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融資のノウハウ 銀行編 4

3月11日

今日は銀行に新規で無担保融資を申し込むに当たり、どのような書類や資料が必要で、それぞれ重要ななポイントはどこかなどにつきましてご案内してまいりたいと思います。

銀行によって多少違うものの、申込に必要な書類は次の通りです。
①最新の税務申告書(BS、PL、利益処分案、勘定科目明細含む)最低2期分
②最新決算期の納税証明書(概ね 法人税・消費税、その1・その3)
③商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書、発行後3ヵ月以内のもの)

①について
財務内容が明瞭かつ良好でない場合は3期分の提出を求められることが多いのでできれば準備しておかれたほうが良いと思います。
なお、申し込み時が、決算月より6ヶ月以上経過している場合は、2~3ヶ月以内の試算表が必要となります。
また最近は、原本で、しかも税務申告書は税務署の受領印があり、税理士のサイン付のものを要求されることが多くなっています。これは粉飾決算をしている会社の数が増えているための銀行の防衛手段だと思われます。
銀行によっては、税理士のサインのない決算書では融資の審査がほぼ通らないので、顧問の税理士のいない会社は、決算書作成だけでも税理士に依頼された方が良いとご認識下さい。
時々、弊社のお客様の中にもいらっしゃるのですが、財務諸表の記載ミスや計算ミスがあったり、借入先の銀行や信金の決済口座が記載されていないような場合は、決算書全体の信憑性を疑われ非常に審査が不利になりますのでご注意下さい。
また、手書きの決算書の会社も99%審査は通らないので、必ずパソコンの利用が必要ですし、追加書類の資料の手書きも非常に嫌がられることが多いのでご注意下さい。

②について
以前は正式な契約時に必要でしたが、最近は申込時に必要になってきました。
税務当局と話し合いをして分割納付を合意している場合がありますが、申し込み時点で所得税、消費税などを完納していないと申込自体ができなくなっていますので、ご注意下さい。ただ銀行によって、案件によって、所得税につきましては、融資の際に支払う条件で可能な場合もありますが、消費税については100%未納は融資不可につながります。

③について
3ヶ月以内となっていますが、記載事項に変更がある場合は、変更後の謄本が必要です。

上記3点は最低申込にあてって必要な書類ですが、申込時に用意をしておいた方が良い資料もあります。

このような書類資料などについては明日にご案内したいと思います。

融資のノウハウ 銀行編 3

3月10日

今日は同一銀行であっても、店舗により、あるいは店舗のある地域によって店舗間の格差があるという話です。

毎月毎月相当数の資金調達のお手伝いをしていますと、同じ銀行であっても支店やセクションによってずいぶん違うなと感じることがよくあります。
銀行が違う場合は、同じ会社に対する審査結果が違うことは当然納得できるのですが、同一銀行内にも格差があるとなると、融資を申し込む側にとってはけっこう厄介な問題になります。

実例を上げますと、都内の同一ターミナルの、それも丁度対面同士に立地する店舗で格差があったこともありました。
この例の会社は遊技場の割には財務内容はともかく,売上が少なく(年商約10億円)極端な結果になったのかもしれませんが、一方の銀行の店舗では、このクラスの遊技場への融資は行っておらず、他方では遊技場への融資拡大に力を入れていて、この店舗にしてみると、良い案件であったわけです。

現在でも、同一銀行の都内の、しかも同一ターミナルにある店舗間でも、このような格差があるかどうかは分かりませんが(例は2年前の事例です)、今でも格差が存在すると確実に感じるのが、首都圏、関西圏、中部圏とその他の地域の店舗間格差です。

この辺りのことについては、銀行は絶対にそのようなことはないと言うと思いますが、案件の数をこなすと間違いなく格差があることと、一定の傾向があることが分かります。

このような状況は日々変化していますので、絶対と言う話はできませんが、都市銀行における北海道、東北、四国、九州、沖縄(1店舗しかないので銀行が特定されてしまいますが・・・)などの店舗は、総じて中小企業への新規の融資には消極的だと思います。
このことは全ての都市銀行に言える傾向で、私見ですが、北海道、東北、四国、九州、沖縄などには、競合する都市銀行の数が少ないのが理由だと思います。
さらにこれら地域の店舗は、首都圏、関西圏、中部圏の顧客の出先機関のサポートが、今までは最も重要な業務であったのではないかと考えられます。

特に東京にお住まいの方にはご理解していただけると思いますが、都市銀行の店舗の数は整理統合されたとは言え、その数はかなり多く、新宿などを例に挙げると、同一銀行で少なくて3店舗、多い銀行で5店舗、更に出張所や住宅ローンなどに特化した店舗を含めると、同一銀行で10店舗以上あり、それぞれ商材や顧客のターゲットが違うとは言え、その競争たるや想像を絶するものがあります。
特に新規顧客への融資はどの銀行でも最重要ポイントの一つですので、東京など都市銀行の店舗の密集する地域に立地する店舗は、競争の少ない地方の店舗より、ビジネスチャンスを求めてリスクを取るのは当然と思われませんか。

もちろん銀行によっては、このような首都圏などに偏在するビジネスチャンスだけではなく、未開拓な首都圏など以外の地域をビジネスチャンスと捉え、積極的に地元の中小企業に狙いを定めてマーケット拡大に奔走している銀行も出てきていますので、いつまでもこのような状態が続くとは限りませんが、現状はまだまだこのような傾向が続いていると私は認識しています。

このようなことから、以前書きましたように、地方に立地する会社にとって、東京支店設立が、都市銀行と良い取引を開始する有効な手段になる訳です。

最後にもう一つお話をしたいのは、店舗間格差と言うよりも、行員格差がかなりあると言うことです。
特にこのことについて銀行は強く否定すると思いますが、私は間違いなくあると確信しています。この辺りは想像力を働かせてお読みいただきたいのですが、以前のように都市銀行に入行した行員全員が一生その銀行のグループや天下り企業で働ける状況ではなくなり、行員の業績によって待遇などかなり左右されますので、この言葉は大嫌いな言葉なのですが、あえて使うとすれば、「勝ち組行員と負け組み行員」に2局分化している現実です。
負け組み行員はどんどん業績の上げにくい地域に回されますし、下手をすると退職を迫られるようなことも多く、負け組み行員と思われる担当者した場合、確実に新規融資の成功率は下がる傾向があるように思います。

ですからこのような事態を防衛するために、融資を申込んでみて、担当者がピンとこなかったら、できるだけ早い段階で違う店舗やセクションに移ることをお薦めしています。
ただ、財務資料を預けたり、それなりのコンタクトを持ってしまうと、銀行のデータベースに登録されるようで、別の店舗に打診しなおしたような場合でも、前の店舗に打診した履歴が邪魔することが往々にしてあります。

負け組み行員の悪口を言うのが本意ではありませんが、新しく打診した店舗からの照会に対して、自分の対応が原因で申し込む店舗を代えられた事など認める訳がありませんので、あまり顧客の良いことを言うはずがありません。

この負け組み行員の印象が原因で、良好な顧客でも断わられることがあったことは1件や2件ではありません。

この辺り、銀行ももう少し見直せば、ビジネスチャンスを失わないのに、実にもったいないと思います。

大体この負け組み行員の特徴は、これがまた共通点がありまして、
①従来の慇懃無礼タイプ
②横柄タイプ
③根暗タイプ
④先送りタイプ
⑤スピード感欠如タイプ などなどです。

ですから、首都圏や関西圏など都市銀行が密集するところの会社の社長は、融資を申し込む時に会った行員や、あるいは担当者を紹介された時に、上記のような行員であれば、できるだけ早い、コンタクトはあまり取らない段階で、適当な理由をつけて融資の申込を即座に止められる事を強く思います。
即日別の店舗に行けば良いのですから・・・・。

融資のノウハウ 銀行編2

3月9日

今日は日常の体験から持った感想を忌憚なく書きたいと思います。
あくまでも体験ですから、絶対に正しいかどうかは100%保証できません。
たぶん銀行にお聞きになったら、そんなことあり得ないと言うと思います。

コンサル現場から見た、都市銀行の無担保融資に対する姿勢や現実的な問題点などを感じたままお話をして参りたいと思います。

ここで触れておかないといけないのは、地銀や信金の場合はどうかと言うことです。
地銀や信金についても、最近非常に顧客のニーズを先取りしたサービスを開始しているところも多く、融資を申し込まれる金融機関が地銀や信金である場合は、ホームページなどをご覧になることをお薦めいたします。

私どもの会社は東京にありますので、首都圏の金融機関については地銀まで含めて情報をつかんでいるつもりですが、他の地域の地銀のことは、正直なところ掴んでいません。

弊社のお客様の相談内容が、地方のお客様の場合も、既存取引の地銀や信金とは違った別の銀行からの融資を、希望されていることがほとんどであると言うこともあって、経験的な情報も少なく、残念ながら正確なことをお話することができません。
地域に密着したサービスを基本とした地銀や信金の場合は、日々の取引状況をマンツーマン的に把握して、融資の参考にし重視することもあるようですので、弊社のようにその地域に密着していない状況ではではお手伝いできないという側面があるわけです。
とは言っても、金融庁などからの監視管理は厳しいため、財務内容を重きに置かざるを得ないことは事実ですので、昔のように支店長と親友だからと言ったことだけで融資を実行されるようなことはめったにありません。

前置きが長くなりましたが、今日お話をするのは都市銀行に限った話とご理解下さい。

現在都市銀行といわれるのは、東京三菱銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、UFJ銀行、りそな銀行です。厳密に言えば埼玉リそな銀行、みずほコーポレート銀行などやカテゴリーが不明な新生銀行もありますが、現実的には上記5行に取引をしようと思われることがほとんどですので、この5行を対象にお話をいたします。

初めて都市銀行と取引をされる場合に、お薦めする順番を言えば、次の通りです。
1.三井住友銀行
2.東京三菱銀行、みずほ銀行
3.UFJ銀行、りそな銀行

三井住友銀行は無担保融資を最初に力を入れた銀行でもあり、現在も一番積極的に取り組んでいると思われます。売上が概算10億円以上の会社には法人営業部が対応し、10億円以下の会社にはビジネスサポートプラザ(BSP)が対応します。
経験が豊富なだけに、審査もスピーディーに行われる印象があります。
営業力が一番であった住友銀行が前身であるだけに、営業力は相当なものがあります。もちろんリスケ(条件変更)などにはかなりドラスティックな判断対応をしますが、良い取引先と判断されると良い条件の取引が可能なようです。

東京三菱銀行は1年位前までは、無担保融資に熱心な印象のない銀行でした。しかし最近は非常に積極的な印象があり、なんとなく敷居が高いイメージの銀行ですが、「融活力」という名称のビジネスローンサービスを全国115ヵ所のビジネスローンデスクで受け付けています。インターネット上からも仮申込ができますし、TKC全国会(会計事務所の全国ネットワーク)との提携による優遇されたサービスも行っています。

みずほ銀行は、上記両行に比較すると、若干融資基準が高い印象があり、財務内容、売上高、将来性などの審査基準がある一定の基準以上でないと、銀行独自のプロパー融資ではなく、保証協会付の融資になることが多い印象があります。しかし、一定の基準を超えると、非常に積極的に融資に取り組む印象があり、この意味で東京三菱と並んで2位にした理由です。

UFJ銀行ですが、以前は無担保融資に非常に積極的な印象があり、後発ではありますが、間違いなく三井住友と並んで積極的な銀行と言う印象がありました。
しかし、例の検査妨害事件から東京三菱との合併問題が表面化してからは、どうも?な印象です。私が聞いた非常に限られた範囲のことですが、あまり良い情報が既存取引先からも、新規に融資を申込をした方からも聞かれないのは事実で、現時点ではあまりお薦めはできません。違う印象をお受けになった方はぜひ情報をお聞かせいただきたく宜しくお願いいたします。bhycom@hotmail.comまでいただければ幸いです。

りそな銀行についてはUFJと全く逆な印象です。昨年前半までは、ほとんど新規融資をしたという噂を聞いたことがなかったのですが、最近かなりポジションが変わったようで、これから期待できるかもしれない印象です。でも私の体験からは?なので、UFJと並んで3位にしました。

以上が都市銀行各行に対する私の偏見と独断で見た印象です。
ぜひ一度各銀行のホームページをご覧になると面白いですよ。同じようでけっこう微妙に違ったりしていて、融資を申し込む際のご参考になると思います。

明日は、同一銀行内でも店舗間格差や地域間格差を感じたことをお話をしたいと思います。