1月のサービスボトル | BAR white L(ホワイトエル)のブログ

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天神橋最南端のBARです。
「身近で温かいオーセンティック」
をコンセプトに下町のbar文化を発信していく所存です。
心地良く背筋を伸ばし、限りなく心に寄り添う。
white Lはそんなお店でありたい。

BAR white L
ほぼ無休 18時〜4時
大阪市北区天神橋1-10-9 2F

大阪の地下鉄と阪急・阪神電車は大晦日の終夜運転を実施しないそうな。
深夜12時の開門同時の大渋滞どうなるんやろか?
南森町駅〜天満宮が人で埋まる光景は、もう過去のモノやもしれません。
年越しは常にカウンター内、鈴木です。

今年もお世話になりました。
結局スタッフ決まらず年中無休営業復帰とはなりませんでしたが(そういや1ヶ月だけ復帰したな...)、皆様の支えの元、今日も変わらず看板を灯せます。
心より、ありがとう御座いました。

年末年始は1日元旦のみお休み。
御来店お待ちしております!

1月のサービスボトルを御紹介。



来年もやりますよ、「月のサービスボトル」!
当店の最大コストパフォーマンス企画です。
毎年一度は御案内する王道ブレンデッドスコッチウイスキーと、激レア&超絶クオリティのシェリー樽シングルモルトの二本立て!‼︎



ロイヤルサルート21年
¥1900/shot

酒屋、百貨店、空港免税店...etc、あらゆる場所で「高級スコッチウイスキー」代表銘柄として扱われる、ロイヤルサルート。
「バライン」「ジョニーウォーカー 」と共にブレンデッドスコッチ業界を牽引する「シーバスリーガル」がイギリス王室献上用に造り上げた一本です。

国際儀礼に「礼砲」なる儀式が御座いまして、公式式典や国賓を迎えた際に空砲が放たれます。
船と大砲を主力兵器とした時代、大砲は一度発射する度にメンテナンスが必要だった為、即連射は出来なかったそうな。
つまり一度火薬を込めて引き金を引くと暫く攻撃出来無い。
空砲でも火薬を使うので同じです。

その特性を逆手に取り、国賓を自国に迎える際、洋上に船を並べ一斉に空砲を撃ちました。
それは攻撃手段を放棄した事を意味し、歓迎の証とされたのです。

当時は制限無く何発も空砲を撃ったそうですが、コスト削減の為イギリス主導に発射数が決められ国際儀礼となった。
国賓の位に応じて数が異なり、閣僚級で17発、首相19発、そして天皇・国王・大統領では21発。
最大発射数21発の空砲は特に「皇礼砲」と呼ばれます。

流石に小銃に変わりましたが、この儀礼は現在も続いている。

ロイヤルサルートが何故「21」年熟成なのかお解り頂けたでしょうか?

1953年エリザベス女王戴冠式の際に発売された、21年熟成のブレンデッドウイスキー、ロイヤルサルート。
つまりこの一本はシーバスリーガルが女王に捧げる皇礼砲なのです。

そもそも「ロイヤルサルート」を和訳すると「皇(王)礼砲」ですから。

ロイヤルサルートは赤、青、緑の3種の陶器ボトルで販売され、納品される迄どのボトルが届くか分かりません。中身は同じです。これは女王の王冠に輝く、エメラルド、サファイア、ルビーに見立てデザインされた物で、何から何まで「ロイヤル」な存在なのです。

ロングモーンやストラスアイラを中心にブレンドされた甘くメローでリッチなテイストは、お手本の様なザ・スコッチウイスキー。
凛として気高い。正に王家の酒。

優雅な一時に酔いしれて下さい。

お次は素晴らしいシングルモルトウイスキーを!



グレンアラヒー2007 15年 オロロソシェリーパンチョン 58.2% 輿水清一セレクト
¥3600/shot

日本とスコットランドが誇る2人の天才ウイスキー職人の競演。
この一本は間違い無く歴史に残る、奇跡のシングルモルトウイスキー。
限定692本!

今日の『ジャパニーズウイスキー』の礎を築いたのはサントリーとニッカです。
日本にウイスキー文化を根付かせ、日本独自のウイスキーを造り、世界に広めた。
特にサントリーの「響」「山崎」「白州」はジャパニーズウイスキーの地位を世界最高水準を高めた立役者で、賛否あれどこれは事実(高め過ぎて現在入手困難)。
そんなサントリーのプレミアムウイスキーを創り上げた伝説のブレンダーが、輿水清一氏。
山梨県甲府市生まれ、山梨大学工学部発酵生産学科卒業。1973年サントリー入社、研究センターや山崎蒸留所で貯蔵・熟成・品質管理を担い90年代以降はブレンダーに従事。その後チーフブレンダーとして数々のウイスキーを生み出しました。
昨今の世界で称賛される「ジャパニーズウイスキー=高品質」のイメージは2000年以降に定着したモノですから、輿水氏の功績はサントリーのみならず日本のウイスキー全てにとって計り知れません。
常に味覚を保つ為、ブレンダーを務めた約20年間の昼食は毎日天ぷらうどんやったとか...。
正に『職人』!
2015年、ロンドンで日本人初のウイスキー界殿堂入りを果たしました。

そんな輿水氏が同じくウイスキー殿堂入りの天才「ビリーウォーカー」に会う為、昨年スコットランド・スペイサイド地方のグレンアラヒー蒸留所を訪れました。

近年までグレンドロナック+ベンリアック蒸溜所の責任者を務め、過去にはトバモリー・ブナハーブン・ディーンストン等の再興を担ったスコッチウイスキー業界の神様、ビリーウォーカー。
現在はグレンアラヒー蒸留所オーナーとして手腕を奮っています。
氏の携わる蒸溜所は例外無く「誠実で良心のある製法」「高い酒質」「適正価格」が保証される。
特にシェリー樽熟成のクオリティは圧倒的。
全てはビリーウォーカー自身のスコットランドとスコッチウイスキーへの愛が成せる技です。

グレンアラヒー蒸溜所とビリーウォーカーに関しては語り尽くせぬ想いが有りますので、下記過去ブログをご参照下さい↓↓

そしてこの一本は、ビリーウォーカーが造りし様々な原酒から、輿水氏が選び抜いた一樽のシングルモルトウイスキー。
2007年蒸留、オロロソシェリーパンチョン樽熟成、58.2%。
ウイスキー界に命を捧げた日英の天才の共闘がもたらす至高の逸品です。

オロロソ樽由来のレーズン・バニラ・ドライフルーツ・ダークチョコレートの甘美なフレーバー、15年熟成という絶妙な熟成はパワフルな酒精とアルコール度数以上の多彩なテイストを両立する。
そして不思議な程クリーンで爽やかな余韻が広がります。

なんと見事なウイスキーだろう。

スコッチウイスキーとジャパニーズウイスキーの理想を掛け合わした完成品。
地球半周を隔てた文化が融合し、全く破綻せず、全てが新しく、だが本質的。

2024年も素晴らしいウイスキーをお楽しみ下さい。