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Zatolog

つれづれなるまゝに、日暮らし、硯に向ひて、心に移り行くよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、怪しうこそ物狂ほしけれ。

日々感じたことを、忘れずに、共有し、共感し、共生したい。

カラオケ行こ!@U-NEXT


2021年のコミックに関する数々の賞に輝いた原作の映画化。

原作としては、個人的にはそれほど刺さらなかった。


翻って、映画版は殊の外傑作である。

もともと単行本一冊の原作を、秀逸な肉付けを行っていた。

作品中には様々な対比が描かれている。


男性ソプラノを担う中学生の聡実は、声変わりで思うように歌えなくなって悩んでいる。

片や、ヤクザ者の狂児は組長主催のカラオケ大会で最下位を取ってしまうと、絵心のない組長に刺青を入れられてしまうことに悩んでいる。

このどうしようもない悩みと、どうでもいい悩みの対比が秀逸である。


そもそも、中学生とヤクザ者というのが対比の極みである。

引退する三年生と、次がある二年生以下の後輩たちとそれである。

ただ、ベクトルが真逆なものの対比だけではなく、映画を見る部の巻き戻せないビデオデッキというのと、中学生として一度しかない最後の合唱祭というのは同性質の対比として描かれている。

様々なAとBの対比を通して、世界の厚みを作っていく点が秀でている。


声変わりで失うであろうソプラノの音域の代わりに、聡実は得難いものを手に入れたのではないか。


目標まで、あと70本。

名探偵コナン 100万ドルの五稜星@ユナイテッドシネマ豊洲


100万ドルどころか、早々に100億円の興行収入を記録した、劇場版名探偵コナンの最新作。

函館を舞台に、コナン、服部平次、そして怪盗キッドが、土方歳三ゆかりの日本刀に端を発する事件に挑む。


とにかく盛りだくさんな映画であった。

名探偵コナンの連載開始時にはリアルタイムで追っていたが、灰原哀が出てきたあたりで離脱した身には、少し過多に感じた。

そもそも、怪盗キッドの元ネタである「まじっく快斗」については忘却の彼方であり、ついていけなかった。


肝心の内容はというと、ミステリーとしては今ひとつ、サスペンスとしては現実味が乏しい。

飛んでる飛行機の翼上でまさに真剣勝負の一騎打ち、ロープウェイのケーブル上をスケボーで登る、、、いやいや。

結局、事件の中心にあった「戦局を揺るがす兵器」というのが、第二次大戦当時の暗号機=現代では無用の長物というオチもひねりがない。


目標まで、あと71本。

劇場版 TOKYO MER〜走る緊急救命室〜@Amazon Prime Video


TVドラマシリーズの映画化。

災害救助と救命を兼ね備えた、喜多見医師率いるTOKYO MERの活躍を描く。


都知事直轄のTOKYO MERの活躍が面白くない国は、

厚生労働省直轄のYOKOHAMA MERを立ち上げ、そのスキームを全国に拡げようとする。

TOKYO MERはかねてから、その危険を顧みない救命活動に否やの声が上がっており、世論に受け入れられている存在を疎ましく思う人々がいた。

そんな折、横浜・ランドマークタワーで大規模火災を伴う災害が発生する。

その要救護者には、TOKYO MERの喜多見チーフの身重の妻である千晶がいた。


TVシリーズからTVスペシャルを挟んでの劇場版という、典型的な展開である。

そのスケール感は、正直TVスペシャル第二弾の範疇を脱していない気がした。

とはいえ、TVシリーズでの悲劇を回避する展開はいかにもありきたりではあるが、胸が熱くなる展開でもある。

特に、医系技官として対処する音羽が現場の指揮よりも救命活動を選択する場面は、

その前の喜多見からのMERユニフォームを受け取らなかったことを翻す行動に賛辞を送りたくなる。


とはいえ、この事故を通して生まれ落ちた命に名づけるところまで描いて欲しかった。

その名前は、かつて失った喜多見の妹の涼香とバディである音羽から一文字ずつ取って「涼音(すずね)」とする、というような展開は安直だろうか。


目標まで、あと72本。