糸切れてあたりいちめん夏怒濤 掌
糸切れてあたりいちめん夏怒濤 掌
咽喉熱し真青切り裂く夏怒濤 掌
◆夏怒濤・夏の波・卯波・卯浪・卯月波・五月波・皐月波
卯浪は陰暦四月(卯月)に
海や川にたつ浪をいい、
皐月波は陰暦五月にたつ浪をいう。
夏の季語。
七月の鬱生るるよう米を研ぐ 掌
◆七月
暦の上では晩夏にあたるが、
梅雨も明け、盛夏を迎える。
夏の季語。
と、歳時記にはありますが、
今年はいまだ梅雨・・・
絶対0度一ト夜二タ夜と海鞘となり 掌
◆海鞘・赤海鞘・真海鞘
原索動物、ホヤ目の総称。
単体または群体で
浅海の岩礁に付着している。
上端の孔によって、
食物を水とともに吸い込む。
食用になり初夏が旬である。
夏の季語。
リムスキー・コルサコフ作曲、
オペラ「皇帝の花嫁」(全4幕)を録画で観ました。
オペラの名前は知っていましたが、観るのは初めて。
2018年11月、ボリショイ劇場での公演。
ロシア作品をロシアを代表する歌劇場で、
歌手もすべてロシア人。
演出はロシア生まれイスラエル在住の
女性演出家ユリヤ・ペヴズネル。
音楽の流れを尊重したオーソドックスな舞台。
美術・衣装もじつに重厚で豪華。
時代考証(1572年秋)もきっちりしたもの、なのでしょうか。
歌手も<声>が素晴らしい。
タイトル・ロールのマルファ:オリガ・セリヴェルストワは
可憐で楚々とした佇まい。
ラストの<狂気>の傷ましいこと
(つい「ルチア」を思ってしまいましたが、
音楽は「ルチア」のほうが迫ってきます)。
メゾソプラノのリュバーシャ:アグンダ・クラエワが
このオペラでは輝いていました。
その深深とした<声>、
その<歌唱>
攫われて来たにもかかわらず、
ひたすらグリャズノイ:エリチン・アジゾフを
愛し続け、殺される。
スラブ系の女声(メゾソプラノ、アルト)、
男声(バリトン、バス)などの
重厚な、深い味わいは独特のものがあります。
グリャズノイのエリチン・アジゾフもまた、そのひとり。
ルイコフ:イリヤ・セリヴァノフのテノール。
薬(毒薬や媚薬も)調合する怪しい医者を
ボメーリイ:ロマン・ムラヴィツキーのテノールが、
なんともいえない微妙なというか、ビミョーな声。
古典的というか、伝統的な舞台でした。
ロシアでは初演(1899年)からの人気演目だそうで、
それぞれのアリアではさかんにブラボーがかかっていました。
<出 演>
ソバーキン (ノブゴロドの商人):スタニスラフ・トゥロフィモフ [Stanislav Trofimov]
マルファ (ソバーキンの娘):オリガ・セリヴェルストワ [Olga Seliverstova]
グリゴーリイ・グリャズノイ (親衛隊員):エリチン・アジゾフ [Elchin Azizov]
マリュータ (親衛隊員):ヴャチェスラフ・ポチャプスキー [Vyacheslav Pochapsky]
イワン・ルイコフ (マルファの婚約者):イリヤ・セリヴァノフ [Ilya Selivanov]
リュバーシャ (グリャズノイの愛人):アグンダ・クラエワ [Agunda Kulaeva]
ボメーリイ (医者):ロマン・ムラヴィツキー [Roman Muravitsky]
ドゥニャーシャ (マルファの友人):アンナ・ボンダレフスカヤ [Anna Bondarevskaya]
サブローヴァ (ドゥニャーシャの母):イリーナ・ルブツォワ [Irina Rubtsova]
ペトローヴナ (家政婦):アンナ・マツェイ [Anna Matsey]
<合 唱> ボリショイ劇場合唱団
<管弦楽> ボリショイ劇場管弦楽団
<指 揮> トゥガン・ソヒエフ [Tugan Sokhiev]
<演 出> ユリヤ・ペヴズネル [Julia Pevzner]
永島靖子『冬の落暉をー俳句と日本語』(邑書林)、
永島靖子さんの四冊目の散文集。
エッセイ集『夏の光ー俳句の周辺』(書肆季節社)、
随想集『秋のひかりにー俳句の現場』(紅書房)
評論集『俳句の世界』(書肆季節社)
に続く著作。
章立ては次のよう。
第一章 「俳句時評」(「鷹」平成22年~2年間)、
第二章 「俳句随感」(折々の随想・追悼文「鷹」に連載の「遠近往来」から)、
第三章 「『鷹』編集後記(「鷹」昭和50年~55年)、
第四章に「経歴一通」(総合誌の依頼による執筆に補筆)。
この章立てでもわかるよう、
永島靖子さんは藤田湘子主催「鷹」での
編集・編集長を長年されてきた方。
句作、そして評論を書く作家。
俳句時評はほぼ十年前の執筆で、
時代の評言であるのはもとより、
現在の俳句、それをとりまく状況への提言でもあるよう。
永島俳句、そしてこの著作でも
その凛とした佇まいが清冽にひびく。
印象的な表紙の落暉はご自身撮影による写真。
装幀は閒村俊一。