「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ -343ページ目

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。



foujitaちらし



小栗康平、10年ぶりの新作[FOUJITA」を観る。

一つひとつのショットが、なんと美しい映像か。
詩情をたたえた静謐な画。
その積み重なりで、
映像そのものが語りかけてくる。

前半は1920年代のパリ、
すでに渡仏10年、画壇の寵児となったフジタ(オダギリ・ジョー)。
カフェで、花魁道中を模した乱痴気騒ぎのパーティー、
高村光太郎の詩をシニカルに聞くフジタ。

後半は一転し1940年代、軍事下の日本。
戦争画を描き、その画の横に軍服で立ち、
敬礼をするフジタ。
五人目の妻(中谷美紀)と疎開。


藤田嗣治(1886~1968)の
伝記が語られるわけではない、。

藤田嗣治についてよく語られる
「フランスでリベラルに生きてきた画家が、
なぜ一転して戦争協力画を手掛けたのか?」ということは
この映画を観た観衆自身に、
その感性に問いかけてくる・・・か。


予告編
http://foujita.info/

ロードショーで上映中。


















  はつふゆの青年しずかに蜜となり              掌



























  墨色の馬の耳より冬が来る               掌














  
 豹めざめたり紺碧の冬のしたたり              掌












◆冬・玄冬(げんとう)・厳冬・冬将軍


立冬(11月7日ごろ)から立冬(2月4日ごろ)の前日、まで。

厳冬でモスクワ遠征に失敗したナポレオンの故事から
冬の厳しさを「冬将軍」と擬人化した。


冬の季語。
















歌う猫



高崎演奏家協会 第35回定期演奏会、
お客様も見えていただき、
盛会に終えることができました。

ありがとうございました。


<萩原朔太郎をうたう>

「猫」をうたい、
「風船乗りの夢」の詩を朗読し、
それから歌へ。

これからも朔太郎を
歌い込んでゆきたい、と。













高崎演奏家協会 第35回



いよいよ、明日です。

高崎演奏家協会 第35回定期演奏会


<萩原朔太郎をうたう>


猫        牧野由多可 作曲

風船乗りの夢 石渡日出夫 作曲


 メゾソプラノ:山本 掌
    
     ピアノ:中島章恵


◆高崎コアホール
    
◆全自由席 

◆チケット:1500円 


お時間と気分が合いましたら、
お出かけくださいませ。
お待ちしています♪
















朔太郎



萩原朔太郎の曲についての覚書です。
プログラムに掲載されます。


萩原朔太郎(1886~1942)は
特異な感覚の新しい口語詩集『月に吠える』、
虚無と倦怠の『青猫』で日本近代詩を
確立した前橋生れの詩人。
 
朔太郎の詩は詩そのものが作曲を拒絶しさえする。
詩の根源的な、心の内奥に <音>が踏み込み難いゆえ。
              オノマトペ 
そのなかでユニークな擬音語を
活かした牧野由多可の「猫」。
               いしわた
そして「風船乗りの夢」は石渡日出夫により作曲された。
「風船乗りの夢」は軽妙でリズミックな前半と後半、
詩の哲学的で、虚無感にあふれる中間部により、
音楽の表情はペシミスティックで、振幅もいっそう激しく、
スケールの大きな曲となっている。

朔太郎の独特な感性、言語感覚を
絶妙な<音>の世界とした曲をお聴きください。




















 

青猫 外箱

               『定本 青猫』外箱



「風船乗りの夢」は第二詩集『青猫』にある詩。
大正12年・1923年に刊行。
朔太郎36歳。


青猫 表紙

              『定本 青猫』表紙


さらに十年後、
詩の入れ替えなどをして編集し、
それを『定本 青猫』とする。


青猫 扉

               『定本 青猫』扉


この「風船乗りの夢」は
『定本 青猫』に収められた詩。



  
  風船乗りの夢
                       
                      萩原朔太郎


夏草のしげる叢から

ふはりふはりと天上さして昇りゆく風船よ

籠には旧暦の暦をのせ

はるか地球の子午線を越えて吹かれ行かうよ。

ばうばうとした虚無の中を

雲はさびしげにながれて行き

草地も見えず 記憶の時計もぜんまいがとまつてしまつた。

どこをめあてに翔(か)けるのだらう

さうして酒瓶の底は虚しくなり

酔ひどれの見る美麗な幻覚も消えてしまつた。

しだいに下界の陸地をはなれ

愁ひや雲やに吹きながされて

知覚もおよばぬ真空圏内にまぎれ行かうよ。

この瓦斯(ガス)体(たい)もてふくらんだ気球のやうに

ふしぎにさびしい宇宙のはてを

友だちもなく ふはりふはりと昇つて行かうよ。


風船乗り




作曲は石渡日出夫。
スケールの大きな曲となっている。























朔太郎



萩原朔太郎「猫」、
第一詩集『月に吠える』におさめられている。
この『月に吠える』は朔太郎31歳、
大正6年・1917年に刊行された。

「おわあ」「おぎゃあ」など猫の声のオノマトペが独特。
「おわ嗚呼、ここの家の主人は病気です」
このフレーズをご存知の方も多いのでは。



「月に吠える」の夜の花

           『月に吠える』田中恭吉装画「夜の花」

 
      
   
                         萩原朔太郎



まっくろけの猫が二疋、

なやましいよるの屋根のうへで、

ぴんとたてた尻尾のさきから、

糸のようなみかづきがかすんでいる。

『おわあ、こんばんは』

『おわあ、こんばんは』

『おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ』

『おわ嗚呼、ここの家の主人は病気です』

















海程



金子兜太主宰・俳誌「海程」11月号に
「萩原朔太郎をうたう」の紹介記事が載りました♪


同人で歌手の山本掌さんが出演する
「高崎演奏家協会 第35回定期演奏会」が
次の要領で開催されます。
ぜひご参加ください。(編集部)

・日時 11月30日(月) 19:00~

・会場 高崎シティギャラリー コアホール

・会費 全自由席 1500円


<萩原朔太郎をうたう>

 「猫」 『月に吠える』より (曲 牧野由多可)

 「風船乗りの夢」『青猫』より (曲 石渡日出夫)