折角PCが直ったのですが、あまりの暑さで映画紹介ブログを書く気になりません。
それに、昨年に今年の10月末で、当ブログを終了すると宣言しましたが、最後のブログテーマである、星輝美さん出演映画本数が予想以上に多く、体調不良やPC故障による中断もあって、到底10月末で終了することが難しいので、ブログの終了時期を延長するとともに、暑い間は簡単なブログに変更したいと思います。

そこで今回は2つの話題です

その1


帰ってきたPCで嬉しい事がありました。
それは、今までネット接続が途切れる事が度々ありましたが、帰ってきて約1ヶ月経つのに全然途切れません。
我が家はeo光1GBのコースに入っていて、ルーターから2mの場所にPCを置いているのに、度々途切れるのは無線LANだから仕方ないのかなと思っていて、ヤマダ電機にもこの事は伝えませんでした。
何で今までよく途切れたのでしょうかね?


その2ですが、これが今回の本題です。

これは、東京の神保町シアターで8月29日(土)~9月18日(金)に上映する特集企画
「恋する女優 芦川いづみ」のチラシです。

このチラシが一部で評判になっていますが、セーラー服姿のいづみさんメッチャ良いですね♪

これは1958年「知と愛の出発」からで、野尻湖で撮影されたものだそうです。
「知と愛の出発」には、日活修行時代の輝美さんもチョイ役で出演しているらしいですね。

そしてチラシにはいづみさんご本人から、特集に寄せた文章をご寄稿している様で、もうすぐチラシが配布されます。

東京の人が羨ましい!私もチラシを貰いに東京へ行きたい気分です。






今回紹介作品は
1959年(昭和34年)日活
「ゆがんだ月」
松尾昭典監督



あらすじ
神戸のやくざ立花組の桂木正夫(長門裕之)は、兄貴分(高原駿雄)が組の者から口封じで射殺されたのを目撃するが、組長(三島雅夫)から金を握らされて黙らされていた。
しかし、思うところがあり、その後組を裏切ります。

長門裕之さん主演のサスペンス映画ですが、全般に渡って細かくロケが行われており、特に前半の神戸ロケが見所です。



桂木正夫(長門裕之)
組長から金を握らされ、兄貴分の一件は黙っていましたが、兄貴分の妹に出会ってから考えを変え、知り合いの新聞記者(大坂志郎)に打ち明けます。その為実行犯は逮捕されますが、本人は組の報復を恐れ、東京へ高跳びします。



江田奈美子(南田洋子)
長門さんの情婦です。一緒に神戸から東京へ移り住みますが、東京では麻薬タバコの中毒にされた上に香港に売り飛ばされそうになるし、長門さんは兄貴分の妹に気が入ってるし、大変可哀想なキャラですね。



木元(大坂志郎) 日東新聞の記者。
大坂志郎さんが兄と弟の二役を演じ、写真は兄の東京勤務の記者。
兄は弟と違って、少々おとぼけ気味のキャラです。



立花組組長(三島雅夫)
長門さんに裏切られ、実行犯の組員が逮捕された事に怒り、長門さんを消す為殺し屋を差し向けます。



由良(神山繁)
その殺し屋が神山さん。
しかし、この殺し屋がちょっと変わっていて、絶えず童謡の「赤とんぼ」を口笛で吹き、相手にもチャンスを与えると言って、拳銃での一騎打ちを要求します。
一騎打ちまでのサスペンス感は良かったですが、一騎打ちで素人同然の長門さんにあっさりと負けたのは拍子抜けしました。


そして、ここからが本番です♪


神戸駅5番線に到着した、EF58牽引急行「銀河」
神戸駅での「銀河」は超貴重な映像です。



神戸駅西口の降車専用改札口
普通撮影には中央コンコースにするはずですが、こちらを使うとは!

この降車専用改札口、晩年には乗車も可能になりました。



降車専用改札口の手前に見える階段、滅茶苦茶懐かしいです!
この階段はハーバーランド建設に伴う駅舎改築の為に、取り壊されました。

そして、階段を降りてきた女性は!


殺された長門さんの兄貴分の妹・米田文枝(芦川いづみ)
東京のトクホン勤務で、兄の葬儀の為に神戸入りしました。
いづみさんが神戸駅のロケに来ていたとは嬉しいですね。

神戸駅前の風景が映っているのは、大変貴重で嬉しいのですが、神戸の玄関口とは思えない程地味ですね。
この頃はまだ三ノ宮駅と乗降客数を競っていたはずなのに。



葬儀後、母親へのお土産に元町の大丸神戸店でお買物。
神戸市電が見えますね。
母親へのお土産にしては買いすぎなんじゃ?



買物だけではなく、神戸港遊覧船に乗った二人。
素朴な遊覧船も貴重映像ですが、奥に見えるのが川崎重工のガントリークレーン。
かつてはここで軍艦を建造していた場所ですが、今はもうガントリークレーンはありません。



そして二人は摩耶ケーブルに乗車



その後、摩耶ロープウェイで摩耶山山頂へ。
いづみさんは葬儀の為に神戸に来たのに、無理やり観光をしている感がありますが、大丸での買物を含めてタイアップなのでしようね。
今となっては資料的価値は大きいですが。



東京のいづみさんの自宅で、いづみさんと婚約者役の赤木圭一郎さん。

長門さんが組に狙われるリスクを負ってまで真相を告白したのは、「正義漢」といったカッコいい事ではなく、いづみさんに対して下心があったからなのです。
東京で殺し屋に狙われている最中、いづみさんに婚約者を紹介されたガッカリ感は半端ないです。
長門さんは、そそくさといづみさん宅を飛び出し、その後いづみさんは映りませんでした。




最後に鉄道シーンをもう一つ
EF58牽引(青大将塗装)の特急
掲げているヘッドマークが小さくて分かり辛いのですが、おそらく「つばめ」と思います。


あとがき
作品の内容から「ゆがんだ月」は白黒の方が雰囲気が出ていたと思いますが、急行「銀河」や神戸駅西口・川崎重工ガントリークレーン等、今となっては資料的価値があるシーンが多いですので、カラーで撮って欲しかったな!








今回紹介する作品は
1960年(昭和35年)新東宝
「黄線地帯」
石井輝男監督



あらすじ
悪人は殺さない事を信条にしていた殺し屋の衆木一広(天知茂)は、依頼人に騙されて善人の神戸税関長を射殺してしまう。

新東宝時代の石井監督の代表作です。



真山俊夫(吉田輝雄)
新聞記者の吉田さんは、神戸にある外国人向けの売春組織(イエローライン)を取材中、仕事で神戸に向かう予定の彼女(三原葉子)が行方不明になり、単身で神戸に乗込みます。

吉田さんのキャラは、二枚目だけども少し頼りない。
石井監督が思い描く吉田さんの理想像が、早くもこの作品で完成しています。
吉田さんが神戸で人々に翻弄されるのが見所!



衆木一広(天知茂)
孤児院出身の殺し屋だが、冒頭に書いた様に「悪人は殺さない」事を信条にしていた。
一応の主役は吉田さんですが、どうみても天知さんがダークヒーロー的な主役と言っていいでしょう。

渡辺宙明さんの暗く単調な音楽が、天知さんのニヒルさを引き立たせています。



小月ルミ(三原葉子)
ダンサーで吉田さんの恋人ですが、東京駅前で天知さんに拉致され、ずっと行動を共にします。
吉田さんの恋人と言っても、二人が出会うのはラストシーンの数分間だけなんです。
拉致されたといえど、キャラは他の「地帯シリーズ」の三原さんと同じで、あっけらかんとしています。



神戸へ向かう急行「銀河」車内の二人
このシーンは新東宝の撮影でいつも使用する列車内のセットですが、カラー映像はこれが唯一と思われます。



神戸駅に到着したEF58牽引急行「銀河」と言いたいのですが、実は東京駅のホームです。
なので、この列車が「銀河」なのかどうか分かりません。
「黄線地帯」は神戸が舞台ですが、このシーンを含め、神戸ロケは一切行っていません。

※神戸駅に到着したEF58牽引急行「銀河」(本物)は次回のブログで紹介します。



桂弓子(三条魔子)
神戸の神港海運のタイピストだが、帰宅途中でイエローラインの連中に拉致され、大ボスの女にされそうになります。
三条さんは、これが新東宝で唯一のカラー作品なのに、あまり綺麗に撮ってくれていません。
正面からの映像は殆ど無いし、あっても変な顔に写ってすし、折角の美人なのに、ここが一番不満です。

そして、石井監督作品に初登場の「中川組」の二人


沼田曜一さんが新聞社デスク役で出演
僅かの出番でしたが、沼田さんらしい味のある演技でした。



若杉嘉津子さんが、天知さん達が宿泊するホテル「クォーターマスター」のマダム役で出演
何ともいかがわしい役で、若杉さんにこんな役をさせるとは!



ホテル「クォーターマスター」の室内
神戸のカスバにある、胡散臭いホテルですが、異国情緒ある内装に仕上げていますね。



神戸ロケを行わず、カラー作品以外は徹底的にケチケチ路線にしようとした会社側でしたが、それに不満な現場スタッフが決起し、予算を大幅にオーバーして見事なカスバのセットを作りました。

もし、これが平凡なセットならば、「黄線地帯」はここまで語り継がれなかったでしょう。



ホテル「クォーターマスター」室内の窓から、雨のカスバを眺める二人
これが日本映画とは思えない程の異国情緒のある光景ですね。



これが最後の石井監督作品になった瀬戸麗子さんは、吉田さんを誘うカスバの娼婦役で出演



そして、ホテル「クォーターマスター」にたむろする謎の女役が扇町京子さん。
何とも雰囲気のある方で、「黄線地帯」で一番光っていたのは、この人かもしれません。



ミイラのムーア(スーザン・ケネディ)
イエローラインの娼婦役ですが、石井監督はお遊びのつもりだったのか、白人女性に黒塗りをして黒人女性として登場させます。
しかし、スーザン・ケネディさんが味のある方で、黄線地帯の雰囲気を壊していません。



イエローラインの責任者・阿川(大友純)
天知さんを騙した張本人です。
蓄膿症なのか、何時も鼻に薬を入れています。
こんな厳つい顔ですが、女性には優しい一面もありました。



イエローラインの黒幕が慈善家の松平義秀(中村虎彦)
彼が三条さんを自分の女にしようとしました。
中村さんは前年まで中村彰として活動していまして、彼こそ日本初の東大卒俳優です。



最後の写真は、中村さんの邸宅で天知さんが中村さんと大友さんを射殺し、怯える三条さんと三原さん。

あとがき
「黄線地帯」は基本的に「黒線地帯」と演出は変わらないのですが、宙明さんの音楽や、見事なカスバのセット、中川組の俳優を起用等が相乗効果で見事な作品に仕上がったと思います。

神戸の人間なので、関西弁を話すのが鳴門洋二さんだけなのが不満ですが、舞台を神戸と考えず、無国籍の無法地帯と考えれば良いかな…











今回紹介する作品は
1960年(昭和35年)新東宝
「爆弾を抱く女怪盗」
土居通芳監督



あらすじ
東洋貿易にあるダイヤモンドを狙う女ボス・三ノ宮雅子(高倉みゆき)率いる一味は、列車内で専務(岬洋二)の鞄を奪おうとしたが、鉄道公安官の朝倉伸男(菅原文太)に阻止される。

高倉みゆき主演の女怪盗モノですが、土居通芳監督はデビュー作が高倉さん主演の「不如帰」で、以後高倉さんの主演作品を中心に撮る事になります。
私自身は土居監督の作風は好きなのですが、高倉さんが主演ということで、絶えず大蔵社長が作品に介入することになります。
大蔵社長のお気に入り監督だったにせよ、土居監督もストレスが溜まったでしょうね。
そして、これが土居監督最後の高倉さん主演作品になります。



三ノ宮雅子(高倉みゆき)
北支開発の三ノ宮伯爵令嬢だったが、終戦直後、父親が中国人に襲われ、その場に居合わせた社員の立花竜太郎(沼田曜一)に財産を奪われてしまいます。
高倉さんは、立花に復讐するために、かつての部下や執事を集めて一味を結成します。

高倉みゆきさんは、東宝・東映と渡り歩きましたが、芽が出ず、女優を辞めようと思っていた時に、大蔵社長にスカウトされ、いきなり昭憲皇后役に抜擢されます。
その後も大蔵社長の肝入りで数々の主役を任されました。

高倉みゆきさんといえば、大蔵社長の愛人だった話ばかりが伝えられていますが、実は愛人ではなく、大蔵社長の片思いだったのが真相だった様です。
証拠ですが、その頃高倉さんは後藤浩滋さん(藤純子さんの父親)と付き合っていたとのこと。
※星輝美さんが結髪の女性から聞いたと証言しています。

でも、大蔵社長が記者会見で愛人だった事を認めてしまったり、アラカンさんが著者に載せたりしたので、愛人で無かったことは中々払拭されませんね。

高倉さんは「心やさしい、いい人なんです。」と星輝美さんが証言されていますので、そういう所をクローズアップされても良いと思うのですが…

小柄な方ですが、女スパイ役や男達を牛耳る今回の女ボス役も似合っていると思いますね。



朝倉伸男(菅原文太)
鉄道公安官で鞄を奪おうとした高倉さんを取調べ中に、睡眠液を浴びせられて取り逃がしてしまう失態を演じ、鉄道公安官を辞職します。
その後、高倉さん一味を付け狙ううちに、仲間になってしまいます。
このあたりが新東宝らしい強引な展開です(笑)

ただ、文太さん、セリフ回しが硬いというか、少しぎこちないんですね。
こういう感じが新東宝時代の文太さんなんです。



ヘリコプターに乗る高倉さんと文太さん。
二人のツーショットもこれが最初で最後でした。
文太さんの着こなしは新東宝随一だと思うのですがね。



星野久美(三条魔子)
高倉さんの部下(九重京司)の娘で、父親の命令で東洋貿易に事務員として潜入しています。

三条さんは大型新人ということで、売出しも奇をてらってデビュー作の「金語楼の海軍大将」からこの作品迄「シークレット・フェイス」として「名無し」で出演したと伝えられています。
しかし、この作品ではシークレット・フェイスと書かれた後に三条魔子とクレジットが入れられていますし、前作の「地下帝国の死刑室」も三条魔子のクレジット入りでした。



三条さんは、ただの事務員だけに留まらず、幹部の吉沢文雄(岬洋二)と「良い仲」になって積極的に諜報活動をします。
当時、まだ16歳の彼女ですが、デビュー当初から積極的なキャラだったのです・



中山競馬場で密会する高倉さんと三条さん。



千葉隆志(吉田輝雄)
東洋貿易の社員だが、悪事が嫌になり会社を辞めようとします。

そんなに活躍する場面が無かった吉田さんですが、「女体渦巻島」で鮮烈に主役デビューする前の貴重な映像です。



実は、吉田さんと三条さんは恋人だったのです。
新東宝時代の吉田さんは、三原葉子さんとのコンビのイメージなのですが、三条さんとのコンビも多いのです。
吉田さんと三条さんは7歳年の差がありますが、この時から三条さんの方が積極的でした。



立花竜太郎(沼田曜一)
三ノ宮伯爵の財産をどさくさ紛れに奪い、それだけでは飽き足らず、やくざ会社を設立します。
沼田さん一流の粘着質な個性が出た悪党です。



マリ(三原葉子)
沼田さんの情婦だが、三条さんや吉田さんの様子がおかしいと感じ監視します。
しかし、他の作品にも出演した関係からか、途中から出なくなってしまいました。



高倉さんの部下、佐伯慶一(九重京司)と島崎譲司(御木本伸介)
九重さんの役は、三ノ宮伯爵の元執事で、三条さんの父親
御木本さんは、途中で高倉さんを裏切り、高倉さんを襲います。



京浜急行400系と一緒に写っているのは、東洋貿易社員・河島高光(渡辺高光)
渡辺さんは新東宝の悪役キャラでお馴染みですが、新東宝倒産後は俳優と並行して、殺陣師としても活躍しました。



作品のハイライトはダイナマイトを巻き付けられた、高倉さんと三条さん。
「爆弾を抱く女怪盗」の由来は、このシーンから来ているのですが、てっきり高倉さんが、「自爆テロ犯」の様に爆弾を巻いて、沼田さんを脅すものと思っていました。(笑)



ダイナマイトが爆発する寸前で、文太さんが二人を救出し、沼田さんら悪党一味は海上保安庁に連行されて、めでたしめでたし。

制服姿の文太さんと救出された高倉さん。
ただ、文太さんが、鉄道公安官を退職後、どういう立場になったのか描かれていないので、このシーンは違和感ありましたが。

新東宝の場合は、意図的に「ツッコミ」を入れられるサービスをしてくれていたのかも知れませんね(笑)




体調は良くなったのですが、パソコンが急に不調になってしまい、今日ヤマダ電機に行って来ました。
診断の結果不正ソフトが複数インストールされているので、初期化しないと駄目との事。

サポート会員になっていたので、幾分割引されたのですが
修理費が約50000円
出張設定費が約10000円
店員に薦められ、年3回のパソコン定期出張診断込みの3年間のサポート会員入会費用と、ウイルスバスター5年分がなんと約60000円
合計約120000円の出費です。

富士通のパソコンのモノが良いからと言われて、今回渋々承諾しましたが、どうなんですかね?
めっちゃ損した気分ですわ!
安いパソコンを次々買い替える方が良かったかな。

思わぬ痛い出費の為、夏に予定した旅行も中止を決めましたし、パソコンも一から設定し直しますし、モチベーションもだだ下がりなので、ブログも少し休養します。