春隣茉莉花茶に闇なだれ 掌
(マーリーホアチャ)
- ◆春隣(はるとなり)・春隣り・春隣(とるとな)る・春近し
春間近(はるまじか)・春を急ぐ・明日の春
長い冬も終わりに近づくと、春も間近である。
冬の季語。
安部完市 直筆のこの色紙、
阿部先生に書ていただきました。
2009年2月19日に旅立たれて。
<アベカン>と親しまれた阿部完市先生。
俳句はやわらかい言葉でつむがれていて、
非常に難解。
評論の緻密さは言うまでもないこと。
阿部完市氏に初めてお目にかかったのは海程の句会。
俳句を始めたばかりの秩父での俳句道場。
全国から海程の同人・会員が集まっての句会でのこと。
このとき問題になった句
「上陸す友人そして鶏も」、
野武士といった感のある関西古参から、
「なぜこんな句を主宰・金子兜太はとるのか!?」と
舌鋒鋭く発言があり、そこから議論の火蓋がきられ、
延々2時間あまりも一句に喧々諤々。
阿部完一氏も意見を求められ応戦。
最初は夕食後ということもあり宿の浴衣姿だったのが、
途中からスーツに着替えられ、論戦に臨む。
この句の作者が<阿部完市>であった。
2年ほど阿部完市先生の講義を受けた。
一回が3時間ほど。
論理・知識を明快に語る。
語り口は穏やかなのだが、中身は辛らつ。
「今の俳壇で俳句がいいのはいない。兜太がまあまあ。
兜太は言葉が剛腕
兜太のすごいのは大ホームランも大三振も平気で発表すること」などなど。
講義中でも俳句が浮ぶと、
中断してサッとメモをとるのが印象的だった。
地名の兼題が出て、
私の提出した句「えいさらえい熊野湯の峰桜騒」、
説経「をぐり」から「小栗判官」の道行きの道中を
さらさらと日本地図を描き解説してくださったことなど
懐かしい。
昼顔やかゆれかくゆれわれも昼顔 完市
この色紙、好きな句を書いてくださるとのことで、
句集『軽のやまめ』からこの句をお願いした。
この「軽」は軽皇子。
四国松山にあるという軽皇子(かるのみこ)の
お墓を教えていただき、訪ねたことも。
このお写真、
一見お公家さんのような風貌ですが、
「貧乏人でした」ともおっしゃっていました。
合掌。
オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」モーツアルト作曲
ロラン・ペリー:演出と衣装
指揮:クリスティアン・アルミンク
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
舞台装置:シャンタル・トマ
この「コジ」は現代のレコーディング・スタジオ。
5人の歌手がこのオペラを歌って録音しているシーンから始まり、
いつの間にか現実にすり替わって行く。
で、
ラストシーンはまたスタジオのレコーディング・シーンに戻る。
譜面台と楽譜はもどるが、
めでたしめでたし、とはならなかった・・・
(普通の演出ではハッピーエンド)
女声3人は演技も達者で、みごたえあり♪
このオペラでのデスピーナの仕切りには舌を巻く。
あの大きな舞台を走る走る⁉
ドン・アルフォンソの悪質な<いたずら>
お互いの恋人を取りかえて女性のためす、
その心情や心理のおりなす<ドラマ>があざやかに立ち上がる。
そして、なんといってもこのオペラの醍醐味はアンサンブル。
二重唱、三重、六重唱など聞きごたえ十分。
さすがロラン・ペリーの演出は面白い♪
東京二期会オペラ劇場 モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」(新制作)
オペラ全2幕 日本語および英語字幕付原語(イタリア語)上演
9月5日(木)18:00新国立劇場 オペラパレス
指揮:クリスティアン・アルミンク
演出・衣裳:ロラン・ペリー
フィオルディリージ:種谷典子
ドラベッラ:藤井麻美
グリエルモ:宮下嘉彦
フェランド:糸賀修平
デスピーナ:九嶋香奈枝
ドン・アルフォンソ:河野鉄平
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
井上哲『アメリカで博士をとる』学術研究出版 2024年刊
井上哲さん、あの名門コーネル大学の博士を取得された。
どのような博士課程をすごされたか、
どのような研究されていたか、
大学院博士課程の4年を著者自身が語られる著作。
その研究生活に彩りは
茶道をたしなみ、
そして少林寺拳法で汗をかく。
生き生きとした著者の姿が、
目の前に彷彿する快著♪
本の紹介はこちら
<アメリカ合衆国の名門大学、アイビーリーグの一つ、コーネル大学。
そのコーネル大学博士課程で過ごした4年間。
「A-アベレージ」と言われ80点未満の成績では放校となる厳しいコースワーク。
博士課程最大の難関である博士候補生資格試験。
植物病理学科菌学専攻で、研究室で過ごした日々。
ニューヨーク州都アルバニーのニューヨーク州厚生省の研究施設への出張研究。
少林寺拳法部の練習と毎年開催されるコーネルキャンプ。
大学の美術館で行った茶道のデモンストレーション。
コーネル大学留学中に一番身近だった親友の死。結婚、妻の出産。
コーネル大学大学院での生活を赤裸々描く。>