西麻布 Bar RAKE 元店主 くまざわの Blog -17ページ目

ワインー9

皆さまこんにちは、備忘録その9。(17 10 1999)

1) 1997 Tint Crianza  Bodegas Condado de Haza 
2) 1997 Rosso di Montalcino Vigna della Fonte  Ciacci Piccolomini d'Aragona
3) 1997 Ch Trois Croix

4) 1996 Ch Leoville-Barton
5) 1995        〃
6) 1995 Ch Latour

今回も6種全て赤ワイン。前半3つがまま軽めのワインで後半3つがボルドーの有名シャトーのワインをテースティングします。

1)は前回登場の「コンダード デ アザ」のスタンダードキュベ。赤黒系果実とオレンジの香りに乳酸の優しい酸味が相乗して旨味を感じる、リベラ デル デュエロ産のワイン。テンプラニーリョ100%。2)はイタリア・トスカーナ地方のモンタルチーノ村にあるルネッサンス期にまでさかのぼる歴史を持ったエステートのもので、現所有者はジュセッペ・ビアンキーニ氏でエノロゴにロベルト・チプレッソ氏を起用しています。非常に評価の高い”ブルネッロ ディ モンタルチーノ”がこの生産者の白眉ですが、今回はロッソ ディ モンタルチーノという早飲み(若飲み?)のワインで、明るめのルビー色をしたエキス分のある、ジャミーな果実の旨味を感じるワインでした。ブルネッロ100%。3)はボルドー右岸のフロンサック村で3大シャトーと呼ばれている生産者のもので、所有者は元Chムートン醸造長のパトリック・レオン氏です。完熟フランボワーズの甘味と酸味にバニラやカカオの香り、清涼感のあるミディアム・フルボディーの、乳酸とフルーティな甘みが特徴のワイン。M80%、C F20%。

4)5)はメドック地区・サンジュリアン村にある2級格付け”シャトーレオヴィル-バルトン”のヴィンテージ違い。所有者のアンソニーバルトン氏は畑での冬の間の厳しい選定が重要と考え、ヴァンダンジュ・ヴェルト等の後になってからの収穫量調整になる作業をしません。そうして育てられたブドウを破砕する前にグランヴァン向けの最も優れたものを選別し、発酵中のマストから水分を除いて(昔からある技法でセニエといいます)新樽50%にて24ヶ月の熟成に入ります。4)はオレンジなどの甘いフルーツの香りに厚みのあるボディーで、アルコール分も高くパワフルな印象、5)にも豊かな果実味と柔らかな酸味に隠されたタンニンがありますが、もう少しミントや樽などの植物的な感じが出ています。オーナーは一般的に評価の高い4)よりバランスの良い5)の方がお気に入りで曰く「タンニンが和らぐまで時間のかかるヴィンテージはそれまでに果実味も失ってしまう心配がある」そうです。CS70%、M20%、CF8%、PV2%。

6)「ボルドー5大シャトーの中でも最も安定し、長命なワインを生み出す」といわれるシャトーラトゥールの1995年もの。ポーイヤック村南部のジロンド川に近い所に位置していて、その川のおかげで春の遅霜の被害を受けづらく、土壌は泥粘土の上を小石まじりの砂利が覆っていて熱を地中に保ちつつ水はけが良いので、一般的に不作の年でも良いワインが出来るといわれています。味わいはたっぷりした黒紫系フルーツ、ミルク、コーヒー、乾いた木、ナッツ、乳酸、などなど、濃い赤ワインに想像されるものが全て詰まっています。

ここまでで5大シャトーを3つテースティングしましたが、まだまだ細かな違いは理解できるはずも無く「ワインってスゴイなー」な段階でした。

ではまた、


くまざわ






ワインー8

皆さまこんにちは、備忘録その8。(19 9 1999)

1) 1995 Cote-Rotie Chateau d'Ampuis  E.Guigal
2) 1996 Cote-Rotie Rose Poupre  Pierre Gaillard

3) 1996 Trevallon Vin de Pays des Bouches du Rhone  DM de Trevallon
4) 1996 Alenza  Bodegas Condado de Haza

5) 1996 Hermitage  Jean-Louis Chave
6) 1995      〃

今回は6種全て赤。フランス・ローヌ地方の銘醸地の比較に南仏とスペインのあのワインを比べます。

1)と2)はローヌ地方のコートロティで、初回にテースティングした「ギガル」とそこの”元”醸造長の「ピエール ガイヤール」のものをテースティング。1)はこの1995年ものがファーストヴィンテージで1998年発売。平均樹齢が25~75年の6つの畑( La Pommiere, Pavillon, La Garde, Le Clos, LaGrande Plantee, La Moulin )から収穫されたブドウをブレンドして造られていて、新樽にて3年熟成したあとに瓶詰めします。黒い果実、ハーブにスパイス、ロースト香、ローヌ特有の檜っぽい感じも良く出ています。シラー95%+ヴィオニエ5%。2)はこの地で通称”ローズプープル”と呼ばれる区画(コート・ブリュンヌにあるランドンヌの上の場所)の樹齢50年以上のブドウから造られています。赤い果実メインで軽く黒い果実が混ざったやや酸の立つ味わいで、ハーブやスパイス感が特徴でした。新樽2つ古樽1つの3樽分だけ仕込まれ、14ヶ月の熟成後ブレンドして瓶詰め。生産量はたったの69ケース!ちなみにピエールさんがギガルの醸造長だったのは1992年までだそうです。Sy100%。

3)も初回に登場済みのトレヴァロンの1996年もの。ローヌ河下流の南仏プロヴァンス産でシラーブレンドという事で比較しやすい為、初回と同じような並びになっています。オーナーのデュルバック氏は1978年からワイン造りを始め、この地でこのセパージュのワインを造るきっかけとなったのは「プロヴァンスではカベルネ・ソービニオンとシラーが適している」と19世紀のブドウ栽培学者であるギュイヨ氏の書物の中にその記述を見つけたからだそうです。初期の頃は AOC ワインでしたが1995年に制定したワイン法で「この地区のワインにはカベルネ・ソービニオンを20%以上使用したものは AOC は与えない」となってしまい、それ以降は「クラスを落としてでも高品質なワインを造る」という信念のもとヴァンドペイのカテゴリーで販売されています。濃縮した黒系果実にバニラとなめし革の香り、ほんのりゴマっぽい香り(ルッコラ)もあって、深い余韻が印象的でした。CS60%+Sy40%。
4)も4回目に登場したスペインの生産者、アレハンドロ・フェルナンデス氏が所有するボデガで Haza と書いて「アザ」と読みます。この“アレンツァ”もリベラ・デル・デュエロ特産のテンプラニーリョ種を100%使用してアメリカンオークの新樽で2年間の熟成を経て瓶詰めされます。黒紫系果実、乳酸、木樽の甘さ、杉、鉛筆、ハーブ、腐葉土などの香りにしっとりした細かいタンニンが特徴でした。ブラインドテースティングではこのハーブっぽい香りが大切で、ボルドーワインのような香りとともにあるとテンプラニーリョを想像し、ブルゴーニュ(特にニュイサンジョルジュ)+ハーブやスパイスだとコートロティを連想します(あの巨大なワインは例外ですが)。

5)6)はコート・デュ・ローヌのもう一つの銘醸地であるエルミタージュ産のシラー種100%のワイン。生産者のシャーヴ家はフランスでも数少ない偉大な醸造家と呼ばれ、1481年以来ワインを造り続けている創業530年を超える旧家で、1856年のパリ万博でも優秀品に選ばれています。当主のジャン・ルイ氏の「エルミタージュはアサンブラージュ(調合)のワインである」という信念に基づき、土壌の異なる6~7区画の畑からのブドウをそれぞれ別々に醸造し、出来上がったワインをアサンブラージュしてシャーブならではの特徴を造り出しています。しっかりした赤黒系の果実味に高めの酸、黒砂糖、ユーカリ、インク、多量なタンニン。コートロティとはまた違ったシラーの味わいを感じさせてくれる素晴らしいワインです。また、特に偉大なブドウが収穫されれた年には特別に一つだけの区画からのワイン”キュヴェ・カトラン”という物凄いワインもリリースしています(ちなみにその区画は Les Bessards )。

この当時はテースティングのあとに頭を整理するため、他所のお店で一杯飲んで帰る様にしていたのですが、なにを飲んでも味がしなくって、結局「ビールが一番」という答えに至りました・・・。
もう、どれもこれも素晴らしいワインたちで味覚が疲れるんですよね~。良い経験を積ませて頂きました、ホントに。

では、

くまざわ






ワイン−7

皆さまこんにちは、備忘録その7(11 7 1999)。

1) 1995 Chablis G.C Valmur  DM Raveneau
2) 1995 Meursault Les Forges  Dominique Laurent

3) 1996 Gevrey Chambertin !er Lavaux Saint-Jaques  DM Claude Dugat
4) 1996 Gevrey Chambertin 1er Cazetiers Dominique Laurent

5) 1996 Mazis-Chambertin  G.C  DM Joseph Roty
6) 1996 Charmes-Chambertin G.C  DM Joseph Roty

今回は全てブルゴーニュで前2つが白、後ろ4つが赤。2本ずつ比べていって生産者や畑の格の違いを覚えます。

1)と2)はブルゴーニュの代表的な白ワインの産地である2つの村、シャブリのグランクリュ(特級)の”ヴァルミュール”とムルソーの村名の“レ・フォルジュ”をテースティング。1)の生産者「ドメーヌ ラヴノー」はこの地区の超有名生産者で、父フランソワからドメーヌを受け継いだベルナールとジャン-マリー兄弟によって長期熟成が可能な最高のシャブリを造り出しています。“ヴァルミュール”は”レ・クロ”と並び最上の評価を得ている畑で、しっかりした酸味と完熟ブドウからのトロみにバターやクリームなどの樽の効果に長い余韻が加わっています。特にこの’95は厚くて酸の旨味のあるヴィンテージだそうです。ちなみに以前登場した「ドーヴィサ」とは親戚で共に発酵・熟成にオーク樽を使っています。
2)は元々菓子職人だった「ドミニク ローラン」氏が1988年から始めたネゴシアンのもので(2005年?にドメーヌを立ち上げました)、1940年代のような伝統的なブルゴーニュ・ワインを目指し、手間とおカネを惜しまない徹底したワイン造りで一躍世界的に有名になりました。この“フォルジュ”はムルソーから小川をはさんでヴォルネイ側にあり、この村では数少ない南西向きの斜面で「鍛冶屋」の意味があります。まず白い花、バター、樽、イースト、開いてくるにつれてアプリコットやリンゴのフルーツとともにケーキの甘い卵チックな香りにコーヒーやバニラの香りが立ち上ってきます。滑らかでバターのような舌触りで多肉なフルーツの熟した酸味と渋みが特徴的でした。やっぱり元菓子職人が造るとあま~い香りのワインが出来るんでしょうか?ちなみにこのお方、いまだ物凄い体格してます。

3)と4)は前回登場のクロードデュガと
上記のドミニクローランでジュブレ-シャンベルタン村の1級畑対決。”ラヴォー サン ジャック”と”カズティエ”は、東を向いた特級の”シャンベルタン”や”クロドベーズ”の斜面とは別の、それより北にある南東向きの斜面でグランクリュに匹敵すると言われる高品質のワインを造り出しています。デュガはこのラヴォーでも持ち前の深長な造りで、刻みたばこやスパイスに動物的な香りが加わり、ロースト感が印象的な余韻の長いワイン。この終わらないアフターが特級と間違えちゃうんですよねー。コールドマセラシオン後に新樽100%で熟成させ、SO2なしのノンフィルターで瓶付め。4)はやっぱり甘いお菓子に十分熟したフルーツの香りが相乗し、ちょっと動物的でベーコンのような香りが特徴的でした。

5)6)は同一生産者&ヴィンテージで村も一緒のグランクリュ、”マジ”と”シャルム”のシャンベルタンをテースティング。この「ジョセフ ロティ」はアンリⅣ世の統治下の頃から続いているワイン造りの名家で、極めて高い樹齢の畑を大切にし、低い収穫量と遅い収穫によってもたらされる完熟したブドウを時間をかけて低温発酵させ、濃縮した強いワインを造っています。この“マジ-シャンベルタン”は1919年に植えられ、また”シャルム-シャンベルタン”は1881年に植えられた、
いまだに接ぎ木をしていない“プレ・フィロキセラ”の樹から造られます。5)はフランボワーズなど赤系果実と甘草の香りが中心で、6)はブルーベリーやダークチェリーなど紫系果実にスモーキーな感じが良く出ていました、両方に共通したところは熟した酸の旨味ですね。個人的には6)の方が好みでした。3)4)との決定的な違いは樽の使い方と余韻の長さ!

この「充分な酸味」が北部ブルゴーニュの持ち味なのかな?と気付きはじめた会でした。しかしまだまだ手探り状態でしたね~この頃は。

ではまた、


くまざわ