アメリカの世界戦略
![]() | アメリカの世界戦略―戦争はどう利用されるのか (中公新書 1937) 菅 英輝 中央公論新社 2008-03 売り上げランキング : 64947 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
新書だからこれで良いのかもしれないが、何か掴み所がない印象。朝鮮戦争からベトナム戦争、「ブッシュの戦争」までアメリカ式戦争の特徴と問題点を政策決定者の証言を交えて分析とあるけど時系列に書かれている訳でもなく、その事実のおさらいをしている様な感じにさせられる。学生さんが入門書として読むには適していると思うが、パックス・アメリカーナの本質を追求するには、反米、親米、リアリストのいずれかに立脚した方が分かりやすいだろう。イラクが明らかな失敗に終わった現在、アメリカも無理して単独行動主義に走ることもなかろうし、イランや北が相手ではその価値もなかろう。経済効果や選挙戦を睨んだ戦争は、もはや割に合わない時代に突入しているのではなかろうか。中国が旧ソ連と同じくらい力をつけ、ニュー冷戦の世紀を迎える可能性はあるが、台湾が落ちても、日本やアセアンに「中華ドミノ」が起きるとは考えにくい。むしろ「民主主義国家同士では戦争をしない」という法則が全世界に適用される時代の方が早く到来するだろう。アメリカの新世界秩序はそこで完成する訳だが、戦争という人類が生んだ最高最悪のショーが本当に終幕を迎えることができるのだろうか。
★★
