(薬剤師が教える)市販の胃薬の使い方
食べ過ぎ、飲みすぎてしまう方
胃が普段から弱い方
病院にすぐ受診できないけど胃が痛い方
ぜひ最後まで読んでいってください!
ご説明の前に
こんにちは!薬剤師のたかまるです。胃が痛くなることは年を重ねるごとに感じますよね。お正月や友人を招いたパーティー、会食などついつい普段食べないおいしい食べ物を満腹いっぱいに食べてしまいますね。そこで、胃もたれやお腹が張って苦しくなった時のために緊急対策として市販の胃薬を紹介と注意点を解説していきます。
棚いっぱいにありどれを選んでいいかわかりませんよね。結局、テレビCMで宣伝されている商品や店長おすすめ!のPOPがある商品を選んでしまう。悪いことではありませんが、知っておくことでお金の節約やより効果的な薬を選べるかもしれません。
胃薬の主な有効成分4つを知ろう!
胃は攻撃因子と防御因子で成り立っている攻撃因子とは、胃酸のことです。食事が胃に到達すると胃酸が分泌され、食物が分解されます。過剰になると胃自体を攻撃してしまうわけです。防御因子とは、胃の粘膜保護成分といいますが、胃を守ってくれる、胃の粘膜を修復してくれる成分を指します。そこで、胃薬は胃が持っている機能を助ける、補うことで胃症状の緩和をはかるわけです。胃薬の有効成分は主に4つに分類されます。
胃酸分泌を抑える成分
ガスターで有名ですね。胃症状の主な原因である胃酸の分泌を抑えてしまおうというものです。胃酸の過剰な分泌が胃を攻撃してしまい痛みがでてしまうためです。
胃酸を中和する成分(制酸薬)
過剰に分泌されてしまった胃酸を中和するものです。胃酸は酸性なので、アルカリ性の炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウムなどによって中和できるというわけです。高校の化学などで聞き覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
胃を保護する成分
胃は、胃酸や食べ物などで傷ついても修復する機能があります。その修復機能を助けることで食べ過ぎによる胃の荒れを軽減し、胃痛を防ぐのです。代表的な商品として、スクラートやセルベールがありますね。
スクラートは、有効成分のスクラルファートが配合されています。胃の荒れたところに貼りつき修復、胃酸からの保護をしてくれます。
セルベールは、有効成分のテプレノンが配合されています。医療用でもよくロキソニンなどの胃に負担をかける薬と一緒に処方されることがあります。胃の粘液の分泌を増やし胃を守ってくれます。
消化を助ける成分(消化酵素)
消化するのに胃腸で消化酵素が分泌されます。それと類似した消化酵素成分を補うことで消化を助けます。例えば、代表的なものとして、リパーゼAP12は脂質、ビオヂアスターゼはでんぷんやタンパク質の分解に関与します。
(番外編)胃のけいれんを和らげる成分(抗コリン薬)
ストレスや疲れ、緊張などで自律神経が乱れると胃の痛みを感じることがあります。
突然のキリキリキューッとした痛みの経験はありませんか?過剰な神経の乱れを和らげ痛みを和らげます。
(参考)結局どの薬がいいの?
胃薬と言えど、たくさんの商品があって何を選べばいいか困りますよね。結局、テレビCMでタレントさんが宣伝しているものを購入するなんて方も多いのではないでしょうか?そこで、選ぶ際のポイントを紹介します。
とにかく安い商品が良い方
あくまで食べ過ぎによる胃症状でお困りの方が使う用の中ですが、ドラッグストアのPB商品(ドラッグストアオリジナル商品)が最も安いです。有効成分の量や添加物など法律で規定されているものなので安心してお使いいただけます。日数は商品ごとに違うので値段も増減します。自分が必要な日数かどうか確認しましょう。または、比較的安いものとしてパンシロンGはおすすめです。定価20包入り605円(税込み)、48包入りで1,100円(税込み)です。
胸やけで眠れない、朝起きると酸っぱいのが上がってくる方
胃酸の分泌を抑えてくれるガスター10がおすすめです。約8時間効果が持続するため、就寝前に飲むことでぐっすり眠れ、朝もスッキリ起きれます。市販で胃酸の分泌を直接抑えられるのはガスターのみです。
軟便、便秘も気になる方
お酒の飲みすぎでお腹が緩くなった方いませんか。胃もたれやむかつきを緩和する有効成分に加えて、整腸作用がある乳酸菌のW作用が期待できる第一三共胃腸薬プラスがおすすめです。
漢方薬のみで配合されているものが良い方
大正漢方胃腸薬は漢方薬のみで構成されているので、漢方薬が効くって方はこちら一択かもしれませんね。漢方薬といえば粉薬のイメージが強いですが、錠剤タイプや内用液タイプもあるので剤形が選べるのはうれしいですね。リンクは飲みやすい錠剤タイプのものです。
最後に
いかがだったでしょうか?ドラッグストアにいる薬剤師・登録販売者に相談するのにも役立ちますのでぜひ参考にしてみてください。胃薬はご覧の通り有効成分も多く、多くのメーカーで販売しているので、どの薬が良いか悪いかと判断することはできません。なので、特徴的な商品を取り上げ解説しました。あくまで今回は食べ過ぎ飲みすぎによる胃症状に対する緊急対応をドラッグストアの製品で緩和する目的ですので、症状が続いたり我慢できないほどのものであればすぐに受診しましょう。