初心者同志 -53ページ目

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱(その3)。

勝手にアクション映画ナンバーワン認定記念!


作品紹介その3。(全三回)


これまで二回に渡って【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ】
作品が舞台にしている背景について詳しく語ってきたので、

最後は本作品の、私が映画史上最高だと信じている、

アクションシーンと、そのストーリーについて語ってみよう。



ちなみに、これまでの二回についてはこちらから。

【第1回 中国武術と香港映画のつながり】

【第2回 主人公の黄飛鴻が生きた時代】



【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱】は、

一言で言うならば、二人の俳優のアクションを見るための映画、と言っても

決して言いすぎではない。

その二人とは、主人公の黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)を演じるジェット・リーと、

朝廷の官軍ラン提督を演じるドニー・イェンだ。


この二人は、映画「HERO」でも共演して見事な

アクションシーンを演じているけれど、

監督があまり激しいアクションを好まなかったのか、

それともストーリー上、二人のアクションシーンだけ突出させるわけには

いかなかったのか、かなり控えめなアクションになっていた。


しかし実はこの二人は共に、幼少時代から中国武術を真剣に学んでいた

という共通点があり、(ジェット・リーは主に少林拳、ドニー・イェンは太極拳を習っていた)

彼らが相手のことを気遣うことなく、本来の実力を如何なく発揮して

アクションシーンを演じた場合、さながら格闘家同士の真剣勝負のような、

カメラも追い切れないほどのキレのある動きを見ることができる。


それを証明してくれるのが、この本作、

【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱】なのである。



ストーリーは清朝末期大規模な社会動乱もあり、

経済不安が漂っていた時代。


革命と外国人排斥を謳う「白蓮教」(時代は違うものの、実在した教団)

と呼ばれるカルト教団が、一般の市民の間に流行していた。


医学会に招かれ、弟子のフー(マク・シウチン)と、

叔母の十三姨(ロザムンド・クワン)と共に広州にやってきた黄飛鴻は、

到着早々に、その教団の騒ぎに巻き込まれ、

カメラを使って撮影しようとしていた為に、連れ去られそうに

なった叔母を奪還する。


招かれた医学会では、大勢の外国人医師が見守る中、

東洋の医術を紹介するものの、言葉が通じないために、

うまく理解が得られない。

そこに居合わせた同じ東洋の医師が、通訳を申し出てくれたことを

きっかけに親交を深めた黄飛鴻は、お互いに自己紹介をし、

その医師の名前が孫文(チャン・ティエ・リン)であることを知る。


そのころ、白蓮教の対応に忙しい官軍は、香港からの電報で、

中国本土に大規模な革命の動きがあることを察知。

その首謀者が、孫文という名前の男であることを知り、

ラン提督(ドニー・イェン)は、彼を捕らえるよう指令を出す。



この孫文とは、ご存知の通り、清朝を倒すことになる辛亥革命を起こし、

「中国革命の父」と呼ばれるようになった実在の人物だ。

革命を起こす前は実際に医者であり、作品ではその設定が

忠実に再現されている。


やはり医者であり、辛亥革命時には、多くの弟子たちが

活躍したことで、その結果、名前が広く知られることになる

黄飛鴻と、医学会で邂逅する、というのは、もちろんフィクションでは

あるのだけど、とても面白いアイデアだったと思う。


実際の孫文は、幼い頃から海外で生活していた経験があり、

もともと外国文化に偏見もなかった為か、

革命を成功させる為なら、諸外国の力を借りることも厭わなかった。

本作にはそんな側面も忠実に描かれる。


積極的に外国文化と交流しながら、革命の準備を進める、【孫文】。

外国勢力と清朝の打倒を企む、【白蓮教】。

白蓮教を取り締まりつつも、革命を阻止しようと孫文を探す、【官軍】。

そして、海外の文化はさっぱり理解できないものの、

白蓮教の極端すぎる行動には反対し、孫文に共感する、【黄飛鴻】。


それぞれの存在が、それぞれの利害関係から、

あるときは敵になり、またあるときは味方になるという構図になるため、

アクション映画にはありきたりな、わかりやすいだけの

一本道な物語には、決してならないストーリーは、

本作品の見所の一つだ。


他にも、海外文化を理解できない黄飛鴻が、

おかしな勘違いをする、シリーズおなじみのシーンや、

実際には血の繋がりがない叔母の十三姨とのロマンス、

といった要素もある。


ただし、何度も言うけれど、本作品1番の見所は、

やはり何といっても本物の武術家同士、ジェット・リーとドニー・イェンの

二人による対決シーン!


もし誤って当たれば、そのまま意識を失わせてしまうこと

間違いなしの勢いで応酬される、

お互いに棍棒を使って繰り広げられるアクションシーンなどは、

ただ武器を使って戦うだけでなく、二刀流になったり、

自分の身長の何倍もあるような長さの棒を多角的に戦いに扱ったり。

水に濡らした布を自在に操るという設定で、

棒のように扱っていたと思ったら、

ときにはムチのように形状を変化させて相手の武器を巻き取ったり

するなど、そのバリエーションも豊か。


ただ凄まじいだけでなく、アイデアにも溢れたアクションシーンを

たくさん楽しむことができるようになっている。



ところで、そもそも本作品を紹介することになったきっかけ。


どれがアクション映画ナンバーワンなのかを決めるため、

みんなそれぞれにお勧めの作品を持ち寄って開かれた、アクション映画の鑑賞会。


何作かのジャッキー・チェン映画の鑑賞後、最後にこの作品を見た、

友人たちの感想は・・・・・・・・・。


「面白いけど、知らない顔の人ばかりで、誰が誰か、すぐわからなくなるなっ!」


む・・・・・・。

そ、それは、一理あるかも知れない・・・・・・・。


ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱

アクション映画 NO.1




ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱(その2)。

【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ / 天地大乱】


勝手にアクション映画ナンバーワン認定記念!


作品紹介その2。(全三回)




アクション映画 NO.1



本作品の主人公であり、実在した武術家の中でも

最も人気の高い武術家の一人として知られている黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)。


【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱】は、

清王朝時代の中国大陸を舞台に、

その黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)の活躍を描いた作品なのだけど、

では、その黄飛鴻とは、いったいどのような人物だったのだろうか。


そもそも、黄飛鴻が一介の武術家でありながら、

中国近代史上、最大の英雄とまで言われるようになるのは、

彼が生きていた時代の背景が大きく関係している。


彼が武術家として活躍していた時代は、中国最後の王朝、

清朝が末期を迎えようとしていたとき。

中国の国力自体が弱まり、それに目をつけた様々な諸外国、

イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、日本といった国が

次々に国土を奪い取ろうと画策を始めていた時代だ。


国内の秩序や風紀はどんどん乱れ、その後起きた戦争に、

清王朝はことごとく負けていくことになる。


そんな時代、黄飛鴻はというと、

幼い頃から父と共に各国を放浪しながら武者修行をつづけ、

一心に武術の腕を磨いていた。

そして父が亡くなったのちには、その身につけた武術を、

一般の農民たちに教え、自警団を結成し、それを自ら率いるなどして、

当時の中国の治安維持に尽くしていく。


何よりも一般の市民たちのことを案じ、そのために身を費やした

ことが、彼の名声を高めることになったようだ。


彼自身は、武術家としてかなりの名手だった。

その逸話は、今も数々残されているという。

同時に、黄飛鴻は豊富な知識を兼ね備えた、医者でもあった。


ほぼ同時代を生きた人物としては、日本では坂本竜馬などを

イメージするとわかりやすいかも知れない。

生存中よりも、没後に人気が出た、という意味でも、

黄飛鴻は、坂本竜馬と似ているところがある、と私は思う。


黄飛鴻の場合は、後に、彼を主役とした小説や映画などが

多数作られ、それが人気を得る1番の要因となった。

また、清朝が打倒されることになる辛亥革命では、

彼の弟子たちが大勢活躍したことで、革命闘士たちを

育て上げた英雄として語られることもあるようだ。


さと、私がお勧めする、

【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱】は、

まさにそんな清朝末期を象徴する、混迷した中国を舞台に

描かれている。


明日は最後に、その、1番重要な本作のストーリーと、

何よりも、アクション映画の最大の魅力である、

肝心のアクションシーンについて迫ってみる。



つづく。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱(その1)。

【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ / 天地大乱】


勝手にアクション映画ナンバーワン認定記念!


作品紹介その1。(全三回)



アクション映画 NO.1


【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱】は、

清王朝時代の中国大陸を舞台に、

主人公の黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)の活躍を描いた、

シリーズの第2作目にあたる香港映画だ。


今回は、この作品を勝手にアクション映画のナンバーワンに

認定したのを記念して、その見所や、知られざる設定の裏側なども含めて、

詳しく紹介してみたいと思う。


さて、そもそも、香港に代表されるカンフー映画と、ハリウッドのアクション映画とでは、

ある、決定的な違いが存在していることをご存知だろうか。


それは、香港のカンフー映画にアクション俳優として出演している

出演者たちは、そのほとんどが、本物の武術家だということだ。


近年、香港でもカンフーもの以外のジャンルが見直され、

新たに、様々なジャンルの映画が作られるようになったり、

また、アクション映画であっても、ワイヤーアクションを含めた

多種多彩な撮影方法が編み出され、まったくの素人であっても、

それなりにアクションをしているように見せられるようになっている。


そのため、この傾向は減少しつつあるようだけど、

それでも、映画に出るためにまず武術を習う、という人は

現在でも香港には大勢、存在している。


本物の武術家で映画に出演していた人として

最も有名なのは、やっぱりブルース・リーだろう。

彼が18歳の頃まで習っていたのが、「詠春拳」と呼ばれる流派の中国武術だ。


いまだ、日本で最も人気があるだろうと思われるジャッキー・チェンも、

やはり、中国武術を習っていた。


ただし彼の場合、映画の中で披露される武術のほとんどは、

習っていた武術より、むしろ、中国戯劇学院時代に習っていた京劇の

影響のほうが強く見られる気がする。


さて、そんなジャッキー・チェンが習っていたという武術こそ、

「洪家拳」(こうかけん)と呼ばれる流派だ。


そして、この「洪家拳」の使い手として、中国の歴史上、

最も有名な武術家と言われているのが、今回の映画の主人公である、

黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)なのだ。


つまり、黄飛鴻とは、実在した人物。


日本で言えば、明治末期から大正の時代。

坂本竜馬や、大隈重信が生きていた時代に、中国において、

自身の武術をもって、実際に多大な功績を残すことになった、

正真正銘の武術家を主役にして作られたのが、

この【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ】シリーズなのである。




第2回につづく。


決定!アクション映画大賞。

「これまで見た中で、1番好きなアクション映画てなんだった?」


友人たちと食事をしていた、あるとき。

誰かが言った、この一言でっ!

アクション映画のナンバーワンを決めるための大論争が私たちの間で始まったっ!


はずだったんだけど、色々と討論はしてみるものの、

お互いにそれぞれ、こだわりがあるだけに、当然のことながら、

結論なんて出るはずもない。


そこで、


「じゃあ、次集まるときには、みんなそれぞれ、お勧めのDVDを借りてきて、鑑賞会だ!」


ということになった。

というのが、前回までの話。



このとき、みんなで話題になったのは、

どのジャッキー・チェン映画が1番か、ということだったんだけど、

早速レンタルショップに行って、さて、私はなにをみんなに薦めようかなあ、と

考えているとき、うーん、ちょっと待てよ、と思いなおした。


というのは、確かにジャッキー・チェンも、ブルース・リーも好きだけど。

本当に私が1番!と思うアクション映画は、別にあるんじゃないだろうか、

と思ったのだ。


今回は、私たちが決めようとしているのは、

どのアクション俳優が一番好きか、ではなく、

どのアクション映画が1番好きなのか、なんだから、

それだったら、好きな役者で作品を決めるなんて、ちょっとおかしいよなあ。


というわけで、最近出来たばかりの、大型レンタルショップで、

1人ブツブツと呟きながら、悩むこと数十分。


これしかない!という作品をようやく手にし、会計を済ませた私は、

お店を後にしたのだった。



というわけで。

それでは、ここに発表しよう。

私が選んだ、最高のアクション映画!


それは、これだっっ!!



アクション映画 NO.1


【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱】



この作品に関する詳細については、また明日につづく。



オランダの給食は、タイタニックも沈むSFの味。

毎日四冊の本を、読むときの場所によって読み分けている私 が、

今まさに読んでいる、その4冊を紹介するシリーズ。


今はこれを読んでます。 (第2回)



【 藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 (1) 】

著 藤子・F・不二雄 2000年発刊

「ドラえもん」を生み出した作者が、子供を卒業した読者に贈る、至高のプレゼント。


藤子・F・不二雄という人は、SFの世界を心から愛している作家だ。

それは、「ドラえもん」という作品だけを見ても明らかなのだけど、

それがもっとよく分かるのは、短編集を読んでみることだと思う。


例えば、本作に収録されている作品の一つ、「ミノタウルスの皿」は、

宇宙で遭難し、なんとか未踏の惑星に辿り着いて生き延びた、

1人の地球人の物語。


そこでは牛のような姿をしたズン類という住人たちがいて、

その「家畜」として飼われている、人と同じ姿をした女性に、

主人公は恋心を抱く。


まるで映画【猿の惑星】のようなお話だけど、

その先につづく展開は映画などよりもっと皮肉に満ちていて、

狂おしいくらい悲しい。


女性は家畜の中でも、愛玩種でも、労働種でもなく、食用種だったのだ。

しかも、今度の大祭で名誉ある一皿に奉げられることがすでに決まっていた!


主人公は、なんとかそれを防ごうと行動するのだけど、

当の本人である女性が、その意味を理解することができないでいる。


地球では、人は食べられないのだと知って、彼女は驚き、言う。


「まあ、もったいない。

私は死んでも、大勢の人の舌を喜ばせることができるわ。

ただ死ぬだけなんて、なんのために生まれてきたのか、わからないじゃない」


SF tanpen




【 街道をゆく〈35〉オランダ紀行 】

著 司馬遼太郎 1994年発刊

日本で1番面白い、読む旅行ガイド。



「もし、何ヶ月も休みがとれるなら、絶対ローマに海外旅行に行く!」


と、もうずいぶん前から、私は周囲の人たちに話している。

でも、そこに少し前から「オランダ」も加わるようになったのは、

この本を読んでしまったせい。


写真なんて一つも載っていないのに、

これほど好奇心をかきたててくれる旅行記が、他にあるだろうか。


オランダを観光している話から、とつぜん思わぬ雑学に話が飛んで、

「主題が逸れた。」と真面目に話題を戻したりする、愛嬌の溢れる文章も楽しい。


Ryokou gaide




【 グランド・バンクスの幻影 】

著 アーサー・C・クラーク 1990年発刊 

タイタニックのテーマは流れない。本格的なSFの側面から描かれる、沈没したタイタニックの物語。


【2001年宇宙の旅】などで有名な作者が、

タイタニック号を引き揚げるプロジェクトを描いた作品。

つまり、舞台は宇宙ではなく、深海になる。


時代設定は、タイタニック沈没から百周年にあたる、2012年。

つまり、今から4年後の世界。

もし、本当にこのプロジェクトが実行されたなら、実際にこうなるなるだろう

という説得力を発揮しながら、物語は作者らしい、

少し皮肉な着地点を見出して、最後、収束する。


深海という未知の世界で、最高の技術を必要としたとき、

当然のように日本の企業が関わってくることになるという所には、

日本人としてやっぱり、ニヤリとさせられる。


Arthur sf




【 なつかしの給食 】

編 アスペクト編集部 1997年発刊 

自分で給食を作るための、給食の本。読んでいると、お腹が空きます・・・・・・。


私が自分で料理を作るようになった1番の理由は、給食だったと思っている。

給食に出てくるような料理を、自分で作ってみたかったのだ。

その願望のいくつかは、小学生のときの家庭科の授業で叶った。


普段、料理をつくるときに料理の本を読まない、

(変な癖がつくから、本は料理に慣れてから読んだ方がいいとプロの人に言われた)

そんな私の、たった1つの例外が、この本。


当時の給食の再現レシピが載っているのだけど、

それ以上に面白いのは、その給食を食べたときの当時の思い出が、

それを作っていた栄養士さんのコメント共に、掲載されていること。


この本に掲載されている給食が出されていた時代は

昭和30年代から、40年代の限定。


この時代、まだ、私は生まれてもいないのだけど、

当時食べていた人たちの思い出を読むと、

ああ、みんな苦手なものは同じなんだなあと、思わずおかしくなってしまう。


ちなみに、この本はシリーズで刊行されていて、

昭和40年以降に作られていた給食のレシピが紹介されている

ものも、しっかりと出ている。

自分が食べていた時代のレシピを見るのは、楽しいぞ!


minna Daisuki