さっきの続き




【登場人物】




公輸般(こうしゅはん)


楚の人、兵器を開発




楚王


中国戦国時代の


楚と言う国の王


兵器を試すために


小国〈宋〉を攻撃しよう


とする




墨子


《非攻》や《兼愛》を


基本的な思想とする










公輸般を説得し、


楚王へと案内を頼む。




墨子


「今、ここにある人


がいるとします。


其の人はフェラーリを


持っているのに、隣の家


のワゴン車を盗もうとして


います。




また、自分は三億も


持っているのに、


隣の家の一万を


盗もうとしています。


このような人を王は


どう思われますか。」と。




楚王


「そいつは泥棒だ。


けしからん。」


といった。




そこで、


墨子が言うには、


「〈楚〉の国は領土が


五千里あります。


対し、


〈宋〉は五百里ほど。


これから領土に侵攻し、


〈宋〉の領土を我が物


とするならば、これは


フェラーリをもっていながら、


隣の家のワゴン車を盗むこと


と同じこと。




また三億持ちながら、


隣の家の一万を盗むこと


と同じこと。


王が先ほど仰った泥棒と


同じことです。」と。




そこで楚王は、


「なるほど、もう〈宋〉は攻撃


するまい。」と言った。








【墨子】は何もすべてが


すべて攻撃で防ぐ訳では


なくて、時に説得もする。




にしてもすごい弁舌と言うか。

最後に《墨家》の


「戦国策」での


エピソ-ドを。




概略


楚の公輸般と言う人


が兵器を発明。


楚王はその威力を


確かめるため小国〈宋〉


を攻めようとする。


それを聞きつけ、


墨子は一日百里の


強軍を重ね楚に出かける。






【登場人物】




公輸般(こうしゅはん)


楚の人、兵器を開発


ちなみに雲梯(うんてい)


を発明。




楚王


楚と言う国の王




墨子


墨?(ぼくてき)








まず公輸般に


逢い彼を説得。




墨子


「私はそうであなたの


評判を耳にしました。


私はあなたの力を、


借りて楚王を殺したい。」




公輸般


「私は道義を弁(わきま)


えている。そんなことできん。」




墨子


「ではお尋ねしますが、


あなたは兵器をつくり〈宋〉を


攻撃なさろうとしています。


いったい〈宋〉にどんな罪が


あるのでしょうか。」




さらに墨子は、


「『道義てきに王は殺さない』と


言いながらも罪もない国を


攻撃するのは、『少数のものは


殺さないが、多数なら殺す』と


言う事です。これにどんな道義が


ございますか。」と。








なんという正論。


これ言われたら


納得せざる得ない。


最初の質問は結論に導く


巧みさ。




さっきの「白黒」の話とか、


「苦味の話」と一緒。

此度は《墨家》の


根幹にある思想


【非攻】について






そもそも…。







ある男が果樹園に


入り果物を盗む。




それを聞くと人々は


非難するし、政治を


行うものは男を捕え、


これを罰する。




なぜなのか。


それは、


人に損害を与え、


自らは得をするから


である。




また他人の飼って


いる犬、鶏、豚を盗む


のは損害がさっきより


多い。




故に罪は一層深い。




人を一人殺したら、


これを死刑にする。




では人を10人殺せば、


罪が10倍にもなる。


ということは、


10倍の処罰の仕方で


なければならない。




しかし「戦争」ということ


になれば同じ「人を殺す」


という行為であるにも


かかわらず、これを批難


することをせず、逆に


これを褒める。




これは少量の黒を黒いと


「黒い」、黒が多量になると


「白である」と言えば、


その人は白黒の区別が


つかないということになる。




苦味が少ない時には、


「苦い」と言う人が、苦味が


多いとこれ「を甘い」と言う。


これはこの人が苦味が


わからない人と言う事になる。




わかるかね。




これが〈非攻〉の考え方。


当時にはぶっ飛びすぎて


支配者てきには脅威な


考え方だったんだね。

墨家の思想


《兼愛》について




今回は部分的に。




墨子は次のように


言った。




「仁者の任務は、


努めて天下の利


を興し、天下の害


を除くことである」




それでは




「天下の利、


    天下の害」




とはなにか。




墨子は言う、


「いま、


国と国が攻め合い、


家と家とが奪い合い、


人と人が害し合い、




君臣が互いに恩恵と


忠義を尽くさず、


父子(ふし)が互いに


慈愛と孝行がなく、


兄弟が互いに仲良く


しなければこれは


『天下の害』である」と。




ではなぜこのような


害が生ずるのか。




それは互いに愛する


ために生ずるのか。




墨子が言われたように


互いに愛し合わない


ために生ずるのである。








これは書物の『墨子』


から抜粋だけども、


決して本人記述では


ない。


墨子が亡くなった後、


その弟子によって、


編纂されたものである。




「あいつは知らないから」


とか、「関係ない」では


なく、「人を区別すること


なくみな愛せよ」と言うこと。




これは実際実行する


こと出来そう。

<墨家>は、当時


《孔子》の<儒家>


と勢力を二分する


ほどの力を持って


いた訳で。




この二つは互いを


批判してたもんで。




ただ<儒家>と違う


のは、思想を貫く


ためには相手を


徹底的に潰すこと。


自分からは攻めない


けど攻められたら


攻撃する。


つまり守るための


攻撃はアリと。




そのための武備や


防備はしっかり整え


兵器を開発する。


それの技術が時代


の先をゆくもんで、


かなり強い。




その武器(例えば弓)


は優れてるものなので


戦国末期には、


墨家も内紛でいくつか


の派閥にわかれ、


しまいにはその武器を


売りに出したり。