初心者がジオメトリについて語ってみた | 生駒のバイク乗り

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友だちが少ないほうなので近場のバイク仲間が増えるようにと地元を意識したタイトルに変更しました。

クロスバイクはロードバイクにならない。

 

そのわけはジオメトリが違うから。

 

そのジオメトリの違いにより巡航速度が変わってくる。

 

ジオメトリとはフレームの形状を数値で表したもので、自転車のキャラクターそのものである。

 

GIANTのホームページから拝借

 

ジオメトリの各値は次のような意味を持つ。

 

A サドルとハンドルとの距離に影響する。
B 自転車のサイズ値となることが多い。
C 長くなるほど上体を起こしたロングライドや街乗り向けになる。
D 立っているほうがスピードを出しやすい。
E 寝てる程ハンドリングが安定し、フォークがしなるため振動吸収性が高くなる。
立っている程安定感が損なわれる傾向があるが、ハンドリングが軽くクイックになり、サドルも前方に来るため、前傾姿勢をとりやすく、スピードを出しやすいポジションにできる。
F 大きいほど低重心で、カーブや直進での安定性が増す。逆に重心が高いほど、安定性は損なわれる分、より加速しやすく、キビキビした乗り味にすることができる。
G 長いほど乗り心地及び安定性が高くなるが、短いほど加速性能が高くなり、キビキビした乗り味になる。
H 長くなるとG値が変化するため、直進安定性と乗り心地が良くなる。短くなると、直進安定性は下がる分、ぺダリング時の反応が良くなり、キビキビした乗り味になる。

 

まとめると以下のようになる。

 

レース志向の自転車に求められるジオメトリ
  • C値が低いと前傾姿勢がしやすくスピードが出る。
  • F値が低いと重心が高いため、加速しやすく、キビキビした動きが可能である。
  • H値が短いとホイールベースが短くなるため、加速しやすくなる。
街乗り自転車に求められるジオメトリ
  • C値が高いとアップライトなポジションになり姿勢が楽である。
  • F値が高いと重心が低いため、カーブや直進での安定感が増す。
  • H値が長いと直進安定性が増し、乗り心地が良い。

 

以下はGIANTのロードバイクであるTCRのジオメトリである。

 

SIZE
(mm)
A(mm) B(mm) C(mm) D(度) E(度) F(mm) G(mm) H(mm) 適応身長
(cm)
710(S) 535.0 445 133 73.5 72.5 67.5 970.3 405 165〜175
740(M) 550.0 470 148 73.0 73.0 67.5 975.8 405 170〜185
770(L) 570.0 500 168 73.0 73.0 65.0 996.9 405 180〜190

 

以下は同じくGIANTのクロスバイクESCAPE RXのジオメトリである。
 
SIZE
(mm)
A(mm) B(mm) C(mm) D(度) E(度) F(mm) G(mm) H(mm) 適応身長
(cm)
465(S) 555.0 465 145 74.0 72.0 70.0 1020.7 425 160〜175
500(M) 575.0 500 170 73.0 72.0 70.0 1030.3 425 170〜185
555(L) 595.0 555 200 73.0 72.0 70.0 1050.8 425 180〜195
 
この値をロードバイク目線で判断してみると、
  • C値のヘッドチューブよりTCRの方が前傾姿勢をとりやすいことがわかる。
  • F値のBBドロップよりTCRの方が軽くキビキビした走りが可能であることがわかる。
  • H値のチェーンステーがTCRが短く、加速性能が高いことがわかる。
当然クロスバイク目線だと反対のことが言える。
 
このジオメトリはフレームを変えない限り変更は不可能なので、どんなにコンポーネントを変えたとしても、クロスバイクはロードバイクになれないのだ。
 
しかしこの中でC値(ヘッドチューブ)は前傾姿勢に関与しているのであばなんとかなりそうである。
 
自転車にとって風の抵抗は巡航速度に大きくかかわってくる。
 
淡路島を走ったとき、猛烈な向かい風でまったくスピードを出せなかった。
 
このときはまだ風の抵抗を舐めていた。
 
まるで坂道をずっと走っているような負荷がかかっているようであった。
 
今思えばもう少し低姿勢でこげば速度が出て疲労もたまらなかったと思う。
 
しかしクロスバイクのハンドルではポジショニングのバリエーションが少なく低姿勢を長くすることは難しい。
 
よってクロスバイクで巡航速度を上げようとするとこれが課題となってくる。
 
次に長距離を走ることがあるとしたら、クロスバイクではなく、ロードで走ってみたいという思いが込み上げてくる。