オペラ「皇帝の花嫁」リムスキー・コルサコフ @NHK-BS プレミアムシアター | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リムスキー・コルサコフ作曲、

オペラ「皇帝の花嫁」(全4幕)を録画で観ました。

オペラの名前は知っていましたが、観るのは初めて。

2018年11月、ボリショイ劇場での公演。


ロシア作品をロシアを代表する歌劇場で、

歌手もすべてロシア人。


演出はロシア生まれイスラエル在住の

女性演出家ユリヤ・ペヴズネル。

音楽の流れを尊重したオーソドックスな舞台。

美術・衣装もじつに重厚で豪華。

時代考証(1572年秋)もきっちりしたもの、なのでしょうか。


歌手も<声>が素晴らしい。

タイトル・ロールのマルファ:オリガ・セリヴェルストワは

可憐で楚々とした佇まい。

ラストの<狂気>の傷ましいこと

(つい「ルチア」を思ってしまいましたが、

音楽は「ルチア」のほうが迫ってきます)。


メゾソプラノのリュバーシャ:アグンダ・クラエワが

このオペラでは輝いていました。

その深深とした<声>、

 

その<歌唱>

攫われて来たにもかかわらず、

ひたすらグリャズノイ:エリチン・アジゾフを

 

愛し続け、殺される。


スラブ系の女声(メゾソプラノ、アルト)、

男声(バリトン、バス)などの

重厚な、深い味わいは独特のものがあります。


グリャズノイのエリチン・アジゾフもまた、そのひとり。

ルイコフ:イリヤ・セリヴァノフのテノール。

薬(毒薬や媚薬も)調合する怪しい医者を

ボメーリイ:ロマン・ムラヴィツキーのテノールが、

なんともいえない微妙なというか、ビミョーな声。


古典的というか、伝統的な舞台でした。

ロシアでは初演(1899年)からの人気演目だそうで、

それぞれのアリアではさかんにブラボーがかかっていました。

 

 

 

<出 演>

ソバーキン (ノブゴロドの商人):スタニスラフ・トゥロフィモフ [Stanislav Trofimov]

マルファ (ソバーキンの娘):オリガ・セリヴェルストワ [Olga Seliverstova]
 
グリゴーリイ・グリャズノイ (親衛隊員):エリチン・アジゾフ [Elchin Azizov]
 
マリュータ (親衛隊員):ヴャチェスラフ・ポチャプスキー [Vyacheslav Pochapsky]

イワン・ルイコフ (マルファの婚約者):イリヤ・セリヴァノフ [Ilya Selivanov]
 
リュバーシャ (グリャズノイの愛人):アグンダ・クラエワ [Agunda Kulaeva]

ボメーリイ (医者):ロマン・ムラヴィツキー [Roman Muravitsky]

ドゥニャーシャ (マルファの友人):アンナ・ボンダレフスカヤ [Anna Bondarevskaya]

サブローヴァ (ドゥニャーシャの母):イリーナ・ルブツォワ [Irina Rubtsova]
 
ペトローヴナ (家政婦):アンナ・マツェイ [Anna Matsey]


<合 唱> ボリショイ劇場合唱団

<管弦楽> ボリショイ劇場管弦楽団

<指 揮> トゥガン・ソヒエフ [Tugan Sokhiev]

<演 出> ユリヤ・ペヴズネル [Julia Pevzner]