カラシニコフ自伝
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「自伝」なのに別の人の名前があるのは聞き書きだから。聞き書きしている人はカラシニコフの娘の友人だそうで、モスクワ生まれのパリ在住の作家だそうだが、ロシア人なのかフランス人なのかは不明。ということで原書はフランス語なのだが、2003年のものらしい。朝日の連載がコレを参考したのかどうか分からんが、ヒントはこの本だったのかもしれない。自前の出版が終わったから、新書で出したのだろう。何よりもカラシニコフが存命であるという事実が最大の見せ場であった訳だから。もっとも、この本を読むと、カラシニコフが健在であることも、財団を作ってることも、現役の技師であることも、世界的には知られた事実であることが分かる。「カラシニコフ」の知名度及び注目度は、「平和ボケ」の国と「世界」では違うものだろう。カラシニコフに責任を負わすのは、靖国の刀匠に責任を負わすのと同様、無意味なものであるが、問題提起を装った松本仁一と李纓に比べて、この聞き書きの人は誠実だと言えると思う。それは娘の友人であり、言語の障壁がなかったことも理由だろうが、当人の半生が生き生きと綴られていて面白い。エリツィンやゴルバチョフに批判的なのは、この時代の「ソ連人」らしいし、プーチンについて特に言及がないのも、また「ソ連的」な処世術である様に感じた。
★★
生活保護vsワーキングプア
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たまには違う側からの声も。
★★
アメリカの世界戦略
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新書だからこれで良いのかもしれないが、何か掴み所がない印象。朝鮮戦争からベトナム戦争、「ブッシュの戦争」までアメリカ式戦争の特徴と問題点を政策決定者の証言を交えて分析とあるけど時系列に書かれている訳でもなく、その事実のおさらいをしている様な感じにさせられる。学生さんが入門書として読むには適していると思うが、パックス・アメリカーナの本質を追求するには、反米、親米、リアリストのいずれかに立脚した方が分かりやすいだろう。イラクが明らかな失敗に終わった現在、アメリカも無理して単独行動主義に走ることもなかろうし、イランや北が相手ではその価値もなかろう。経済効果や選挙戦を睨んだ戦争は、もはや割に合わない時代に突入しているのではなかろうか。中国が旧ソ連と同じくらい力をつけ、ニュー冷戦の世紀を迎える可能性はあるが、台湾が落ちても、日本やアセアンに「中華ドミノ」が起きるとは考えにくい。むしろ「民主主義国家同士では戦争をしない」という法則が全世界に適用される時代の方が早く到来するだろう。アメリカの新世界秩序はそこで完成する訳だが、戦争という人類が生んだ最高最悪のショーが本当に終幕を迎えることができるのだろうか。
★★
日本の刑罰は重いか軽いか
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この著者が前に出した集英社新書は中国の正当性を主張する何か説教じみたものだったと記憶しているのだが、批判があったのか、称賛されたのか分からんが、前と趣きが異なる仕上がりになっている。持論であるらしい「権力社会中国」と「文化社会日本」にどうしても結論づけたい様だが、その部分は端折って読んだ方が良いかもしれん。元々、死刑廃止運動を盛り上げる為に集英社新書が企画したんだろうが、中々、リアルで死刑の判決を下すことに加担し、その執行現場を見届けた人物が日本語で新書を書くなんてことはないだろう(と思ったら、最近、50年前の死刑執行の実況がテレビとラジオで放送されたりした)。著者はその現場を見て、表向きは死刑反対論者になった様だが、それも事件と犯人の場合によるとしている。日中米三国の法体制を比較するのが著者の専門らしいのだが、意外にも著者が評価しているのが日本の法律。蒔餌式の米国、魚網式の日本、キャンペーン式の中国とはよく言ったものだが、「欧米諸国」やそれに妄信する「進歩派」の人たちから人権無視の証拠として突き上げられている例の「有罪率99%」は日本の細密捜査の賜物だとしている。一方、日本の法律が甘いから外国人犯罪が増えるという見方は間違いとして、中国は日本の様な厳罰主義ではないとしている。何でも500元以下の窃盗は犯罪として立件されることはなく、外登不携帯や万引きで逮捕され、裁判を受けることになった中国人が差別だと訴えるのを、石鹸3個盗んで送検された日本人もいると言って諭しているのだという。それでは中国ではスリも500元以下だったら犯罪ではないかというと、私が勤めていた会社でも年中窃盗騒ぎがあったのだが、被害が一万元以下だったら、警察に届ける様なことはしてなかった様な覚えがある。中国の死刑執行数というのは実のところ不明なのだそうだが、「社会主義経済秩序破壊罪」というのが事由として一番多く、死刑の半数近くは所謂「経済犯」である様だ。パンダを殺して死刑なんてこともあったが、改革解放前は「反革命罪」が一番多かったことを鑑みれば、中国の司法制度が「キャンペーン式」というのは言い得て妙である。あまりこの分野で名をはせる在日中国人学者はいないのだが、法整備は古くから中国は日本を参考にしている様だ。著者にしても学者より稼げる道はあったのだろう。日本の社会は評価しなくても、日本の法律自体には未だ惹かれるものがあるのかもしれない。
★★★
視点をずらす思考術
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リライトか。
次は「格差」で稼ぐのかな。
★
冷蔵庫で食品を腐らす日本人
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そんな時代だから、儲かる著者。
★★
頭がよくなるユダヤ人ジョーク集
![]() | 頭がよくなるユダヤ人ジョーク集 (PHP新書 507) 烏賀陽 正弘 PHP研究所 2008-02-14 売り上げランキング : 10544 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
すっかり、新書の定番になってしまった「ジョーク集」だが、最近はどれだけツマランかを確認する為に読んでいる感じ。タイトルに「爆笑」とかつけるのもなんだが、ユダヤだからって、こんなタイトルにしてしまうのも、「ユダヤ商法」なのだろう。「反朝日本」は見掛け倒しだったが、オリコン裁判の人なら、まあマシなものを書くかなと思ったら、これは別人だった。もっとも、英語本とかユダヤ本とかを出しているこの著者の方が著作は多いみたいなので、世間的にはこちらの方が知られているのかもしれん。親戚なのか分からんが、この苗字って地方によっては珍しくもないのだろうか。とりあえず、読んで頭がよくなることは、まずないと思うが、ネタのジョークは著者の下に、メールで続々と送られてくるのだという。たしかに「電子メール」の黎明期に、チェーン・メールよろしく、つまらんジョークが英文で転送されてきたことがよくあったのだが、これだけスパムが蔓延する時代になっては、何か懐かしくも思える。さすがに、著者みたいに「世界をマタに駆けるビジネスマン」をしている訳ではないので、センスのかけらもない東洋人と思われても、無理してジョークを実践したいなどとは思わない。最後に虎の巻などがあるのだが、ひたすら暗記して、その機会が来たらよどみなく言えるようにするのだそうだ。ジョークって暗記するものだったのか。
★
中国残留邦人
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井出孫六も懐かしい名前だ。1931年生まれというから、まだまだ現役で、著書もコンスタントに出している様だ。それにしても丸岡秀子や井出一太郎とは随分、トシが離れているな。造り酒屋が実家だそうだが、田舎では酒屋は豪商というのが相場であろう。ということで、秩父困民党も、満蒙開拓団も、本人の実感としてはない話なのだと思うのだが、逆にそのことが尾を引きずっているのかもしれない。『終わりなき旅』も、地元長野の開拓団の話が中心だった様な気がする。別に「新版」でも「続編」でもないのだろうが、例の裁判の話が後半にちょっとある以外は、あまり変わっていない内容ではなかろうか。「中国残留孤児」も最近は「真実」が語られる様になっているから、捨てられた日本人の子どもを我が子同然に育てた中国人の度量といった中共の宣伝は有名無実になってしまったのだが、「日中友好」に依拠した初期の「運動」をしていた人はそう簡単に「転向」する訳にはいかないだろう。それにしても、長崎国旗事件を今頃痛烈に批判されると、時代錯誤の感は否めない。しかし、あれから半世紀経って、地元長野に埋め尽くされた五星紅旗に著者は何を思ったのだろうか。
★★







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