今回新東宝映画「女王蜂と大学の竜」を紹介する予定でしたが、DVDが行方不明になってしまったので、別のネタにします。
せっかく資料を揃えたのに、肝心なDVDが行方不明になるなんて…(汗)
「女王蜂と大学の竜」のDVDは、少し前に有るのを確認しているのですがね。

という事で、今回はYouTubeで見つけた鉄道動画の紹介です。

実は、ここ1年以内に非常に価値のある動画が次々Upされました。

一つ目は、今回一押しの動画、普通夜行列車「山陰」

当時、愛称付きの夜行普通列車は、全国で4列車走っていました。
いずれもB寝台車を連結していて、寝台券を取る為に愛称が付けられたのです。

「山陰」は10系B寝台車が一両で、他は旧型客車の自由席です。
YouTubeにはこれまで、車内録音しかありませんでしたが、遂に走行する動画がUpされたのです。
やっぱり録音よりも動画の方がいいですね音譜


動画は米子駅での夜行普通列車「山陰」

注目して欲しいのは、「山陰」のサボがB寝台車にしか、取り付けていない事です。
B寝台車の為に、「山陰」と名付けられたのが分かりますね。


次は、天王寺駅での紀勢本線夜行列車。
かつては、10系B寝台車を連結していて、「南紀」や「はやたま」の愛称が付いていましたが、B寝台車が取り外された為に、愛称無しになりました。

この列車の特徴は、大半の乗客が磯釣りに行く太公望達で、その為か、他の列車に比べて廃止になるのが遅かったです。
動画は12系客車ですが、晩年は165系電車で運転されていました。


そして、大阪駅や尼崎駅での福知山線旧型客車等
これも大変懐かしいです。
福知山線の旧型客車は、周りの列車が近代化されても長い間運転されました。
私は、旧型客車に乗りたいが為に大阪ー尼崎間だけ乗って、随分時間ロスな事をしてましたね。


これは福知山線のPR動画


最後は神戸駅を通過する旧型客車の廃車回送動画
廃車回送動画なので、観ているとうら悲しくなりますが、動画を撮影した場所が神戸駅の1番線旧ホームなのが興味深いです。
昔は、急行「銀河」専用ホームと言われて、この当時は普段ホームに入れない様になっていたと思うのですが、どうして撮影出来たのですかね?

以上、鉄道動画の紹介でした。


次回は、明日チャンネルNECOで放送される「喧嘩太郎」を紹介する予定ですが、「女王蜂と大学の竜」のDVDが見つかれば、こちらにします。


今回紹介する作品は
1960年(昭和35年)新東宝
「女と命をかけてブッ飛ばせ」
曲谷守平監督



あらすじ
猪突猛進のスピード狂である松崎一夫(宇津井健)は、東朝新聞の記事輸送員。
特ダネ記事をバイクで新聞社に送るのが仕事だが、仕事の為ならスピード違反はへっちゃらで、その事で編集部といつも口論していた。
ある日、同僚が事故を起こし会社から首になったのに腹を立て、部長(九重京司)と大口論の末会社を辞めてしまう。

新東宝末期のプログラムピクチャーですが、「女と命をかけてブッ飛ばせ」のネーミングが非常にストレートですね(笑)
特に曲谷守平監督は、こういうネーミングの作品を多く撮っています。



松崎一夫(宇津井健)
「ブッ飛ばし」だけが俺の生きがいと公言するスピード狂。
新聞社を辞めた後、スカウトされていたモーターボート乗りになります。
自説を曲げない、猪突猛進型は宇津井さんにピッタリですが、バイク乗りやモーターボート乗りに向いているとは思えません(笑)



小島絹子(星輝美)
宇津井さんの同僚(伊達正三郎)の妹だが、輝美さん、遂にこの作品で宇津井さんの相手役になります。
宇津井さんの彼女設定なので、若干大人っぽい演技です。



輝美さんは女ライダーだった!
宇津井さんは「女のカミナリだ!」言ってますが、実際はバイクシーンはスタントマンが運転。



加代子(三条魔子)
宇津井さんの同僚(国方伝)の婚約者だったが、国方さんが不慮の事故死に。

いつものツンデレではなく、大映の三条江梨子時代の様な清純派キャラでしたが、国方さん死後は、未亡人の様な暗いキャラになります。



小島嘉一(伊達正三郎)左と大前田(国方伝)
両者共、宇津井さんの同僚で友人ですが、伊達さん操縦のセスナ機が墜落して、国方さんが亡くなり、自身も負傷し新聞社を退社。
兄(若宮隆二)の経営する小島モータースで働きますが、兄も事故死してしまい、伊達さんが経営することになります。

因みに、伊達正三郎さんの「正三郎」は丹波哲郎さんから貰った名前です。
丹波さんの本名は丹波正三郎です。



亜細亜モータース社長・黒岩(芝田新)
アメリカの会社へモーターボートを受注するためには、殺人も厭わない悪徳社長です。
宇津井さんがライバル会社(小島モータース)の知り合いなのを知って、自陣営に取り込んだのは知恵者ですが、何となく抜けた所もあります。

芝田新さんは、主に中川信夫監督の作品に出演するベテラン俳優ですが、日活にもよく出演しております。
私は新東宝のベテラン俳優の中では、芝田新さんが一番好きです。



トミ(魚住純子)
亜細亜モータース社長の情婦ですが、彼女もスポーツカーを乗り回すスピード狂。
社長の命令で宇津井さんを陣営側に誘いますが、宇津井さんを好きになってしまいます。

今年亡くなった、魚住さんの代表作でもあります。



スピード狂の宇津井さん、前半は魚住さんの魅力というよりも、彼女のスポーツカーに惹かれて、輝美さんを袖にします。

輝美さんファンですが、どうみても魚住さんとの方が似合っていると思います(笑)



宇津井さんの父親役が石川冷さん。
黒岩社長は、飲んだくれの父親を利用して、小島モータースの機密を得ます。
石川冷さんは、宇津井さんの「不肖の父親」役をよく演じていますね。



中間は略しますが紆余曲折あって、宇津井さんは小島モータース陣営に入ります。
小島モータースのエンジン設計図を手に入れ、互角の立場になった亜細亜モータースですが、宇津井さんが、対立するモーターボート乗りになってしまったので、最後の手段として、輝美さんと三条さんを拉致して、宇津井さんにモーターボート競争に負けるよう強迫します。

ここが名シーン、いや迷シーン


「この顔をギタギタにされたくなかったら、レースに負けるんだ」と脅す芝田さん!
宇津井さんは「嫌だ。俺はスピードで負けるのは嫌だ!」

びっくりした輝美さんの表情!
芝田さんも、まさかの発言にびっくりして、もう一度問い直すと、宇津井さんはようやく了解します。

自分のポリシーの為なら、「自分の彼女がどうなってもいい」という面を一瞬見せた宇津井健!



亜細亜モータースの木村(泉田洋志)
輝美さん達は魚住さんに助け出され、五分の勝負が出来ると思いきや、社長はスナイパーまで用意して勝とうとします。
すると、それまで極悪だった泉田さんはスナイパーが居ることを宇津井さんに告げ。

「松崎。これで貴様と互角の勝負ができそうだ。レースに女を賭けるか」
「俺が勝ったら絹子はもらう。お前が勝ったら好きにするさ」と言います
すると宇津井さんは「勝手なことをぬかすな」と拒否しますが。
泉田さんは「スピード競争に自信があるなら、堂々と絹子を賭けてみろ」と宇津井さんの痛い所をつきます。
案の定「ようし。貴様も俺もスピードに命を賭けた男だ。女を賭けてぶっ飛ばそう」

何だか凄い展開になって来ましたが、映画タイトル「女と命をかけてブッ飛ばせ」はここから来ているのです。
「女」は当然輝美さんです。



モーターボートを操縦する宇津井さん
「小島モータース」のネーム入りヘルメットが、なんか微笑ましいです(笑)



宇津井さんを声援する輝美さん



輝美さんと三条さん
輝美さんの方が二歳年上ですが、特に今回は三条さんの方が年上に見えました。

当時の二人は仲良しで、グループ交際をよくやっていたそうです。
(輝美さんは菅原文太さんと、三条さんは小林悟監督と)



焦った社長がスナイパーからライフルを奪い、撃ちまくるが、誤って泉田さんを撃ってしまい、ボートは二人に向かって突進!爆発してしまいました。

勝った宇津井さんを祝福する輝美さん。



すると、宇津井さんは魚住さんからスポーツカーを借り、輝美さんに「僕は今までスピードに命を賭けた。だがこれからは君に命を賭ける」と言いました。

あの宇津井さんからここまで言わせた輝美さんは凄いです(笑)


あとがき
もう皆さん分かってると思いますが、ツッコミどころが満載です。
ストーリーも滅茶苦茶過ぎる所が多々ありますが、それでも面白い!
新東宝の良さが全面に出た作品と思います。

音楽が三保敬太郎さんで、彼の明るいジャズも作品に花を添えてくれていますね。








今回紹介する作品は
1969年(昭和44年)日活
「恋のつむじ風」
鍛冶昇監督



あらすじ
北海道の牧場主の娘・松山アカネ(松原智恵子)は、一ノ瀬俊平(杉良太郎)と結婚披露宴の最中に、友人の竹野アオイ(太田雅子)から結婚に反対された上に、一ノ瀬俊平の子供を妊娠した女まで現れた為、結婚披露宴はぶち壊しになった。

松原智恵子さん念願の初主演作なんですが、特に前半は、あまりにも無茶苦茶なストーリーなので、松原さんファンとして辛口批評になります(笑)



主役の松山アカネ(松原智恵子)

松原さんも、ようやく映画で主役を演じたのに、念願の初主演作が、この内容なので、がっかりしたのか、あまり浮かぬ顔です。
心なしか、化粧ののりも悪かったですし。



一ノ瀬俊平(杉良太郎)
杉さんも、結婚披露宴をぶち壊された挙句、花嫁に逃げられた男の設定なので、前半は気が進まない感じでした。



杉さんと松原さんの結婚披露宴のシーン



竹野アオイ(太田雅子)
結婚披露宴をぶち壊した張本人
理由は、松原さんを東京へ呼び寄せたいから。
フーテン娘だったにせよ、そんな理由で結婚披露宴をぶち壊しますかね?

梶芽衣子に改名する直前の太田さんですが、主要キャラなのに、クレジットが後ろなのは驚きました。



梅村ミドリ(長谷川照子)
もう一人のフーテン娘で主要キャラです。



三人は狭い部屋で同居することになります。
三人は、長谷川さんをバスト、松原さんをウエスト、太田さんをヒップと呼び合います。
別に深い意味はなく、何とも安直なあだ名。



お宝シーンは、松原さんのビキニ姿



松原さんと長谷川さんに言い寄った、プレイボーイの川口恒さんと、プレイボーイを許可した、婚約者の社長令嬢(西恵子)
「恋のつむじ風」は西さん以外にも、沖雅也さんや丘みつ子さんら、若手スターが出演していますが、ほとんどチョイ役でした。
個人的には、もう少し西さんに出て欲しかったです。



松原さんの勤め先の、喫茶店主人(和田浩治)からプロポーズされるが、彼はその後直ぐに逮捕されてしまいます。
因みに、結婚披露宴に現れた、杉さんの子供を妊娠したと言った女は、和田さんの彼女でした。



「ブルーライトヨコハマ」を歌ういしだあゆみさん
いしださん以外に、ザ・キング・トーンズ等も実際に登場して歌う、何気なく豪華な歌謡映画になっていますが、ストーリーには関係なく歌っているので、観客は彼らが歌う事を知っていたのでしょうかね?



鉄道シーンは上野駅を発車する、青森行きの急行(愛称不明)の旧型客車と、隣の165(169)系



ラストシーンは、東京に出てきた杉さんと和解し、キスをする松原さん。

松原さんの魅力が、あまり出たとは言えない映画でしたが、この表情は好きです。



動画は、映画の主題歌を歌う、内田裕也とザ・フラワーズの演奏
画質は悪いですが、「恋のつむじ風」の一シーンが映っています。


あとがき
新人ならまだしも、長年トップスターだった松原さんの初主演作がこれでは酷過ぎます。
文芸作品とは言わないけども、松原さんの為に、もう少し力を入れて欲しかったです。

今回は怒りで、殴り書きになってしまいましたが、ご容赦を。


今回は昨年のお盆休みに引き続き、映画の鉄道シーンを特集します。



1974年東映「山口組外伝 九州進攻作戦 」より
正確には急行名は不明なんですが、大阪発と仮定して、EF58牽引急行「しろやま」です。



急行「しろやま」の編成、10系B寝台車、10系A寝台車、スロ54グリーン車と続いていますね。



普通座席車に乗車して博多に乗り込む関西の組員達
映像では旧型客車に乗車していましたが、車内の映像は10系客車の様です。

※映像は10系客車の様ですと書かせていただきましたが、キハ55系では?とご指摘頂き、調べた所、座席の上部にある特徴ある取っ手が一致しましたので、映像はキハ55系と訂正します。


門司港駅舎を博多駅として撮影していました。
この映画は昭和35年の話で、撮影時の博多駅は新しい駅舎になっていたので、門司港駅舎を代わりにしたと思われます。



1976年東映「安藤昇のわが逃亡とSEXの記録」より
小田急3100形特急「あしがら」
新宿駅に到着したシーン



小田急3000形特急「あさぎり」



特急「あしがら」の最後尾展望車に乗車する、主役の安藤昇さん。
左頬の傷跡(本物)が印象的ですね。



1973年松竹「ダメおやじ」より
20系寝台特急「あけぼの」
上野駅から出発するシーン



「あけぼの」B寝台車に座る、ダメおやじ役の三波伸介さんとオニばば役の倍賞美津子さん。
ダメおやじ役の三波伸介さんもあれですが、オニばば役が倍賞美津子さんとは、ひどすぎますね。



1968年東宝「めぐりあい」より
クハ16形400番台旧型国電
川崎に到着するシーン



旧型国電に乗り込み、ニコニコ顔の酒井和歌子さん。



1962年日活「青い街の狼」より
横浜市電1300型



最後の写真は、歌手役のヒロイン・芦川いづみさん。
タンバリンを使ったシーンは良いのですが、歌声が吹き替えだったので、ガッカリしました。


最後にお気に入りの動画の紹介

山陽本線の兵庫ー和田岬間 通称・和田岬線を走っていた旧型客車です。
和田岬線は実質、三菱重工神戸工場の通勤専用線で、朝夕の通勤時間帯しか走っていません。
ご覧の様な、東南アジアを思わせるドア開けっ放しの客車が、平成初期まで走っていました。




今回は久しぶりにサンテレビネタです。
今回紹介する『こちら海です』は、1977年10月から2004年3月28日まで26年半に渡って放送された紀行番組です。

『こちら海です』はサンテレビ・KBS京都・テレビ和歌山・福井テレビの4局が毎回持ち回りで制作していました。

独立U局3社の中に、何故かV局の福井テレビが加わっているのが不思議なんですが、『こちら海です』は関西電力1社提供番組で、原発を多数抱える福井を加えるのが重要な意味合いがあったのでしょうね。
でも、番組自体は真面目な紀行番組です。
サンテレビでは毎週日曜日12:00 - 12:30で放送していました。
日曜日のお昼といえば、当時も各局バラエティ番組でしたが、私は海を題材にした紀行番組が好きなので『こちら海です』ばかり観ていました(笑)


この動画は、テレビ和歌山制作で1992年に放送されたものです。
『こちら海です』は、長い間ボニージャックスの歌がオープニングで流れ、バラエティ番組の他局とは一線を画していますね。


これは『こちら海です』の番宣動画
後期は、ビリーバンバンが歌うオープニングに変わり、バラエティ色が強くなってきましたね。
エンディングテーマには、音頭調のテーマ曲「チョッチョ節」になりました。
これが、中々面白い歌なんですが、残念ながら動画はありませんでした。

裏覚えの歌詞ですが「チョッチョ、コラサノ、ヨイヨイヨイ音譜
「海のことなら、海のことならヨー、おいらに聞いてチョ音譜
こんな感じです(笑)


『こちら海です』で流れる関西電力のCMで印象深いのがこれ!
1990年に大阪・鶴見緑地で開催された「国際花と緑の博覧会」の時に放送されていました。
島田歌穂さんの歌と松本零士さん画のアニメは、今観てもいいですね。


しかし、原発広報が裏目的だった『こちら海です』が原発事故で、関西電力がスポンサー降板⇒番組終了したのは、何とも皮肉でした。



それから、前回のブログで紹介した、東京の神保町シアターで8月29日(土)~9月18日(金)に上映する特集企画
「恋する女優 芦川いづみ」のチラシに、いづみさんご本人がご寄稿された文章が見つかりましたので、掲載しておきます。

「あの、出来る事でしたら、スーパーマンの力をかりて、飛んでいって舞台の上から皆様に御挨拶したいくらいの嬉しさでいっぱいでございます。」

う~ん、何とも印象深いお言葉です^^