拡大ヨーロッパ
ジャン=ドミニック ジュリアーニ, Jean‐Dominique Giuliani, 本多 力
拡大ヨーロッパ
文庫クセジュらしいEUものだが、原書は2005年と、このシリーズにしては珍しく新しい方なので、まだ使える。このテーマでやるには年に数回改訂が必要になりそうだが、日経の新書みたいにECの時代から改訂改訂の嵐で30年も持たしてしまうという手もある。この本に登場する国々も30年後はめでたくEU の一員となっているだろうし、30年後の改訂版ではカーポベルデとか、冗談かと思った国が本当に候補国に入っているかもしれない。そうなればロシアも入っているだろうし、北方領土がEUなんて笑えない現実にも直面するかもしれんが、その時は日本も潔くEU入りすべきだろう。少なくとも、実質大中華帝国となるであろう「東アジア共同体」への併呑は免れることが可能な選択肢である。と、そんな悲観か楽観かよく分からん話はこの辺にしといて、本題に戻ると、これはものすごくオーソドックスな啓蒙本。クセジュはよくこんなのがあるが、無味乾燥の広報本と言ってよかろう。どうも著者はトルコを押している様だが、やはりEUも覚悟を決めたと見える。著者自身もイタリア系っぽい名前だが、高尚な差別禁止を謳うEUでトルコ問題とどう折り合いをつけるかがやはり今後の鍵となるであろう。最後はお決まりの国別データ。似た様なものを何回も読まされているから、私もすっかり民族構成には強くなったが、チェコ在住外国人で一番多いのがウクライナ人というのは意表を突かれた。スロバキア人より多いとは意外。三番目がベトナム人というのも凄い。ネドベドは知らんが、コレルとかロシツキーなんてのもドイツとかポーランド系っぽい感じがする。チェコ気になるぜ。
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