チャンピオンスリーグ決勝!!
前半18分、GKレーマンへ突きつけられたカードの色は赤色だった。それは残り時間を10対11で戦うことを意味していた。しかも、10試合連続無失点中の立役者をこんなにも早い時間帯に失ってしまった。アーセナルのトロフィーへの道のりは非常に厳しいものとなってしまう。
FWロナウジーニョのスルーパスに抜け出し、フリーでゴールに向かうFWエトーがレーマンにペナルティーエリアのわずか外で倒された一連のプレー。レーマンの右手がエトーの足に触れており、レッドカードも仕方のないプレーだった。
10試合連続無失点は風前のともし火へ。さらにアーセナルの攻め手は、前線での個人の頑張りとセットプレーに限られてしまった。先に点を許せば、敗退の二文字が色濃くなる。そんな状況で得点が生まれる。それもアーセナルのほうに。前半37分、右サイドからFWアンリの蹴ったFKは、DFキャンベルの頭にドンピシャであい、ゴールに吸い込まれた。絶望の淵に追い詰められた中で希望の光が差し込む。
攻めるバルセロナ、守るアーセナルの図式は変わらないが、時おり見せるFWアンリとMFリュングベリ、MFフレブの鋭いカウンターがバルセロナを襲う。「もしかすると」そう意識させるほど、時間は順調に終了時刻へと近づいていく。
しかし、疲労との戦いには勝てなかった。10対11で60分近く経過した後半31分、バルセロナにゴールの時が訪れる。交代出場のFWラーションの絶妙な落としからエトーが抜け出し、GKアルムニアが守るゴールの二アサイドを陥れる。憎らしいほど冷静にGKの動きを読み切ったゴール。この瞬間、アーセナルの連続無失点記録が途絶える。
このゴールに気落ちしたのか、その5分後、ラーションのパスに今度はDFベレッチが抜け出し、思い切り右足を振りぬいたシュートは、アルムニアの股間を抜けて、ゴールネットを揺らした。バルセロナの歓喜の輪とは対照的にがっくりと肩を落とすアーセナルの選手。
反撃の余力はアーセナルには残されていなかった。そのままホイッスルの時を迎え、バルセロナの優勝が決まった。
10人になった時点で大方予想できる展開ではあった。しかし、試合の緊張感を保ったのは、アーセナルの選手の頑張りによるところが大きい。得点後もあわやというシーンはアンリを中心に2度ほど作った。それを決めていればと後悔したところで時間は巻き戻せない。
勝ったバルセロナは下馬評通りいいチームだった。特にラーカールト監督のベンチワークは見事だった。後半に投入したMFイニエスタは絶妙なバランスを取り、アーセナルの体力を奪っていった。ラーション、ベレッチが得点に絡む活躍を見せ、存在感を示した。とくにラーションは二点に絡み、仕事を全うした。
セスクやエブエ、フラミニなど若い力の台頭で勝ち進んできたアーセナルにとって、この経験は間違いなくプラスになる。次世代のビッククラブへと変われるだけの戦力は保持している。この経験を糧に来シーズンの更なる飛躍を遂げて欲しい。そのためには、アンリの残留は最大の補強になる。アンリが唯一果たしていないチャンピオンズリーグの制覇に向けて、アーセナルでその力を発揮して欲しい。
アーセナル決勝進出!!
念願のチャンピオンズリーグ(CL)の決勝進出が決まった。勝利の味がこんなにも甘美だったとは思いもよらなかった。打ったシュートはたったの2本。ペナルティーエリアに侵入したのも数えるほど。終始押され続け、何度もゴールを脅かされた。
アーセナルは、その厚い壁の前に何度も跳ね返され続けてきた。最終的に無敗優勝を成し遂げ、最高のサッカーと呼び声が高かった03-04シーズンも、ベスト8で敗れた。ベスト8の壁を越えたのも、今回が初めてだ。
負けるたびに試合内容では勝っているのにと、なぐさめていたアーセナルファンも多いことだろう。今回の試合の内容は最悪だったが、とにかく結果は出した。ヴィジャレアル戦で見せた戦いは、まるでイタリアのクラブのようにしたたかだった。
気づけば、10試合連続無失点というアーセナルらしからぬ記録もついてきた。GKレーマンも、ドイツ代表の正GKを任され、自信がみなぎっているのか、試合終了間際に与えたリケルメのPKをストップしてみせた。
いい意味の裏切りを続けるアーセナル。国内リーグの4位は危ういが、チャンピオンズリーグ(CL)を制覇するれば、来季のCL出場権も獲得できる。そうすれば、ライバルクラブのトッテナムのCL行きも阻止できる。
決勝の相手は、バルセロナ。ロナウジーニョをはじめ、デコやエトーなど世界一流の技を持つ攻撃陣を擁し、守備も堅い。魅せるサッカーをして勝つという理想的なチームだ。
チャンピオンズリーグのアーセナルはいい意味で裏切りつづけてきた。決勝では、鉄壁というイメージを裏切り、打ち合いの末、勝利を収めるという試合が見たい。
5月17日、パリ、サンドニで起こる全てがアーセナルの歴史に刻まれる。
ヨーロッパでのフィナーレ!!
チャンピオンズリーグの準決勝が行なわれ、1-0でアーセナルがヴィジャレアルに先勝した。おまけに9試合無失点記録も更新した。
急造のディフェンスラインがここまで無失点を続けるなんて予想もできなかった。昨シーズンのレギュラーといえば、センターバックのトゥレのみ。昨年のレギュラーは全て、ケガで戦列を離れている。左サイドは苦肉の策でボランチからフラミニが転進。トゥレの相棒は、21歳のセンデロス、右サイドは23歳のエブエと、総じて若いメンバーだ。悲観していたファンをあざ笑うかのように、無失点記録を続けている。信頼して使い続けたヴェンゲルの忍耐強さには、恐れ入る。
今回の試合は、アーセナルの本拠地、ハイベリーのヨーロッパ最終戦でもある。アーセナル史上初のチャンピオンズリーグ準決勝進出という望むべく最高の舞台でヨーロッパのフィナーレを飾った。しかも、無失点記録更新のおまけつき。
幾多の名勝負を見てきたスタジアムは今シーズンで最後を迎える。来シーズンからは、ハイベリーのすぐ近くに建設されたエミレーツスタジアムがアーセナルの本拠地となる。
地下鉄のarsenal駅を降り、長いトンネルを突き抜けるとハイベリーが正面に現れる。といっても、閑静な住宅街にあるスタジアムは試合日でないと、そこがヨーロッパ有数のクラブの本拠地とは思えない雰囲気である。犬を連れた老人の散歩など牧歌的な雰囲気がそこにはある。
しかし、試合日になると様相が一変する。スタジアムの周りには、露店が並び、年代物のピンバッチやマッチデープログラム、ハンバーガーなどが売られる。赤いユニホームを着たサポーターが雑然とした雰囲気を醸し出す。お祭りがやってきたかのような空間が演出される。
ハイベリーは1913年に建築された。ヨーロッパでも最古の部類にはいるだろう。中に入るとアーセナルのチームカラーである赤い座席が、観客を迎えてくれる。収容人数は38,419人。ピッチからも近くプレミアリーグ特有の見やすいスタジアムとなっている。水曜日の夜は、38,419人の幸運なサポーターたちが、歴史的瞬間を目の当たりにした。
今シーズンは、ハイベリー最終戦ということもあり、ユニホームもチームカラーの赤ではなく、1913年当時のエンジ色を使っている。ここまで無冠のアーセナルに残されたタイトルはチャンピオンズリーグのみ。最後を飾る上でも、決勝のピッチ、パリ、サンドニの切符を手にしてほしい。
来週のヴィジャレアルでのアウェー戦を乗り切り、いざ決勝の舞台へ。
楽天のマスコットキャラクター!!
楽天イーグルスのマスコットキャラクターの「MR.カラスコ」をご存知だろうか。
こんな感じのマスコットだ。このキャラクターは、実に計算されている。
生息地はフルキャストスタジアム、好物はごみとなかなかユニークな設定となっている。プロレスの悪役を思わせるコスチュームも、興味を引き付ける。親しみやすいキャラクターを全面的に押し出している他球団のマスコットとは一線を画している。
カラスコは楽天の本拠地フルキャストスタジアムで、球場に散乱したゴム風船などを主食として生活している。今やスタジアムだけにとどまらず、仙台市にも精力的に出向き、好物のゴミ集めをしているそうだ。しかも、ボランティアを巻き込み、活動の幅を広げている。
楽天の地域に対する取り組みをキャラクター主導で行なうことにより、PRにもなり、子供の参加も促しやすい。カラスコに会いに行くため、ボランティアに参加する子供もいるだろう。キャラクターに対する愛着は子供のときの経験が大きな割合を占めるように思う。子供の時に親しんだマンガのキャラクターや戦隊モノに、今も愛着を感じている人は少なくないだろう。何気ない工夫が随所に見られる。
カラスコはゴミ拾いのみならず、みちのくプロレスやモトクロスの大会に参加するなど、他競技との交流も積極的にこなしている。
プロレスの悪役を気取りながら、地域貢献や他競技とのコラボレーションをこなしていく。その先には、スポーツをより身近にという思いがある。仙台で生まれたプロ野球団の挑戦は、他球団にもいい刺激をあたえている。
ペナントレースでは、苦戦が続く楽天だが、地域では着実に白星を重ねている。ただ、ファンにとっては、本業の野球で白星を積み重ねてほしいところだろう。
WBCの問題点!!
世界一をかけて争われたWBCが終わって数日が経つ。日本が優勝し、メディアや巷ではWBCの話題で持ちきりとなった。絶体絶命の状況からの優勝だっただけに、盛り上がりも最高潮に達した。瞬間最高視聴率が50%を超えるなど、野球の持つ価値を再認識させるものとなった。
野球がこんなにスリルのあるスポーツだったかと思うほど、今回のWBCはおもしろかった。
ただ、次回のWBC開催に向けては、解決すべき問題が多い。問題は数多くあるが、根幹はMLB主導の大会であることだ。MLBはメジャーリーグを統括する組織だ。世界大会を開催する組織が一国の代表なのである。この問題を解決しなければ必ず後に尾を引いてくる。
サッカーを例に取れば、わかりやすい。ワールドカップはFIFAが取り仕切っている。FIFAは国際サッカー連盟だ。FIFAは利益の分配からスポンサード、放映権料など全ての権利を所有している。ワールドカップの開催国はFIFAと共同して、大会を運営している。
それをもし日本サッカー協会が取り仕切れば、大問題になるだろう。開催国と連携する組織が一国を代表する権利団体であれば、利益の分配などの調整がつかなくなる。今回は初めてだったこともあり参加国がMLBの条件を飲んだのだろうが、この先はわからない。今後、興行的に常に黒字を計上できる大会になれば必ずもめる原因になるだろう。
野球の場合も国際野球連盟があるが、今回のWBCには全く関わっていない。MLBが主催したことで、メジャーリーグにかなり配慮された大会となった。
球数制限や決勝トーナメントの枠組み、開催時期などアメリカの都合が多く入っている。球数制限は、選手がケガをしたときの補償問題が考慮された妥協の産物である。決勝トーナメントの枠組みは、決勝がアメリカ対中南米になるよう細工されたとしか思えない。日本と韓国のように同一チームが三回も戦うことは、おかしい。準決勝ですら、グループA組の一位とB組の二位が対戦するたすき掛けになっていなかった。開催時期が3月ということも、メジャー主導で決まった。
問題の解決には、WBC専用の組織を作る必要がある。それも国際野球連盟の中に作ることが望ましい。そこがWBCを運営していくのである。もちろんMLBの協力なしには成り立たないが、日本や韓国、キューバ、ドミニカといった野球先進国の代表者も入れて、大会の抜本的な見直しをすべきである。民主的な組織を作り、各国の声を反映していく必要がある。アメリカは中東の民主化に力を入れており、WBCを民主化路線に乗せることは容易いだろう。そうでなければアメリカの行動に二重基準が生まれてしまうことになる。
今回の盛り上がりはうまく運営すれば、WBCが新たなコンテンツとなりうることを示してくれた。それだけに利害調整がままならず空中分解になる事態は避けなければならない。次回もMLBが主導しそうな現状は、サッカーのワールドカップのように成功することを妨げる要因に必ずなる。カネになる木をみすみすエゴで台無しにするようでは、野球の普及はままならない。
電通とInfont社の新合弁会社!!
電通とInfornt Sports & Media AG社(本社:スイス)との間に新たに設立する合弁会社が2007年から2014年までのFIFA主催大会(日本を除く)のアジアでの放送権の独占セールス・エージェントに指名された。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2006/pdf/2006018-0318.pdf
新会社の本社はシンガポールに置かれる。シンガポールにはInfront社のアジア支社があり、同じテナントに入るのだろう。新会社はテレビにラジオ、ブロードバンド、インターネット、携帯電話と映像に関するあらゆる放送権を手に入れたことになる。一昔前まではテレビにラジオぐらいだったのだから技術の進歩に驚かされる。インターネットやブロードバンド、携帯電話で動画が流すことのできる技術はここ5年ほどで急速に進化し、きれいな動画を供給できるようになった。
2006年のW杯ドイツ大会で、携帯やパソコンでダイジェスト画像を見ることが広まれば、その後もその流れは確実に続いていくだろう。
電通とFIFAのパートナーシップは昔から築いてきたものだが、今回Infont Sports&Media AG社という名前を聞いたのが初めてだったので調べてみた。
Infront社はスイスにあり、もともと冬季スポーツのエージェンシー(代理店)だった。この2年で幅広いスポーツのエージェンシーとして勢力を拡大している。サッカーやアイスホッケー、ハンドボールなど活動領域が6つの種目にわたっている。
サッカーでは、ウクライナなど東欧9カ国のテレビ、スポンサー、広告の請負やディナモブカレスト(ルーマニア)、スパルタプラハ(チェコ)など20以上のクラブと提携している。
Infront社がFIFAと関係を持ったのはキルヒとISLの破産以降だろう。キルヒは2002年と2006年のW杯の放映権を約200億円という莫大な金額で支払ったメディアグループだ。しかし、その後、資金繰りがうまくいかず2002年に経営破綻した。ISLは、キルヒグループと共同で放映権を獲得した会社で、電通とのつながりも深い。こちらも同様に2001年に経営破綻している。
近年のInfront社の躍進はキルヒのスポーツ部門やISLの社員が流れたことによるものだろう。また、FIFA会長のブラッターのお膝元であることから、何らかの力も働いたようにも思う。
Infront社は、アジアを重要なマーケットとして認識しているようで、今回の新会社設立を契機にアジアでも存在感を高たい思惑があるのだろう。中国では野球やサッカーを手がけており、巨大な市場を掘り起こそうとしている。
アジアの人口は約18億人。今後も増える見込みで2050年には20億人を超えるとも言われている。また、経済成長も著しく、10年後には、経済における力関係も相当変化しているだろう。
2014年のアジアにおける放映権料は、2006年の放映権料を確実に上回っているだろう。また、テレビ以外のメディアができつつあることでマーケットの拡大も予想される。
今後のスポーツビジネスを考える時、アジア市場に目を向けることも必要だ。アジアには巨大なマーケットが眠っている。欧州のサッカークラブなどは、すでに精力的なセールスプロモーションを行なっている。今回設立された新会社が2014年にどのようになっているか興味深い。
三度目の日韓戦!!
何気なくスカパーのチャンネルを回していると衝撃の映像が飛び込んできた。ブラウン管に映し出される映像に釘付けになる。メキシコがアメリカをわずか一点だがリードしているのだ。回は7回。あと2回、メキシコがしのいでくれれば、日本が準決勝に進出できる。
他力本願の場面にこれだけ熱くなれるなんてめったにない。メキシコが勝てば日本の準決勝進出が転がり込んでくる。しかも、メキシコの相手は世界最強のアメリカ。興奮しないほうがおかしい。1点ぐらいアメリカの力なら簡単に入る。その状況が、さらに場を引き立たせる。
9回裏、アメリカは1out、1塁、2塁のチャンス。6番のウェルズがバッターボックスに入る。一打逆転のチャンス。何かドラマが起こりそうな場面。画面越しから、「U.S.A、U.S.A」の大合唱が聞こえてくる。
しかし、何も起きなかった。ウェルズはダブルプレーに終わり、ゲームセット。アメリカのWBCが終わった。と同時に、日本の準決勝進出が決まった。こんな筋書きが残されていたなんて、誰も予想できなかっただろう。
三度目の正直をかけて戦う韓国戦。二度あることは三度あるのか否か。前日、「野球人生で最も屈辱的」と語ったイチローをはじめ、選手は韓国との戦いに燃えている。誤審問題に始まり、奇跡の準決勝進出と話題をふりまくWBCは、野球ファンでない人たちにも浸透してきているだろう。明日の日韓戦は世界に王手をかける大事な試合になる。「アジアで一番」というプライドをへし折られ続けた日本にとって、格好の舞台が整った。
アーセナルのチャンピオンズリーグ
細い糸は、まだつながっている。会心の引き分けだった。レアルマドリーをハイベリーに迎えた水曜日の一戦。アーセナルは苦しみながらも、引き分けを勝ち取りトータルスコア1-0でベスト8進出を決めた。サンチャゴベルナベウで決めたアンリの1点が勝負の分かれ目となった。まさに神様、仏様、アンリ様である。
ジダンやロナウドを擁し銀河系と呼ばれるレアルは、ベンチにすら各国の代表がズラリと並んでいた。対するアーセナルは若手を中心にしたメンバーで、銀河系と呼べるのはアンリぐらい。下馬評もレアルマドリー有利の状況だった。
それもそのはずで、今季のアーセナルはベンゲル監督就任以来、初めてといってもいいぐらい成績が悪い。度重なる選手の怪我や若手の経験不足、主力の移籍などが主原因だ。シーズン前のビエラの離脱は今なお大きく響いている。
クリスマス前にプレミアリーグ、一月にはFAカップとカーリングカップのトロフィーの夢が消えた。プレミアリーグでは来シーズンのチャンピオンズリーグの出場権すら危うい状況だ。残るはチャンピオンズリーグのみだが、トロフィーまでの道のりは遠い。
金曜日にチャンピオンズリーグの組み合わせ抽選会が開かれ、アーセナルの対戦相手が決まった。相手は奇しくもビエラが所属するユベントス。しかも、セリエAでは首位を独走しており、先日のチャンピオンズリーグでも奇跡的な勝ち抜き方でベスト8進出を決めた。
穴がほとんどないチームといってよく、守ってカウンターに弱いアーセナルには厳しい相手だ。また、昨シーズンまでアーセナルのキャプテンを務めたビエラがいることで、アーセナルのサッカーはカッペロ監督に筒抜けだろう。
その壁を突破しても待ち受けるのは、おそらくバルセロナ。バルセロナの相手はベンフィカだが、おそらく番狂わせは起きないだろう。バルセロナは、リーガエスパニョーラの首位をひた走る。ロナウジーニョやメッシ、デコが奏でるサッカーは、ルールの知らない初心者ですら魅了されるだろう。とにかく見ていて楽しいサッカーをする。しかも、強い。事実上の決勝といわれたチェルシー戦を完勝し、頂点までの視界は良好だろう。アーセナルにとっては、決勝以上に手ごわい相手となるだろう。
とにかくアーセナルには、いばらの道が待ち受ける。ただ、近年のチャンピオンズリーグは、波乱が必ず起きている。去年のリバプールや一昨年のポルトと本命ではないチームがトロフィーを勝ち取っている。二度あることは三度ある。そんなことわざを安易に信じて、アーセナルを応援しよう。
トリノオリンピック!!
トリノオリンピックが終わり、日本チームの成績不振を言及する声がかまびすしい。メダル目標5個に対し、結果は1個。「最低の結果に終わった」と総括した日本選手団の遅塚団長の会見は、日本チームの厳しい現状を物語っている。
テレビでキャスターなどが、したり顔で敗因を分析しているが、メディアが大風呂敷を広げた感もあるだけに、それに対する説明責任も果たしてほしいと思うのは、私だけだろうか。むしろ、競技の見せ方を工夫し日本人べったりの報道を改善すべきではないだろうか。メディア側としても、オリンピックの時にしか放送しないような競技が多く、対策は難しいのだろうが、放送のあり方を一考する価値はある。ソルトレークに次ぐ低い視聴率という格好の反省材料もある。
日本チームの再飛行の鍵を握るのは、選手というより環境整備のようだ。企業丸抱えの体勢が難しくなっている現状で、選手の強化、育成をどのようにはかるかが、焦点となっている。つまり資金の出し手はどこかという問題だ。
選手は結果をだすためには環境が必要と語るが、環境を整備するためには、結果が必要という支援側の論理もあるわけで、なかなか話が前に進まないだろう。
国家の支援なども考えられるが、日本財政は火の車で、そんな余裕はなさそうだ。スポーツ振興くじとして出発したtotoも現状では、振興どころか赤字で存続も危うい。
環境整備をするための財源は、どこにもないような状況。国が支援するなら、不況に陥った日本企業がしたように選択と集中をし、支援競技を絞る以外なさそうだ。しかし、個人的には、メダルを取ること以上に選手が競技を続けられる環境を整備するほうが好ましいように思う。
ただ、今回のオリンピックでは、落胆もあれば収穫もある。荒川戦手の活躍により、フィギュアスケート熱は高まっているようで、各地の子供教室は定員を上回る応募があるという。安藤美姫や浅田真央といった有力な若手もいるため、フィギュア熱は一過性のもので終わりそうもない。スポンサーシップや放映権料もうなぎ上りになるだろう。
カーリングはチームの頑張りと出場チームを描いた映画「シムソンズ」が公開されたこともあり、人気に火がついた。氷上のチェスといわれる不思議な競技だが、見ている間にその魅力にはまった人も多いだろう。今後はその火を消さない工夫が求められる。
スケートの短距離やジャンプ、スノーボードは期待が大きかっただけに、落胆も大きい。メダルゼロという数字は、選手や競技団体に大きな打撃を与える。企業に多くを頼っているだけに、支援企業からの継続的な後押しを受けられるかも不安が残る。用具代や遠征費などの出費も多く、一部の選手以外は厳しい環境で競技生活を送っている。ただ、マイナー競技の選手は、ほとんどが厳しい環境で競技活動を行なっているため、何か対策をとは、一概には言えない状況である。
環境整備を求める声は強くなるだろうが、財源を探す努力も同様に求められる。競技を続けるために自らスポンサー営業などもこなしたスケートの今井選手などもいるわけで、与えられるのを待つだけではいけないだろう。選手などの環境整備のために競技団体などが、企画書を片手に企業周りをするのも一つの手だろう。
ただ、メダルがなくても選手たちの頑張りは評価されていい。4年に一度という舞台を目指し、真剣に取り組んだ姿勢に異論はないだろう。バンクーバーに向け、選手たちはまた新たな物語を描いていく。
ジェフ千葉と人材派遣の「バックスグループ」提携!!
ジェフ千葉と人材派遣会社の「バックスグループ」が提携し、下部組織(ジェフ千葉クラブ)の選手を社員として受け入れる。社員として雇用してもらうことで、競技に集中できる環境をつくるのが狙いだ。
ジェフ千葉クラブはトップチームの下にある約30人のアマチュアチームで、今季よりJFLに新加盟する。位置づけとしては、プロのレベルには達していないが、試合経験を積むことでプロへの扉を開けようというものだ。大リーグの独立リーグのようなイメージだろう。
バックスグループは、2001年にジャスダックに上場している営業支援アウトソーシングの会社だ。バックス側は、社員としての受け入れ以外に、ジェフ千葉クラブのユニフォームの胸部分とトップチームのトレーニングウェアの背中部分にロゴマークを入れる。この提携によって、自社のブランドイメージの向上も狙う。
今までジェフ千葉クラブの選手は、アルバイトなどで生計を立ててたという。そのため、練習の参加に支障をきたすといった問題があった。今後、選手たちは社員として、ホームタウンの千葉市や市原市の企業に派遣される。これにより、選手は15万円程度の月収を確保し、練習にも確実に参加できる環境が整えられた。さらに、引退後に備え勤務経験が積めるという利点もある。
ジェフ千葉側は、対象を今後、女子チームの選手、若手コーチらにも広げていく考えだ。クラブが費用を負担せずに選手の収入を保証するという画期的なアイデアだ。
この取り組みが成功すれば、多くのクラブがプロの予備軍を抱えることができ、プロ入りの裾野を広げることになる。さらに選手がホームタウンで働くことにより、地域貢献にもつながる。
プロ選手を目指す裾野を広げようといった動きはサッカーに関わらず盛んであるが、そうした選手の雇用対策といった部分では未整備なところも多い。
バックスグループには、プロ入りを目指す選手と企業の連携のモデルとしてデファクトスタンダードを築いていって欲しい。目の付け所が素晴らしい。
