやはり、今のゴタゴタを理解するのは難しいだろう。まあ、向こうから見れば、「東アジア」の軋轢だって何か近親憎悪みたいに映っているのではあるまいか。「倭冦」にしても「元寇」にしても今の国民国家の枠組みで理解するのは、相当無理があるわけだが、「大日本帝国」という「絶対悪」を相対化させるのを阻止する為にはそうした言い訳が必要なのだろう。さすがにアレモン族をナチスに準えたりする暴論は歴史を相対化する西欧では起き得ないのだが、十字軍とかオスマントルコに対する「記憶」は庶民レベルでは健在である。ブッシュのあの発言も「庶民派」を表装したものとも言えよう。ということで、ヘロトドスとか、マイモニデスについてはよく分からないので、誤魔化してみた。でも、ノストラダムスとかヘップバーンについてはよく分かった。ノストラダムスのベストセラーは「化粧品とジャム」だというのは知らなかったが、オードリーとキャサリンのWヘップバーンって何か関係あるんだっけ?ヘボン文字の人とどちらかが、関係しているのは知っているけど。
★★

内部告発と公益通報



櫻井 稔
内部告発と公益通報―会社のためか、社会のためか
この問題はしっかり知識を付けとかなくてはいかんな。
★★★

週刊誌風雲録



高橋 呉郎
週刊誌風雲録

やっぱ業界だから、面白いは面白いんだけど、これはセオリー通りの英雄伝説だね。
★★

松本清張と昭和史



保阪 正康
松本清張と昭和史
病をおして新書制覇へ着々の著者も、さすがに清張の執筆ペースにはかなわない?
★★

麻原彰晃の誕生



髙山 文彦
麻原彰晃の誕生
これは面白かった。職人技を感じる。
★★★

壊れる男たち



金子 雅臣
壊れる男たち―セクハラはなぜ繰り返されるのか
著者の偽善っぷりにはムカムカした。

拡大ヨーロッパ 



ジャン=ドミニック ジュリアーニ, Jean‐Dominique Giuliani, 本多 力
拡大ヨーロッパ
文庫クセジュらしいEUものだが、原書は2005年と、このシリーズにしては珍しく新しい方なので、まだ使える。このテーマでやるには年に数回改訂が必要になりそうだが、日経の新書みたいにECの時代から改訂改訂の嵐で30年も持たしてしまうという手もある。この本に登場する国々も30年後はめでたくEU の一員となっているだろうし、30年後の改訂版ではカーポベルデとか、冗談かと思った国が本当に候補国に入っているかもしれない。そうなればロシアも入っているだろうし、北方領土がEUなんて笑えない現実にも直面するかもしれんが、その時は日本も潔くEU入りすべきだろう。少なくとも、実質大中華帝国となるであろう「東アジア共同体」への併呑は免れることが可能な選択肢である。と、そんな悲観か楽観かよく分からん話はこの辺にしといて、本題に戻ると、これはものすごくオーソドックスな啓蒙本。クセジュはよくこんなのがあるが、無味乾燥の広報本と言ってよかろう。どうも著者はトルコを押している様だが、やはりEUも覚悟を決めたと見える。著者自身もイタリア系っぽい名前だが、高尚な差別禁止を謳うEUでトルコ問題とどう折り合いをつけるかがやはり今後の鍵となるであろう。最後はお決まりの国別データ。似た様なものを何回も読まされているから、私もすっかり民族構成には強くなったが、チェコ在住外国人で一番多いのがウクライナ人というのは意表を突かれた。スロバキア人より多いとは意外。三番目がベトナム人というのも凄い。ネドベドは知らんが、コレルとかロシツキーなんてのもドイツとかポーランド系っぽい感じがする。チェコ気になるぜ。

聖書で読むアメリカ 



石黒 マリーローズ
聖書で読むアメリカ
タイトル通りの話なのだけど、著者はレバノン出身でキリスト教徒ではあるが、別に「アメリカン大学」の出身でもなく、フランス語教育の出身らしい。キリスト教、聖書、英語のキーワードを組み合わせてどんどん本を出しているらしく、名前に聞き覚えがあった。要は英語で釣って聖書を広めるということなのだが、この新書では釣りエサにアメリカ文化を加えている。ということで前半は抑え気味なのだが、中後半はだんだんと美辞麗句を鏤めた「布教」の要素が濃くなってくるので要注意。アメリカの本質がキリスト教であることや、政治が宗教に依拠している点はもはや「常識」なので、某知事の様に驚くには値しないだろう。たしかに、これから西欧社会を相手に戦っていこうという人は「一般常識」として聖書通読が必要なのだろうけど、海外で知り合った人に「あなたに素敵なプレゼントをしたいんだけど.....」と言われて聖書を渡されて困惑してしまう経験を何度となくしてきた私は、もう勘弁って感じ。人生を幸福に生きない、幸福を追求しない自由というのもあると思うんだけど、それじゃダメなのかな。

憲法とは何か



長谷部 恭男
憲法とは何か
思想系ではなく、実務系だったので、まあ読める。
★★