すみません、まだ体調が良くないので、今回も別企画にします。

実はGWに昨年同様「近鉄週末フリーパス」を使って一泊旅行をしたのですが、とある理由で没ネタにしたのを引っ張り出します。



今回一番の目的は、映画ブログで紹介した日活「恋のハイウェイ」で、吉永小百合さんが父親に合いに行った志摩半島が綺麗だったので、まだ行ったことのない賢島で遊覧船巡りをすることでした。
しかし、あいにくの天気で、今にも雨が降りそうです。



難波から急行と普通を乗り継いで鳥羽駅に到着。
久々の鳥羽なので、ちょっと降りました。



ミキモト真珠島
曇天でしたが、この時は天気は持つと思ったのですが…



遠くに見える遊覧船



鳥羽駅に戻って近鉄特急を撮影
これは21000系(アーバンライナー仕様)名古屋行き「乙特急」



向こう側にはJR東海のキハ75系「快速みえ」が止まっていました。

この後普通で賢島へ行きましたが、途中から雨が強く降って来ましたので、残念ですが遊覧船巡りは断念しました。



仕方ないので、賢島駅で近鉄特急を取り鉄することに。
早速看板列車の50000系「しまかぜ」が到着



50000系「しまかぜ」30000系「ビスタEX」23000系「伊勢志摩ライナー」の豪華共演



「しまかぜ」同士の顔合せ

この旅行後「伊勢志摩サミット」開催が決まりましたね。
私が旅行した場所は、その後何かが起こるジンクスがあるんですよ(笑)



賢島を後にして、普通と急行で今宵の宿泊地・名古屋に向けて出発。
津駅で国鉄カラーのキハ40系が停車していましたので、慌てて急行を下車して撮影
もう見ることは無いと思っていたので、再会出来て嬉しかったです。

しかし、この後iPhoneカメラの具合が悪くなり、撮影出来ない事態にビックリマーク


名古屋では昨年同様ビジネスホテルオイセで宿泊 一泊2200円也
晴れている写真ですが、これは昨年撮影したものです。
今年は何故か女性客が多かったですね。



米野駅でiPhoneカメラが回復したので、23000系「伊勢志摩ライナー」を撮影
しかし、また故障で旅行中は回復することはありませんでした。



この日も雨模様だったので、昨年同様湯の山温泉に行って温泉に入り、
四日市駅から「スズメバチ」と呼ばれている22600系「乙特急」で帰りました。
写真は昨年御影駅で撮影した「スズメバチ」
翌日に携帯ショップに行ってiPhoneの具合を見てもらおうと思ったのですが、家に帰ったら治っていました。
撮影中に雨が入ったのが悪かったのでしょうか。

大目的の志摩半島遊覧船巡りが出来ず、事実上列車しか撮れなかったので、ボツにしたのですが、体調不良という思いがけない事態で、復活させるとは思ってもみませんでした。
次回こそ体調回復して映画ブログにしたいと思います。










ブログに予定していた石井輝男監督作品ですが、風邪で体調不良の為、別ネタに変更します。

今回紹介する「ハーパーバレー P.T.A.」は1984年頃に朝日放送で深夜に放送され、当時(今もそうですが)外国作品にあまり興味が無かった私が、偶々このドラマを観たのですが、バーバラ・イーデンが演じる主人公・ステラ・ジョンソンの魅力にハマってしまいました。

ドラマの内容ですが、シングルマザーの主人公・ステラ・ジョンソンが亡き夫の故郷ハーパーバレー に娘と移り住むと、ステラのセクシーな容姿に嫉妬した娘が通う学校のPTAたちが、ステラに色々嫌がらせをして、街から追い出そうとしますが、ステラはPTAたちの策謀を撃退する!といった感じです。
ただ、コメディドラマですので陰湿さは全然感じません。


これがステラ・ジョンソン(バーバラ・イーデン)
バーバラさんは撮影当時45歳だったそうですが、そうは思えないナイスバディですね。

このドラマが大変気に入ったので、朝日放送に再放送を要望しましたが実現せず、その後ケーブルテレビに加入しますが、※加入目的の一つに「ハーパーバレー P.T.A.」があったのは事実です。

しかし、海外ドラマ専門チャンネルでも全く放送しないので、「ハーパーバレー P.T.A.」の視聴は諦め、いつしかドラマの存在も忘れてしまいました。

最近になって、ふと「ハーパーバレー P.T.A.」を思い出して、ネット検索すると、YouTubeに2話Upされている事が分かりました。


3話※邦題「メールと女性」


4話※邦題「ドンファンと2」
3話ではバーバラ・イーデンさんの代表作「かわいい魔女ジニー」風のコスプレも楽しめます。

カントリー調の主題歌も気に入っていましたが、調べると1968年に大ヒットしていたのですね

歌詞ですが、娘の学校のPTAからの手紙に、ステラ・ジョンソンの服装について批判が書かれていたので、ステラは怒って学校へ出向き、PTAたちに言いたい放題文句を言う内容らしいです。

大らかな曲調なので、そんな内容だとは思いませんでした(笑)


実はドラマ版の2年前に映画が上映されていました。
内容はドラマと違って主題歌に近いシリアスな様です。

※実は未だ冒頭しか観ていません、風邪が治ったら観ます(笑)
娘役もドラマ版の子の方が好きですし、やっぱりドラマの方が気に入ると思います。


最後に「ハーパーバレー P.T.A.」を語るバーバラ・イーデンさんの動画です。


ドラマの4話と映画版は操作すれば、日本語字幕で観ることが出来ます。
ただ、字幕の正確性は、あまり期待しないで下さい(笑)

3話は英語だけで観ましたが、コメディなので何となく内容が判った気がしました(笑)
因みに朝日放送で観た時は、ステラ役は吉田 理保子さんが吹替えをしていました。


ということで、今回は当ブログで初めて外国作品を紹介しました。





今回紹介する作品は
1960年(昭和35年)新東宝
「女体渦巻島」
石井輝男監督



あらすじ
東洋のカサブランカと言われる対馬
しかし、実態は麻薬取引と人身売買の中継基地だった。

石井輝男監督の無国籍アクション映画ですが、主演に後々まで盟友となる吉田輝雄さんを初起用し、助演陣も石井監督の常連となる方々で固めたので、この作品で「石井組」が出来上がった格好です。



大神信彦(吉田輝雄)
麻薬密輸組織の大ボス・陳雲竜の輩下で拳銃の名手だが、実は恋人を奪った陳雲竜を憎んでいた。

吉田輝雄さんは湯浅電池の営業部から新東宝入社。
「女体渦巻島」がデビュー作品と書いているブログがありますが、初主演の間違いです。「大学の御令嬢」がデビュー作で、これが4作目です。

ご覧の様に非常に端正な二枚目ですが、演技は滅茶苦茶固く、まだまだ俳優として「ひよっこ」です。
しかし、石井監督は、まだ無垢な吉田さんを大変気に入り、新東宝・東映の石井監督作品の代表的な俳優になりました。



真山百合(三原葉子)
大神信彦(吉田輝雄)の元カノで陳雲竜の情婦だが、対馬の麻薬密輸組織の責任者でもある姐御です。
三原さんは「地帯シリーズ」の、あっけらかんとした役と違って終始暗い表情です。
まぁ「女体桟橋」のルミに近いイメージですね。
ともあれ、吉田さんと三原さんの腐れ縁はここから始まったのです。



加川絹江(星輝美)
壱岐島から女給として対馬にやってきたが、実は海外へ売り飛ばされる運命だった。
しかし、今回の輝美さんはストーリー上居なくてもいいような軽い役でした。

今回は佐川プロデューサーが絡んでいない作品なので、石井監督の心証が悪い輝美さんが小さい役になってしまったのは、やむを得ないのでしょうか。
そして、これが最後の石井監督作品になりました。



吉田さんと輝美さん
あまり絡む事が無さそうな二人ですが、実はこの時点で3回共演しています。
しかし、この後吉田さんが石井監督作品中心に出演するので、殆ど絡まなくなりましたが。

ここで輝美さんが語ったエピソードを二つ
①対馬が舞台の「女体渦巻島」ですが、実は千葉県勝浦でロケしたそうです。
東京から近場の勝浦がロケ地でしたが、対馬らしい雰囲気は出ていました。
こんな場所、よく見つけましたね。

②「女体渦巻島」の前に輝美さんは「金語楼の海軍大将」(吉田さんも出演)に出演しましたが、輝美さんが柳家金語楼さんに気に入られて、舞台へ出ないかと誘われたそうです。
そして、金語楼さんは食事の時、ご飯にバターを大量にのっけて食べるんで、輝美さんはビックリしたそうです。



島本志摩(万里昌代)
対馬の魚市場で働いていたが、借金返済の為にスカウトされ女給になる。

遂に万里さんが石井作品に登場!
輝美さんと同じ女給役ですが、輝美さんと違ってエピソードが多く、女給役の中心人物です。



今回の瀬戸麗子さんは役名もありませんでしたが、チャイナ服で登場しインパクトはありました。



麻薬密輸組織の本田(近衛敏明)と黒川(沖啓二)
近衛さんはいつものスケベ親父役で、万里さんを狙います。

沖さんは今回が石井作品初出演!
その後不慮の事故死をするまで、石井作品に関わります。
沖さんはサディスティックな役が多いのですが、初出演の役からそうでした。



張(大友純)
韓国の麻薬密輸組織ボス
大友さんは、その容姿から外国人役が多いのですが、今回は韓国人です。
三原さんとの麻薬取引の場面は見応えありました。



松原緑郎さんは、役名こそありませんが重要な役の殺し屋です。
あまり表情を出さないクールな役で、最後に吉田さんを庇って殺されます。

その時の吉田さんのセリフ
「俺が女だったらちょっと惚れるかもしれないな」
これは絶対に石井監督の脚本ですね。



実は三原さん、陳雲竜に麻薬を打たれた上情婦にされたのだった。
吉田さんへの愛情と、陳雲竜への恐怖心から、吉田さん愛飲の「アブサン」を飲んで、部下の鳴門洋二さんと踊ります。
※このシーンが名場面




すると、ロカビリー歌手役の浅見比呂志さんが歌いだします。

音譜今夜は死ぬほど酔いつぶれ

恐れもなく憂いもなく悔いもない

悪魔のキッス 地獄のクイーン

月の浜辺で寝転んで ミイラみたいに寝てしまえ音譜

一度聞いたら忘れられない歌詞です。
以前ブログに書きましたが、浅見さんはこの歌を大変気に入った様で、新東宝の他の作品はおろか、他所のテレビドラマでもこれを歌いました。



アブサンの強いアルコールで酔いが回った三原さんの脳裏に不気味な人物がビックリマーク



陳雲竜(天知茂)
ラスト間際に強烈なキャラの天知さんが登場!
一見「女王蜂の怒り」の剛田組長風ですが、インパクトが全然違います。
女給たちを物として扱い、吉田さんに味方した三原さんを容赦なく拷問しました。
登場時間は短いですが、天知さんが演じた屈指の悪役ですね。



最後は吉田さんと天知さんの対決!
実はこれが二人の最初で最後の対決になるのです。
この対決で、吉田さんを庇った三原さんが天知さんに撃たれ、その後天知さんは警察のサイレンを聞いて観念したのか「地獄の底からおめぇを呪ってやるぜ!」と言って海に飛び込み自決します。
このセリフも石井監督の脚本ですね。

あとがき
タイトルの女体渦巻島とか、対馬を東洋のカサブランカと言ったり、刺激的な文句を使っていますが、要は吉田さんと三原さんのメロドラマなんですね。
これが、新東宝テイストなんです。

新東宝の大蔵貢社長は度々作品に介入し、監督を差し置いて自らメガホンを取りましたが、石井監督はそれが嫌で、大蔵社長が介入(理解)出来ない作品作りを始めます。
それが石井監督の才能を高める結果となっていきました。

追記

浅見比呂志さんの歌と、三原葉子さんと鳴門洋二さんの踊りが映った動画のサイトが見つかりましたので、サイトのURLを貼っておきます。



http://corporalsteiner.tumblr.com/post/40389756611
今回紹介する作品は
1960年(昭和35年)新東宝
「黒線地帯」
石井輝男監督



あらすじ
秘密売春組織を追っていたトップ屋の町田広二(天知茂)は、組織の罠にはまり、売春婦殺しの濡れ衣を着せられてしまう。

新東宝「地帯(ライン)シリーズ」第二弾です。
主役が宇津井さんから天知さんへ交代したので、内容が、よりいかがわしい方向へシフトしています。
そして、石井監督が脚本に加わったからでしょうか、「くさいセリフ」が連発する作品になっています。



町田広二(天知茂)
組織の女(瀬戸麗子)を追跡する途中、秘密組織の連中に騙されたのも知らずに、連れ込み宿にのこのこ付いて行き、そこで眠り薬入りの水を飲まされ、気がついたら同じベッドに絞殺死体の女(瀬戸麗子)が横たわっていた。

始めは冴えないトップ屋の天知さん、組織に嵌められた時は激昂しましたが、追跡中二人の女性にモテてしまいます。

天知さんはスターになるのに手間取りましたが、実は仲間内の女優たちの間では一番人気だったのです。
しかし、会社の上層部は天知さんを認ないので出世が遅れたのです。
女優さんの目の方が正しかった訳ですね。



麻耶(三原葉子)
秘密組織の麻薬の運び屋だったが、天知さんが好きになり協力することになります。
色っぽいけど、若干脳天気で可愛いキャラが「地帯シリーズ」の三原葉子さんの定番です。



美沙子(三ツ矢歌子)
人形教室に通う高校生。しかし人形教室こそ秘密組織のカモフラージュで、知らずに麻薬の運び屋をしていたのです。
偶然天知さんと遭遇し、歌子さんの方が「マンハント」します。
実年齢が23歳の歌子さんが高校生なのは、どうなのかなと思いますが、石井監督のゴリ押しなのでしょうか。
しかし、この年に歌子さんは小野田嘉幹監督と結婚します。
そういう理由からか、黒線地帯が最後の石井監督作品出演となりました。



鳥井五郎(細川俊夫)
新聞記者で天知さんのライバル。
動かぬ証拠で自首を進めますが、天知さんの熱意に打たれて2日の猶予を与えます。
新東宝時代の細川さんは悪役か嫌味な役ばかりなんですが、「地帯シリーズ」ではいい人を演じます。



大沼麗子(瀬戸麗子)
パリ座の踊り子だが、実は秘密組織の売春婦でした。
清純派の瀬戸さんなのに、「地帯シリーズ」ではこんな役ばかりです。石井監督酷すぎる(泣)
しかも台詞は「あっ!」だけ、クレジットが出る所は逃げるシーンで、あとは死体でした(泣)



佐野兼子(魚住純子)
瀬戸さんを追う天知さんを呼び止めた占い師だが、実は天知さんを陥れる秘密組織の人間で薬中でした。
秘密組織には魚住さん以外に、吉田昌代さんや城実穂さん等が居て、女性が多いのが特徴です。
魚住さんのミステリアスな占い師役は良かったですが、その後天知さんに見つかり引っ叩かれた挙句、薬の禁断症状で苦しみます。



サブ(鳴門洋二)
秘密組織の人間だが、普段はポン引きです。
鳴門さんのポン引き役本当に上手いです。



夜の横浜を歩く天知さんと三原さん。
おどおどしている天知さんに、「ハマではこの方が自然なのよ」としなだれかかる三原さん。
しかし、三原さんはバスに接触して怪我をしてしまいます。



一人で調べる事になった天知さんだが、その後のストーリーは、さながら当時の風俗が楽しめる展開に…
先ずは当時あった「海軍キャバレー」
ホステス役は水上恵子さんで、ビールの事を「魚雷」と名付けていました。



いかがわしそうなキャバレーの女(山村邦子)
何とも言えない、いかがわしい雰囲気が最高!
ただ、口がきけないので、天知さんは「オシパン」と呼びました。



オカマバーのゲーボーイ(浅見比呂志)
石井監督は売り出し中の二枚目俳優にこんな事までさせます。



そして秘密組織のボス橘祐吉(大友純)
大友さんは後半に少し登場するだけですが、石井監督は大友さんをアップで写し、強烈なインパクトを残します。
大友さんへの天知さんのセリフが強烈!
「女たちの生き血を吸って豚の様に太っている男」
「その蛭のようなヌメヌメとした唇」
そして大友さんを叩きのめします。



殺し屋ジョー(宗方祐二)
殺し屋ジョーはボスを射殺し、組織を乗っ取ります。
今回の宗方さんは「猛吹雪の死闘」とは違ってかなりクールですね。



臨港線の貨車で、天知さんと宗方さんが対決するシーンは迫力満点です。

事件が解決したが、三原さんは刑務所に行く事になります。
三原さんの最後のセリフがまた良い!
天知さんに「あなたってチットも二枚目じゃない、でも死ぬまで一緒に暮らしたい顔ね」
「じゃ網走ホテル行ってこようかな」


あとがき
この当時の石井監督作品は、いかがわしさの中にお洒落な雰囲気がブレンドされて良いんですね。
晩年はいかがわしさだけになってしまうのですが。

そして渡辺宙明さんの音楽が最高!新東宝の「宙明サウンド」では「黒線地帯」の音楽が一番好きです。

前回から石井輝男監督の新東宝作品ですが、しばらく続きます。








今回紹介する作品は
1959年(昭和34年)新東宝
「猛吹雪の死闘」
石井輝男監督



あらすじ
粕谷五郎(宇津井健)は、学生時代にオリンピックに出場したことのあるスキーの名手だったが、フィアンセの千代子を雪崩で失って以来、山の遭難防止に挺身している。
ある日、都会の4人組が山越えの案内を粕谷に依頼して来たが…

厳冬期の蔵王で一か月に渡りロケを敢行した、石井輝男監督の山岳アクション物です。



粕谷五郎(宇津井健)
正義感のある山男で、この役も宇津井さんにうってつけですね。
しかし、石井監督のデビュー以来ほとんどの作品で主演を演じて来ましたが、これが最後の石井監督出演作品になりました。



桂千春(星輝美)
企画が佐川プロデューサーなので、また石井作品に出演です。
今回の輝美さんの役は、登山口にあるスキーハウス「麓」の娘千春で、一級の免状を貰ったら冬山の指導員になるつもりの女の子です。



スキーを担いで山小屋に行く宇津井さんと輝美さん。
まるで大人と子供ですが、翌年には二人が恋人になる作品があるんですね~
輝美さんのスキーシーンもありますが、本人は全然滑れなくて、地元の男の子の吹き替えだそうです。



そこへ、4人組が山越えの道案内を依頼します。
その4人組とは!?



双見昭子(三原葉子)
東京のクラブの女で、3人組に接待旅行の為に連れてこられたが、実は逃走のカモフラージュ要員だったのです。
三原さんは今回の役が石井監督作品初のヒロインで、その後石井監督が新東宝を去るまで、ずっとヒロインを続けます。
粕谷五郎のフィアンセ大塚千代子役も三原さんが演じます。



菅野欣也(菅原文太)
宝石強盗団の一人、それだけでは無く宝石を独り占めしようとしたり、仲間を崖から突き落したりして、悪辣の限りを尽くします。
新東宝時代の文太さん最大の悪役なんですが、実は文太さんの悪役は石井監督作品の三作品だけなんですよね。
この三作品がよく取り上げられるので、新東宝時代の文太さんは悪役が多いと思われていますね。



宝石強盗団ボス・大平剛(大友純)と峰山浩三(宗方祐二)
大友さんは石井作品には無くてはならない一人ですが、宗方さんも常連です。
この宝石強盗団は「網走帰り」なのがツボです。



向かいの座席は文太さんと三原さんでした。
この車内は何時も使われるセットです。



山小屋で三原さんに言い寄る文太さん
実は文太さんのキャラ設定というか台詞回しが変なのです。
粗っぽい要素もあれば、二枚目調というよりオネエ調に近い台詞もあったりします。

その後の石井監督作品には、唐突にオネエ調になるシーンがよくありますが、その先駆けなんでしょうか。
しかし、文太さんがこの演出を理解していない様で、なんかちぐはぐになってしまっています。
そのせいか、その後の文太さんは石井組から外されてしまいました。



鉄道シーンはC51形蒸気機関車
山形駅に到着するシーンです。



崖を登るサポートをする宇津井さん
このシーンが見せ場でして、文太さんが登る時に、三原さんがボスの大友さんを突き落としたと言い、「あんな男、殺してしまえばいい」と進言し、怒った宗方さんがナイフでザイルを切ろうとすると、宇津井さんはそれを振り払います。
その後の台詞「ザイルは切れないんだ、山の男の約束なんだ」
この台詞にジーンときましたね。
宇津井さんの俳優人生でも屈指の名セリフだと思います。



事件が解決して、蔵王山頂で先に逃げ出した輝美さんと喜びを分かち合う、宇津井さんと三原さん



最後に輝美さんのお気に入りの一シーン音譜

輝美さんは今回も石井監督によく怒られたそうですが、それよりも厳冬期の蔵王で一か月に渡ってロケした方が辛かったのです。
その訳は輝美さんは極度の寒がりなのです。
おそらく、輝美さんにとって最も辛い思い出だったでしょう。


文太さんの台詞回し等、一部でおかしな場面もありますが、猛吹雪の蔵王のアクションシーンは、後の「網走番外地」を彷彿させる所もあり、見ごたえある作品です。


「猛吹雪の死闘」予告編動画を貼っておきます。