今回MIC(地中海国際大会)で日本のチーム、FAROの監督をを1週間やらしていただきました。カテゴリーはアレビン(新小5、新小6)です。今回のチーム編成は日本人8人、スペイン人4人の合計12人で望みました。今回はどのようなオーガナイズをしたかについて書きたいと思います。
まず大きな目的はチームとして戦うことに設定しました。今回個人参加+スペイン人ということでお互いのことをよく知らないという状態だったからです。もちろん監督である自分自身も選手の特徴を知らない状態で望みました。次にカレンダーです。
月曜日・・・練習1時間、練習試合(25分×2本)
火曜日・・・練習1時間、練習試合(25分×2本)
水曜日・・・午後 試合(予選リーグ)
木曜日・・・午前1試合(予選リーグ)、午後1試合(予選リーグ)
スペイン人は水曜日から合流。月、火の練習及び、練習試合は日本人だけで望みました。まず自分自身のプランでは攻撃の戦術、守備の戦術をどうするかということを念頭に置きながら練習を開始しました。でも選手の全体のレベルがわからないようではその練習も組めないので初日の練習の目的はパスコースを常に作ることをテーマに練習を組み、その中でレベルにあった練習、試合での攻撃の戦術、守備の戦術に入っていこうと考えました。
練習前に選手に話したことはひとつだけ。グランドに入ったら集中して練習に取り組もうということだけ言いました。
初日の練習①4x4の手でのボール回し(20x20m)。5本回したら1点。どのようにサポートするかだけを選手に言う。→頭で返したら2点。いつ手で取り、いつ頭で返すかの判断を要求。
②対面パス、斜めのパス。ワンタッチ、2タッチとさまざまな条件を2分おきぐらいで変える→目的=技術+判断
③3x1のRONDO。とこの辺しかパスを出来ない。→パスコースを作る。自分でキープするとき(横にサポートがいない)とパスをするとき(横にサポートがいる)の判断を求める。
次に試合です。初日は1-3-1-2で望む。選手にはいつもやっているポジションを聞くが基本的に一人最低でも2個のポジションを試させる。前半はアドバイスなし。後半はサイドバックが持ったら同サイドののフォワードが開くことを要求。サイドバックはキーパーが持ったらパスコースがあるように開くことを要求。
監督としてみたらチームの約束事がない中でやっていたのでチームとしての成果は0に近かったが、選手の特性をつかむことが出来たので、初日の出来はよかったのではないかと思っていました。この時点で2日目のプランが見えてきました。では次回へ
各チーム、チームのスタイルがあるのは周知の通りです。バルセロナでサッカーを見ていると、よく起こる現象が対戦相手のレベルによって形が変わってくるということです。ではどういうパターンがあるか
1力があるチームvs 力が劣るチーム
2力が同等のチームvs力が同等のチーム

では1のケースの場合どのような展開になるか。当然力があるチームがボールを保持する時間が長くなります。一方ないチームのやらなくてはいけないことは相手チームのボールの動かし方をスカウティング。次に相手のビルドアップを戦術的に消しにかかります。ユースのチームで3部以上、ジュニアユースのチームでは2部以上のチームがしっかり対策を取れるレベルにあり、様々なシステムで相手のビルドアップを潰しにかかります。今年だけでバルサのようなシステムに対して対策の方法を少なくとも4つ見ることが出来ました。あるチームは4-4-2のボックス、4-3-1-2での対応。システム論は好きではありませんが、このような新しい対策をすることにより選手、監督ともにサッカーを学べることになるのではないかと思います。
習慣化というのは悪いことではありませんが、日々サッカーが進化しているということを認識しなければならないと思います。

久しぶりの更新です。

なぜ?

特に意味はありません。シーズン中は、いろんなことが起こるため、様々な準備や必要条項を満たしているうちに、時間が過ぎてしまうことがありません。バタバタ...というかバタ子さんですw

このブログでは、何度か『フットボールの原則』『フットボールの本質』という言葉を使わせていただいているのですが、今回のブログタイトル『暗黙知』もそれに近い表現です。

日本と海外の違いは、この『暗黙知の違い』にあるような気がします。

スペインの選手を見ていると、「ここでするべきプレー」「すべきでないプレー」がキッチリ分けられているような印象を受けます。

その基準が「試合に出る」「出ない」を分別し、「上のカテゴリーにいる」「いない」にもつながってきます。

クオリティーやポテンシャルもありますが、この『暗黙知』の違いが前提にあってこその個々の能力の話になってくるのではないでしょうか。



試合における局面、局面の判断。

判断は練習でこそ磨かれる。それはそうですが、例えばビッグマッチにおける判断など練習では培えないものだと個人的には考えています。

練習で作り出せない局面。

プレッシャーとか、雰囲気とか、その試合に賭けるからこそ発生するプレーインテンシティとか。

やっぱり、あると感じる。

シーズンを追うごとに、その実感は強くなる。


だからと言って、練習を疎かにするという意味ではありません。
ただイメージとか、経験を反復することの重要性とか、机上の理論に満足しない姿勢とか、そういうことが大切なんじゃないかと思うのです。


言うだけなら、何とでも言えると思うんですね。
それを現場で実践していくことは、別モノです。
言うは易し、行うは難し。その難さを理解しつつ、実現に向けて挑み続けるからこそ独自性(オリジナリティ)が生まれてくるんじゃないかな。


練習で作り出せない局面の経験値が蓄積して、暗黙知の違いになって現れる。


それは判断じゃないんだ。