好き勝手に物語を書くぞ~♪ -55ページ目

序章~プロローグ~9

少女はしばらくその場に立ち尽くしていたが、ふと我に返ったかの様に流していた涙を拭うと中央にある大きな大樹に向かって歩き出した。
時おり吹く心地よい風が、少女の背中まで伸びた髪をなびかせ、その風に乗って花の蜜の甘い香りが漂って来た。
歩き始めてどれくらいの時が過ぎただろうか、ひたすら歩き続けているものの、なかなか大樹に辿り着く事が出来ない。
*「…はぁ…はぁ…いったい…後どれくらい…歩けば…着くのかしら…。」
少女は相当疲れている様子で、言葉を発するのもかなり辛そうである。
それでも残っている力を振り絞り延々と歩き続け、ようやく大樹の下へと辿り着く事が出来た。
大樹の根元まで来ると、少女は倒れ込むようにその場に横たわり、意識を失っていつの間にか深い眠りについた。

序章~プロローグ~8

*「誰も訪れた事が無いと言うのに…、何でこの部屋はこんなに綺麗なの…?」
少女は不思議に思いながらそう呟いた。そして無気味さを感じながらも部屋の奥に見える扉へと一歩一歩足を進めていった。
今度の扉は神殿の入口ほどの大きさは無く、高さが3メートル位の物だった。
少女は扉の前に立つと十字架を握りしめ、扉を少しずつ開き始めた。
すると、少女の目にこの世とは思えない光景が飛び込んできた。
*「…………。」
少女は一瞬言葉を失ない、呆然と立ち尽くした。
目の前に現れたのは、とても神殿の中とは思えないほどとてつもなく広い場所で、普通なら上に天井があるはずだが天井は何処にも無く、上の方には今まで見た事の無い様な青い空が広がり、無数の鳥達が飛び交い、遠くには緑が覆い繁った山々が見え、床一面には沢山の美しい花が咲き乱れ、小さな動物達が無邪気に遊び回り、中央には力強く大地に根を下ろしているかの様に、一本の大きな大樹がそびえ立っていた。
*「…何て美しいの…。」
少女はそう言うと感極まって涙を流した。
そこはまさに『楽園』と呼ぶにふさわしい場所であった。

序章~プロローグ~7

恐る恐る中を見渡してみたけれど、部屋の中は灯りもなく真っ暗で何も見えず、静寂を守っているかのように静まり返っていた。
少女は入って来た神殿の扉を震えた手でゆっくりと閉めた。
すると不思議な事に、部屋の両側から火が灯り始め、部屋全体の様子が明らかになっていった。
天井はとても高く、床は鏡のようにピカピカに磨かれていて、両側にそびえ立つ無数の柱には人の形をした彫刻が施されていた。