今回は尻尾アームの試作第1号(初版)について振り返ります。
「のの字」の尻尾アームになるまでに2つ試作をしています。
尻尾アームを作ってみようとした経緯は#5-1で書きましたが、簡単にまとめると以下のような理由です。
- アームのつけ外しが面倒だから、アームをつけたままケースに格納して運搬できるといいなぁ。
- アームを外すと中のスプリングを紛失することがあるので外したくないなぁ。
このスプリング(#5-1でも登場)は、アームテンションスプリングという名前ですね。アームがブランブランするのを抑えてくれます。
ところで、この部品の存在を知らずに、ブランブランが嫌でトレモロアームを使わなくなる人もいるのではないかと思います。特に初心者は知っているはずがないので、楽器屋さんはピックとかでなくて、これをオマケでつけてあげてほしいです。お高いUSA製のフェンダーであれば、はじめからついているようです。知らずにギターを買った初心者は金属製のアームがカタカタ、ブラブラしているなんて、自分のギターは不良品か粗悪品なのだとガッカリすると思います。高価な部品ではないのだから、メーカーは安いギターでも標準装備にすべきだと思います。
さて、話を戻して…
尻尾アーム第1号です。まず、目的や条件を整理すると次のようになります。
目的と価値
- アームをつけたままケースに入れられる。
- スプリングを紛失しないような蓋になる
- そこそこアーム操作ができる
条件
- できるだけ体積を小さくしてプリントコストを抑える
- 演奏でアームを使わない時に邪魔にならない
で…試作第1号はこれです。
やっぱり、一発目では満足するものはできませんでした。改善すべき問題点が見つかりました。
改善点
- アームが短くて操作が重い
- 穴の軸がプレートに対して垂直でない
- かっこ悪い
逆にうまくいったところはプレートに取り付ける部分の形状です。アームのネジとプレートの側面の2面で固定されるようにしました。
自分のギター(ビルローレンスのストラトタイプ)から採寸したので、自分のギターでいい具合なのは当然と言えば当然ですが、Fenderの画像からおこしたプレート形状のCADデータでもいい具合に見えます。とはいえ、プレートの形状が年代などで異なる可能性があるので、側面部分の段差を削ったり盛ったりすることで調整可能な形状にしています。
次回は、改善案→試作第2号についてご紹介します。お楽しみに!