多摩川サイクリングロード~先頭交代は楽じゃない…
まあ、なんてことのないとあるロードバイクの写真だが、スピードメーター(サイクルコンピュータ)の下側に表示されている数字が「6771.3」となっている。これはこのバイクの金額を指しているのではもちろんない。距離計だ。
約3ヵ月半ほど前に当ブログにメーターの写真を出したが、そのときから実に3,000キロ走ったことになる。自分的には「よくぞ走った!」という感じなのだが、上には当然上がいるもので、毎月1,600キロ走っている人も世の中には存在するのだ。(船堀のペダリング解析セミナー に参加していた女性サイクリストがそうらしい!スゴイ!)
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さて、今でこそ上記のメーターでもわかるように、ピナレロ・アングリルで6,000km以上走ってロードバイクはかなり“慣れたもの”になっているのだが、約13ヵ月ほど前の私はそうではなかった。
前回から続いている“ロードバイク初心者の私”の多摩川サイクリングロードでのお話、その続き…
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突然声をかけてきた青いキャノンデールはピタリと私の後ろについている。車間距離は約1メートルほど。
平日午前中の多摩川サイクリングロード。歩行者や自転車がほとんどいないので、ロードバイクを高速で走らせることへの障害は皆無に近い。
私は歯をくいしばっていた。まだ行ける、まだ行ける…
時速は33km/hほど。その当時の私でもロードバイクで一時的にこのレベルのスピードを出すことはさほど問題はなかったが、それが継続して…となると話は違う。
あろうことかロードバイク初心者の私が、ベテラン(と思われる)キャノンデールの彼を先頭で引くこととなってしまった。そんな状況が、ロードバイクが来てから3日しか経っていない私に降りかかってしまったのだ。
何分かその状態が続いたろうか、私が後ろを振り返ろうかと思ったそのとき、青いキャノンデールは私の右横を軽快なペダリングですり抜け、私の前方へと出る。
さっきの約束通り、今度は彼が先頭を引いてくれる…ということのようだ。
「やっぱり後ろに付いて走ると楽になりますよねぇ。今度は私が…」
そんな彼からの言葉が風の音に混じって聞こえる。
私はちょっとだけほっとした。良かった。これで楽になる…。
私はキツくもあるが、この状況を少しだけ楽しんでいた。
余裕はそれほどあるわけじゃないが、なんだか楽しい。
ケイデンスは100近くなっているが、最近は“回すペダリング”を心がけてきたおかげか、回そうと思ったらもっと回せないこともない。自分の客観的レベルが速いのか遅いのかはわからないが、とにもかくににもここで先頭交代をしながら走ることができるのだ。まさにロードバイクならではだ。しかもベテランらしきロードバイク乗りと。
だが、そんなことを考えていられたのは最初の数十秒だけだった。
え!?スピードが徐々に上がっている。
33km/h…、34km/h…、いや35km/h!
私はケイデンスを上げた。なんとか付いていく。先頭を引くキャノンデールとの距離は一瞬開きそうになるが、私だってクロスバイクを含めれば全くの初心者じゃない。すぐさまその距離を縮め、かろうじてちぎられずに付いていく。
やはりベテランのロード乗りはあなどれない…。平地での巡航速度がさすがに速い。うしろから見る彼のふくらはぎは、明らかに運動不足の人のそれじゃない。
私は改めて気合いを入れ直すと、ギアを小刻みに変えながら青いキャノンデールになんとか付いていく。
途中遅い自転車を何度かパスした。彼はその度に後ろの私に手信号で「障害物アリ」を伝える。さすがベテラン・ローディは違う…。
障害物を追い越すときはいくらかスローダウンするが、すぐさま元のスピードに戻る。2台のロードバイクは快調なペースで多摩川サイクリングロードを走る。
何分その状況が続いたろうか…。これって先頭交代をしながら走るということだよな? ということは次は私の番なんだろうなぁ…、ん?彼の右肘の動作はなんだ?なんだか肘を動かしてるゾ。
その意味を理解するのに約2秒かかった。
そう、それは彼のリクエストだったのだ。私に先頭に出て欲しい…という。
私は約0.5秒の逡巡の後、意を決して前へ出た。
時速は約35km/h。そのスピードを果たして維持することができるのか?そんなことを考える間もなく私は先頭に出ていた。
だが、やはり私の不安は的中した。
速度が徐々に下がって来たのだ。必死にケイデンスを上げようとするが、疲れてきた。どうしようもない。彼と同じ速度は維持できない…やはりロードバイク3日目の私に先頭は荷が重すぎた…ということなのか。
34km/h…、33km/h…
結局先ほどのように33km/hを維持することもできず、さらに速度は落ち気味になる…。
だが、連日の通勤やクルマとの競争で得た脚力はそれほど悲観するほどではない。
32km/h。ここで下げ止まった。
これくらいならなんとか…
私はかろうじて先頭としての責任(そんなものあったんだ)を果たす下限の速度を維持しつつ、ピナレロ乗りとしての見栄(そんなものもあったんだ)を張り続けた。
相変わらず多摩川サイクリングロードには何の障害物もない。
休日はあれほど歩行者や遅い自転車が多く、速度を出すのに難儀するのに、今日この局面になってこの道には誰もいない。特に私が先頭に出てからは前方はガラ空きな状態が続く。
喜ぶべき状況なのか、そうでないのか…。
そんなことを考える状況でもない。私は時速32km/hを維持しながら風を切り続ける。
そのとき私は、先ほど彼がやったような右肘を動かす動作をしなかった。
だが、彼は何かを察したのか、そうでないのか…、いずれにせよ、自発的に私を追い抜き、私の前に出た。再び先頭を引く構えだ。
あ、よかった…
私はもう先頭には出られないな…。身体がきつくなってきたゾ。心拍数も高い。首が痛い。手が痛い。腰が痛い。
え、また速度が上がりはじたゾ。
また35km/hだ。
それにしても今日の多摩川サイクリングロードはなんでこんなに空いているんだ!
障害物よ来い!障害物よ来い!
私は身勝手なことに、いつもとは全く正反対のことを願いはじめた。
ピナレロ君が来た最初の日は大嵐だった。
そして事実上の2回目の走行は、(自分にとっては)とんでもない高速巡航になってしまった!
身体のあちこちが痛いし、心臓は悲鳴を上げそうだ。
これを苦行と呼ばずして何と呼ぶ!?
あぁ、波乱のロードバイク人生はまだ始まったばかりだった。
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次回は完結編! 明日(もしくは明後日)アップする予定!
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