このごろの造型論的おでんかな 掌
金子兜太先生の他界された日が近づいてきました。
金子兜太『あの夏、兵士だった私』
2016年8月13日 清流出版刊。
サブタイトルにあるように
「96歳、戦争体験者からの警告」
トラック島での生々しい体験を語り、
戦後、どのように生き、
現在ただいまを見るか。
兜太の根幹を語る一冊。
講演・講座・講義でもおりにふれ語られ、
この本の装画にあるような地図をフリーハンドで描き、
話される言葉は鋭く重い。
◆本の内容紹介
今こそ、伝えたいあの戦場体験!
トラック島、数少ない元兵士が語る、
戦場の日常、非業の死、食糧難……
反骨の俳人は、どのように戦後を生き
現在を見るのか?
「アベ政治を許さない」のプラカードに
込めた意味とは?
◆出版社からのコメント
日本社会に戦争の記憶が薄れるなかで、
私のような戦争体験者が果たせる役割、
いや生き残りだからこそ、
果たすべき役割はたくさんあるはずです。(プロローグより)
「わたしのこころから
あふれた
ことばは
風にのって
蒼穹に
とける」
この皆川博子・ことばが印象的な表紙♪
1930年生まれの皆川さん、
「小説を書いているときが楽しい」とのこと。
長編『風配図』で紫式部文学賞受賞され、
短篇集『影を買う店』の新装版を刊行された。
このスピンでは
俳句「泰山木」19句を発表。
好きな句をこちらに
夜がわたくしをみつめる鏡のやうに 博子
炎天下ひとこゑのこし孔雀墜つ
月光をたてがみとして白馬疾駆る
(あおかけ)
凛然と焦土にたてり泰山木
さらに「試作1」と題した詩も⁉
◆スピンの河出書房新社からの紹介はこちら
日常に「読書」の「栞」を
──オールジャンルの新雑誌「スピン/spin」10号目です。
ジャンルに縛られない「書き手」との出会いの場を
「紙」でお届けします(16号限定)。
◉目次
[短期集中連載]
・芦沢央 おまえレベルの話はしていない(芝)
[ショートショート]
・田中有芽子 江ノ島のクリオネ
[詩と俳句]
・皆川博子 詩=試作1/俳句=泰山木
[エッセイ]
・稲葉賀恵 死者の言葉を再生するように
・海猫沢めろん 生き活と死に活
[連載小説]
・一穂ミチ ハイランド美星ヶ丘(第10回)
・大森美香 花と葉(第9回)
・尾崎世界観 すべる愛(第9回)
・恩田陸 そして金魚鉢の溢れ出す午後に、(第10回)
・堂場瞬一 連作 罪と罪(第10回)
・中村文則 彼の左手は蛇(第6回)
・藤沢周 利休残照(第10回)
[警察小説アンソロジー](第3回)
・石川智健 禍胎
[連載往復書簡] 最終回
・最果タヒ ときには恋への招待状
――詩人からさまざまな方へ、宝塚公演へのおさそいの記録。ゲスト=朝吹真理子
[連載詩]第7回
・最果タヒ キャラクターの血のみずうみに、ぼくの瞳が映ってる――A子さんの恋人詩集
[紙の話] 第10回
・越前和紙のはなし(取材・文=「スピン」編集部)
[詩歌の話/詩歌の楽園 地獄の詩歌]第10回
・渡辺祐真 近現代短歌 百年の歴史をたどる
[本の話]
・松田行正 レースに包まれた本
[連載書評/絶版本書店 手に入りにくいけどすごい本]
・朝宮運河 わが偏愛の絶版怪奇幻想文学
[連載エッセイ/書を買おう、街へ出よう。] 第10回
・斉藤壮馬 「ぼくのゴヴェヤユハ」
[紙のなまえ]
三島由紀夫「金閣寺」初版の
ブックカバーができました!
新潮の印刷されてない文庫本に、
この布製のブックカバーがかかって、
初版のたたずまいがうれしい♪
新潮社の紹介をこちらに
<新潮文庫版の『金閣寺』の初版は、
昭和35(1960)年9月15日に出版されました。
装画は今野忠一によるものです。
昭和42年、14刷から新字新かなに改版され、
その後何度か改装を経て現在の仕様になったのは、令和2年の144刷からです。
今回、三島由紀夫の生誕100年を記念して、
歴代の装幀の中でも特に印象的な初版デザインの布製ブックカバーを制作しました。
新潮社資料室に残る希少な初版本を新撮し
(撮影は新潮社写真部、画像調整は新潮社装幀部によるものです) 、
『金閣寺』のページ数にあわせて少し厚めにつくってあり、
カバーをかけた時の読み心地も嬉しい仕上がりです。
約65年前の初版デザインの装幀>とのこと。
萩原朔太郎を朗読する、明日です♪
14時開演 @高崎シティギャラリーコアホール
『月に吠える』序、竹2編
『定本 青猫』黒い風琴
風琴はオルガンのことです。
詩をどうぞ。
黒い風琴 萩原朔太郎
おるがんをお弾きなさい 女のひとよ
あなたは黒い着物をきて
おるがんの前に坐りなさい
あなたの指はおるがんを這ふのです
かるく やさしく しめやかに 雪のふつてゐる音のやうに
おるがんをお弾きなさい 女のひとよ。
だれがそこで唱つてゐるの
だれがそこでしんみりと聴いてゐるの
ああこのまつ黒な憂鬱の闇のなかで
べつたりと壁にすひついて
おそろしい巨大の風琴を弾くのはだれですか
宗教のはげしい感情 そのふるへ
けいれんするぱいぷおるがん れくれえむ!
お祈りなさい 病気のひとよ
おそろしいことはない おそろしい時間はないのです
お弾きなさい おるがんを
やさしく とうえんに しめやかに
大雪のふりつむときの松葉のやうに
あかるい光彩をなげかけてお弾きなさい
お弾きなさい おるがんを
おるがんをお弾きなさい 女のひとよ。
ああ まつくろのながい着物をきて
しぜんに感情のしづまるまで
あなたはおほきな黒い風琴をお弾きなさい
おそろしい暗闇の壁の中で
あなたは熱心に身をなげかける
あなた!
ああ なんといふはげしく陰鬱なる感情のけいれんよ。
チェロ、ピアノ、ソプラノ、
オーボエ・ヴァイオリンなど
豊富なプログラムです。