最終回は二回にわたって行ってきた比較試験で出てきた問題点をなんとかして解決してみようという形ですが、メーカーへの希望も書いておきました。
第一回、第二回は以下の比較を行いました。
1.線路規格
線路間隔、標準線路長さなどについて
2.線路道床
道床の幅、高さなどについて
3.線路接続性
道床の違いによる差、ジョイントの耐久性などについて
4.ポイント性能
ポイントの種類や切り替えの耐久性などについて
見慣れた線路達ですね。
・KATOユニトラック(右側)
・Tomixファイントラック(左側)
1.線路規格
線路間隔、標準線路長さなどについて
これKATOユニトラックについては
慣れるしかありません
基本長
・緑124mm(4番ポイント)
・赤186mm(6番ポイント)
2種類となります。
複線間隔
・標準、カーブなどが33mm間隔(黒)
・6番ポイントやクロッシングの関係で49.5mm(緑)
・島式ホームを挟む66mm間隔(赤)
KATOユニトラックなら複線で電車系を走らせたい方が多くいますので上下線(内回り、外回り)を6番ポイントで渡らせなければ、レイアウトプランも作ることが出来るでしょう。
また4番ポイントの124mmを考えなくてもなんとかなります。
しかし上下線での列車交換をする場合に6番ポイントでは線路間隔の問題がでますので、6番規格の両渡り線だけ使って33mm間隔を崩さずに行き来をするようにレイアウトを考えてみました。
10両編成まで走らせられるプランとなると横幅が6畳は必要で2600mmとなりました。
対向駅の直線部分は島式ホーム248mmを5個使って余裕で10両編成を停められるようにして、またこのプランでは両渡り線(長さ310mm)を短め方向に入れました。このため短め方向は1200mmとなりました。
そうしてカーブ半径はR282,R315を基本に使いヤード(緑色)から抜けて勾配を30‰で上下する右上カーブだけR315、R348を使いました。
破線のトンネル部分はあってもなくても特にかまいませんが、左側の210°カーブは両渡り線と近いので隠した方が風景を作りやすいと思います。
一箇所くらいは立体交差もみたいので直線同士の交差は出してあります。
両渡り線が310mmと長いために長手方向に入れようとするとヤードで10両編成が収まらなくなるので、本線を8の字展開させるならこの使い方が都合良いです。
ヤードは二線ずつ置いてますが、これは最低限なのであとは好みで増やせば良いですね。
赤丸印はどうしても端数直線がでてしまうので、スライド線路を使うか直線をカットするかが必要です。
思い切ってヤードを手前に持ってきても使いやすいかもしれません。
車両は断然置きやすくなるし、駅正面を見ながら結構な駅前スペースを商店やビルで飾っておいてそれを眺められるからです。
大きな拠点駅を過ぎると車両置き場がある幕張や、甲府、松本なんかもこんな感じで駅と車両区が少し離れています。
両渡り線を縦に置くとゆっくり車体をうねりながら渡り走行する車両を正面から見られるのも良い感じだしね
Tomixファイントラックの方は、こういった苦労もなくレイアウトプランを考えられるので割愛。もちろんC317,C280でほぼ上と同じようなレイアウトは作れます
2.線路道床
線路幅(道床の幅)は実際の線路に比べてKATOユニトラックでもまだ狭いし、「道床肩幅」はTomixファイントラックでは0mmとなり道床の高さについても違って実際の線路の「道床厚+枕木」が450mmに比べて、
「Tomix」596mm⇒差146mm
「KATO」735mm⇒差285mm
となって、実際より146~285mm高い訳です。
Tomixファイントラックの場合、レール面が腰まできていて実際の線路面より20cm近く高い感じです。
飯田線で比較してみると道床の高さは大体ヒザの高さまであることが分かりました。
そこで、床面に1mm厚さのボードを敷くと枕木面は膝上ぐらいにまで降りてきて見慣れた感じになります。
またレールトップも股下になりまして線路際を歩くカップルとしては自然な感じに見えます。
KATOユニトラックの場合は床に2mm位のスチレンボードを貼ると同じような感じに道床面を下げる効果があります。
Tomixファイントラックはもう一つ道床肩幅がない欠点も抱えています。
それは逆に「バラストを蒔きやすい」利点にもなります。
このようにしてバラストを蒔く苦労をいとわなければ、TomixファイントラックはKATOユニトラックよりも実感的な線路に見えてくれる訳ですね。
しかしそんなことをしなくても良いようにTomixファイントラックのローカル線仕様というのを発売してくれませんかね?
今の規格はそのままで良いんですが、道床が幅広のタイプを新タイプで発売してくれればありがたいです。
現代ならバラスト表現を更にリアルにして、道床肩幅を2.5mm位に広げた線路システムを発売すればきっとローカル派は飛びつくでしょう。
カーブはC280,C317に直線とL,Rポイントをまず品揃えすれば大体のローカル派は満足すると思います。
3.線路接続性
道床の違いによる差、ジョイントの耐久性などについて
KATOユニトラックの場合「へ」の字に差し込んだ時にジョイント上手く嵌まらない現象が発生しました。
こうまるとジョイントが広がり接続時の抵抗が上がることに繋がりました。
またTomixファイントラックでも、まっすぐ入れて上下に外した試験後はジョイントがぐらつく状態になりました。
こんな状態になったらジョインナーを交換しましょう。
KATOユニトラックはこのようにして外すらしいのですが、すみませんこの小道具持っていないのでよく分かりません
Tomixファイントラックはこのようにします。
通電ジョイントの場合、裏返すと出っ張りがあってそこでジョイントが外れないように引っかけてます。
通電ジョイントを購入するとこんな小道具が入っているので、突起部を先の出っ張りに当てます。
すると、ジョイントの出っ張りが外れます。
あとは手で引っ張れば外れまず。
新しいジョイントを出っ張りの向きに注意して小道具に通しレールに差し込んでいきます。
グッと最後ませ押し込めば、出っ張りがはまって交換終了です。
4.ポイント性能
ポイントの種類や切り替えの耐久性などについて
上の表がKATOユニトラックとTomixファイントラックの結果をまとめたもので、TomixファイントラックはKATOユニトラックのポイントに比べて切り換え時の確実性に欠けることが実感として分かりました。
それならば確実性を電気的に補うことで解決できます。
いわゆる「コンデンサ」による切り替えで、基本的な接続方法は上のイラスト画像によります。
DC12~14Vと書いてますがこれちょっと古くて、今ならDC16~20Vで使う人が多くなっています。
この通りに接続して6Pスイッチで切り変えます。
・赤ー黄が導通
こうすると電源からコンデンサに電気が流れます。
ポイントの緑●が+
ポイントの黒●がー
コンデンサは電気を蓄えるとそれ以上流れなくなるので適量なキャパシティ(2200~3300μF)だとコイルが焼け切れることはありません。
その間にコイルに加わった電気が磁石になってポイントを切り変えます。
・黒ー黄が導通
今までコンデンサに蓄えられていた電気がポイントに逆方向にコンデンサの電気が無くなるまで流れます。
ポイントの緑●がー
ポイントの黒●が+
先程と電磁石の磁極が変わるのでポイントは反対方向に変わります。
しかしTomixにはすでに良いものがあるんですよ。
ワイヤレスのパワーユニットで「N-WL10-CL」です。
ここには「コンデンサ」を使っているんじゃないかというポイントコントロールボックスが内蔵されてます。
これを今のメカ式のポイントコントロールボックスと兼売して発売してくれれば切り換え時の確実性はグンとアップするはずです。
現在ならば電子部品も安いのでメカ式のポイントコントロールボックスと大差ない値段で出せるかもしれません。
欲言えば、側を着脱式にして動作部分だけをコンパクトに取り出せるようにすれば、こういった自作のコントロールボックスにも組み込みやすくなるので売り上げにも貢献できそうです。
最後にポイントの接点についてです。
KATO、Tomix双方どうしても摺動(しゅうどう)する電気的な接点部分には不導通の要素がつきまといます。
使用する側は、#2000位の紙やすりで磨いたり摺動改善すると言われる怪しげなオイルなどを使いポイント切り換え時の不導通をなんとか防いでいます。
メーカーがこういった接点にどのような貴金属を使っているかは分かりませんが、もしAg-Pd(銀パラジウム)のような銀系を使っていると摺動による不導通物質がたまりやすいので表面をAuを薄く圧延した接点を使うことを期待したいです。
小型直流モータの摺動接点にまで使われたくらいですから耐久性もあります。こういった分野では田中貴金属が得意なんですけどね。
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