使用している用語についての詳細はこちら → 【 用語集 ( Acronyms, Abbreviations & Jargons ) 】
9月もその上旬が過ぎ、もちろんまだまだ日中は暑い日々が続いている中でも
朝晩は秋らしい非常に涼しい風を感じることのできる時期を迎え
ライオンズも2012年シーズンの120ゲームを終了し
ちょうど全日程の5/6を消化し、いよいよ泣いても笑っても残り1/6を残すだけの
最終順位が確定してくる最終盤戦に突入することとなりました。
ということで、シーズンの1/6を消化した24ゲーム終了時点、1/3を消化した48ゲーム終了時点、
シーズンの1/2を消化した72ゲーム終了時点、そしてシーズンの2/3を消化した96ゲーム終了時点で用いた手法を使い
シーズンの5/6消化時点での救援陣の成績を客観的なデータで振りかえると共に
またそのデータの推移をグラフを用いて示していき
“イメージ”として悪評のすっかり定着してしまったライオンズ救援陣について
果たしてそれは主観的なイメージだけではなく客観的なデータとしてもあらわれているのか、
またそうならば一体ライオンズのリリーフ陣のどの部分のデータが最も悪く
これから集中的に改善していくべきなのかを分析していければと思います。
( ※参照 : 2011年シーズン → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣 vol.4 & RECAP 】
2012年シーズン、24ゲーム消化時点 → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2012 vol.1 】
2012年シーズン、48ゲーム消化時点 → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2012 vol.2 】
2012年シーズン、72ゲーム消化時点 → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2012 vol.3 】
2012年シーズン、96ゲーム消化時点 → 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2012 vol.4 】 )
【 パ・リーグの各球団および平均データとの比較 】
まずはパ・リーグ5球団の成績と、またライオンズを含んだリーグ平均の成績、
そしてライオンズ全体・ライオンズ先発陣・ライオンズ救援陣の成績を
ひとつの表の中に様々な指標を使って表示し
その後グラフで2011年シーズンの最終実績 → 24ゲーム消化時点 → 48ゲーム消化時点
→ 72ゲーム消化時点 → 96ゲーム消化時点 → 120ゲーム消化時点 の順で
その推移を追っていきながら様々に分析していければと思います。
※なお、ライオンズ以外の他チームおよびリーグ平均のデータは
えるてんさんがプロ野球 ヌルデータ置き場にて集計なさったものを利用させていただきました。
この場を借りて心より御礼申し上げます。
それでは初めに9/9終了時点(=ライオンズ120ゲーム終了時点)での
各チーム、及びライオンズ先発陣/救援陣のデータを表にてご覧いただきたいと思います。
![$Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20120909Summary](https://stat.ameba.jp/user_images/20120910/21/ballgame-lover/08/ad/p/o0550028012181740887.png?caw=800)
そして続いて、視覚的にわかりやすく観ていただくために
順を追ってそれぞれのデータの推移を折れ線グラフにて観ていただきながら
多少分析を施していければと思います。
< ① WHIP >
まずは、1イニング消化(=3アウトを奪う)間に何個の安打+四球を奪われているかを表すWHIPから。
こう観ていくと改めて、様々な変動があったここまでの2012年シーズンであることが
本当によくわかるグラフの推移であると言えますが
この最終盤を迎えるにあたってホークス・そしてファイターズが
引き続きその値を良化させると共に
もちろんライオンズ全体としてもその値を順調に、継続して
良化させていくことに成功していることが観て取れます。
もちろん、ライオンズは特にシーズン序盤の、
その救援陣の突出して物足りない成績に大きく足を引っ張られ
残念ながら引き続き値自体は唯一1.30を超える
多少他のチームより多少悪い成績となっていますが
それでもその救援陣の成績の推移についてみると、
96ゲーム終了時点で魅せた0.1ポイント超の良化とまではいかないものの
今回もおおよそ0.05ポイントほどとある程度大きく
その成績を良化させていることは大きく歓迎すべき点であると言え
ここから最後の24ゲームにおいても、もちろん先発陣・救援陣ともに
その成績を順調に良化させ続けていってほしいと願います。
続いてWHIPで全体的に観た成績をもう少し
それぞれの細かい部分に分けて詳細に観ていきながら
ライオンズ救援陣のこの高いWHIPの中の、
一体どこに引き続き問題が潜んでいるか、そして
120ゲーム終了時点でそのWHIPを継続して良化させていくことに成功したのは
そのうちのどの部分が良化したからなのかを順を追ってひとつひとつ探っていきたいと思います。
< ② 被打率および被BABIP >
それでは、手始めに被打率およびそれに大きな影響を与える
インフィールドに飛んだ打球の被打率である、被BABIPを観ていきたいと思います。
被打率において、昨年リーグで唯一、突出して素晴らしい成績を収めたホークスが
シーズン中盤から継続してどんどんとその成績を良化させ
被BABIPについては昨年のような圧倒的な他チームとの差を誇っているわけでもないにも関わらず
ついには昨シーズンの成績に近づきつつあることは
その他の部分-つまり三振・四死球・本塁打のいずれかの部分で
ホークスが素晴らしい成績を残すことに成功したからであろうと推測でき
以下においても注目していきたい点だと言えますが
一方でライオンズの成績の推移に目を向けますと
こちらでもまったく上と同じように、シーズン序盤の、それも
特に救援陣の非常に物足りない成績に足を引っ張られ
値自体はまだまだ物足りない水準に留まり続けていますが
それでもここ最近は順調にその成績を
良化させていっていることは非常に大きく歓迎でき
最後の24ゲームについても救援陣、そして先発陣共に
その成績を引き続き良化させていってほしいと願います。
< ③ 被IsoDおよびBB/9 >
続いて、ライオンズリリーフ陣の改善点のひとつである
被出塁率-被打率で算出される被IsoDと
9イニング消化(27アウトを奪う)あたりの四球数であるBB/9を観ていきますと
こちらももちろんまだまだこれまでの悪い成績の蓄積が影響して
ライオンズリリーフ陣の数値自体はまだまだ大きく物足りないものであり続けていますが
その成績、特に1ゲーム=27アウトを奪う間に奪われる四球数(BB/9)を
継続して良化させることに成功したことは高く評価してよく
今後も是非継続して“四死球数”を減らしていくことを
明確にライオンズリリーフ陣の最優先課題のひとつに挙げ続けていきながら
その上で是非、まだまだどんどんと、
その成績を良化させていってほしいところですね。
< ④ 被IsoPおよびHR/9 >
続いて、こちらもライオンズリリーフ陣の改善点のひとつである
被長打率-被打率で算出される被IsoPと
9イニング消化(27アウトを奪う)あたり被本塁打数を示すHR/9を観ていきますと
ここではライオンズブルペン陣が
被IsoPについてはなんとか順調に、安定的に良化させていくことに成功しながらも
その一方で被本塁打率(HR/9)を上昇させていることは懸念材料で
長打自体はなんとかうまく抑えることに成功しながらも
終盤に一発の本塁打を浴びる可能性が高くなっていることは
もちろんのことながら即失点に結びつく非常に危険な本塁打を
今後の、最少得失点差の緊迫のゲームが続くことが大きく予測されるシーズン最終盤において
そのゲーム終盤に浴びる可能性も当然のことながら高まっているということですから
早急に対策を講じていってほしいと願います。
もちろん今後も変わることなく引き続き被長打をどんどんと減らしていきながら
その中でも特に被本塁打に留意し、シーズン終了時点に向けて
再度その値を良化させていってほしいと願います。
< ⑤ K/9、そしてFIP >
最後に、9イニング消化(27アウトを奪う)あたり奪三振数を表すK/9のデータを示すと共に
総括として、与四死球数・被本塁打数・奪三振数といった
100%投手陣が担うべき成績を防御率に似せて表したFIPという指標のデータを示します。
奪三振について観ていきますと
ライオンズ救援陣がこの部門についてはリーグでも非常に優秀な成績を残し
また今回9/9終了時点でその素晴らしい成績を更に良化させたことはどちらも非常に高く評価してよく
今後もシーズン終了時点に向けてどんどんと数多くの三振を奪っていってほしいと願います。
最後にFIPについて観ていきますと
その奪三振率の優秀さと、上で観てきた
(値自体は物足りない部類に入るものの)多少改善された四死球率の一方で
今回は被本塁打率が悪化したことで
ライオンズ救援陣のFIPは残念ながら良化することなく
物足りない水準でなんとか横ばいの成績に留まったと言え
今後ももちろん数多くの三振を奪っていき
それを是非ライオンズブルペン陣が誇る
ひとつの大きな、
代名詞といえるほどに定着した有名な特長にしていってほしいと願う共に
引き続き四死球を最低限度に抑え続けていきながら
課題として大きく浮上した被本塁打率についても再度、抑えていってほしいと願います。
< まとめ >
【 データで見るライオンズ・リリーフ陣2012 vol.2 】において
ライオンズ救援陣の改善すべき大きな課題として
四死球数および被長打数の多さという2点を挙げましたが
今回、シーズンの大部分、5/6を消化してくる時点においても前回に引き続き
もちろんシーズン序盤のあまりにも物足りない成績にまだまだ大きく足を引っ張られ続け
値自体は残念ながらまだまだ水準以下の物足りないものであり続けながらも
それでも安定して順調に、ある程度水準近くに近づいていく中で
それでもどちらをも改善させてくることに成功したこと、
更には奪三振数率については優秀な成績を維持したことは
非常に歓迎すべき、そしてとてもうれしい結果であると言えます。
但し2012年の最終順位が確定してくる非常に緊迫の、厳しいゲームの数々が続いてくる
この残り24ゲームというシーズンの最終盤を迎えるにあたって
一発で失点となる、それも走者を塁に置いた場面では大量失点につながる
被本塁打が増加傾向にあることは非常に大きな懸念材料といえ
この被本塁打率については最優先にその増加の原因とその対策を掘り下げていき
今後再度、良化させていってほしいと思います。
今シーズンもいよいよ後24ゲームを残すのみとなりましたが
このディフェンス面での様々な指標を観ていけばいくほど
ライオンズはディフェンス面では決してリーグ内で優秀な成績を誇るとは言えず
むしろどちらかといえばまだまだ物足りない成績であるといったほうがよく
今立派に首位争いを繰り広げることができているのも
ひとえに非常に優秀なオフェンスが数多くの得点を挙げ、
そのディフェンスを支えているからであると言え
今後ももちろん、これからシーズン最終盤戦を迎えていくにあたって
先発投手たちができるだけ数多くイニングを消化していきながら
その素晴らしい投球を魅せ、素晴らしい成績を残してくれると共に
更にライオンズ救援陣の成績が大きく改善していくことを
心より願いながら興味深く、追い続けていければと思います。
それでは、最後に9/9終了時点のライオンズ投手陣の生データおよび
そのライオンズ投手陣の分担イニングをそのまま9イニングに凝縮し
“モデルの試合”を構築しそれぞれの安打数、四死球数などの本数、個数を表示したデータ、
そして先発陣と救援陣の残してきた成績を比較しやすくするために
どちらも9イニングを先発陣だけ、もしくは救援陣だけで担当したと仮定した場合の
それぞれの安打数、四死球数などの平均本数、個数を表示したデータ、
更には9イニング内での先発陣と救援陣との27アウトの分担割合の推移を示したグラフを一挙に表示し
今回はこのあたりにして終了したいと思います。
次回はもちろん144ゲーム終了時点、つまりシーズンの全日程終了時点を予定しております。
![Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20120909RawData](https://stat.ameba.jp/user_images/20120910/21/ballgame-lover/b7/66/p/o0680048012181740889.png?caw=800)
![Peanuts & Crackerjack-LionsRelievers20120909Innings](https://stat.ameba.jp/user_images/20120910/21/ballgame-lover/a2/e9/p/o0410036012181733554.png?caw=800)