Get Good Drums からリリースされている”ドラム用”と銘打ったコンプレッサープラグインをレビューします!
使いやすさ、音の良さ、フレキシビリティ全て成り立っているとても優秀なコンプレッサーです。
GGD (GetGoodDrums) とは
GetGoodDrumsはメタルDjentバンドPeripheryの元ベーシストであるAdam "Nolly" GetGoodが立ち上げたDTMプラグイン,
ドラム音源のメーカーです。Peripheryの曲はアグレッシブでありながら重くタイトな最高のメタルサウンドで、そのサウンドの中心を担っていたのがNollyです。ドラム音源、パターンの他にコンプレッサーやギターキャビネットシミュレータをリリースしています。
GGD Smash & Grab概要
Smash & Grabは簡単にいうと「FETコンプとVCAコンプの2モード持ったコンプレッサープラグイン」です。
- Smashモード(青いパネル):FETコンプモード
- Grabモード(赤いパネル):VCAコンプモード
これに加え
- ドラムキット毎のタイプ切り替え
- 完全自由設定のPROモード
- サイドチェイン機能(内部/外部切り替え可能)
- サチュレーション搭載
- コンプ前後のEQ内蔵
また上記に加え細かい機能もあってとなかなかに多機能です。
Smash & Grabの特徴
ドラムタイプがとにかく優秀
一番の特徴はこの「ドラムタイプ」選択です。”ノーマルモード”の時、Smash & Grabにはコンプ設定で必須な「Attack」「Release」「Ratio」がありません。かわりに「ドラムタイプ」を選択することで各ドラムキットに最適な値に設定されます。ここでドラムタイプを選んだらあとは「インプット」で入力レベルを調整して「スレッショルド」で中央のメーターのゲインリダクションを見ながら、良い音に調整するだけ!
一般のコンプレッサープラグインにもドラム用のプリセットがあるのでそれを選択するのと同じではあります。が、本当によくドラムのミックスを理解していないと、ついやりすぎな設定にしてしまったり、調整に調整を重ねたらいつしか深みにハマって結局設定リセットということが結構あるのではと思います。Smash&Grabのように「タイプ選択」になっていると、「触ってはいけない項目」「調整すべき項目」が明確で、迷うことなくいい音にたどり着けると思います。
ポストEQのBEEFとAIRが良い!
コンプレッサーの前段、後段どちらのEQも搭載しています。特にポストEQの「BEEF(低域)」と「AIR(高域)」 がまさに最適です。これは上述の「ドラムタイプ」選択とリンクしていて、コントロールする周波数がドラムタイプによって最適な値に変わります。ブースト/カット両方できます。特にキックとスネアでBEEFもAIRも少し上げるという設定で「低音アタック」も「バチッとしたアタック、抜け」も良い感触です!
音質も選べるSaturation
ドラムの音に厚みを出すために必須なサチュレーション内蔵で3種類から選べます。「TAPE」が使いやすくて良い音がしました。またこれに加え、歪みについては「アナログ機器の自然な入力レベルクリップでのサチュレーション」も再現しているようです。コンプ後段の「Saturation」を使用せずあえて入力レベルをあげてコンプ前段でクリップさせて厚みを出すとまた違った響きになります。
サイドチェイン&ルックアヘッド搭載
「EXPAND」を開くと、サイドチェイン(内部/外部切り替え)とサイドチェインのフィルタ設定(20~20kHz)があります。またルックアヘッド(事前に音源データを読み込んで早い反応をする)機能もあります。ルックアヘッドは最長10msecまで設定できます。
フルアクセス可能な「PRO」モード
V2.0になって、いわゆるコンプレッサープラグインと同様に全てのパラメータが任意に設定できる「PRO」モードが搭載されました。やっぱりどうしても微調整したいシーンが出てくるというのもありますし、これは良いですね。デジタルコンプの必要機能はほぼ全部搭載されている感じですね。このPROモードにすると普通に優秀な汎用のコンプレッサーなのでドラム以外のどのパートでも良い感じにコンプをかけられました。
使い方動画が本当に役にたつ!
GGDの動画の中でNolly はSmash & Grabをドラムだけでなくベースにも使っていました。自分も色々Smash & Grab使って見ましたが、正直どこに使っても良いです。
まとめ