初心者同志 -95ページ目

桃の幻想。

世界で一番美味しい食べ物は、なんだと思う?

と、もし訊かれたら、

私はそれは、桃だと答える。


もちろん、普通に買ってきた桃も好きだけど、

私が過去に食べた桃には、世界で一番だと言い切れるくらいの

衝撃と、感動を与えてくれたことがあるんだ。


私の家の遠い親戚にあたるおじさんは、桃農家をやっていた。

夏になると、ときどき自分たちの作った桃を送ってきてくれて、

家族はみんな、それを楽しみにしていたのだ。


あるとき、父親が、その人のところへ桃狩りに行かないか、と提案した。

決して、気軽に行けるような距離ではないのだけど、

父は新車を購入したばかりで、それを運転したかったみたいだ。


私たち家族は全員で、夏の暑い日、窓を全開に開けて、

かなりの長いドライブを楽しんだ。


ようやく、おじさん宅に着いたとき、すでに昼を過ぎていた。

長距離の移動と、かなり朝早くに家を出発したこともって、

私は眠気で頭はフラフラとするし、クタクタに疲れていた気もする。


おじさんの家は、山のすぐ麓にあって、その周り一面に

立っている木は、すべて桃の木だった。

とにかく、見渡す限り、目に映るものはすべて桃の木だ。

私たちはおじさんに案内されて、そんな桃の木の下を歩いた。


木になっている桃には、すでに袋がけがされていて、

桃の実を直接見ることはできなかった。

でも、あたりは桃の甘い匂いで満たされていて、

私はまるで、桃のジュースの中を泳いでいるような気分だった。


おじさんは、一つの木の下まで連れて行くと、

今なら、この実のやつは美味しいぞ、と私たちに教えてくれた。


私たちは、自分の手でそれぞれ教えてもらった桃の実をとり、

さらに、おじさんの後についていった。


おじさんが連れてきたのは、山からの湧き水が、

小さな渓流のようになって流れてきている場所だった。

手を入れてみると、まるで氷の中に突っ込んだのかと思うくらい冷たい。


その日は、立っているだけで、ジワジワと汗がにじむような熱い夏だった。

でも、そこだけは、山から降りてくる涼しげな風が吹いていて、

とても心地いい。


私たちはその透きとおって底まで見えるような清流で桃を洗い、

皮を少しだけ剥いて、おじさんに薦められるまま、桃の実にかぶりついた。


噛んだ瞬間、実はプツリと口の中で弾けて、桃の果汁で溢れた。

実の表面は、山の湧き水に冷やされて締まっていて、

かみ締めると少しの抵抗だけ残して、内側にたどり着いた。


まるで無限に湧き出てくるのかと思うほど、

内側の実からは、桃の果汁がどんどんと溢れてきて、

食感のいい実と、その果汁が口の中でいっぱいになると、

喉がそれらを渾然一体にして、飲み込んでいく。


私たちは、あっという間に一つの実を食べつくしてしまった。


それは、今まで経験したことがない衝撃で、

私があまりに必死になって食べるからか、

横で見ていた父親とおじさんは、とても楽しそうに笑っていた。


好きなだけ食べていいよ、とおじさんは言ってくれたのだけど、

私はその一個であまりにも満足してしまって、

食べたくても、食べられなかった。


それに、これからたくさん貰って帰るんだから、

家に帰ってからでも、好きなだけ食べられるもんな、

と、子供ながらに、計算高く考えたということもあった。


実際、おじさんは、食べきれないのでは、というくらい、

本当にたくさんの桃を、木の箱に詰めて、私たちに持たせてくれて、


あんなに美味しかった桃を、私はこれから、

こんなにたくさん食べられるのか、と、私は夢のような

気持ちになったのを覚えている。


帰り道、さすがに睡魔に勝てず、私は眠ってしまった。

家に着き、そのままベッドに直行してまた眠り、

その翌日、私は早速、昨日持ち帰った桃を食べてみることにした。


もちろん、あのとき口にしたあの味を、

また早く、味わいたかったのだ。


水道の水で洗い、早速、かじってみた。

美味しい。

けど、あの、おじさんの家で食べたときのような感動はない。


美味しいけれど、信じられないような、驚くほどの美味しさではない。


私は手のひらの上の桃を見つめ、

なんだか、夢を見ていたような気分になって、

実はおじさんの家になども、私は行ってなくて、

これも、実はスーパーに売っていた普通の桃とかじゃないかしら、

と思ってしまったのだった。


のだけど、怖くてそれを確かめる勇気もなくて、

実は、それを、今でも少し疑ったままで、いるのだった・・・・・・。


追跡されたあとの結末。

ある日、私は友人を家に送っていった。


時間は深夜を回ろうとしていたので、普段はほとんど乗ることがない、

車を使うことにした。


かなりの安全運転で私は友人を、無事、家に送り届け、

その帰り道。


私はふと、喉の渇きを覚えて、飲み物でも買っていこうと、

あまり使った覚えのない、自販機がたくさんあったハズの道へと

車の進路を変えた。


車のエンジンをかけたまま、運転席の窓を開け、

自販機に近づき、売っている飲み物の種類や、メーカーをチェックした。


そこは人通りのまったくない、細い道路で、

時間もかなり遅かったので、私はすっかり油断していたのだと思う。


そうして一台目の自販機を見ていた私は、

ここには買いたい飲み物はないな、と判断して、

そのまま、少し前方にもう一台あった自販機にまで

車をノロノロと走らせて、近づいていった。


自販機は、ほとんど明かりのないその道で、

暗闇の中、健気に明かりを灯して、いつ来るかもわからない

お客さんを待っているみたいだった。


私は二台目の自販機も同じように車に乗ったまま

並んでいる商品をチェックして、

ようやく欲しいものを見つけたのだった。


ただ、そこは車がやっと一台通れるような道路だった。

そのまま自販機の横に車を止めると、

今は、人通りがまったくないとはいえ、

完全に道を塞いでしまうことになる。


そこで私は、少し前方の斜め前に車を寄せると、

歩いて自販機まで戻ってきた。


そのときだった。


私がまさにお金をいれて飲み物を買っていたとき、

ずっと後方から、すごい高いエンジン音が聞こえてきたのだ。


しかもそれは、明らかにこちらへ近づいてきていて、

すぐに私は、車の強いハイビームの明かりに

照らされた。


車は、この細い道路を走ってきたのだ。

しかも、すごいスピードだった。


私は買った飲み物を取って、慌てて車まで走って戻り、

すぐにエンジンをかけた。


車は、なんとか道の脇に止めてはいるものの、

まさかこんな時間に車が通るとは思わないので、

このまま車が来たら、ぶつかるかも知れなかった。


すぐ先は、この細い道路が終わりになっていて、

大きな道路と合流している、

私は車を発進させて、この細い道路を出ようとした。


ただ、私の車は馬力のない旧式の中古車。


走り出したものの、すぐにはスピードなんて、ほとんど出ない。

その間にも、後方の車は、相変わらず減速する様子もなく、

すごい速さでこっちに迫ってくる。


はっきりとヘッドライトに照らされているから、

向こうでも、ここに車が止まっているのは、わかっているはずだ。


なのに、やっぱり、スピードを落とすような雰囲気はない。


私はアクセルを踏むけれど、スピードは一向に上がらない。

後方の車は、ハイビームにしたまま、すごい勢いで迫ってくる。


こんな遅い時間に、こんな狭い道路を、そこまで急ぐ理由とは、

いったい何だろうと思いながらも、私はとにかく、

この道路から出ようと車を走らせた。


私の車はなんとか、細い道路の出口まで来た。

とはいえ、道を出るときには左右の確認をしないといけないし、

曲がるために、減速もしなくてはいけない。


まさに、私がその細い道路を出ようとしたとき、

後ろからすごい勢いで走ってきた車は、ついに、私の車に追いついた。


私はそのとき、本当に「ぶつかる!」と思った。


そして、二つのあることに気がついた。


一つは、その車が初めて、速度を少しだけ緩めたこと。


そしてもう一つは、その車が、パトカーだったことだ。


私は大きな道に出ると、車をすぐに脇に寄せて止めた。


慌てて乗ってすぐ走ったので、買った飲み物は、

下に転がっていってしまったし、

座席の中での姿勢も窮屈になっていたので、直したかったのだ。


すると、驚いたことに、後ろから来たパトカーも、

速度を落としたまま、私の車のすぐ後ろに来て止まったのだ。


しかも、中から制服の警察官が二人も降りてきて、

私の方に歩いてくる!


な、なんか、こういう場面て見たことあるぞ!

窓をコンコン、と叩かれて、免許証とか求められるんじゃないか!?


警察官は二人、私の車のところまで歩いてくると、

困惑している私の顔を一瞬だけ見て、笑いかけた。


警察官が笑う顔て、怖いんだよな。

大抵、それは相手を油断させようとしているんだ。

テレビや映画だと、絶対そうだもんな!


「騙されないぞーっ」と、思ったのだけど、

今回の警察官の笑いは、ちょっと違う笑いだということに、

私は気がついたんだ。


つまり、本気で笑ってるんだ。

それも、困惑して笑っている。


二人の警官は、私を見るなり、

かなり困ってしまっているらしい。


うーん、そうはいっても、困るのはこっちの方なんだけどなあ・・・・・・。


警官たちはそのあと、私に一言だけ言うと、去っていった。


その一言というのが、


「最近、この辺りで自販機荒らしが多くてね、気をつけてるんだ」


うーむ。

これって、どういうことだろう。


本当にその一言だけを、困ったように笑いながら言うと、

警官はそのまま走り去っていったのだ。


気をつけてね、じゃない。

気をつけているんだ、と警官は確かに言った。


つまり、気をつけている中で、私の車を見つけた、てことか。

ふむふむ。

で、パトカーはすごいスピードで私を追いかけてきたのか。

なるほど、なるほど。


・・・・・・ん?

ということは、これって、つまり、

私のことを、自販機荒らしと間違えたってことじゃないのか!?


じゃ、さっきのは、もしかして職務質問を私は、されかかってたのか!


でも、きっと追いついてみたら、そうじゃないと分かって、

それで、言葉を濁して去っていったんじゃないのか!?


なんだか、とても釈然としない気持ちと共に、

怪しまれるような人相で生まれこなくてよかった、と

しみじみ、ほとんど初めて、自分の顔に感謝したのだった。


人間は顔じゃない、てよく言うけど、

時と場合によっては、顔も大切なのかも知れない・・・・・・。

作戦ハンター。

再び、オンラインゲーム「MHF」 、夜の大闘技会。


そこでは、モンスターであるペットの力、

そしてハンターによるペットへの愛、

そして何よりも、ペットとハンターとの、チームワークが試される場所。


で、私とフルヨはといえば、

最近では完全に気持ちが通じ合っているから、

意志の疎通に関しては、もう完璧。


闘技会中なんて、もう、ほとんど作戦を告げる必要もなくて、

アイコンタクトさえ、必要ないくらい。


お互いに考えていることが、なにも言わなくてわかってしまうんだ。

うーん、これも、ここまで、ずっと愛情もって育ててきた

おかけだな、わっはっは。


よぉし、フルヨ、フォーメーションZだ!


説明しよう。

フォーメーションZとは?


フルヨが相手を引きつけている間に、まず、私が落とし穴を設置!



MHFss093


よし、いいぞ、フルヨ!

そして、私が落とし穴の近くに立ち、相手のモンスターを呼び寄せるっ!



MHFss094


成功ーっ!

あとは、フルヨと私で、落とし穴に落ちた相手のペットに攻撃を・・・・・・・!



MHFss095

え?


・・・・・・えええーっ!?



フォーメーションZ、失敗!

うみで流れる音楽。

実家に帰郷した私の、思わぬ最新ゲーム機との出会いから、

偶然とはいえ、ふと、手に取ったゲームソフト。

「フォーエバーブルー」


このゲームは、海の中を自由に泳ぐことができるゲームで、

それ以外にも、魚の図鑑を埋めてみたり、

海底に眠る財宝を探してみたり、

様々な遊びが用意されていたのだけど、


私は「どこまでもある海の中をただ、泳ぐ」、という心地よさに

恐ろしいくらい惹かれてしまって、

その他の要素を一切ないがしろにして、

ひたすら、海中遊泳を満喫してしまったのだった、というのが、

昨日までに書いたブログ。


ひとしきり遊んだあと、私はふと、説明書を読んでいて、

面白い記述があることに気がついた。


なんでも、海の中を泳いでいるのときに流れているBGMを、

自分のお気に入りの音楽に変えてしまえる機能というのが、

このゲームソフトにはあるらしいのだ。


SDメモリーカードに音楽を入れて、ゲーム機に差し込むことで、

どんな音楽でもゲーム中に自由に流せてしまうらしい。


うーん、面白い機能だなぁ。


元々、このゲームには、

最初からいくつかのボーカルつきの音楽が用意されていて、

それらも海中遊泳しながら聴く音楽としては、とても良かったのだけど、

さすがに、ずっと泳ぎつづけていると、

少しは新しい音楽にしてみたいな、と、まさに思っていたところだったんだ。


ということで、早速、自慢のCDコレクションの中から、

ピッタリな曲を・・・・・・と思い、あれ、と気がついた。


ここは、実家だぞ。

そして、現在、私は帰郷中だ。

つまり、CDなんて、一枚もないっ!


わーん、これじゃ曲の変更なんて、できないじゃないかっ!


と、そこまで思って、また、気がついた。


そうだ。

普段からずっと持っている、携帯音楽プレイヤーがあるじゃないか。


パソコンは家にあるんだから、ここから曲を取り出して、

SDカードに写してしまえば、

なんの問題もなく、ゲーム中のBGMに使うことができるぞ!


うーん、なんて機転が効くんだろう。

携帯プレイヤーを持ってきててよかったなぁ、わっはっは。


というわけで、早速、挑戦。


とはいえ、数多くある曲の中から、

一体どれが最適といえる音楽なんだろうか、というのは、

実際に流してみて、その中を泳いでみないと分からない。


というわけで、海の中で聴けたら、最高に心地よさそうな曲を

最終的には全部で80曲ほど、実際に試してみた中で、

これだったら、元の曲に勝るとも劣らずゲームの雰囲気にピッタリだぞ、

という曲を、いくつか見つけることができたので、

ここに、ランキング形式でご紹介。


第三位。


BILLY JOEL  『 Lulla bye 』




第二位。


ENIGMA   『 WHY 』




第一位。


BEN FOLLDS  『 bastard 』




きれいな海、ゲームの楽しさ、大好きな音楽。


うーん、至福の時間。



トップブリーダーハンター。

オンラインゲームの「MHF」 に用意された、

ハンターたちが、自慢のペットたちを競わせる大会、

その名も、大闘技会。


夜の間のみ、闘技場と呼ばれる閉じられた施設の中で

開催されるこの競技会は、

ハンターたちが、自分のペットを披露しあう場であると共に、

普段は街のギルドに所属し、自らの生死をかけて

外の世界へと狩りへと出かけるハンターたちが

唯一、違った目的で、戦いに赴くことのできる

場でもあるのだ。


その違った目的とは?


それは、勿論、自分の飼っているペットへの愛!


誰にも負けない、自分のペットに注ぐ愛の大きさを証明するため、

ハンターたちは大闘技場へと、

自身も一緒にペットと共になって参戦をするのだっ!


で、私のフルヨは、どうかというと・・・・・・。



MHFss091


よしぃぃぃ!

相手ハンターのペットを、落とし穴に落としたぞぉぉっ!

いまだ、フルヨぉーっ!



MHFss092


うまいっ!


というわけで、なかなか、順調みたいです!