【パワハラ防止法】中小企業にも義務化されるその内容と,とるべき対策
今年の4月から,パワハラ防止法におけるパワハラ防止措置が,中小企業にも義務化されます。義務化されるその内容と,中小零細企業がとるべき対策とは??<目次>1.いつも怒号が飛び交うアルバイト先2.パワハラ防止法の内容と中小企業のとるべき対策3.今日のまとめ1.いつも怒号が飛び交うアルバイト先今から20数年前になりますが、私が学生だった頃、厨房で皿洗いのバイトをしていました。飲食店の厨房の現場では、忙しい時間帯になると、それこそ戦場のような状態になります。みんな殺気立っていて、上司が部下を怒鳴りつけるのは当たり前。一番すごかったのは、和食の責任者だった親方です。和食の世界というのは、当時は最も保守的で、いわば丁稚奉公の世界。親方や先輩に叱られながら、精神を鍛えて一人前になるという世界です。もちろん、パワハラなんて言葉はありませんでしたから、みんなそれが当たり前だと思っていました。アルバイトに行くと、まず、今日は親方の機嫌が良いとか悪いとか、そんなことをみんなで噂しあっていました😅厳しい職場でしたが、私も随分といろいろなことを教えていただき、精神的にも鍛えられました。しかし、今の職場では、このようなやり方は通用しない世の中になっています。パワハラ防止法という法律があり、これまでは大企業のみに義務化されていました。これが,今年2022年の4月1日から、中小企業にも義務化されることになっています。そのため,中小企業にも、社内のパワハラを防止するための対策が義務付けられることになりました。パワハラ防止法が制定された背景には、労働条件や職場環境などをめぐる紛争の相談件数が増加を続けているということがあります。厚生労働省が発表した調査によると、令和2年度のいじめや嫌がらせに関する相談の件数は7万9190件もあったそうです。職場におけるいじめや嫌がらせの増加に伴って、うつ病などの精神疾患を発症する人も出てきます。このような状況受けて、パワハラの防止措置を企業側に義務づける流れとなったわけです。2.パワハラ防止法の内容と中小企業のとるべき対策このパワハラ防止法では、会社側に次の4つの措置が義務付けられています。まず1つ目は、事業主によるパワハラ防止の社内方針の明確化と周知・啓発です。これは,どのような行為がパワハラにあたるのかを職場で働く全員に研修などで知らせ,パワハラを禁じると経営者が宣言することです。さらに,パワハラ行った社員は厳正に対処すること。そして,その対処の内容を就業規則にきちんと盛り込んで、職場で守らなければならないルールであるとすべての社員に周知徹底することが求められています。2つ目は、苦情等に対する相談体制の整備です。これは、パワハラの被害にあった従業員が相談できる相談窓口を設置して、その事実を全社員に周知徹底することが求められます。3つ目は、被害を受けた労働者へのケアや再発防止です。これは、パワハラが発覚したら事実関係を速やかにかつ正確に把握し、被害者に配慮した措置を講じることが求められます。そして4つ目は、その他合わせて構ずべき措置というものです。これは被害者や加害者のプライバシー保護するために必要な措置を講じ、そのことを全従業員に知らせることです。さらに、相談したことで、その従業員が解雇などの不利益な扱いを受けないというルールを定めて、すべての従業員に周知徹底することが求められます。ちなみに、今回義務化される中小企業の定義については、こちらに書かれた通りです。出典:中小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」このパワハラ防止法には、いわゆる罰則規定はありません。ただし、厚生労働大臣が必要と認めれば、事業主に対して助言、指導又は勧告をすることができるとされています。そして,事業主がこの勧告に従わない場合には、その事実を公表する可能性があるとされています。それでは、パワハラ防止法の義務化を受けて、中小零細企業はどのような対策をとれば良いのでしょうか?この点、中小企業の中には、人事部や人事担当者などがいない会社も少なくありません。そのような会社では、パワーハラスメントの問題が発生したときに、責任の所在があいまいになりがちです。今回のパワハラ対策の義務化に向けて、社内方針の明確化と従業員への周知・啓発などを行うことが必要になります。さらに、就業規則にハラスメント防止に関する規定をきちんと盛り込んだり、相談窓口を設置して、社内で研修などを実施することも必要になります。この点、厚生労働省では、パワハラの問題に関して、雇用管理上とるべき措置等を記載したパワハラ指針というものを公表しています。こちらもぜひ一通り確認することをおすすめします。 ⇩⇩⇩⇩厚生労働省:ハラスメント関係資料3.今日のまとめそこで、今日のポイントは,初学者は、早めに全体像を見渡すことが重要!今回のパワハラ防止法の義務化に伴い、中小零細企業においても、パワハラの問題を放置すると社員との間でトラブルに発展するおそれがあります。私の弁護士としての使命は、中小零細企業のトラブルを、「裁判しないで解決」すること。「裁判沙汰」を避けるために、就業規則の見直しや、パワハラについての社内の研修の講師なども私の方で承っています。不安のある方は、ぜひご相談下さい。下記の関連動画もご覧下さい。「【パワハラ防止法】今年の4/1から中小企業にも適用拡大!中小企業のとるべき対策を解説します」ご相談をご希望の方はコチラ ⇩⇩⇩⇩弁護士ブログ人気ランキングに参加しています。よろしければ、クリックお願いします。にほんブログ村【最新の動画】2022年の1月に,改正雇用保険法が施行されます。この改正によって、65歳以上の兼業や副業をしている労働者が,雇用保険に入りやすくなります。そうすると,企業にとっても、副業や兼業をしている高齢者人材を採用しやすくなることから、新たな労働力を確保しやすくなるというメリットがあります。今回は,この改正雇用保険法について詳しくお話しています。【活動ダイジェスト】昨日は,私が所属する日本キャッシュフローコーチの強化研修会が横浜でありました。今日は午前中は裁判所で仕事,午後は事務所に戻って打ち合わせなどです。お知らせ■法律相談のご案内について■メールマガジン・中小企業のお困りごと解決通信(無料)について■スポットで事件解決のご依頼をいただいた場合の弁護士費用について■顧問契約サービスについて