この炎天に涼やかなピンクの花花。
<夏水仙>というのですって。
お近くのお庭のあちこちに、
数本づつ、咲いています♪
38.7度!? 今日の前橋。
「 前橋の猛暑日はことし40日目で、
年間の猛暑日がもっとも多かった2023年と
24年(いずれも36日)を上回り、
歴代1位となった」と前橋地方気象台。
ふうう・・・
ただいま生存実験中
《mother’s》石内都 母の遺品を撮る
@群馬近代美術館 新収蔵28点を展示されて。
84歳の母の手、
遺された服、靴、レースのスリップなど、
<モノ>、遺された品が、
これほど<存在>をあらわすのか!?
その身体が不在であるがゆえに
その身体が、その存在が、際立ってくる・・・
石内都作品31点、
2024年度の購入および作者の寄贈により収蔵された。
亡き母の遺品を撮った作者を代表するシリーズの作品。
こちらのサイト、作品の画像も
石内都の代表的シリーズ《mother’s》のうち28点を展示。
長野にて「石内都 写真展 ひろしま in 松本」を同時開催中! - カルチャーニュース | SPUR
井上有一「東京大空襲」 群馬県立近代美術館 展示室7
墨が、書が、叫ぶ!
薄闇の展示室にずらりと並ぶ書に圧倒される。
その<圧>に、たじろぐ。
書かれた詩は同じ詩。七言絶句。
猛火狂奔襲難民
親庇愛児児縋親
米機殺戮十萬人
江東一夜化地獄
落款は、
右昭和二十年三月十日東京大空襲
余前夜本所区横川国民学校宿直 終生不可忘 井上有一録之
「終生、否死すとも」とも。
文字が紙を凌駕し、
筆が猛り狂い、
その阿鼻叫喚が、炎が、
突き刺さってくる。
1978年、四半世紀たって、井上はやっと筆がとれた、という。
40日間で約500枚を書き、
そこから選び出された33点のうち30点が今回、展示されて。
8月31日(日)まで
藤沢周『言葉である。人間である。』言視舎 2020
『言葉である。人間である。』
このタイトルのインパクトのあること!
帯もまた「善悪正邪混沌 だから面白い」と。
作家・藤沢周による<読書術極意>。
「書物」という豊穣の海への水先案内人が
「これは!」ととりあげる3冊、
ジャンルは、新刊から古典まで多様。
もうもう、これは読んだ、この本は読みたいと思う書がずらり。
2013年から2019年まで東京新聞で掲載。
限られたなかで字数のなかで、
その本の深奥までずずっと錨をおろす。
その月の作者の近況、社会・時代できごとも一行そえられて。
人名の索引があるのもうれしい。
◆Amazonでの紹介はこちら
芥川賞作家による渾身の読書案内 作家・藤沢周は選書・書評の達人である!
2013年から2019年まで、
時代と社会の様々な動きの中で社会の深層に測鉛を下ろし、書物を厳選。
ジャンルは多岐にわたり、現代においても重要なヒントとなる古典も取り上げる。
書物の心拍に耳を澄まし、その沸点の高低に狂喜乱舞する。
《新自由主義という、はしたなき競争と経済効率優先の思考にとっては、
人間本 来が持っている、言葉によって思考し、想像し、共生し、
創り上げていくという知性が、
邪魔以外の何ものでもない。
…世に瀰漫する数式化、確率化できるかのようなロゴス(論理)からはみ出た、
豊饒なる言葉こそが、文学であり、人間の言葉なのである。》(「まえがき」より)
桐野夏生『日没』岩波書店刊 2020
恐れ、不穏、迫りくる<表現の不自由>などなど、
息詰まる緊張感が張りつめる。
なのに手に取り、ページをめくる、
それがとまらない。
鋭く問いつづけられるのは、「誰が表現を不自由にしていくのか」、
その「誰」が見えないことの恐怖はただならない。
◆本の紹介はこちら
小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。
それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。
出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。
「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。
終わりの見えない軟禁の悪夢。
「更生」との孤独な闘いの行く末は――。(岩波書店より)
目次
第一章 召 喚
第二章 生 活
第三章 混 乱
第四章 転 向
装幀:鈴木成一デザイン室
装画:大河原愛「深層の森」
「深層の森」、この装画がうつくしく、怖い。
女性の背中、
昏い目をもつ顔にも、
さらに大きな眼がとりかこんでいるようにもみえる
モノトーンの重層的な画。
あのピカソ(1881-1973)の「ゲルニカ」、
その「ゲルニカ タピスリー」が展示されています!
なんと<群馬県立近代美術館蔵>!
世界にたった3のヴァージョンあるだけで、
有名なのは国連の安保理。
その3番目のタピスリーがこの美術館に。
毎年この時期に展示されます。
油絵は1937年制作。
《ゲルニカ・タピスリー Guernica Tapestry》
圧倒的な迫力。
1983制作、
モノトーン、
素材はウールと木綿。
縦 328×横 680.cm の巨大画面。
死んだ子供を抱く母親、
叫ぶ女、
ちぎれた腕、
ありえない方向にひらかれた指、
折れた刀を持つ兵士、
息荒くいななく馬、
ひとの目をもつ牛、
阿鼻叫喚が生々しく聞えてくる。
しばらく釘づけになり動けない。
8月31日(日)まで