夏の終わり
久しぶりに海に来た。
海の家が終わって、約1ヶ月。
9月29日
台風17号が通過する前の日。
海の色もすっかり変わっている。

大潮に加え、台風のうねりが入ってきているので、
いつも以上に潮の満ち方が大きい。
空を見れば、もう秋の雲だ。

吹いてくる風にも夏の暑さとは違っている。
そして、夜。
先週は、まだ花火をしている人もいたが、
今は誰もいない。

海を撮ろうとしたが、写ったのは、対岸の夜景だけ。

日中は夏日の日もあるが、
セミの声はかなり小さくなりなり、
夜になると、虫の声が大きくなってきた。
車を走らせていても、窓を開けていると、虫の大合唱が聞こえる。
オレは、音楽もラジオもつけず、
虫の声を聞きながら、車を走らせた。
もう、秋だ。
ブログを始めて、4回めの夏も終わった。
この夏の出来事は、これで終了する。
バイトも一緒に
今年の夏はナンパ男が少ないと思っていたが、
お盆休み頃から、かなり現れ始めた。
この日は、8月最後の日曜日。
この夏、最後の日曜日だ。
うちに入った女の子3人組のお客さん。
ウキワに空気を入れながら、バイトと何やら話をしている。
バイトはちょっと困っている様子。
そして、オレのところに来て、
「パラソルとサマーベッドを借りるから安くして欲しいって言ってるんスけど。」
まあ、よくある事だ。
「今年も今日で最後だし、いいよ。レンタル料はオマエにまかせるよ。」
このバイトも、ここに来て3回めの夏だ。
要領はわかっている。
バイトは、砂浜にパラソルとサマーベッドを準備している。
水着に着替えた彼女たちは、その横で待っている。
そして、立てられたパラソルの日影に入り、3人はおしゃべりを始めた。
その光景を遠くから見ている3人組の男たち。
彼女たちは、3人ともそこそこかわいい。
これはナンパ男が放っておかないだろうと思っていた。
オレは戻ってきたバイトに、
「あの3人組、行くだろうな。」
「そうッスね。パラソル立てている時から見てましたよ。」
そして、
「あまりしつこいようだったら逃げて来るように言っときました。」
とバイト。
さすがによくわかっている。
そのまま様子を見ていると、
予想通り、3人組は彼女たちに向かって歩き始めた。
どういう展開になるのかと、バイトと一緒に見ていた。
男たちは、彼女たちの前にしゃがみ込んで、話し始めた。
彼女たちの反応はまちまち。
その中に、あきらかに無視しているコが1人いた。
始めは他の2人に付き合っていたが、
我慢できなくなったのか、売店にやってきた。
彼女に、
「ナンパされてたね。」
と言うと、
「あの3人ワケわかんない。いきなり隣に来て、ラッコ見なかった?一緒に探さない?って、こればっかり。」
と、かなりイヤそうな顔をして、パラソルの方を見ている。
「でも、あの2人はなんか話に乗っているみたいだよ。」
と残っている2人を見た。
「あれは仕方なくだよ。」
と彼女。
「じゃ、助けに行こうか?」
と言うと、
「どうするの?」
と彼女は聞いてきた。
「コイツが助けに行くよ。」
と、隣にいるバイトを指差した。
「えっ!?おれッスか?」
とバイト。
「ケンカなんかしたらやだよ。」
と心配そうに彼女が言った。
どうも大袈裟に考えているようだ。
ここにはビーチパトロールの警官もいる。
パトロール中には、言葉を交わすことも多いので、もう顔見知りだ。
さわぎを起こして、彼らの手を煩わすワケにはいかない。
「大丈夫だよ。そんなとこしないから。」
それでも不安そうに彼女はパラソルに戻って行った。
「どうするんスか?」
と、バイトも不安そうだ。
「ちょっと手伝ってもらいたい事があるから呼んできてくれればいいんだよ。」
とオレは言った。
しばらく見ていたが、男たちが立ち去る様子はない。
「それじゃ、あのコたち呼んできてくれ。」
と、バイトを行かせた。
バイトが彼女たちに話しかけている。
男たちは、バイトを睨みつけている。
いきなり現れて、横取りされるとでも思ったのだろう。
一瞬、バイトと睨み合ったが、
バイトは、オレの方を指差しながら、また話し始めた。
彼女たちと男たちの視線がこっちに向いた。
オレは彼女たちに向かって手招きをした。
それを見て、彼女たちはすぐに動き始めた。
そのまま、バイトが彼女たちを連れて戻って来た。
彼女たちは、ホッとした顔で、
「助かった~。」
「ありがとう。」
と言った。
「じゃぁ、早速手伝ってもらおうか。」
と言うオレに、
「ナニをするの?」
と彼女たち。
「そこのウキワに空気を入れて、あそこでウキワのレンタルをしているバイトに渡してきて。」
と、砂浜でレンタル係をしているバイトを教えた。
「はーい。」
と言って、空気を入れ始めた。
この日は、ウキワをレンタルする客も多く、追加しないと足りないほどだった。
その間も、男たちはパラソルの前から動かない。
彼女たちがパラソルに戻って来るのを待っているつもりらしい。
こういう時のナンパ男はなかなかしぶとい。
それだけの粘り強さがあれば、もっと他にいろいろできるだろう。
と、いつも思う。
彼女たちには、ウキワを渡したら戻って来るように言っておいた。
戻ってきた彼女たちを売店の前のテーブル席に座らせ、しばらく様子を見ることにした。
「ここでオレらと話していれば、そのうちいなくなるよ。」
と言い、
近くの海の家に用事があったオレは、
「ちょっと出てくるよ。」
と言って、店番と話し相手をバイトにまかせ、その場を離れた。
用事を済ませ、戻ってくると、パラソルの前からナンパ男の姿は消えていた。
「諦めたみたいだな。」
と言うと、
「今度はあっちにいますよ。」
とバイトが指差した。
その方向を見ると、ナンパ男たちは、別の女の子たちの前にしゃがみ込んでいた。
まだラッコを探しているのだろうか。
懲りない奴らだ。
その後、彼女たちはナンパされることもなく、
最後の日曜日を満喫して帰って行った。
帰りぎわ、この日一番の功労者だったバイトは、
彼女たちにせがまれて、一緒に写真を撮ることになった。
楽しそうに笑っている彼女たちと、
照れ笑いをしているバイト。
フレームの中の4人の笑顔に向かって、
オレはシャッターを切った。
放置
お盆休みが始まった頃、
女の子が6人。
多分、高校生。
砂浜に立てたパラソルから売店にやって来た。
彼女たちはかき氷やジュースを買い、すぐ横のテーブル席に座っておしゃべりを始めた。
しばらくするとひとりのコがウキワに空気を入れ始めた。
ほっぺたを膨らませながら、ウキワに空気を入れている。
オレは、
「空気入れてあげるから持っておいで。」
と言い、空気を入れてあげた。
電気で入れる空気入れ。
あっという間にウキワはパンパンに膨らんだ。
「うわぁ!ありがとうございます!」
と、空気を入れていた彼女。
その後も、海で遊んでは、海の家で休憩していた。
休憩中、彼女たちは写真を撮り始めた。
最初は、お互いに撮り合っていたが、みんなで写ろうということになった。
だが、全員で写ろうとすると、どうしてもうまくいかない。
仕方ないので、
「撮ってあげるから、カメラ貸して。」
と言い、撮ってあげた。
すると、
「私もお願いします。」
「あたしも。」
結局、全員の携帯やスマホで写真を撮った。
そんなこんなで、いろいろと彼女たちの世話をやいている時、
彼女たちのパラソルの荷物を、
3人の男たちが、ゴソゴソといじっていた。
オレが、
「アイツら荷物あさってるよ。」
と言って、
「ちょっと捕まえてくるよ。」
と売店を出て行こうとすると、
「あっ!やっと戻ってきた。」
と言っている。
「今ごろ戻って来て!」
とか、
「いいよ!もう放っておこうよ!」
とか、
「もういいよ、無視!無視!」
とか、口々に文句を言っている。
オレが、
「知り合い?」
と聞くと、
その中のひとりが、
「あたしたち9人で来たんですけど、アイツらあたしたちを置いて、ナンパしに行っちゃったんです。」
と教えてくれた。
別に誰かの彼氏という訳ではないようだ。
「なんか成功してないみたいだね。」
と言うと、
「アイツらに引っかかる女の子なんているわけないよ。」
とにかく、ヒドイ言われようだ。
やがて3人の男たちは、またどこかに消えて行った。
「ホント懲りないんだから。」
と言っている。
そして、彼女たちはまた海に遊びに行った。
夕方。
一日海で遊んだ彼女たちは帰る準備を始めた。
今度はウキワの空気を抜くのに苦労している。
しばらく見ていたが、
やっぱり仕方ないのて、手伝ってあげた。
「何から何までスミマセン。」
と彼女たち。
大したことはしてないが、やけに感謝された。
とにかく、世話のやけるコたちだ。
そんな彼女たちに、
「あの3人はいいの?」
と聞くと、
「あんなヤツらほっといて帰ります。」
「これから帰って女子会します。」
と言った。
多分、男たちの悪口で盛り上がるのだろう。