"Honey Pie" | タコさんの庭

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ビートルズの歌詞和訳に挑戦

"Honey Pie"

Writers : credited  Lennon-McCartney (by Paul McCartney ) 

Artist : The Beatles

Recorded : 1968/10/01,02,04 Trident Studios

Released :

1968/11/22「 The Beatles」 D面2曲目

1996/10/26「The Beatles Anthology 3」(Esher Demo)

2018/09/11「The Beatles 」Special Edition

          (2018 Mix)

          (Esher Demo)

            (Instrumental Backing Track)

 

 

同日追記あり

[Instrumental Verse]は、ポールの本「The Lyrics」に載っていません。ポールのアドリブのようです。

その他の改行は、ポールの本「The Lyrics」の通りです。

          <歌詞和訳>"Honey Pie"  邦題 "ハニー・パイ" 

[Intro]

She was a working girl

North of England way
Now she's hit the big time in the USA
And if she could only hear me

This is what I'd say

    彼女は 働く女の子だった

    イングランドの北の通りで…

    今や彼女は檜舞台で人気者だ アメリカで…

    でももし 彼女が僕の言うことをひとつだけ聞いてくれるのなら

    これが 僕の伝えたいことだ

[Verse 1]

Honey Pie, you are making me crazy
I'm in love but I'm lazy

So won't you please come home?

    ハニー・パイ 君は僕を夢中にさせている

    君に恋をしている それなのに僕は無精者

    だからどうか君が故郷に来てくれないか?

 

[Verse 2]

Oh Honey Pie, my position is tragic
Come and show me the magic
Of your Hollywood song

    嗚呼 ハニー・パイ 僕の状況は悲劇的だ

    来てくれ そして僕にその魔法を見せてくれ

    君のハリウッド・ソングの魔法を…

        

[Middle 1]

You became a legend of the silver screen
And now the thought of meeting you

Makes me weak in the knee

    君は映画界の偉人となった

    そして今 君に会うことを考えると

    僕は膝がガクガクするほど立ってはいられない

    

[Verse 3]

Oh Honey Pie, you are driving me frantic
Sail across the Atlantic

To be where you belong

Honey Pie, come back to me

    嗚呼 ハニー・パイ 君は僕を狂わせている

    大西洋を渡って船を走らせてくれ

    君がいるべき場所にいるために…

    ハニー・パイ 僕に所へ戻ってきて

 

[Instrumental Verse] 

[Solo guitar John Lennon]

Ooh, yeah

 

[Ad lib Vocal Paul]

I like it like that, oh ah

I like this kind of hot kind of music

Hot kind of music

Play it to me, play it to me, Hollywood blues

 

[Middle 2]

Will the wind that blew

Her boat across the sea
Kindly send her sailing back to me?

    彼女の船を海の向こうへ

    吹き飛ばしたその風は

    彼女を海に乗せて 僕のもとへ優しく送り届けてくれるだろうか?

 

[Verse 4]

Now Honey Pie, you are making me crazy
I'm in love but I'm lazy

So won't you please come home?

Come, come back to me, Honey Pie

    なぁ ハニー・パイ 君は僕を夢中にさせている

    君に恋をしている それなのに僕は無精者

    だから君が故郷に来てくれないか?

    さぁ  僕の所へ戻ってきて ハニー・パイ

 

 [Outro]

Honey Pie

Honey Pie

    ハニー・パイ

    ハニー・パイ

 

??

「完全版 ビートルズ全曲歌詞集」 スティーヴ・ターナー著 藤本国彦 日本語版監修 富原まさ江訳 264ページ 原書2015年発行

 

HONEY PIE (ハニー・バイ)

「ハニー・パイ」はポールが父のジム・マッカートニーのために書いた曲だ。「親父はいつもこんな甘ったるい昔の歌を歌っていたよ。僕も好きだったね」とボールは言う。 「1920年代に音楽家をやっていたらおもしろかったと思う。シルクハットも燕尾服も嫌いじゃないからね」
 ポールのイメージは当時のミュージック・ホールであり、そこでは子どものころにテレビの「ビリー・コットン・バンド・ショー」などで聴いたフレッド・アステアの「頬よせて」("チーク・トゥ・チーク"です) が演奏されている。「ピング・クロスビーみたいなスタイルが大好きなんだ。《ハニー・パ イ》は、僕が想像の女性に書いた手紙さ。外国の銀幕スターで、名前はハニー・パイ。 僕のファンタジーだよ。古いレコードに聴こえるように自分の声にノイズをかけた。パロ ディではなく、子どものころに親しんだボードヴィルの伝統へのオマージュなんだ」
以下 略

"Honey Pie" は、

名前が「ハニー・パイ」というポールの想像の女性に書いた「手紙」なんですね。

 

[Intro]

She was a working girl

North of England way
Now she's hit the big time in the USA
And if she could only hear me

This is what I'd say

    彼女は 働く女の子だった

    イングランドの北の通りで…

    今や彼女は檜舞台で人気者だ アメリカで…

    でももし 彼女が僕の言うことをひとつだけ聞いてくれるのなら

    これが 僕の伝えたいことだ

 

working girl」の意味は以下です。

working girl : ワーキングガール、働く女性

      〈俗〉売春婦

彼女は、娼婦だったのかもしれない。

娼婦とは訳しませんでしたが、

North of England way」の「way」を「通りで」と訳しました。

hit the big time : 成功する、一流になる、大当たりする

the big time檜舞台、桧舞台、ひのき舞台、ヒノキ舞台、(スポーツ・芸能界の)一流,成功.

hit : 〔通例a ~〕(…に対しての)(興行の)大当たり,大成功,ヒット≪with≫;ヒット曲[商品],人気者

 

 

[Verse 1] [Verse 2] [Middle 1] [Verse 3] [Verse 4] は

「I」から「ハニー・パイ」への手紙ですね!

   

 

[Middle 2]

Will the wind that blew

Her boat across the sea
Kindly send her sailing back to me?

    彼女の船を海の向こうへ

    吹き飛ばしたその風は

    彼女を海に乗せて 僕のもとへ優しく送り届けてくれるだろうか?

 

[Middle 2] はハニー・パイへの手紙ではなく

自分の気持ちですね。

素敵な詩ですね。

 

Kindly send her sailing back to me?」の訳には迷いました。

最初は「彼女の航海を 僕のもとへ優しく送り届けてくれるだろうか?」でしたが、

最後の最後に「彼女を海に乗せて 僕のもとへ優しく送り届けてくれるだろうか?」と

意訳しました。

 

 

私の妄想

"Honey Pie" は "Honey Don't" の続きの歌??

 

それとも "Drive My Car" の続きでも楽しい!

 

 

 

父ジム・マッカートニーのために    (同日追記)

「完全版 ビートルズ全曲歌詞集」 スティーヴ・ターナー著 藤本国彦 日本語版監修 富原まさ江訳 264ページ 原書2015年発行

 

HONEY PIE (ハニー・バイ)

「ハニー・パイ」はポールが父のジム・マッカートニーのために書いた曲だ。「親父はいつもこんな甘ったるい昔の歌を歌っていたよ。僕も好きだったね」とボールは言う。 「1920年代に音楽家をやっていたらおもしろかったと思う。シルクハットも燕尾服も嫌いじゃないからね」

 

"Honey Pie" をレコーディングが始まったのは1968年10月1日です。

ポールは、入院している父親ジム・マッカトニーが元気になってくれるよう願って

"Honey Pie" を作ったかもしれません。

バリー・マイルズ著「ビートルズ・ダイアリー」松尾康治訳 261ページ

1968年9月30日

ハンター・デイヴィスによるビートルズの公認自伝「ザ・ビートルズ』がイギリスでウィリアム・ハイネマン・リミテッドより出版された。

ポールの父親、ジェイムズは9月いっぱい病気で入院していた。ポールは度々リヴァプールに戻り、彼を見舞った。

 

 

ジョージの話

 

John played a brilliant solo on ‘Honey Pie’ – sounded like Django Reinhardt or something. It was one of them where you just close your eyes and happen to hit all the right notes… sounded like a little jazz solo.

                         George Harrison, 1987

 

ジョンは "Honey Pie"で素晴らしいソロを演奏した。まるでジャンゴ・ラインハルトか何かのようでした。それは目を閉じると彼らの一人だった。すべてのいい音色がたまたまぴったり合って、ちょっとしたジャズソロのように聞こえました。

 

訳は信じないでください。「It」以降の文、よくわかりませんでした。

 

 

ジャンゴ・ラインハルト (Django Reinhardt、1910年1月23日 - 1953年5月16日)は、ベルギーのギタリスト。英語読みで、ジャンゴ・レナルトとも表記される。

 

ロマ音楽とスウィング・ジャズを融合させたジプシー・スウィング(マヌーシュ・スウィング)の創始者として知られる。また、しばしば「ヨーロッパ初の偉大なジャズ・ミュージシャン」とも評される。短い生涯の中で後世のミュージシャンに多大な影響を与える多くの傑作を発表した。

 
ジャンゴ・ラインハルトは、ジョージが10歳の時には亡くなっています。
(ジョージは1943年2月25日生まれ)
きっとジョージは、ジャンゴ・ラインハルトが亡くなったあとにそのギターの素晴らしさを知ったのかもしれませんね。さすがジョージキラキラ

 

ジョージが絶賛するジョンのソロ。

ジョン自身も、満足したように「Ooh, yeah」と言っていますねラブラブ音符

 

[Instrumental Verse] 

[Solo guitar John Lennon]

Ooh, yeah

 

[Ad lib alVoc Paul]

I like it like that, oh ah

I like this kind of hot kind of music

Hot kind of music

Play it to me, play it to me, Hollywood blues

    ジョン 僕それ好きだよ それ気に入った oh ah

    僕はこんな感じのホットな音楽が大好きなんだ

    ホットな音楽が!

    僕のために弾いてくれよ 僕のために ハリウッド・ブルースを弾いてくれ

 

以上、妄想訳でした。

 

 

 

ポールの話

バリー・マイルズ著 「ポール・マッカートニー/ メニー・イヤーズ・フロム・ナウ」翻訳 竹林 雅子 666ページ 1997年10月に発売

 

ポール「― 略 ― ジョンも僕もミュージック・ホールが大好きだった。アメリカではヴォードヴィルって言うんだよね。子どもの頃はラジオの『ビリー・コットン・バンド・ショウ』なんかで、この手の音楽を聴いて育ったよ。フレッド・アステアなんかも大好きで、中でも映画『トップ・ハット』"チーク・トゥ・チーク" が大好きで、昔の七十八回転レコードを持っていた。ああいう古い流行歌スタイル、不思議な甘ったるい声がとても好きだった。"ハニー・バイ" は海の向こうの銀幕の想像上の人物、ハニー・パイに向けて僕が作った、そんな歌の一つ。僕のファンタジーの歌。昔のキーキー鳴るレコードの味を出すために、僕のヴォーカルに音を乗せたんだ。だから、これはパロディじゃなくて、僕が子ども時代に聴いていたヴォードヴィル音楽へのオマージュみたいなもの。

 
『ビリー・コットン・バンド・ショウ』について

ビリー・コットン・バンド・ショーは、 1949年から1968年まで BBCライト・プログラムで放送されていた日曜ランチタイムのラジオ番組でした。

 

バンドリーダーのビリー・コットンは、コックニーの伝説的人物で、毎回のショーを"Wakey-Wake-aaaay!” という掛け声で始め、その後にバンドの代表曲「サムバディ・ストール・マイ・ガール」を演奏した。

 

この番組は1956年にBBCテレビに移管され、通常は土曜日の午後7時に放送された。1968年まで様々な名前で放送された。

 
↓ポールが子供の頃ラジオで聞いていただろう?曲 "Somebody Stole My Gal"
 
ポールが観た映画『トップ・ハット』
"チーク・トゥ・チーク" を歌いながら踊るフレッド・アステア

 

 

 

ジョンの話

「ジョン・レノン&オノ・ヨーコ プレイボーイ・インタビュー1980完全版」

デヴィッド・シェフ著 山川真理訳 329ページ
 

――― 〈ハニー・パイ〉。

ジョン :  [笑う]それについては考えたくもない。
 

――― わかりました。では〈ザ・バラッド・オブ・ジョン・アンド・ヨーコ(ジョンとヨーコのバラード)〉

ジョン : おお、誰が書いたと思う? ぼくがパリで書いたんだ。以下省略

 

笑う~。ジョンらしいラブラブ

 

 

辞書

情報提供元(著作権者)Weblio英辞郎goo辞書

only : 唯一の、ただ…だけの、無比の、最適の、たった一人の

crazy : 気が狂った、狂気の、狂気じみた、気が変で、どうかしていて、(…に)熱狂して、夢中になって、ほれて、(…が)大好きで、とても気に入って

lazy : 怠惰な、不精な、眠気を誘う、もの憂げな、けだるい、動きののろい

position : 〔特定の〕状況、情勢、立場

tragic : 悲劇の、悲劇的な、悲劇的要素、悲壮な、悲惨な、痛ましい

magic : 魔法、魔術、奇術、手品、マジック、魔力、魅力

legend : 〔ある分野などの〕巨匠、偉大な物[人]◆可算
silver screen : (映画を映す)映写幕、銀幕、映画

thought of : 〔…することの〕意向,考え

weak in the knees : 〈話〉〔恐怖などで〕足がすくんで[膝がガクガクして](しっかり立てないで)

weak in the knees : (強い感情を受けて)立っていられなくなる;腰抜けになる

weak in the knees : (強い感情に)うろたえて

make someone weak in the knees : 〔圧倒的な感情などで〕(人)の膝をへなへなとさせる、〔強い魅力・恍惚感などで〕(人)をよろめかせる[メロメロにする]

drive : 〔+目的語+補語〕〈人を〉〈…の状態に〉させる,追いやる 《★【用法】 補語として主に mad,crazy,nuts,insane などが用いられる》.

frantic : (恐怖・興奮・喜びなどで)気が狂ったような、半狂乱の、血迷った、気が狂いそうになって、大急ぎの、大あわての

sail : 〔動詞(+副詞(句))〕〈船・人が〉帆走する,航海する; 船で行く.

across : …を横切って、…を渡って、…に渡して、…の向こう側へ、…のいたる所に、…中に、…を横切ったところに、…の向こう側に、…と交差して、…にまたがって

Atlantic大西洋の、大西洋岸(付近)の

belong : (所有物として)(…に)属する、(…の)ものである、(本来の性質・権限・会員などとして)(…に)所属する、(…の)一員である、(…に)伴う、(分類上)(…に)属する、(あるべき所に)ある、いる、あるべきである、ふさわしい

sailing : 帆走(法)、航海(術)、航行(法)、船旅、航海、(定期船の)出帆、出航、航海の、出帆の

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