地方が疲弊する一つの理由
3月25日
今日はタイトルの話題を常日頃仕事の中で感じていることを中心に書いていきたいと思います。
ご存知のように弊社の仕事はファイナンスのアレンジです。
特に最近は不動産が絡むファイナンスのアレンジが中心になっていますが、
これじゃ地方は活性化しないなと思い当たることが多々あります。
今日はまず、ノンバンクが行う不動産担保ローンと言う観点から話を進めていきたいと思います。
ノンバンクの不動産担保ローンと銀行や信金などが行う融資との違いは、
借主の実績や属性よりも、担保となる不動産の価値を中心に融資が行われる点です。
このため、たとえば社歴や実績のない会社や個人でも、
あるいは財務内容の良くない会社であっても、
あるいは銀行の与信では融資が難しい高額の融資でも可能となるため、
金利はかなり高いものの、たとえば不動産会社が短期で売り抜けることができる案件のケースや、
銀行から融資を受けることのできない設立間もない会社の資金調達や、
経歴の長い会社でも、何らかのお金に関するトラブルで銀行から融資を受けれない会社にとっては、
ノンバンクの不動産担保ローンは資産の有効活用という点で、非常に価値があると思います。
もちろん金利が高いので、長期で借りるような使い方など,間違えると、
消費者金融のローンと同じような危険のあるローンでもあります。
しかしながら、短期で一括返済できるようなケースや、
3年くらいで事業再生が可能なようなケース、
あるいは不動産業で、短期間の審査で融資が行われないと物件が買えないようなケースでは、
顧客の会社や個人からすれば、このローンが使えるか使えないでは、
資金調達の多様性という観点から見れば、非常に大きな違いがあると言えます。
ところが、現実問題として担保になる不動産の所在地が、
東京、横浜、名古屋、大阪ならもちろん
札幌、仙台、首都圏の東京に近い地域、京都、神戸、福岡だとほぼ対象となるのですが、
他の地域だと、政令指令都市ならまだしも県庁所在地であっても、
実質的には対象地域にならない場合が本当に多いのです。
つまり不動産の所在地が地方の場合、
ほとんど場合使えないと言うのが現状なのです。
オリックスもノンバンクで、オリックスならどの地域の物件でもOKと言う方もいるかもしれませんが、
これはかなり認識が違っています。
オリックスはノンバンクでも純然たる不動産担保ローンは行わず、
ほぼ銀行などと同じく顧客の属性や与信も非常に重要なポイントで、
何千とやってきた案件でオリックスでこのような案件が成約したことは一度もなく、
その代わり金利は低いので良いのですが、
アトリウムやファーストクレッジトなどのサービスとは全然違うサービスだと思って下さい。
更にここでお断りしておきたいのは、
あくまでも地目が宅地で、しかも市街化調整区域ではない、
東京や大阪であれば十分担保になりえる不動産でもと言う条件で話しているので、
決して地方に行くと山林が多いとか田や畑が多いからと言う理由ではないのです。
実際、読者でご相談いただいた方の案件でも、
所有不動産が東北の、ある県庁所在地にあったのですが、このローンが使えず、
銀行など金融機関とのトラブルから再生する提案ができなかったこともありました。
また私の遠縁の者から、所有する山の住宅地などへの開発事業でも、
開発のための事業資金はともかく、もし開発ができて顧客に販売できる状況になったとしても、
今度は顧客となる会社や個人が、
物件所在地の地元の銀行など金融機関から融資を受けることができる与信がある場合なら良いのですが、
そうではないケースでは、この物件を購入するための資金調達が非常に難しいとも言えるのです。
では、なぜこのようなことが起きるのかと言えば、
それは不動産の流動性が高くないということが原因です。
でも考えてみれば、流動性が高くない大きな原因が、
融資の担保になりえないことも大きいと思うのです。
なぜなら、買い手が少ないからだと思われるかもしれませんが、
このことも大元の理由を考えれば、やはり融資が受けにくく買いにくいと言うことからおきているケースは、
少なくないと思います。
さらに悪いことに、このような地方の物件が担保になる地銀や地元信金の場合、
実績もあり、財務内容も良い会社や個人には融資は行いますが、
何らかのトラブルが起きたり、かなり過去のトラブルであっても、
地方の場合は一旦地元金融機関に睨まれると、ほぼ融資はNGとなるケースが多く、
こんなことから地方の経済はなかなか活性化しないこともあるのだと思います。
だから弊社でも地方のお客様に何度となく、
資金調達が円滑に運べるように、本社の東京移転や、東京支店の開設を提案し、
実際移転したり支店を開設されたケースもあって、
こんなところにも、地方が疲弊していく理由があるのではないでしょうか。
実際東京に拠点を持ったことから、急に資金調達がスムーズになって、
大きな会社に成長した具体例も少なくありません。
こんな状況ですから、シャッター商店街のようになった地域の会社でも、
融資が東京や大阪と同じレベルで行われていたら、
新しい投資が可能となったケースもあるでしょうし、
事業継続が可能となったケースもきっとあると、日々の業務の中で私は実感しています。
もちろん、今日は疲弊していく地方について、
資金調達と言う一側面から見ただけで、他にも様々な原因があると思いますが、
お金の流れが良くないということも大きな理由だと言いたいのです。
この部分の解決は、別に大きな政府が良いというのではないのですが、
地方金融こそ公的金融機関の出番だと思いますし、
純然たる公的金融機関ではありませんが、
日本郵政の大きな役割になるのではないかと思うのですがいかがですか?
私は、公的資金は都市部よりは地方でこそ生きると思っています。
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進む正社員化の記事を見て
3月22日の日経に、「産業界、正社員化へ動く」と言う記事がありました。
昨日も書いたように、
失われた10年の間にコスト削減の一番手に上げられた人件費削減が行き着くところまで行き、
その反動として、今度は正社員化の傾向が出てきたことは当然のことだと思います。
特に日本の場合、物価が高いので、
単純なコスト競争をすることは有利なことではなく、
できるだけ、多国がまねのできない高付加価値の製品やサービスを開発提供することで、
競争していかないといけないのは当然で、
これに異論を唱える方はあまりいないと思います。
このような製品やサービスの開発や提供には、
コストが高くても、優秀な人材の確保や教育はとても重要で、
すでにこのような正社員化が進んでいる企業ほど、良い業績が上がっていることも事実だと思います。
今回の動きは記事によると、トヨタや松下など製造業はもちろんの事、
ユニクロやデパートなどの流通小売業や通信サービス業など多くの業種、
しかも東京だけでなく地方にも及び、
また大企業だけでなく、中堅企業にも及んできているようです。
ただまだこの動きは始まったばかりで、伸び率も1%程度のようですが、
よほどの経済環境の変化がない限り、
この動きは加速して顕著になっていくと思います。
と言うことは、ここ数年は、内需も拡大方向に進み、
日本の経済復活は本物になっていくと私は確信していますし、
社民党や共産党が日本経済はまだまだ弱いと言う話には、
イマイチ説得力がなくなっているように私は感じています。
でも、どうしても調整局面というか、
国民全体の一人一人の生活が安定し良くなっているかと言えばそうではなく、
景気循環だけでなく、構造的な問題を抱えている、
経済回復が遅れる業種や地方などの弱者に対する救済的な政治の配慮は絶対に必要で、
この部分はいったん小さな政府を目指したとしても、
この意味では、先ほど書いた野党2党の言っている弱者救済的な政治も間違いではありません。
ただ彼らの言うことで違っていると思うのは、
まだ日本経済は不況で本当に意味で回復しているわけではないと言う、
日本悲観論を必ず口にすることです。
このことを言うことは後で書きますが、
結果として官僚の権益を守ることへのプロパガンダにもなるので、
日本経済の復活と弱者の存在を同列に議論することは止めてほしいと思うのです。
最近ヘーゲルの弁証法に凝っていて、またまた同じ話になってしまうのですが、
たとえば自己責任論と弱者救済、小さな政府と大きな政府のように物事は必ず両面があって、
ある方向に動き極点まで行くと、ここで矛盾が起きて、
この矛盾を解決すべく、反転して流れが変わる。
そして、またこの動きが究極まで達すると矛盾や問題が起きて、
また反転して逆の方向の究極なところまで動いていく。
これを繰り返しながら、両面の性格を包括しながら螺旋的な発展していくと言うのですが、
ヘーゲルの弁証法のようなのですが、
まさに、今回の正社員化の動きは、この良い例だと思います。
失われた10年で大きな打撃を受け、大きく財務内容を悪化させた日本企業は、
ともかく財務内容を立て直すためにコスト削減に集中し、
特に人件費削減と非固定化は、多くの企業で行われ、
この動きが正社員を削減して派遣やパートなどの増加につながり、
格差社会や労働分配率の低下を引き起こしたと思います。
一方この恩恵を受けた企業は、中国経済の発展による特需的な重要拡大もあって、
ここ数年で格段に財務内容は回復し、余裕が出てくると、
こんどは人手不足、特に良い人材の確保がしにくくなり、
この矛盾というか問題に直面した結果、
こんどは正社員化で良い人材の確保に動いていく。
このような反転行動を批判する評論家もしますが、むしろ当然で、
本当に振り子の針が行ったり来たりするように物事が進んでいく様子が良く理解できます。
また将来は、この動きが加速していき、給与水準が高くなり過ぎたり、
人手不足の結果、優秀な人材でなくても確保しなければいけない状況になっていき、
またここで矛盾や問題が起きて、また今度は反転の動きが起こるのだと思います。
このように、何年続くかは分かりませんが、
正社員化の波は今後とも加速していくことは間違いなく、
私は労働環境も大きく好転していくと思っています。
ただこの動きはあくまでもマクロに見たことであって、
先ほども書いたように、疲弊が激しい地方経済の問題や、構造的な問題を抱える業界もありますので、
社民党や共産党のように日本経済悲観論は言ってほしくないのですが、
小さな政府一辺倒のような政策も違っていて、
税収も上がってきているのだから、弱者救済の政策を考える必要性については、
民主党を含め野党はどんどん主張して言ってほしいと思っています。
テメエの権益ばかり考える官僚などに負けないよう、
ここは政治家にも是非頑張ってほしいと思っています。
もういい加減、日本財政危機のようなインチキで国民を脅かし、
国民の不過分所得を少なくするような政策一辺倒から脱却する時ではないでしょうか。
正社員化の波の記事を見て、失われた10年から完全に脱却する時が来たと思うのですが、
いかがでしょうか。
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多分・・・・良い人材が流出し、駄目役員が居残る 人材はコストか? 残念・・
経営再建中の日本航空(JAL)は22日、主に地上職の部長級以上の社員450人を対象にした特別早期退職者を募集すると発表した。JALは2月に発表した中期経営計画(07~10年度)に盛り込んだ、人件費を500億円削減する方針の一環。
対象になるのは、満54歳以上(31日時点)で勤続15年以上の地上職・客室部門の部長級以上。旧日本エアシステムを含むJALの出身者で、グループ会社に転籍した社員も含んでいる。整備・運航部門の社員は対象外。4月2~13日に募集を受け付け、退職は6月30日付。
JALは中期計画で、今後3年間に自然退職を含めグループ全体で4300人を削減する計画を打ち出している。このうち、特別早期退職者は1300人(地上職700人、客室600人)を予定しており、今後、順次募集を続ける。
まあ、この記事を読んで、一つ安心したのは、
整備・運航部門の社員は対象外になっていることですが、
でも航空会社の安全って、整備と運航がしっかりしていれば、本当に安心なのでしょうか?
他の業種でも同じだと思うのですが、
航空会社の場合、現業部門と言える整備・運航部門の社員が、
本当に会社の安全のために働ける環境とシステムを作れるマネジメントがなければ、
本当の安全はないと思うのです。
いくら、この現業2部門の社員は削減しないと言っても、
安全にはコストもいとわない、無理な運航はしないと言った、
マネジメントの部分が実はとても重要だと思うのです。
ですから今回早期退職の対象になった地上職の部長級以上と言うのは、
実はこのマネジメントをする人たちですし、将来の経営者予備軍なはずです。
もちろん優秀な人は残ってもらうし慰留すると経営者は言うかもしれませんが、
今の迷経営陣が優秀と思う部長級以上の社員は決して優秀とは考えにくく、
むしろ、現迷経営者に尻尾を振る、イエスマン的な人が残る可能性大で、
私はJALの将来性がますます暗くなって来たという感想を持ってしまいました。
私は辞める必要があるのは社長以下役員連中で、
決して中間管理職ではないと言いたいのです。
たまたまこの会社にはゆかりもあり、
どんどん優秀な人材が流出しているのは今や常識で、
これで、ますますANAとの差がつくのではないかと思います。
財務数字をただ数字としか考えない経営者。
それを求める金融機関。
しつこいようですが、私は今のJALは怖くてしばらくの間、本当に乗る気にはなりません。
ANAも高知空港の事故やアメリカで捜査を受けたり、
少し勢いに陰りが見えてきているようにわ思いますが、
これも私の私見ですが、ANAの経営者はJALよりもはるかに優秀だと思うので、
この勝負は現条件下では勝負あったというのが実感です。
多分入社した当時は、JALのほうがANAよりも優秀な人が入っていたと思うのですが、
JALの社員が国の特殊会社という緊張感のない時代を過ごしたのと対照的に、
二流会社を一流会社にしていこうと必死にもがいたANAの社員と差が付くのは当然だと思います。
でも、JALの長年培ってきたサービスやノウハウは、
間違いなくANAよりも豊富で優れていたと思うのですが、
今の迷経営者のお陰で、最後の砦であった人材の流出で、
良いノウハウも、サービスもなくなっていくのでしょうね。
残念ですね。
確かにひどい人材も辞めるでしょうけど、
今のJALなら間違いなく良い人材の方が数多く辞めていくと思います。
こんな経営者に任せておいて本当に良いのでしょうか?と私は思うのですが・・・。
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