画:北斎
きさらぎの迦陵頻伽の発声法 掌
朝井まかて『グロリア ソサエテ』角川書店 2025
「民藝」という言葉を、概念を創った
宗教哲学・者柳宗悦、
陶芸家の濱田庄司と河井寛次郎。
そのあくなき新しい美への探求。
それを経済的に、生活を支え続けた柳の妻・声楽家の柳兼子。
この家に奉公したサチの視点で描かれる長編。
京都の河井寛次郎記念館の陶器、
そのじっくりと時間が染み込んたお宅が眼に蘇って♪
装画:タワタリナツキ
装丁:アルビオレ
◆本の紹介(Amazon)
その家は、佳きものと美しい暮らしに満ちていた――新たな美「民藝」の誕生
大正十三年、宗教哲学者の柳宗悦が住む京都の家で女中奉公をはじめた少女サチ。
ある日、河井寛次郎という陶芸家が柳家に来訪する。
英国帰りの陶芸家・濱田庄司も同席し、男たちはすぐに意気投合した。
彼らは共に小道具市を巡り、「下手物」すなわち日用の品に自由な美を見出し、
それらを「民藝」と名付けた。
薄汚れた古布や、埃にまみれた陶磁器に感嘆し、
その美を世に提唱する三人の姿に驚かされるサチ。
佳き品々に満ちた柳家での暮らしと、
美を愛する人々との出会いを経て、
彼女自身もやがて「民藝」に魅せられていく。
百年前の京都で、新たな美「民藝」の世界を
切り開いた人々の情熱と輝きの日々を描く歴史長編。

youtube.com
Marie-Nicole Lemieux & Barbara Hannigan perform Rossini's Duetto buffo di due gatti with the OSM
こらこら、このコたちったら
「猫の二重唱」ロッシーニ作曲
オーケストラもお客さも猫猫猫・・
バーバラ・ハンニガン(ソプラノ&指揮)
マリー=ニコル・ルミュー(コントラルト)
モントリオール響
昼顔のか揺れかくゆれわれは昼顔 阿部完市
安部完市 直筆のこの色紙、
アベカン先生に書ていただきました。
2009年2月19日に旅立たれて。
<アベカン>と親しまれた阿部完市先生。
俳句はやわらかい言葉でつむがれていて、
非常に難解。
評論の緻密さは言うまでもないこと。
阿部完市氏に初めてお目にかかったのは海程の句会。
俳句を始めたばかりの秩父での俳句道場。
全国から海程の同人・会員が集まっての句会でのこと。
このとき問題になった句
「上陸す友人そして鶏も」、
野武士といった感のある関西古参から、
「なぜ、こんな句を主宰・金子兜太はとるのか!?」と
舌鋒鋭く発言があり、そこから議論の火蓋がきられ、
延々2時間あまりも一句に喧々諤々。
阿部完一氏も意見を求められ応戦。
最初は夕食後ということもあり宿の浴衣姿だったのが、
途中からスーツに着替えられ、論戦に臨む。
この句の作者が<阿部完市>であった。
2年ほどアベカン先生の講義を受けた。
一回が3時間ほど。
論理・知識を明快に語る。
語り口は穏やかなのだが、中身はもうもう辛らつ。
「今の俳壇で俳句がいいのはいない。兜太がまあまあ。
兜太は言葉が剛腕
兜太のすごいのは大ホームランも大三振も平気で発表すること」などなど。
講義中でも俳句が浮ぶと、
中断してサッとメモをとるのが印象的だった。
地名の兼題が出て、
私の提出した句「えいさらえい熊野湯の峰桜騒」、
説経「をぐり」から「小栗判官」の道行きの道中を
さらさらと日本地図を描き(!?)解説してくださったことなど
懐かしい。
昼顔やかゆれかくゆれわれも昼顔 完市
この色紙、好きな句を書いてくださるとのことで、
句集『軽のやまめ』からこの句をお願いした。
この「軽」は軽皇子。
四国松山にあるという軽皇子(かるのみこ)の
お墓を教えていただき、訪ねたことも。
このお写真、
一見お公家さんのような風貌ですが、
「貧乏人でした」ともおっしゃっていました。
合掌。